《2021年7月30日》
盛岡市立病院、つなぎ温泉観光協会を訪問・懇談
市議団とともに新型コロナへの対応状況を聞く
7月30日、盛岡市議団とともに、盛岡市立病院とつなぎ温泉観光協会を訪問し、新型コロナ感染への対応状況と課題について懇談、聞き取りを行いました。
新型コロナ対応で公立病院の役割発揮
盛岡市立病院では、加藤章信院長、佐藤直樹事務局長が対応しました。加藤院長は、新型コロナ感染症の対応で公立病院が果たしている役割を強調し、全国的に公立病院の病床数は約13%だが、新型コロナ患者の即応病床数で公立病院のシェアは約32%、人工呼吸器等使用の入院患者数は約565を占めていると指摘しました。盛岡市立病院では指定感染症病床8床ですが、4階病棟をコロナ専用病棟に転換し35床を確保して対応しています。これまでに受け入れた入院患者数は308人(7月末)で、昨年度が132人、今年度は176人、7月は46人となっています。現在の入院患者は16人です。
加藤院長は、昨年度の最初の感染者が7月末だったことから、院内感染が発生した青森県の病院での視察・研修など十分な準備をして対応することができたと話されました。また、医大の真瀬医師による県の入院調整がうまく機能していること。宿泊療養施設の患者に対する対応は盛岡医師会の医師が対応するなど病診連携がうまくいっていると話されました。
加藤院長は、新型コロナ感染への対応で公立病院が積極的な役割を果たしている中で、国は地域医療構想と医師の働き方改革、医師偏在対策の三位一体で公立病院の病床削減と統廃合を進めようとしていることについて危惧を表明しました。私は、新型コロナ感染対策では、公立病院の果たしている積極的役割、低い診療報酬のもとでの医療体制の脆弱化、医師・看護師等の不足が明らかとなっており、感染症対策の抜本的強化を含めて公的・公立病院の統廃合計画は撤回すべきものと話しました。
今後の課題として加藤院長は、@無症状患者が受診した場合の感染対策、A「コロナウイルスを持ち込まない、ひろげない」との立場で職員が行動制限を続けていること、BWi-Fiを入れてリモートでの面会ができるようにしていきたいと話されました。
6〜7月は例年の6〜8割の宿泊、県と盛岡市の支援で大きな効果
つなぎ温泉観光協会では、菊地善雄会長と佐々木史恵事務局長が対応しました。「菊地会長は、6〜7月は例年の6〜8割程度の宿泊で、県内客が約8割を占めるなど『いわて旅応援プロジェクト』や盛岡市の宿割の効果が大きかった。しかし、8月は本来稼ぎ時だが首都圏等全国的な感染の急拡大で県外客の見通しはなく、県の応援割も8月22日で終了すること、盛岡市の宿割も予算の関係ですでにホテルによっては終了しているなど支援が切れることが課題だ」と話されました。年内持ちこたえる新たな支援策が求められていると感じました。
東北デスティネーションキャンペーンに対応した取り組みでは、盛岡市の補助事業で伝統さんさ協議会(18団体)によるさんさ踊りがホテル紫苑で行われ、各ホテル・旅館からもマイクロバス等で参加する仕組みで、大変好評を博しているとのこと。伝統さんさ踊りの発表の機会としても重要な役割を果たしています。継続的な支援が必要です。
つなぎ温泉観光協会では、地元のつなぎ温泉病院と連携し、ホテル・旅館関連職員のワクチン接種にも取り組んできました。これまでに250人がワクチン接種を行いましたが、盛岡市へのワクチンの供給が大幅に削減されたことから中断しているとのことで、残念なことです。ホテル・旅館の関連業者はすそ野が広く、地域経済と雇用の確保の立場からも支援の強化が必要と感じてきました。
《2021年7月30日》
民青同盟が岩手大学学長にコロナ禍での学生支援を求める要請
7月30日、民青同盟岩手県委員会は、小川智岩手大学学長宛に「新型コロナウイルスに関連した学生支援を求める要望書」を提出しました。村山哲文県委員長、学生同盟員2名が参加し、私も同席しました。岩手大学からは喜多一美副学長(教育・学生・IR担当理事)、山口敬一学務部長、橋潤学務部学生支援課長が応対しました。
