2014年12月10日 12月定例県議会・最終本会議
議案および請願不採択に対する高田一郎県議の反対討論
日本共産党の高田一郎でございます。議案第32号、38号に反対の討論を行います。
議案第32号は、財産の取得に関し議決を求めるものであります。
具体的には、県立学校の本分校を含めて80校にネットワークサーバ機器を設置するものであります。契約金額は1億4544万円で、契約率99.86%、契約の相手方は、東日本電信電話株式会社であります。随意契約による見積もり合わせで行ったものです。審議の過程で、予定価格の設定過程に不明朗さが見られたことから反対するものであります。
議案第38号は、岩手産業文化センターの指定管理者を指定することに関し議決を求めるものであります。
岩手産業文化センターは、県を代表するイベント会場であり施設であります。ところが、従業員の実態は、正規職員が館長を含めてゼロ、非正規職員7人の体制となっています。非正規職員だけで責任ある管理運営ができるのでしょうか。職員の待遇を抜本的に改善すべきであります。指定管理者制度によって不安定雇用、ワーキングプアをつくってはなりません。指定管理の期間を3年から5年に延長することを検討するとともに、指定管理者制度そのものについても根本的な検討が求められていると考えるものです。こうした立場から反対します。
議案第65号は、簗川ダム建設(堤体工)工事の請負契約の締結に関し議決を求めるものであります。
議案に対する質疑でも指摘したように、簗川ダム建設事業は、多くの市民、県民に知らされることなく、先にダムありきで進められてきた事業であります。昭和53年4月に県が予備調査に着手し、昭和62年4月に国庫補助による実施計画調査ダムとして採択されたものであります。当初、建設事業費が340億円でしたが、平成13年度の計画変更で670億円に大幅に引き上げられたことから、多くの市民・県民に知らされることになったダム事業であります。現在は530億円の事業となっているものです。ゼネコン疑惑が全国的に問題になったときには、簗川ダム建設事業に関わるトンネル工事も談合の対象となり、「西松トンネル」と言われる事態も生じました。簗川ダムは簗川と根田茂川の合流点の下流に建設されるものですが、根田茂川の流域面積が大きく、流れもなだらかとなっており、急流の簗川と自然の流れで洪水を調節する機能を持つ河川であります。簗川自身が掘り込み河道となっており、専門家もダムによらない対策が必要と指摘してきたダムであります。簗川は全国的にも清流と評価されている川でもあり、貴重な動植物への影響も懸念されます。関連道路が整備された今こそ不要不急の簗川ダム建設事業は見直し、中止すべきであります。来年度が5年ごとの大規模事業評価の時期ですから、来年度の大規模事業評価を待つべきだと考えるものであります。
請願受理番号第99号は、岩手県南3市町の子どもたちの甲状腺検査を求める請願であり、不採択となったことに反対するものであります。
東京電力福島第一原発事故による放射能汚染で、多くの県民、とりわけ小さい子どもを持つ方々に不安を広げています。原発事故の原因も収束の見通しもない中、こうした県民の不安にこたえることは重要なことだと考えます。本来、国と東京電力の責任で行うべきものと考えますが、県民の命と健康を守るべき県、自治体の責務でもあると考えるものであります。
請願受理番号132号、133号は、オスプレイの飛行訓練と日米共同訓練に反対する意見書を求めるものであります。不採択となったことに反対するものであります。
米軍の垂直離着陸輸送機MV-22オスプレイは、5年間で58件に及ぶ事故を起こし、30人以上が死亡するなど最も危険な欠陥機、未亡人製造機とも指摘されているものであります。その機能は、海外での侵略作戦のための武器と兵士を低空飛行で輸送するもので、日本の防衛とは全く無関係なものであります。沖縄普天間基地に配備されたオスプレイは、深夜、住宅地の上空で日常的に飛行しています。11月16日投票となった沖縄知事選挙では、米軍新基地建設とオスプレイの配備・訓練に反対するオール沖縄の候補であった、オナガ氏が10万票の大差で圧勝しました。沖縄でも受け入れないものを日本全土に広げようとするのが、オスプレイが参加する日米共同訓練であります。オスプレイの低空飛行訓練も、岩手山演習場をオスプレイの訓練基地にすることにも反対すべきであります。
1月下旬から2月にかけて、岩手山演習場と岩手駐屯地で予定されている日米共同訓練は、陸上自衛隊と米海兵隊による共同訓練であります。米海兵隊は、米軍の海外侵略部隊、殴り込み舞台であります。日本の防衛とは関係ない訓練であり、海外での戦争に自衛隊を参加させる訓練と言うべきものであり、反対すべきであります。
以上申し上げ、私の討論といたします。ご清聴ありがとうございました。