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《2021年12月22日》
県内全市町村が県の補助活用し「生活困窮者冬季特別対策事業」を実施

 12月22日までに、コロナ禍と灯油高騰で住民の生活が脅かされる中、岩手県の全33市町村が県の補助を活用した「生活困窮者冬季特別対策事業」を行うことがわかりました。
 同事業では、市町村が生活困窮世帯の負担軽減へ光熱費や防寒用具費等を助成します。対象は住民税非課税の高齢者・障害者・ひとり親世帯と生活保護世帯で、首長が支援を必要と認める世帯です。
 1世帯当たり助成額は多い順に、平泉町が15000円、九戸村が12000円、普代村、軽米町、野田村が1万円、岩泉町が1万円(生活保護世帯には8000円)、宮古市、一戸町が6000円となっています。盛岡市など25市町村は5000円です。
 県の同事業費補助の補正予算2億5764万円は、12月8日の県議会最終本会議で可決。県の市町村への補助額は、◇市町村が福祉灯油の実施に使った経費の2分の1◇市町村が助成した世帯数に1世帯あたりの基準額(5000円)を乗じて得た額の2分の1―のいずれか低い方になります。
 昨年まで実施した被災地福祉灯油を全県に広げて生活困窮者を支援するもので、極めて重要な施策です。


《2021年12月14日》
岩手県母親大会連絡会が知事要請
県立病院医師確保、部活動から暴力根絶を


 12月14日、岩手県母親大会連絡会(鈴木まき子会長)は、達増拓也知事に対して、第66回県母親大会(11月13日)の決議・宣言に基づく15項目の要請を行いました。日本共産党県議団が同席し、菊池哲副知事が応対しました。
 重点項目として鈴木氏は、県立病院の産婦人科医師の養成・確保に今まで以上に取り組み、10月から分娩取り扱いを中止した県立釜石病院の分娩再開をめざすなど、医療体制を拡充してほしいと要求。また、県立高校の男子バレー部員が教員のパワハラ・暴力を受けて自殺した事件を繰り返さないように、県として「部活動暴力根絶宣言」をあげるべきだと強調しました。
 釜石市から来た参加者は、県議会が「沿岸地域での県立病院の医師確保による機能充実を求める請願」を採択したのはよかったが、県立釜石病院の分娩中止は解決されていないと発言。脳神経外科や循環器内科の医師も減り、救急患者は県立大船渡病院(大船渡市)などへ搬送されていると述べました。
 自殺したバレー部員と息子が同級生だった参加者は、部員の両親からの手紙を持参し、涙ながらに紹介。「知事にも読んでほしい」と手紙を渡しました。


《2021年12月13日》
2022年度岩手県予算に関する申し入れを行う
達増知事「大いに参考にさせていただきたい」


 12月13日、日本共産党岩手県委員会と県議団は、達増拓也知事にたいし、2022年度岩手県予算に関する申し入れを行いました。「新型コロナ対策」「東日本大震災津波からの復興」「県民の命とくらしを守る新たな県政めざして」―の三部構成です。
 菅原県委員長は、岸田政権は国民の願いに背を向け、新たな大軍拡を狙っていると批判。県民の命とくらしを守る県政の役割は、ますます重要だと述べました。
 申し入れでは、感染再拡大防止へ、3回目のワクチン接種を前倒しで進め、「ワクチン・検査パッケージ」無料検査の対象者や期限を拡充するべきだと強調。病床とともに、医師・看護師の確保を求めました。
 10年9ヶ月余が経過した東日本大震災津波からの復興の課題では、災害公営住宅で孤独死が増え続けており、「心のケア」対策の継続、「いわて被災者支援センター」の体制強化、集会所への生活支援相談員配置は欠かせないと訴えました。
 総選挙でも争点となった気候危機打開では、知事を本部長にした県の体制構築を図るべきと強調。ジェンダー平等施策では、同性パートナーシップ制度の導入を提起しました。
 さらに、憲法9条改憲反対やオスプレイ飛行訓練中止も求めました。
 達増知事は、「重要なテーマに関して取りまとめていただき御礼を申し上げます。各施策については大いに参考にさせていただきたいと思います。コロナ対策からそうですが、現場に寄り添った施策を求めていかなければならないと考えておりますので、県の予算の準備もそうですけれども、国に対してもしっかり言うべきことを言っていきたいと思います」と述べました。

