2016年3月16日 予算特別委員会
企業局に対する質疑(大要)
・日本ロジテックの問題について
【斉藤委員】
この間の未払い金額が1483万円余と。今までの議論で、これがどれだけ回収されるのか、いくら聞いても分からない。はっきりしているのは、契約保証金の348万円は戻ると。しかしあとは全然見通しがないのではないか。
新聞報道を見ると、日本ロジテックは、2015年3月末時点の負債は71億円で、膨らむ可能性があると。おそらくとんでもなく膨らんでいるのではないか。何か損害補償契約でもあるか。
【業務課総括課長】
損害補償契約というのは結んでおらず、あくまでも契約保証ということで348万円ということである。
【斉藤委員】
1483万円のうち見通せるのは348万円しか戻らないと。完全に破産状態なので、かなりシビアな問題だと思う。
26年9月8日に一般競争入札で契約締結した。ところが、売電の期間は26年11月1日から28年3月31日までの17ヶ月、支払遅延が発生したのは26年11月である。契約した月から遅延している。27年1月から6月分、10月分も遅延した。あり得ないと思う。契約した最初の月から遅延と。この段階で危機感を持って、この会社の決算やいろんな情報を収集して対応すべきだった思うが、そういうことはされたのか。
【業務課総括課長】
相手側としては、延滞金も含めて満額納入していたので、その後3ヶ月間ではあったがきちんと支払われるようになっていたので、詳しい経営状況までは把握していなかった。経営状態を把握するのも、例えば一部上場企業だといろいろ経営情報が公開されているが、協同組合という性格もあり、なかなかそういった情報を実際に把握するのは困難ではなかったかと思っている。
【斉藤委員】
公の商取引で、契約したその月から支払い遅延というのは異常なことである。異常だと認識して対応しなければならない。そして3ヶ月間は支払われたと。しかし1月から6月まで毎月遅延である。この段階で完全にこの会社はダメだという認識にならなければいけない。そして決定的なのは、27年5月13日に、国が特別措置法に関わる納付金、賦課金を払っていないと事業者名を公表した。これは決定打ではないか。この段階で契約の解除なりをすべきだったし、そういうタイミングだった。
これだけ異常な遅延が続き、国の納付金未納で事業者名を公表された段階で、きちんと対応すればまだ傷は浅かったのではないか。その点での未払いは回収できているはずである。
【企業局長】
たしかに5月13日に、国の方では、納付金が期限内に入らず、また督促期限までに入らなかったということで公表したという事実はあったので、ロジテック協同組合の担当している財務部長に来局を求め、厳しく注意してやったわけである。その結果、その後改善されたという状況があったので、我々も解約ということを具体的に視野に入れ検討を進めていたが、そういう状況であったので、料金の回収という観点で、督促などを進めており、解約のタイミングを失ったというのが事実である。そういう意味で、結果として対応が甘かったということについてはその通りだと思っている。
【斉藤委員】
建設事業だったら不渡りみたいなものである。本当に危機感がなかったと指摘しなければならない。ぜひこの教訓をしっかり生かしていただきたい。
・高森高原風力発電について
【斉藤委員】
総事業費と現段階の進捗状況はどうなっているか。
【発電所建設課長】
総事業費は約127億円であり、主な内訳としては、風力発電システム製作据付けが約93億円、蓄電池システム製作据付けが約15億円、送電線建設が約7億円、建物建築が約5億円、その他約7億円と見込んでいる。
進捗状況は、環境アセスについては24年度から現地調査を実施し、26年度に準備書を取りまとめて住民説明を行うとともに、昨年9月には国や県の審査を踏まえた評価書を取りまとめ、昨年10月に経産相から環境影響評価書の確定通知を受けている。
発電所および送電線の建設用地については、一戸町から協力を得て説明会を実施するとともに、地権者と借地に関する協議を行い、現在土地の賃貸借契約の手続きを進め、28年度早々に現地工事に着手できるよう用地の確保に努めている。
風力発電システム製作据付け工事については、昨年12月に発注し、風車・発電機等の製作を進めている。
今後のスケジュールについては、29年11月の運転開始を目指し、送電線や変電所建屋の建設工事を発注するとともに、雪解けを待って4月から現地工事に着手することとしている。
【斉藤委員】
電力供給能力と雇用効果、施設の運営の体制はどうなるか。
環境影響調査が行われたということだが、猛禽類などもあったと思うが、動植物に対する具体的な対応策はどうなっているか。
【発電所建設課長】
発電所の最大出力は25300kwである。年間の売電電力量は約5300万kw/hで、これは一般家庭の約15700世帯分に相当する。これは、一戸町および二戸市の世帯数で換算すると、約9割の消費電力量に相当するものである。
雇用効果としては、今後施設の保守管理等の方法を検討する中で、具体的な雇用が見えてくるものと考えている。
事業の運営体制だが、29年度の運転開始に向け、風力発電設備・送電線・その他の設備について、落雷や乱流等の対策をより効果的に発揮させ、安定的に発電できるよう保守の方法や体制等について多角的に検討を進めることとしている。
環境アセスの関係で、鳥類関係だが、これは環境アセスの国や県の審査において、ノスリの繁殖活動への配慮、一戸町の観光天文台の観測への影響の回避という2項目が意見として出されており、27年9月にこれらへの対応方針を記載した評価書を国へ提出し、10月に経産相の確定を受けている。