2014年10月21日 決算特別委員会
企業局に対する質疑(大要)


・高森風力発電建設の進捗状況と環境調査について

【斉藤委員】
 高森風力発電の事業費・規模・進捗状況、猛禽類などの環境影響調査、現段階での特徴などについて示していただきたい。

【業務課総括課長】
 発電所の最大出力については25300kw、年間供給電力量で約53000mw/h、これは標準世帯で約16000世帯分にあたる。
 制御方式について特徴があり、蓄電池併設型を利用し、出力変動緩和制御型風力と言うが、風力発電は、発電した電力が不安定なところを蓄電池を利用して出力の変動を緩和するという特徴がある。このため、蓄電池を併設しその容量は約6200kwである。
 高森風力発電所から東北電力までの送電線は約10kmとなっており、総事業費で約115億円を見込んでいる。
 進捗状況は、現在送電線の設計と環境影響調査の段階であり、猛禽類については貴重猛禽類の調査などを行っている。25年1月から現在までの調査結果において、当該地域には、クマタカ・ハエタカ・ノスリなどの猛禽類が確認されているが、そういったところでノスリについては発電所建設箇所の周辺での繁殖は確認されているが、広い行動圏の中での一部であり、牧野には餌狩場としての利用頻度が少ないこと、その他の鳥類については繁殖の兆候が見られず、飛来頻度も少ないことから、現時点においては風力発電所建設における影響は少ないものと認識しており、調査は11月までで終了することとしている。


・相去太陽光発電所について

【斉藤委員】
 規模、事業費、今後の採算の見通しについて示していただきたい。

【電気課長】
 総事業費5億300万円余となり、運転開始の平成26年から15年目となる平成40年度が投下資金回収年となる見込みである。
 20年間の運転収支の見込みでは、収益は9億2600万円余、燃料費は7億5200万円余となり、累積損益で1億7300万円余の黒字が見込まれている。


・簗川ダムにおける水力発電の検討状況について

【斉藤委員】
 一度は撤退したが、あのときのダム負担金はどうなったのか。
 ダムは見直しすべきであり、私は参加すべきではないと思うが、もし新たに参加する場合の負担金はどうなるのか。

【業務課総括課長】
 前回参加した際には5440万円余の負担をしている。このため負担金の取り扱いについては、現段階ではダム事業者との協議は行っていないので、まだ予測できない状況であり、今後のダム負担金についてもまだ協議を行っている段階である。現段階では金額としては答えられない状況である。


・工業用水道事業について

【斉藤委員】
 契約率が70.5%で、前年比約6.6%の減少だと。契約企業の変更により契約水量が減少したとなっているが、実給水量も減少している。この背景はどういうことか。

【業務課総括課長】
 実給水量については、現在の経済情勢が厳しい中で、ユーザー企業の経営が反映されているところであり、ユーザーにおいても厳しい経営状況により節水が進んでいると。またユーザーにおいては独自に水のリサイクル・再利用が進んでおり、実使用水量が供給量によらない再利用が進んでいるところが実使用水量の減少につながっていると考えている。

【斉藤委員】
 今後の中長期の見通しでそういう傾向がずっと続くのか。せっかく黒字転換して、今回も経営努力で累積赤字がなくなったが、この傾向が続くとなかなか大変だと思うが、中長期の見通しをどう受け止めているか。

【業務課総括課長】
 実使用水量の今後については、やはり経済情勢にともなわないユーザーのリサイクルが進んでいるので、これから伸びを期待することはなかなか厳しい状況だと思う。そういうところもあるが、新たなユーザーの誘致や契約水量の増量といったところを期待しており、そういった期待につながるよう努力していきたい。