 申し入れの全文は「政策と活動」をご覧ください。


《2021年12月12日》
県内でオスプレイ目撃急増―襲う轟音 住民「怖い」
日米共同訓練は直ちに中止を


 岩手山演習場などを使った日米共同訓練(12月4〜17日)が実施されて以降。岩手県ではオスプレイの低空飛行訓練の目撃情報が急増しています。
 小岩井農場に近い雫石町長山極楽野では、4日午前10時20分すぎ、上空で激しい飛行訓練を繰り返すオスプレイ2機が目撃されました。住民が動画を撮影し、SNSへ投稿しました。
 雫石町西根に住む佐々木昌広さんも、自宅にいた4日午前8時26分ごろと、同午前10時台に航空機の轟音を聞きました。その時はすぐ外へ出られず、機体を確認できませんでした。同日夜また、「ゴオン、ゴオン」という音が2回鳴り、気になった佐々木さんは極楽野の人の動画を探して視聴。「あれはオスプレイの飛行訓練だったのか」と確信しました。佐々木さんは「たぶん、また飛んでくる」と警戒し、10日午前9時25分頃、家で爆音を聞くと、すぐ外へ出て撮影。オスプレイ2機が南へ向かっている姿をとらえました。
 この情報を知った岩手県平和委員会のメンバーは同日昼、雫石町へ急行。佐々木さんから詳しい状況を聞き取り、極楽野に住む知人らを訪問しました。家の離れで食事をしていた68歳の女性は「確かに今日(10日)9時半くらいに爆音を聞きました」と証言。米軍F16戦闘機が青森県深浦町に燃料タンクを投棄した事故(11月30日)も知っており、「オスプレイが飛ぶのは怖い」と顔を曇らせました。
 岩手県はホームページで「9日午後1時10分から40分ごろ岩手山演習場でオスプレイ2機が離着陸をした」と発表(東北防衛局からの連絡を受けて10日午前に更新)。県によると、同演習場での離着陸確認は8日に続いて2回目です。県は、「オスプレイが10日も岩手山演習場に飛来予定(機体数やルートは不明)」と予告もしていました。
 佐々木さんや極楽野の女性の証言は、10日午前9時台にオスプレイが飛行した事実を裏付けています。
 日本共産党岩手県委員会には、紫波町、軽米町、一関市などからもオスプレイの目撃情報が寄せられています。
 岩手県平和委員会の菅野宗二副会長は、「住民が日常生活を送っている上空で、オスプレイが飛行訓練を続けるのは許せない。日米共同訓練は直ちに中止を」と話しています。

(2021年12月12日付「しんぶん赤旗」掲載記事)


《2021年12月9日》
3団体がオスプレイ飛行訓練中止を緊急要請
県内で初めて離着陸―目撃情報も相次ぐ


 12月9日、憲法改悪反対岩手県共同センター、岩手県革新懇、岩手県平和委員会は達増拓也知事に対して、岩手山演習場(滝沢市と八幡平市)などでの日米共同訓練(4〜17日)へのオスプレイ参加の中止を求める緊急要請を行いました。
 3団体の代表らが県庁を訪れ、戸舘弘幸復興防災部長が応対。私も同席しました。
 県内では、雫石町の上空で激しい低空飛行訓練を繰り返していたオスプレイの動画(4日午前)が投稿されるなど、県民からの目撃情報が増えています。
 共同センターの金野耕治事務局長は、事故を起こす危険性が極めて高いオスプレイが爆音を響かせて飛び回るのは、到底許されないと指摘。米軍F16戦闘機が青森県深浦町へタンクを投棄した事故(11月30日)は、岩手県民にも衝撃を与えていると述べました。
 その上で、▽今回の日米共同訓練は憲法9条の理念に反する大掛かりな戦争訓練であり、中止を求める▽県の要請や県民感情を無視したオスプレイ飛行訓練の中止を迫るーことを国に働きかけてほしいと強調しました。
 戸舘部長は、11月15日に東北防衛局へ訓練内容や安全性の説明を求め、6日にも要請したと答えました。

