2014年3月12日 予算特別委員会
環境生活部に対する質疑(大要)


・BSEスクリーニング検査について

【斉藤委員】
 来年度予算に計上されているBSE安全安心対策事業費、BSEのスクリーニング検査についてだが、昨年の7月以降、48カ月齢以上ということになったと思うが、予算額を見るとほとんど去年と変わっていない。どういうスクリーニング検査がされているのか。なぜ予算額は対象が大幅に変わったのに変わらないのか。

【食の安全安心課長】
 予算額がほぼ同額となっている要因としては、本県を含めるすべての自治体が昨年7月1日から、それまでの全頭検査を見直し、48ヶ月齢超の牛に限り検査を行うこととしたことにともない、全国のBSEスクリーニング検査頭数が2割程度まで減少したことから、検査キッドの単価が大幅に上がったこと、また本県は全国に比較し検査頭数の減少が小さいことなどによるものである。

【斉藤委員】
 岩手ではどれだけの頭数がスクリーニング検査の対象になったのか。なぜ岩手は減り方が少ないのか。

【食の安全安心課長】
 平成26年度のBSEスクリーニング検査の見込み頭数は、約8000頭と見込んでいる。全と畜頭数に占める割合は約47%となっている。
 全国における全と畜頭数に占める48ヶ月齢超の牛の割合は17%となっている。
 本県における割合が高い理由としては、廃用となった高齢牛の処理が多いことに加え、原発事故にともない出荷制限指示等を受けて、昨年度まで滞留していた牛の出荷が来年度も相当数見込まれることによるものである。

【斉藤委員】
 アメリカの圧力でBSE検査も48ヶ月齢以上となってしまったが、経費は全然変わらない。前の通りやっても経費上は全然変わらないという、本当にこれは政治の歪みである。


・男女共同参画プラン推進事業費について

【斉藤委員】
 来年度は2690万円、これは約500万円以上今年度から増額されている。増額された理由と中身について。
 岩手県男女共同参画センターというのは、大変貴重で重要な活動をしていると思うが、主な活動はどうなっているか。これはNPOに委託しているが、NPOの方々の待遇、労働条件はどうなっているか。

【青少年・男女共同参画課総括課長】
 26年度分の予算額の増額に関してだが、25年9月補正から実施している男女共同参画の視点からの防災復興に関する普及啓発事業が約20万円の増額、女性の活躍支援のためのロードモデル提供事業ということをはじめとした産業団体・経済団体と連携した地域における女性の活躍を加速させるための事業が約490万円ということで増額となっている。
 岩手男女共同参画センターの事業の概要については、設置目的として、情報・学習・相談・交流ということで県として事業委託し男女共同参画の中心的な役割として担っていただいているところであり、委託費については24年度からこれまで微増ではあるが減らない状況で推移している。
 職員の待遇については、我々の方で把握している状況では、NPO法人の方で給与規定をもって実施しているが、常勤職員については諸手当含め月額15万円程度と聞いている。

【斉藤委員】
 男女共同参画センターは、情報・学習・相談・交流ということで、その活動の資料をいただいたが、先ほども議論のあったDVの出前講座は、延べ参加が3047人、市町村担当職員研修、さらにはサポーターの養成、一般相談では876件と、本当にかなり専門性の高い取り組みをしていると思うが、委託費がまったく変わらない。
 NPO法人の岩手つばさの会に委託しているが、職員体制は常勤3名で非常勤7名と。この常勤の待遇が月15万円程度と。こんなレベルで本当に専門的な方々は育たない。例えば、県民生活センターで相談員の処遇はどうなっているか。

【消費生活課長】
 県民生活センターの消費生活相談員は非常勤である。報酬は月額15万円程度である。

【斉藤委員】
 県民生活センターの相談員が非常勤で15万円。男女共同参画センターは、市町村の職員も講習を受けるような、DVの相談など本当に専門的な、人間的にも試されるような仕事をしながら、常勤で15万円だと。10人のうち常勤が3人で非常勤が7人。これは委託事業の矛盾だと思う。仕事にふさわしい処遇に抜本的に改善しないと、活動を担う専門家の養成はできないと思うがいかがか。