はじめに村山県委員長から、県同盟として4月から取り組んできた食料支援「ほっとまんぷくプロジェクト」の取り組みを通じてつかんできた学生の実態を紹介し、「特に経済的困窮が深刻化している。大学としてこの実態を受け止め、学生への支援を拡充してほしい」と申入れの趣旨を説明しました。
喜多副学長は、「取り組みに感謝する。頂いた要請項目については、大学としてできる対策はできる限り取っている」と応じ、大学独自の支援として行っている「生活支援事業」や「100円食堂」などの取り組みを紹介し、要請項目ごとに回答しました。
生理用品の配備については「盛岡市の事業に連携し、事業の周知ポスターは全トイレに掲示している。生理用品の配置は学生アンケートも取りながら最適な形を検討している」と答えました。
様々な学生支援制度の周知やアルバイト情報の公開、就職支援等については「本学としても様々な取り組みを行い、周知もしているが学生がどれだけ自ら情報を取得しようとするかが課題」と述べました。
オンライン授業の改善については「課題が多い等の声は承知しているが、学生の本分は学業。技術的なトラブルも少ない」と回答しました。
参加した学生は「自分もバイトが見つからず、食料支援を利用した。ボランティアして参加し、困っているのは自分だけではないと安心感を感じたが、それは本来感じてはいけない安心感だと思う。学生の実態を改善してほしい」、「特にトイレに生理用品を配備してほしい。大学としてアンケートを取って設置を検討しているなど思ったより動いてくれていると知って少し安心した」と感想を語りました。
《2021年7月24日》
コロナ感染急拡大の下での東京五輪中止を求める宣伝
岩渕友参議院議員、吉田恭子1区予定候補とともに
7月24日、盛岡市入りした岩渕友参院議員とともに、コロナ感染急拡大の下での東京五輪中止を求める宣伝をJR盛岡駅前で行いました。
岩渕氏は、五輪開会式が行われた国立競技場周辺に多くの人が集まるなど、「安全・安心の五輪」は破綻していると指摘。感染リスクの高まりから国民の命を守るために、立場の違いを超えて「五輪中止、コロナ対策に集中を」の世論を広げようと呼びかけました。
吉田恭子衆院岩手1区予定候補は、対話した県民からも「復興五輪はどこへいった」と怒りの声が上がっていると述べました。
「中止だ中止」と書いたTシャツを着た盛岡市の男性(62)=牧師=は「五輪はすぐやめるべきだ。国民の命が後回しにされている。コロナで選手も最高の競技ができないと思う」と話しました。
志位和夫委員長が発表した声明「『五輪より命が大切』の立場にたち、中止の決断を求め続ける」は以下のリンクよりご覧いただけます。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-07-23/2021072301_01_0.html
《2021年7月12日》
岩手県農民連が果樹凍霜害への支援を求める要請
7月12日、岩手県農民連は達増拓也知事にたいし、深刻な果樹凍霜害への支援を求める要請を行い、県議団も同席。佐藤骰_農林水産部長らが応対しました。
県内では、4月に続いた低温や霜でリンゴの花が大きな被害を受け、収量減や品質低下が懸念されています。久保田彰孝会長は、果樹農家が農業から撤退しないように支援をしてほしいと強調。◇実態を把握し、支援策を明らかにする◇被害を受けた農家に肥料代などの掛かり増し経費を支援する◇多くの果樹農家の収入減が避けられない中、営農の運転資金の融資を行う◇相談窓口を設置する―ことを求めました。
花巻市のリンゴ農家の男性は、「霜で中心果が全滅し、側果も2個ほどしか残らなかった。6月に降った雹が追い打ちをかけて、このままでは年を越せなくなる」と訴えました。
佐藤農林水産部長は、「20市町村で3.7億円の被害を確認した。県の農作物災害復旧対策事業に基づいて、掛かり増し経費を支援する制度を検討している。お盆前には示したい」と答えました。
久保田会長は要請後、「果樹農家にとって減収補填制度はどうしても必要だ。国にも声をあげていきたい」と話しました。
《2021年7月12日》
新婦人県本部が「生理の貧困」問題で教育長に要請
7月12日、新日本婦人岩手県本部の皆さんは達増拓也知事と佐藤博教育長にたいし、「コロナ禍の下で学校が児童・生徒・学生に生理用品を配布(配備)し、相談環境を整備する」ことを求める要請を行いました。3人の県議団と吉田恭子衆院1区予定候補が同席しました。