 県内では、8日にオスプレイが岩手山演習場に初めて離着陸を行いました。住民には一切何の情報も示されず、欠陥機のオスプレイが県内上空を飛行しています。到底許されることではありません。
 オスプレイの目撃情報などありましたら、お寄せください。


《2021年12月8日》
最終本会議でコロナ対策にかかる追加補正予算を可決
いわて旅応援プロジェクトを来年1月末まで継続


 12月8日、12月定例県議会最終本会議で、新型コロナ感染症対策の追加補正予算案(約37億円)を全会一致で可決しました。
 経済活動を支える取り組みでは、県民の県内旅行の宿泊代金割引等をする「いわて旅応援プロジェクト」(12月末宿泊分で終了)を来年1月末まで延長。その経費として、約8億1700万円を増額しました。
 割引の対象を県内在住者に加えて近隣の青森・秋田・宮城の3県へ拡大(12月11日〜)。ツアーの県外客を対象にした県産品のプレゼントもします。
 感染拡大防止関連では、「ワクチン・検査パッケージ定着促進等事業費」に約23億5100万円を盛り込みました。
 健康上の理由でワクチンを接種できない人が、陰性証明で行動制限を緩和する「ワクチン・検査パッケージ」を利用するのに必要な検査を無料で実施(来年3月まで)。感染拡大傾向が見られる場合に、感染の不安を感じる人が受ける検査も無料となります。どちらも検査を行う薬局等へ県が補助をします。
 コロナで県民の生活が脅かされるなか、県が県議会最終日に追加補正予算を提案した姿勢を高く評価するものです。

 最終本会議での議案に対する質疑の大要は「議会報告」をご覧ください。


《2021年12月3日》
12月定例県議会で高田県議が一般質問に立つ

 12月3日、12月定例県議会本会議で一般質問に立った高田一郎県議は、新型コロナ感染対策や東日本大震災津波からの復興の課題などを取り上げました。
 高田氏は、コロナの感染伝播が継続しており、今後は3回目のワクチンの確実な接種が重要だと強調。2回目までの職域接種では県が1000人以下の事業者に対応したが、3回目も取り組むべきだと求めました。県側は3回目の実施に前向きな考えを示しました。
 高田氏はまた、コロナ後遺症患者が全国で増え、他県では現状把握や支援に乗り出す自治体があり、岩手も対策を取ってほしいと要望。県側は「後遺症の実態調査を検討している」と答弁しました。
 高田氏は、宮城県南三陸町は災害公営住宅に10人の支援員を配置し、見守りや交流活動などをしていると紹介。岩手も50世帯以上の災害公営住宅に生活支援相談員を配置すべきだと述べました。
 高田氏はさらに、総選挙後に9条改憲の新たな動きが起きているが、軍事対軍事では東アジアの平和に逆流と危険をつくり出すと語り、「知事の見解を伺いたい」と質問。達増拓也知事は「総選挙で改憲が争点になったとは考えにくい。民意を尊重せずに憲法9条を改定すべきではない」と答えました。


《2021年12月1日》
12月県議会に県民から提出された請願に県議団が紹介議員に

 12月1日、五日市王県議会議長にたいし、県民から切実な請願が提出され、県議団が紹介議員として署名しました。

介護保険施設における補足給付見直しの中止を求める請願

 いわての介護を良くする会は、「介護保険施設における補足給付見直しの中止を求める請願」を提出しました。8月1日より介護保険施設を利用している低所得者の食費・居住費の負担を軽減する「補足給付」制度が見直され、施設利用料の食費負担が倍増するなど、今回の見直しにより、入所やショートステイの利用を続けることができなくなるなど、深刻な事態が起きています。
 補足給付は、2005年10月に介護保険の施設入所やショートステイの食費・居住費が全額自己負担となった際に、低所得者の利用料負担を軽減する制度として導入されました。補足給付の対象者は住民非課税世帯の低所得者です。8月から行われた補足給付制度の見直しは2点あります。ひとつは食費負担の値上げにより、年金収入120万円超で、月2万2千円も増えました。もうひとつは資産要件の見直しで、補足給付の対象となる預貯金金額が1千万円から500〜650万円以下(単身の場合)になりました。住民税非課税世帯で年金収入が80万円以下の人で補足給付がなくなると食費・居住費の負担が月6万6千円増えました。
 同会で実施したアンケート調査では、特別養護老人ホームに入所している方のうち、約2割の方が月2万円以上の負担増となり、最高額は月約11万円も利用料が増えました。利用者・家族からは「入所し続けられるか不安」「家族の負担が大きく、生活ができない」「ショートステイの利用を減らすしかない」という切実な声が聞かれています。施設職員からも「あまりにも負担が大きい」「家族が支払いできるのか不安」「もっと安い施設はないのかという相談がきている」「経済的な理由で生活の場を奪われないようにしてほしい」という声があがっています。
 請願では、新型コロナウイルス感染症により国民全体が様々な困難を強いられている中、低所得者の負担増を強行することは許されず、国に補足給付見直しの中止を求めています。