【青少年・男女共同参画課総括課長】
 男女共同参画センターとは毎月業務連絡会議等をもって事業の内容について確認しながら、進捗や課題等について整理しながらやっており、具体的な雇用については法人でいろいろと工夫されている状況でやられていると感じている。

【斉藤委員】
 そういう認識では男女共同参画はできない。
 県民生活センターの相談員が非常勤で15万円、男女共同参画センターでこれだけ専門性の高い仕事を常勤でやって15万円と。非常勤は7人いる。この待遇がきわめて貧困だとは思わないか。男女共同参画を進める部長としてお聞きしたい。

【環境生活部長】
 男女共同参画センターとの契約等については総括課長が述べた通り、委託する事業の内容について、適切な事務量を積み上げ、それを委託の事業ということでお願いしている。そしてまた定期的に事業の内容等についてはセンターと定期的にヒアリングを行う中で、次年度以降の業務のあり方等にも反映させていただいている。

【斉藤委員】
 あなた方は待遇が良いからいいかもしれないが、委託されると常勤で15万円でやっている。
 例えば、相談活動は9時から16時、火曜と金曜は9時から20時までやっている。民間委託のあり方が今根本から問われていると思う。
 青少年の問題をこれから聞くが、青少年活動センターの職員体制と待遇はどうなっているか。

【青少年・男女共同参画課総括課長】
 青少年活動交流センターの職員は9名で、常勤2名・非常勤4名・臨時3名である。職員給与については、通勤手当等を含め、常勤が300万円を超える状況である。

【斉藤委員】
 同じ委託でも、別な事業もしているということもあると思うが、仕事の専門性ではまったく劣らない仕事がされているのにこういう待遇にとどまっている。本当に民間委託というのは、本来皆さんがやるべき仕事を委託して、安上がりで、あなた方の給料の半分以下で働いている。それは真剣に見直し検討すべきである。


・若者対策について

【斉藤委員】
 若者を重視するということは大変重要だと一般質問でも述べた。
 岩手県の若者対策の全体像はどうなっているか。

【青少年・男女共同参画課総括課長】
 県においては、庁内一丸となり、若者が活躍する地域づくりを進めるため、107事業で構成する若者支援プロジェクトの取り組み方針や施策体系を取りまとめた。
 具体的には、すべての分野に共通する岩手若者活躍支援事業費をはじめ、地域分野は若者文化支援事業費ほか57事業、学び・暮らしの分野は若者出会い応援推進事業費ほか13事業、仕事分野は3Dプリンター等次世代ものづくり産業育成事業費ほか33事業といったそれぞれの分野において若者が活躍できるよう県として後押ししていく体系となっている。

【斉藤委員】
 これを進めることには賛成である。ただ、一般質問でも指摘したように、若者対策というのだったら、若者が置かれている現状と要求から出発すべきだと。いま何が若者を苦しめているか、非正規などの不安定雇用である。いま20代の正規雇用は岩手は62%である。約4割は不安定雇用、低賃金である。青年の団体がアンケート調査をして200人以上調べたが、収入が平均で手取り14万円だった。公務員も含め。この問題を本気になって、きちんと位置づけられないといけないのではないか。
 もう1つはブラック企業問題。正社員といっても昔と違う。大量採用で大量に辞めさせる、これが今社会問題化しているブラック企業問題で、岩手労働局の調査で、危ないところを調査したら89%が労基法違反だった。本当に若者が活躍する大前提は、安定した働きがいのある仕事確保だと思う。この問題がどう位置付けられているのか。きちんと位置づけて、労働局や雇用対策の部門と連携してやる必要があるのではないか。キャリア教育と言われているが、キャリア教育というのは企業の求める人材をつくるだけではいけない。いま企業が使い捨てにしている。守るべき労働基本権や労働法など、そういう歪みを正すような教育をしないといけないと思うがいかがか。

【青少年・男女共同参画課総括課長】
 若者支援プロジェクトの学び・暮らしの中の学校・家庭においては、ご指摘の通りキャリア教育支援ということで、教育委員会や雇用対策・労働室でも所管しているので、連携しながら取り組んでいきたい。
 これから来年度、いわて青少年プランが改定時期になるので、その改定に合わせて地域の方々や若者の意見を聞きながらプランを策定していきたい。