2014年10月20日 決算特別委員会
環境生活部に対する質疑(大要)
・災害廃棄物の処理について
【斉藤委員】
昨年度末で基本的には完了したと。災害廃棄物の最終的処理量とその主な内訳、再利用の状況、焼却分、最終処分量はどうか。
【災害廃棄物対策課長】
本年3月末現在の状況で、全体で584万トンに上っている。内訳は多い順に、コンクリート殻220万トン、津波堆積土161万トン、不燃系廃棄物110万トンなどとなっている。
再生利用量は511万トン、焼却処分は44万トン、埋め立て処分の量は29万トンとなっている。
【斉藤委員】
災害廃棄物の処理は復興の第一段階というか、我々も全国をまわり協力を呼びかけた。 再生利用が511万トンに及んだというのはかなり頑張った成果ではないか。
県内での処理量、県外での処理量はどうなっているか。
【災害廃棄物対策課長】
県内での処理量は547万トン、県外処理、いわゆる広域処理だが、議員のみなさんによる他府県への要請などお力添えをいただき、広域処理量は37万トンとなっている。
【斉藤委員】
基本的には県内で処理されたと。
災害廃棄物の処理の費用、コストはどうか。高かったのではないかという声もあったが、実際にはどうだったか。他県と比べてどうだったか。
【災害廃棄物対策課長】
災害廃棄物処理に要した費用は、全体で2539億円となっている。
コストだが、単純に全体処理量の584万トンで割り返すと、1トン当たりの処理単価は43000円になる。同じく災害廃棄物の処理を行った宮城県においては、全体処理量が1951万トン、処理に要した費用は7134億円で、1トン当たり37000円と公表されている。
【斉藤委員】
岩手県が相対的に高くついたのは要因は何か。
仙台市は、かなり分別を徹底して災害廃棄物の処理の段階では全国的な教訓とも言われた。仙台市と比べてどうか。
【災害廃棄物対策課長】
仙台市の状況は宮城県の中に含まれており把握していない。
本県の処理単価が高い理由だが、処理単価はさまざまな要素によって変動するので、一概に比較できないとは考えているが、この度の処理においては、両県とも大量に発生した津波堆積土があり、これを再生資材というもので公共工事等で活用している。この津波堆積土の公共工事の利用というものは、焼却や埋め立てなどの処分費用を要しないということがあるので、津波堆積土の割合が高いほど処理単価が安くなる傾向にあると考えている。この津波堆積土について、本県と宮城県の災害廃棄物全体に占める割合を比較すると、宮城県が本県より10%程度高いとなっているので、津波堆積土の発生割合が高い宮城県が相対的に費用が安くなっていると分析している。
【斉藤委員】
まだ湾内にがれきが残っているのではないかと漁民からも指摘をされるが、陸上の処理は基本的には終わったと思うが、湾内のがれきについてどう調査され、今後どう対応されるのか。
【災害廃棄物対策課長】
海中のがれきについては、港を所管する部局で対応することとなっており、それぞれ県土整備部・農林水産部で対応している。
【斉藤委員】
災害廃棄物だが県土整備部・農林水産部の所管なのか、災害廃棄物になっていないということか。
【災害廃棄物対策課長】
災害廃棄物だが、港湾や漁場から引き上げられたがれきも市町村の災害廃棄物として処理したというところだが、基本的に災害廃棄物がなくなったということで、選別・破砕施設などが解体してない状態なので、今後の処理においては、引き上げられた物というのは所管部局で処理していくことになる。
・男女共同参画の取組について
【斉藤委員】
県の審議会における女性の比率はどうなっているか。40%未満にならない審議会の数と比率はどうなっているか。なぜ遅れているのか。
【青少年・男女共同参画課長】
26年4月1日現在の県の審議会等における女性委員等の割合は34.1%である。25年9月30日現在の国の審議会等における女性の割合は34.1%ということで同率となっている。
本県においては、男女いずれか一方の委員の数が委員総数の40%未満にならない審議会等の割合を数値目標として掲げており、この割合は26年4月1日現在で59.4%となっている。対象審議会等60のうち38がこの割合を達成している。
目標を達成できない理由としては、例えば、理工系の大学教員や特定分野の医師に女性が少ないなどが挙げられていると考えている。
【斉藤委員】
59.4%というのは、実施状況報告書でDランク、さらに低下しているのではないか。適任がいないという理由ではないと思う。例えば岩手県労働委員会、女性が4割以上働いているのにここの比率が13.3%である。今年労働委員の改選があったが、労働者側から推薦があったが5人すべて男性である。女性の推薦があったにも関わらず。あなた方に相談があったのか。きちんと話しているのか。
【青少年・男女共同参画課長】
割合について、25年4月1日時点では56.1%であるので、3.3ポイント増加している。委員の改選等にともない、各部局等に県で示している指標等に近づくようにということで話申し上げている。女性委員等の登用に関して相談があった場合は、関係団体等に確認しながら、ご推薦できる方についてもご相談を受けている。
