2014年10月24日 9月定例県議会・最終本会議
2013年度岩手県立病院等事業会計決算に対する反対討論


  日本共産党の斉藤信でございます。認定第13号、2013年度岩手県立病院等事業会計決算に反対の討論を行います。

 県民のいのちと健康、地域医療を守るために、日夜献身的に取り組まれている医師、看護師等の職員の皆さんに心から敬意と感謝を申し上げます。県立病院の院長や看護師長を退職された方々がその後も地域医療の最前線で活躍されていることについても心から敬意を表するものです。同時に、昨年度決算が27億7千万円余の黒字となったことを評価するものであります。この黒字は入院・外来の診療単価が増加したことと職員の給料及び退職手当の減額や退職給付金等の繰延勘定償却の減少によるものであります。
 2013年度県立病院等事業会計決算に反対する第一の理由は、看護師等の労働条件が悪化していることであります。
 昨年度、医師は32人増員となったものの、看護師は正職員で23人、臨時職員で10人、合わせて33人も削減されました。一方で、9日夜勤は13病院で延べ628人にも及び、1人当たりの年休の取得日数は平均で8.1日となっています。中央病院では6.6日、胆沢病院では5.9日にとどまっています。過酷な3交代で働きながらまともに休みも取れない状況です。
 私は決算特別委員会で、中央病院の過酷な実態を紹介しましたが、4階西病棟の小児科、耳鼻科、整形、眼科等の混合病棟では4−3の夜勤体制で、人工呼吸器をつけた重症の乳児が3人にも達し、ナースセンターには看護師が不在となり、休むこともできずハラハラしながら働いています。育児休業時間を取っている看護師も月6回も夜勤に組み込まれています。  日本医労連による2013年度「看護職員の労働実態調査結果」による岩手県立病院の看護師1023人の回答による労働実態は、「慢性疲労」が84%と過去最高となり、「健康に不安」が69%、「切迫流産」は47.5%と女性労働者平均の3倍近い深刻な状況となっています。全国の病院、県内の他の病院と比べても深刻な状況です。
 「5局長通知」に基づいて、看護師等の大幅増員による労働条件の抜本的な改善をはかることは、看護師等の健康と働きがいにとっても、患者の安全安心な医療にとっても急務中の急務の課題です。
 反対する第二の理由は、看護師の確保が特別に重要な課題となっていることであります。昨年度は看護師募集187人に対して受験者は134人、合格者は127人でした。今年度の採用試験でも185人の募集に対して合格者は176人にとどまっています。看護師確保は病院の維持経営にとって極めて重要な新たな課題となっています。今年度から看護師増員の計画を決めていますが、今後再建整備される大槌病院、山田病院、高田病院の看護師確保も重要な課題です。この点でも看護学生から選ばれる働きがいのある病院にしていくことが必要です。そのためには、何よりも年休が自由に取れる環境をつくること。余裕を持って患者に接することができる看護師の体制にすることであります。そのための看護師の大幅増員をはかるべきであります。
 昨年度の27億7千万円余の黒字は、医師、看護師等の増員と労働条件の抜本的な改善のために活用すべきであります。
 最後に、決算審査の中で、県立病院の消費税のこれまでの負担額が148億円余に及ぶことが明らかとなりました。これは累積赤字164億円余の90%を占めるものであります。8%増税で今年度は10億2千万円の負担になるとのことでした。消費税の10%増税は県立病院の健全な経営にとっても死活的に重要な課題であり、消費税の増税は絶対に許してはならないことを強調して私の討論といたします。

 ご清聴ありがとうございました。