2014年3月7日 予算特別委員会
議会事務局に対する質疑(大要)


・県議会棟における受動喫煙防止対策について

【斉藤委員】
 全国都道府県議会等における受動喫煙防止対策の実施状況はどうなっているか。

【議会事務局長】
 平成26年2月の青森県による調査によると、敷地内禁煙が大阪府のみ、建物内禁煙が福井県など8県、建物内分煙が38都道府県となっている。なお、このうち会派控室を喫煙可能としているのは、秋田や福島など23都府県となっている。

【斉藤委員】
 全国の議会棟は、庁舎等の受動喫煙防止対策と比べればかなり遅れているのではないか。
 国際条約である「たばこ規制枠組み条約」、ガイドラインも出ている。
 国、厚労省による受動喫煙防止対策では、公共施設・議会棟についてはどういう規制と対策を提起しているか。

【議会事務局長】
 たばこ規制枠組み条約だが、この条約は、たばこの消費等が健康に及ぼす悪影響から、現在より将来の世代を保護することを目的に、世界保健機構総会において採択されたものであり、わが国もこの条約に署名している。条約の締結により、国は、「職場等の公共の場におけるたばこの煙にさらされることからの保護を求める効果的な措置をとること」などとされている。
 厚労省の通知だが、健康増進法第25条に規定されている受動喫煙防止について、平成22年2月25日付の通知で、「少なくとも官公庁や医療施設においては、全面禁煙することが望ましい」などとし、受動喫煙防止の徹底を図るよう各都道府県などに促している。

【斉藤委員】
 「少なくとも官公庁や医療施設においては、全面禁煙することが望ましい」と。この官公庁の中には当然議会棟も入るということですね。「少なくとも」というのは、本当に率先してやらなければならない。
 厚労省の通知では、受動喫煙というのはどう定義されているか。

【議会事務局長】
 受動喫煙の防止だが、平成15年の厚労省の通知によると、「施設内の喫煙場所と非喫煙場所を、喫煙場所から非喫煙場所にたばこの煙が流れ出ないように分割する措置」とされている。

【斉藤委員】
 受動喫煙というのは、「室内またはこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされること」と。だからそういうことがないようにきちんと対策をとりなさいということである。
 県議会が超党派で、がん対策条例を練り上げて、今度の議会で制定しようとしている。がん対策の第一は、喫煙防止対策である。がん対策条例を岩手県議会が率先してやろうとしているときに、議会棟の中で分煙が徹底されていないとしたら大きな問題である。
 問題なのは、会派の室内での分煙という意見がある。会派の部屋では吸ってもいいのではないか、そこで分煙措置をとればいいのではないかという意見があるが、客観的・物理的に見て、それは不可能ではないかと思うがいかがか。

【議会事務局長】
 厚労省の通知に基づく受動喫煙防止の観点から申し上げると、いわゆるエリア分煙なり個室による分煙などが考えられるが、非喫煙場所に漏れないようにするという観点から、吸気口なり排気口などの設置が必要と考えている。

【斉藤委員】
 それを会派の都合で整備・設備することは可能なのか。公共の財産を会派で喫煙するがために整備すると。自前であれ税金であれ、財政規律から見てそういうことは不可能だと思うがいかがか。

【議会事務局長】
 議会棟の維持・修繕だが、総務部管財課の分掌事務となっており、維持・修繕を行う場合には、通常議会事務局から総務部管財課に依頼する形となっている。
 控室の改修を行う場合は、これまで議会運営委員会の場で了承を得たうえで改修を実施してきている経緯がある。

【斉藤委員】
 会派の都合で、室内の設備・整備というのは、財政規律からいってあり得ないのではないか。会派控室での分煙というのは、客観的、物理的、財政的に見ても不可能ではないか。
 それで、現在の談話室に分煙施設があるが、この分煙施設はどういう規模で、これは基本的には分煙施設として今後も使えるものか。

【議会事務局長】
 現在談話室に、旧喫煙室ということで、かつて談話室に喫煙室があったが、これについては県庁舎の庁舎内全面禁煙に合わせ、平成23年8月31日に閉鎖した取り扱いとしている。ここの面積は5.7平米で、だいたい利用人数は4名ほどという施設である。

【斉藤委員】
 いま閉鎖しているということだが、分煙施設としては使えるということか。

【議会事務局長】
 分煙施設として使用可能とは考えているが、しかしながら排気能力が低下していることから、換気扇等の改修を行う必要があると考えている。

【斉藤委員】
 議会運営委員会でも熱心に議論されてきたが、がん対策条例の制定と軌を一にして、議会棟の受動喫煙防止対策ははっきり示すべきだと。
 全国を見ても、大阪は敷地内禁煙、8県が建物内禁煙をやっている。その他、建物内分煙が38都道府県だが、13県が控室の喫煙をやっていない。控室の喫煙を認めているのはたった23県なので、こういう遅れた状況のままがん対策条例の制定になってはならない。
 すべての議員の皆さんに心からこのことを呼びかけたい。