精神保健福祉の改善に関する請願

 岩手医労連は「精神保健福祉の改善に関する請願」を提出しました。
 精神科を受診する人は年間420万人に迫っており、誰でも安心して気軽にかかれる精神科医療の充実は、国民的な課題となっています。しかし、現行の日本の精神科医療は、諸外国に比べ半世紀以上の遅れを取っており、地城生活を基盤とした諸外国とは異なり、施設療養生活中心となっています。一般病院に比べ、診療報酬は低く抑えられ、施設内の医療スタッフの体制も半分以下と極めて少ない状況です。疾患治療ではなく、精神障害者から社会を守るという日本独特の誤った観点が精神疾患に対する差別、偏見を助長し、世界的にも類を見ない長期に渡る社会的入院や隔離・身体拘束による人権侵害をもたらし、国際的にも批判を受けています。日本は、2014年に障害者権利条約を批准しています。すべての人の人権が尊重され、患者・利用者本位の精神保健医療福祉の改革をはかることが必要です。また、新型コロナウイルス感染症の拡大による、新たな生活様式は多くの国民にとって精神的な負担となっており適切なメンタルヘルス対策を構築することは喫緊の課題となっています。
 請願では、@良質な医療を提供し、隔離・拘束を原則廃止できるよう、精神科専門職の配置人員を引上げること。また、一般病床より低い人員配置を認めている医療法施行規則を改め、精神病床の人員配置を改善することA精神科疾患や認知症があっても、地域で安心して生活できるよう、早い段階から適切な支援と治療を受けることができる包括的で継続的な支援体制の整備を国が行うこと。また、差別・偏見をなくすための啓発を進め、施策には当事者・家族の声を尊重して反映させることB入院中心から地域への移行を円滑に進めるために、精神保健福祉予算の拡充や労働者の雇用保障・教育・研修を国が責任をもって行うことC新型コロナウイルス感染症の拡大による新たな生活様式に対応したメンタルヘルス対策を早急に講じること―について、国に対し意見書を提出することを求めています。

私学助成を拡充させ、子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願

 私学助成をすすめる岩手の会は「私学助成を拡充させ、教育費負担の公私間格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願」を提出しました。
 2010年度から公立高校の無償化とともに私立高校生への学支援金が支給され、さらに、2020年度からは690万円未満世帯まで国の学支援金が年額396,000円に増額支給されることとなり、私立高校に通わせる保護者の学費負担は大幅に軽減されました。この間、県単独の授業料助成は2018年度から世帯収入350万円未満相当世帯(全日間)に対して復活させ、19年度からは620万円未満世帯に対し年額138,600円の授業料助成を行っています。
 しかしながら620万円以上世帯に対する授業料補助をはじめ、運営費補助においても大きな公私間格差は残ったままです。県内では高校生の約29%・約7000人が私立高校で学んでおり、重要な役割を果たしています。
 請願では、生徒・保護者の深刻な学費負担を軽減し、すべての子どもたちが、私立学校においても安心して学べるよう、@私立学校(幼稲園、小・中学校、高校、専修学校、特別支援学校)に対する運営費補助の増額A授業料減免補助および入学金減免補助の対象を拡充B 国の就学支援金制度に上乗せする県の私立高等学校授業料等減免補助の拡充C私立学校の校舎耐震化率100%を実現するよう改築補助の拡充D新時代を拓く特色ある学校づくり推進事業の補助増額E国に対して、高校以下に対する経常費助成増額、過疎特別助成の継続および就学支援金制度の拡充など、国の私学助成制度をより充実するよう意見書を提出―することを求めています。