2016年3月3日 商工文教委員会
教育委員会(35人学級、いじめ対策等)に対する質疑(大要)


・35人学級の中学校2年生までの拡充について

【斉藤委員】
 教育委員長の演述で初めて聞き驚いた。良いことはもっと早く示したらいいのではないかと思うが、中学校2年生まで拡充したことは今度の議会では大きな出来事だと思う。
 それで、小学校5年生ではなく中学校2年生への拡充と決断された理由、背景、この間の35人学級の取り組みをどのように受け止めてそのような方向を示したのか。

【小中学校人事課長】
 普通に考えれば小4までの段階を踏めば小5、小6、中1に連結というのが一般的な考え方かもしれないが、特にも中学校において、個別に対応しなければならないような事案、今の中学生が多様化・複雑化する中でよりきめ細かに子どもたちを見ていかなければならない状況が顕著だということで、優先的に中学校2年生に35人学級を導入することが適切だと判断した。

【斉藤委員】
 中学校2年生で今不登校が増え、中1問題というよりは実際には中2でそういう不登校が増えたり、岩手県にとってみれば、いじめ自殺事件も2年連続で中学校で発生したと。そういう意味でいけば中学校2年生で35人学級というのは、実情に合ったものではないかと思うが、ぜひ小学校5年生・6年生も大変大事な時期であるので、計画的な拡充をぜひやっていただきたい。東北各県はほとんど中学校までやっているので、岩手は遅れた分野なので計画的な拡充を求めたい。

・いじめ問題について

【斉藤委員】
 矢巾の第三者委員会での調査の取り組みはどうなっているのか。
 矢巾町が独自にいじめ問題を解決していくということで取り組みを進めているが、矢巾の取り組みについてお知らせいただきたい。

【生徒指導課長】
 矢巾町の第三者委員会の状況について。9月7日に第1回を行い、2月末現在で12回の委員会を開催し、その委員会の活動としては、生徒および教員へのアンケートの集約、聞き取り調査、遺族への聞き取り調査を実施しているものと聞いている。
 矢巾町の独自の取り組みといいますか、学校ごとに集約をしてという取り組み等をしていることは把握しているが、そのような取り組みについても、各学校等の研修会や会議等で紹介しながら、できるだけいじめの未然防止や早期発見・早期対応につなげていくように周知していきたい。

【斉藤委員】
 12回と丁寧な調査が行われていると感じる。
 矢巾町の教育長さんからも何回かお話を聞き、1つは、いじめというのは点で見るのではないと。線であり面だと思う。小さなことが継続されていくと、それが子どもにとっていじめにつながると。そこで矢巾町では、そういう小さなことを必ず記録して他の教員も見れるようにするという情報の共有化をしている。もう1つは、来年度予算案でいじめの相談員を配置し、学校も支援していくと。かなり矢巾町自身はあの事件を教訓にして取り組んでいるのではないか。
 大事なことは、滝沢市や矢巾町で真剣に取り組むのはある意味では当然で、これを全ての学校のものにしていくというこが大事である。
 本会議でも、どれだけの学校で研修がされているかと聞いたが、校長や指導主事を対象にした研修はやられているようだが、全ての学校・教員を対象にした研修が大事である。一人一人の教員が直面する問題なので、学校単位で。2年連続こういう事件が起きたということは緊急事態・非常事態なので、全ての学校が優先して、全ての教員が参加できるような形で、滝沢市や矢巾町の教訓をしっかり受け止めて取り組んでいくということが必要である。全ての学校での研修という点で、やられているのかどうか。

【生徒指導課長】
 平成26年度の問題行動等調査において、さまざまな学校の取り組みが行われているが、その中で、県下の小中高・特別支援学校のすべての学校で研修会をというような数字としては、全部の学校では数字があがっているわけではないが、いずれ研修会というものをセットして取り組んでいる学校、また職員会議等の場で情報共有をしている、もしくは生徒会の取り組みをしているということ等を、さまざまな形で複数やっているという現実はあるので、今ご指摘の研修会の実施等については、今年度開催した校長会議等でも、教育センターで作成したいじめ防止マニュアルを活用しながら、ぜひ全ての先生方で研修をやるようにということも話しているので、その取り組みについては今後も継続したい。

