2016年3月9日 予算特別委員会
秘書広報室に対する質疑(大要)


・知事のトップマネジメントについて

【斉藤委員】
 秘書広報室の大きな仕事は、知事・副知事のトップマネジメントを支えるということだと思うので、今年度どういうトップマネジメントが発揮されたのか。来年度の方針も含めて示していただきたい。

【秘書広報室長】
 東日本大震災津波からの復興はもとより、今年度においては、いわて県民計画の最後の実施計画となる第三期アクションプランを策定したほか、ふるさと振興を進める取り組みとして総合戦略の策定、若者の就労支援を推進するいわてで働こう推進協議会の設立、いきいき岩手結婚サポートセンター「iサポ」の開設、希望郷いわて国体冬季大会の成功と希望郷いわて国体に向けた準備や、釜石の橋野鉄鋼山の世界遺産登録を契機とした平泉の文化遺産と合わせた2つの世界遺産を核とした岩手の魅力発信や交流拡大を図る取り組み、さらには県オリジナル水稲新品種「銀河のしずく」と岩手118号にかかる岩手オリジナル品種ブランド化戦略の策定などの取り組みについて、知事が先頭に立ち推進してきている。
 このような知事のトップマネジメントの発揮を補佐するため、秘書広報室として各部局への知事の意図や指示等の速やかな伝達、指示を受けての調査・分析、情報収集や各部局への提供、政策的な優先度や日程上の効率性等を考慮した知事の行動日程を調整するなど、知事の政策判断や政策推進が円滑に進められる環境づくりに努めている。
 来年度の基本方針については、本格復興とふるさと振興が県政の最重要課題である。そして、岩手県民計画第三期アクションプランや、ふるさと振興総合戦略に基づく取り組みを着実に機動に進めていくことが重要と考えている。また来年度は、希望郷いわて国体を開催する特別な年であり、オール岩手の力を結集して成功に導くことが必要だと考えている。これに加え、復興後を見据えた三陸地域の総合的な振興を担う推進体制の整備や、平泉世界遺産登録5周年を記念した遺産の価値や意義の共有を図る取り組みなど、山積する県政課題に適切に対応し、それらが円滑に進むよう、来年度においても知事の意図や指示に即して機動的に対応し、情報収集や指示等の伝達・要請を迅速に行うなど、知事の県政運営を補佐していきたい。

【斉藤委員】
 昨年は知事選があり、無競争当選ということだったが、選挙後、知事から新たな指示などがあったか。
 トップマネジメントの1つとして、企業誘致・企業訪問というのがあると思うが、調べたら、副知事が1人体制になり知事・副知事の企業訪問が激減している。そういう点をどのように支えていくのか。実情も含めて対策を示していただきたい。

【秘書広報室長】
 選挙後の知事からの指示は特にこうしてくれという指示はないが、希望郷マニフェストを抱えて三期目の知事就任ということであるので、本格復興やふるさと振興ということを最重要課題ということで知事の意を汲み取りながら県政運営を補佐していきたい。
 企業訪問についても、商工労働観光部と連携しながら、知事の県外出張の際には、極力日程を組むような形で調整しているが、副知事と合わせてその辺についてはさらに商工労働観光部と連携を深めながら速やかな企業誘致等につなげていきたい。

【斉藤委員】
 知事というのは、岩手県民の代表なので、特に県外で岩手のさまざまな取り組みや課題を今まで以上に大いに発信していただきたい。それを強力に支えていただきたい。

・被災自治体首長と知事との懇談について

【斉藤委員】
 東日本大震災津波からの復興が県政最大の課題で、丸5年を経過する中で、本当に被災者の命を守るという点、住宅再建、まちづくり、商店街の再生という点でも正念場を迎えている。
 知事と被災自治体首長との連携強化、懇談の状況はどうなっているか。あいさつ程度のものではなく、じっくり、せめて30分以上は話を聞いたという状況はどうだったか。副知事を含めて示していただきたい。