渋谷靖子会長は、コロナ禍で家庭の経済状況が悪化し、生活必需品の生理用品を購入できない事例が県内でも起きていると強調。子どもたちが安心して学校へ通い、健康で衛生的な生活を遅れるように、◇女子トイレへの返却不要の生理用品の設置◇生理用ショーツの配布◇生理や心と体の悩みを気兼ねなく相談できる環境の整備―など4項目を求めました。
参加した子育て世代の会員からも、「子どもが生理用品を学校の保健室まで借りに行くのは、敷居が高すぎる。すぐ使えるトイレに常備を」「盛岡市内の小学校で生理用品借りたら、2倍にして返さなければならなかった」との声が出されました。
佐藤教育長は、「生徒が安心して使えるように配慮することは必要。生理用品を提供する事業については、環境生活部で事業化しているので相談したい」と回答。また、文科省の通達で、生理用品の返却は求められていないことも説明しました。
《2021年7月12日》
新型コロナワクチンの早期・確実な接種について申し入れ
「ワクチン接種を加速化させてきた中での供給減に危機感」
7月12日、日本共産党岩手県委員会と県議団は達増拓也知事に対し、新型コロナワクチンの早期・確実な接種を求める申し入れを行いました。吉田恭子衆院岩手1区予定候補も参加し、野原勝保健福祉部長、八重樫幸治理事らが応対しました。
県内では盛岡市の繁華街の感染は減りましたが、県中部保健所管内を中心に感染が急拡大。7月にはデルタ株も検出され、新たに警戒を要する事態です。
7月以降に国からのワクチン供給が大幅に減り、市町村や医療機関では接種予約の停止・延期など大混乱が起きていると指摘。64歳以下の接種開始を含めて接種が本格化するなかで、ワクチン供給の急減は大問題だと述べました。
11月末までの接種終了に向けて、政府にワクチンの具体的な供給計画を明らかにさせるべきだと強調。▽市町村の接種状況を把握し、支援を強める▽県実施の集団接種が継続できるようにワクチンを確保する▽職域接種で申請した25団体の接種が承認されるように、国に求める―ことも提起しました。
野原部長は「医師会と連携しワクチン接種を加速化させてきた中で、供給が大幅に減少したことに危機感を持っている。申し入れを踏まえて、国にワクチン供給計画の見通しを求めていく」と答えました。
申し入れ全文は「政策と活動」をご覧ください。
《2021年7月4日》
いわて復興未来塾・沿岸報告会開かれる
三陸鉄道の震災学習列車と事例報告会
7月4日、いわて復興未来塾・沿岸報告会(主催:いわて未来づくり機構、併催:いわて三陸復興フォーラム)が開かれ、私も参加してきました。岩手大学の学生約20人も参加しました。
朝7時50分に県庁前をバスで出発し、釜石市鵜住居駅に到着。10時20分発の震災学習列車2両に乗り込み、三陸鉄道の山野目真さん(三鉄運行本部旅客営業課長)らから宮古駅までの80分間、三陸鉄道の復旧の取り組みと鉄道沿線の復興状況について説明を聞きました。釜石市で最も被害が大きかった鵜住居では、中学生が小学生を連れて高台への避難を行い助かったこと。県内の学校にいた児童生徒に犠牲者がなかったことを説明。大槌町では県内で水門閉鎖のために48人の消防団員が犠牲となったことから大槌川等にかかる自動閉鎖装置の水門が整備されたこと。山田町では標高14.5mにあった船越小学校が津波の被害を受け、標高30mの高台に再建されたことなどを話されました。三陸鉄道の再建ではいち早く動ける路線から無料で再開させ、早期の再建方針を決定し、3年間で復興したこと。JR山田線(釜石〜宮古間)については、JR東日本が赤字路線であることを理由にBRTを提案するなど再建が遅れ、鉄路を守れの声に押されて8年後に再建され、三陸鉄道に一貫経営することになったこと。その後も台風10号、台風19号災害で大きな被害を受け、昨年からは新型コロナ危機の影響も受けているが、震災学習列車を含め新たな旅行商品と地元の産品などの商品開発に取り組んでいると話されました。
宮古市地域創生センターで事例報告会
午後からは、宮古市地域創生センターで事例報告会が行われました。達増拓也知事が主催者あいさつし、3人の方々が報告しました。