【斉藤委員】
 矢巾町・滝沢市のいじめ問題で一番の教訓は、教師がいじめを認知できなかったと。ある学校では、いろんなトラブルがあったときに、いじめかケンカかという対応がまだある。私は少し違うと思う。いじめというのは経過の問題なので、そこでいじめか否かということではなく、経過の中でそういうトラブルをきちんと受け止めて子どもの変化をしっかり見ていくと。いじめの認知というのはそういうことだと思う。小さな変化も見逃さないと。分かりやすく言えば子どもに寄り添うと。そういう形で学校教育を変えていかないと、教師の生徒に対する対応も変えていかないといけない。いじめをなくすという形式的なものではく、やはり子どもの変化に教員がどう早く気づき、子どもたちに寄り添った教育ができるのか、ある意味でいけばこのことが今回の事件で問われたと思う。率直言ってマニュアルを見ても分かりにくい。実践的にこの問題は解決していただきたい。
 いじめによって不登校になった重大事案があった。1年余が経過しているが、本来いじめ問題対策委員会に、こういう訴えがあったということはきちんと報告し、必要な指導・助言を受ける、必要な調査を行うということが必要ではないか。これは今どう推移をして、今後の見通しはどうなっているか。

【生徒指導課長】
 ご指摘の県立学校での不登校について。いじめにより不登校になったという事案だが、調査を行った結果、同級生から受けた暴力などのいじめが明らかになっており、またご指摘のいじめの認知を含めて学校側の初期対応に大きな課題があったことも明らかになっている。
 県教委としては、当該生徒の学校への復帰に向けて、学校とともに保護者と生徒の理解を得るべく、話し合いを重ねているところであり、この推移によっては、ご指摘があったようないじめ問題対策委員会における対応も検討する必要があると考えている。
 なお、この事案の経緯・対応等については、開催時期は未定だが来年度のいじめ問題対策委員会において報告し、各委員から意見をいただく予定としている。

・県営野球場について

【斉藤委員】
 盛岡市議会でも取り上げられたが、市がいま新しい野球場を整備するということで進めているが、県議会でも議論になり、県警野球場も老朽化していて、それぞれ整備するのではなく協力してと。協議も始まっていると聞いているが、市は市で整備計画をもっているので、その時期もあると思うが、この県営野球場、市営野球場の新たな整備は、どういう協議が行われ、現時点で示される方向性はどういうものか。

【スポーツ健康課総括課長】
 ご指摘の通り県営野球場は老朽化が進んでいる。現在、市営野球場を都南地区に建設するという計画をもっており、現在担当レベルで連携のあり方を詰めている状況にある。この内容により、検討の方向を考えていきたい。

【斉藤委員】
 連携のあり方を検討しているというのは、できれば県営・市営を1つにして立派な窮状をつくるという方向なのか、その可能性について検討しているのか、方向性まで確認されていないのか。

【スポーツ健康課総括課長】
 盛岡市は現在1万人規模の野球場建設を予定しており、さまざまな関係者の中からは、現在老朽化した県営野球場のこともあるが、できればプロ野球を行えるような、2万人を超えるような規模の球場を建設したいという意向もあるということで、県と連携した形で建設に向かっていきたいという話をいただいている。
 県としても、老朽化している球場なので、それに向けて内容を詰めながら進んでいきたい。