【斉藤委員】
増加しているということは悪化しているということなので。
知事や行政の努力で改善できることが改善されていないというのは一番大きな問題である。県の審議会できちんと目標を持っているわけなので、ここできちんと目標をクリアして、そして市町村でも社会の分野でも広げていくと。県が悪化させていては男女共同参画にならない。
県庁職員の幹部職員の比率はどうか。女性職員、うち幹部職員の割合はどうか。
【青少年・男女共同参画課長】
26年4月1日において4202人中21.5%、うち主査級以上の管理監督者に占める割合は14.1%になっている。教職員と医療局の技術職員を除いた状況の数である。
【斉藤委員】
平成24年度の男女共同参画の報告書の7ページに、岩手県の知事部局職員数に占める女性管理職の割合は9人と、これが14.1%ということか。
【青少年・男女共同参画課長】
24年度にプランの指標としていた状況で、主査級以上に占める割合は11.9%であったものが、26年4月1日で14.1%になったということである。
【斉藤委員】
24年度の9人というのは主査級以上ということか。
【青少年・男女共同参画課長】
その9名については、課長相当職以上の職員となっている。現在課長相当職以上の割合は、26年4月1日現在で4.8%となっている。
【斉藤委員】
今日並んでいる方々を見ると2人女性が並んでおり、これでも多い方である。
岩手県ができるところから男女共同参画を目に見えるように取り組まないと進まないと思うがいかがか。
【環境生活部長】
審議会について、専門職においてなかなか女性の方がいない等の事情はあるようだが、我々としてはどちらかが40%を下回らないような状況、3.3ポイントほど増加しているが、まだ低位にあるので、引き続き関係部局にも意識啓発をお願いしていきたい。
女性職員の登用について、国でもプラン等を掲げており、担当は総務部になるが意識を共有して進めていきたい。
【斉藤委員】
男女共同参画が進まないというのは、国の姿勢・施策にあると思う。ジェンダー指標で、日本は世界の105番目と。最大の問題は、非正規職員が多いということと、賃金格差が多いと。岩手県の取り組みはこの点ではどうなっているか。
【青少年・男女共同参画課長】
男女の格差ジェンダーの基本指標としては、国際的にはジェンダーギャップ指数ということで、政治経済分野などの男女格差に焦点を当てて公表しているところで、2013年12月に公表された状況では136カ国中105位となっている。
課題としては、男女の不平等感、固定的性別役割分担意識が根強く残っていることとか、政策方針決定過程の女性の参加が不十分であることに対し、県としても社会慣習の中での男女の不平等感の割合、また職場における男女が平等に感じている人の割合、県職員管理監督者に占める女性の割合、男女いずれか一方の委員の数が委員総数の40%未満にならない審議会等の割合など、15の主な指標を掲げて取り組んでいる。
・若者対策について
【斉藤委員】
若者対策は具体的にどう取り組まれているか。人口減少・少子化の問題と関わって、やはり若者の不安定雇用、低賃金は最大の課題だと思う。民青同盟の約200人の20代・30代の青年アンケート調査では、手取りが平均15万円だった。休みが取れない、長時間労働というのも深刻だった。岩手の若者対策は、こうした深刻な現状、打開の取り組みになっているか。
【青少年・男女共同参画課長】
25年度においては、復興後の地域の担い手となる若者がより活躍できる地域づくりを目指し、若者の交流の場を広げることを目的とし、2月に盛岡市内で、いわて若者会議を開催するとともに、庁内において若手職員による若者政策研究会、いわゆる若手ゼミを実施したほか、庁内一丸となり若者の活躍する地域づくりを進めるため、若者支援プロジェクトの取り組み方針施策体系をとりまとめた。その中での若者の就労支援やキャリア教育の充実なども課題としてあるということで、商工労働観光部や教育委員会の所管となるが、環境生活部も連携しながら取り組んでいきたい。
【斉藤委員】
若者ゼミについて、まともな案が出ていないのではないかという指摘もあるが、どのような案が出ているか。若者対策として有効な提言は出ているか。
【青少年・男女共同参画課長】
若手職員による若者施策研究会において、平成25年度については、若手ゼミの提案で7項目の提案事項がある。例えば、コミュニティサークルということで、地域の交流の機会を提供して新たなコミュニティづくりをすることとか、交流ポータルサイトということで情報発信、交流の場、つながり、仲間づくりのための情報ネットワークの構築をするようなことも提案がある。
今年度の事業に、いま述べたコミュニティサークルの状況では、いわて若者会議の中にサロン会議ということで、地域で若者の意見交流会をする会議をこれから実施予定であり、交流ポータルサイトについては、現在大学生などからの提案も受け、ポータルサイトの構築に向けて取り組んでいる。