間瀬慶蔵氏(株式会社尾半ホールディングス代表取締役社長)は、震災当時はスーパーマーケットの店長で最近社長に就任したと話されましたが、町内2店舗とガソリンスタンド、水産加工場など全てを失う壊滅的な被害を受けた直後に再建を決意し、震災4日後にテントでの食料品販売を開始。1ヶ月半後には旧県立山田病院内に仮店舗を設置、一度解雇した従業員の再雇用を行い、8月には「びはんストアプラザ店」を再建させたことを報告。その後、2016年11月には、山田町の駅前を中心にしたまちなか再生計画を受けて中心商業施設として「びはんストアオール店」に移転し、水産加工場、ガソリンスタンドも再建、元の場所にはコンビニも出店しています。
会社・事業の再建で困ったこと、現在困っていることについては、震災の時には33歳で会社法や制度・仕組みについてよくわからず勉強しながらやってきたこと。グループ補助金や水産関係の8分の7補助の制度に助けられたが、まだ終わっていない問題があること。現在の課題では、人の確保ができないこと。平地の6〜7割の活用が決まっていないことをあげました。
山根千春さん(浄土ヶ浜旅館・味処海舟女将)は、三陸鉄道の一環運行や三陸沿岸道路の開通など交通ネットワークの環境変化に対応した取り組みが必要と強調し、宮古海戦やウクレレによる社会貢献活動など地元の歴史や資源を生かした取り組み、他業者との共同の取り組みで宮古特性弁当「和結〜なごみ」や「瓶ドン」の取り組みを紹介しました。こうした取り組みと独自の動画配信などで楽天トラベルシティ・ビジネス部門で、お客様の声対象、楽天朝ごはんフェスティバルでは全国1位と表彰されるなどの評価を得ています。コロナ禍のもとで、薄利多売から高利小売りに転換を図り、量から質への転換で体験による付加価値は必須と強調しました。
佐々木勝利氏(宮古市産業振興部水産課長)は、主要魚種の水揚げ減少が続く中で、トラウトサーモンの海面養殖調査事業に取り組んできたことを報告しました。トラウトは銀ザケより単価が高く、刺身商材としても人気があり、加工に向いていること。市内にある国立研究開発法人水産研究・教育機構水産技術研究所などから指導を受けることができることがトラウトを選定した理由と述べました。実施主体は宮古市で宮古漁協に業務委託、日清丸紅飼料株式会社が協力しています。昨年度の実績は水揚げ量で50tの目標を上回り、水揚げ金額も目標を上回ったとのこと。今年度は100トンの生産をめざしています。また、「ホシガレイ」の陸上養殖調査事業にも取り組んでいると報告されました。
震災11年目を迎え、復興の途上で新型コロナ禍の新たな困難に直面する中で、様々な努力と取り組みが報告され、勉強になりました。
《2021年7月2日》
県立高校再編計画後期計画―地元の声を踏まえ見直しを
文教委員会で質疑に立つ
7月2日、県議会文教委員会で質疑に立ち、県立高校再編計画後期計画(2021〜2025年度)について取り上げました。
同計画の最終案に対しては、高校再編の統合対象となった3つの地域から強い反対の声や住民説明会の開催を求める要望が出され、県教委は2020年度内の策定見送りを表明。4月以降に4つの地域で住民説明会を開催したものの、5月24日の教育委員会臨時会で最終案通り統合計画を決定しました。
私は、一戸高校との統合が計画されている福岡工業高校について、住民説明会では二戸市教育長や副市長らが発言し、ほとんどの方が計画に反対であり同校の単独での存続を求めたこと、また福岡工業高校は全国トップクラスの資格取得の実績があり今年度の入学者数は2学級で57名と3学級の一戸高校よりも多い点などを指摘。さらに、高校存続を願う地元の努力によって遠野高校と遠野緑峰高校の統合計画が撤回された事例も紹介し、来年度も同規模の入学者が確保されるなら、福岡工業高校は2学級で存続し一戸高校との統合を見直すべきだと迫りました。
佐藤博教育長は、「入学者の動向等、これも注視する必要は当然あると思います。そういったことを踏まえながら、慎重に判断しながら対応していくことは求められると思います」と答えました。
文教委員会での質疑の大要は「議会報告」をご覧ください。