【斉藤委員】
 大いに協議して進めていただきたい。

・ドクターヘリヘリポートの杜陵高校敷地内への整備について

【斉藤委員】
 ヘリポートの整備は認めるものであり必要だと思うが、問題は学校施設、杜陵高校だけでなく上田中学校も隣にある。その点では、きちんと丁寧に地域の方や学校関係者も含めて対応しなければいけない。
 本会議の議論では、二重サッシの防音対策を行い望ましい基準=学校環境衛生基準を満たすように努めるということだが、学校環境衛生基準というのはどういう基準か。二重サッシで防音対策をした場合、どこまで騒音を抑えられるのか。夏になったらどうするのか。クーラーを設置するのか。そういうこともきちんとやらないといけない。
 岩手日報の投書に、「もし進学校であればこんなことはなかったのではないか」という声もあった。やはりこの問題は丁寧に、説得力をもって対応しないといけない。

【学校施設課長】
 騒音の問題だが、ドクターヘリの騒音は、100ないし150m離れた場所で、おおむね80〜90デシベルの騒音と言われており、これは地下鉄の電車内やバスの車内の騒音と言われている。
 これまでの実例により即して申し上げると、花巻空港の滑走路の2000m化の延長工事に際し、昭和57年度に実施した花巻農業高校の遮音量測定調査によると、ジェット機とヘリコプターの違いはあるが、二重サッシ化後の校舎内の各測定箇所において、窓を開けた状態で90〜102デシベル、窓を閉めた状態で40〜50デシベルということで、学校環境衛生基準、学校安全衛生法に基づく学校が遵守すべき環境基準ということで満たしている。
 杜陵高校のヘリポートの整備については、まずもって設計以前に、実際にドクターヘリを出動させ、校内の各地点における騒音の状況を測定したいと考えている。その得られた結果をもとに、校舎に防音対策、夏場の対策も含めて、常時温度が高くなる音楽室やパソコンルームにはエアコン設置をしたいと考えている。そうしたことにより、学校環境衛生基準を満たすように努めていきたい。
 ご指摘の通り、近隣の学校について説明会を開催したところであり、昨年暮れに保健福祉部で、盛岡一高、視覚支援学校、上田中学校について、ヘリポートの計画を説明している。また一般住民については、12月23・24日に説明している。若干騒音等に関して心配される声はあったと聞いているが、その時点において大きな変更点はないと。学校関係者については、昨年暮れに計画案を取りまとめたこともあり、実際に開催が1月になったという点があり、この点については反省すべき点もあると考えている。当初1月31日の説明会において、さまざま騒音の問題や安全性を危惧するお話もいただいたが、2月19日の説明会においては、そういったものを話し合いながら今後改善していくということで、おおむね了解が得られたと思っている。
 今後とも協議を重ねながら、そういった対策について万全を期していきたい。

【斉藤委員】
 学校環境衛生基準というのは50デシベル以下なので、この基準がしっかり守られるということを検証して示さなければいけない。
 今回のヘリポートと東校舎の距離は100m以下であり、向きの関係もある。地上15mということで高いところの音というのはかなり聞こえる。岩手山演習場の音も私の家のところはかなり聞こえる。実際に今ドクターヘリは飛んでいるので、距離感覚を測って、どのぐらいのものなのかということと、本当に二重サッシでどのぐらい軽減できるのかを検証しなければならない。花巻農業高校の話をしても距離が違うので。
 今の話だと、エアコンはきちんと整備するということであれば、きちんとしたデータを示して、基準はきちんと守られるということを示した上で進めるようにしていただきたい。

【教育長】
 これまでの話し合いの進め方で、慎重になったがゆえに、結果的にさまざまな合意形成にむけての意見をいただいたということで、それについては反省しなければならない。
 騒音について、学校の基準については国で定めた基準だが、一般的には頻繁にそういう環境にあるのは望ましくないという基準だが、今回のヘリコプターの頻度というのは、現段階で考えられるのは10日に1回程度ということで、そういう状況ではあるが、何よりも安全を確保するのが最優先、そして防音対策もできる限りの努力をしていくということで、今後関係部とも十分話し合いながら、そのような環境が確保されるよう考えていきたい。