【秘書課総括課長】
 知事については、これまでも県政懇談会や各種行事で被災地に出向く際には、なるべく市町村長側との都合を合わせ、可能な限り懇談をする機会を設けるように努めてきた。今年度は、秘書課として把握している分でも12回沿岸首長と懇談しており、30分以上の懇談は5回実施している。
 副知事は、市町村長のほか副市町村長との懇談もあるが、今年度は14回、うち30分以上は4回行っている。

【斉藤委員】
 丸5年を経過して、復興の過程というのは事態も進展し新しい課題がどんどん出ている。
 この間首長とずっと懇談してきたが、だいたい1時間、それでも足りないぐらいだが、それ以上首長を拘束すると支障をきたすので。知事が30分以上がわずか5回ということで、被災地の首長は新しい課題も相談事も抱えているので、よく時間をとって聞くということだけでも、復興の力になっていく。ぜひこの点を来年度はさらに改善して、被災首長の意見や要望をしっかり受け止めるようなトップマネジメントを支援していただきたい。

・県政懇談会の開催状況について

【斉藤委員】
 特に今年は若者・女性との懇談が多かったと思うが、特徴・内容について示していただきたい。

【広聴広報課総括課長】
 本格復興邁進年として震災からの本格復興や地域振興、岩手の未来を切り開く取り組みを主要テーマに県政懇談会「がんばろう岩手意見交換会」として合わせて10回開催した。うち、若者・女性および学生を対象とした懇談会は4回となっている。復興とふるさと振興には、若者と女性の活躍が不可欠であることから、若者や女性を対象として意見をうかがい県政に反映させることで、希望郷いわての実現を目指そうとして実施している。
 沿岸で開催した懇談会では、復興や復興支援について、内陸の開催では、若者の地元定着と活躍できる環境づくりや、大学生の地域貢献について懇談したところである。

【斉藤委員】
 いただいた資料では、高校生を含めると5回ということになる。若者・女性の声を聞くということは大変良いことだと思う。これからの復興を担うのはまさに若者であり、そして女性の実態や意見というのは不可欠の課題だと思うが、どういう形で県政に反映しているのか、反映させようとしているのか。

【広聴広報課総括課長】
 若者・女性の懇談会で出された意見については、整理し各部局で県政に反映させるよう検討している。
 今年度の提言の中で特徴的なものとして、岩手復興応援隊の任期終了後、岩手に定住するには定住のためのサポートに力を入れることが必要であるという意見をいただいた。こちらの意見を受け、本年度特に、県内で活動していただいている外部人材のネットワーク構築を目的とした研修会の開催や、岩手復興応援隊の活動終了後を見据えたスキルアップ研修情報の提供や就職サポートなど、このような取り組みを進めていくということを部局で検討している。

【斉藤委員】
 復興応援隊、全国から意欲ある若者が来て、そして被災地に定住するという取り組みを復興の講座でも聞いた。引き続き若者に力を入れて、ただ聞くだけではなく本当にそれが県政に復興に生かされるようにしていただきたい。

・岩手情報発信強化事業費について

【斉藤委員】
 これは震災分が6800万円増額になっている。先ほど映画の作成ということもあったが、この増額の中身はどうなっているか。

【広聴広報課総括課長】
 6800万円の増額は、映画の製作・公開に関する経費の増である。

・行幸啓費について

【斉藤委員】
 今年の国体で天皇皇后が来られるということだと思うが、実は天皇皇后は、3月の大震災5年目に宮城・福島を訪問すると。岩手は国体の時と報道されている。おそらく国体と合わせて被災地にも足を運ばれるのではないかと思うが、行幸啓費はどういう形で岩手に迎えるのか。被災地・被災者との関係はどうなるか。

【行幸啓課長】
 現在、宮内庁と協議しているところだが、天皇皇后両陛下、被災地についてはかなり気にしておられ、その点を含め今後宮内庁と内容をつめていくこととなっている。