2016年11月16日 決算特別委員会
警察本部に対する千田美津子県議の質疑(大要)
・信号機と横断歩道の設置状況について
(千田美津子委員)
交通事故対策として県民要望の多い、信号機と横断歩道の設置状況と今後の設置見通しについて伺う。
(内藤光樹交通部長)
信号機の設置状況について、過去5年間の各警察から警察本部に上申された数と整備数を申し上げる。
平成23年度の上申数52箇所に対して、24年度は17箇所に設置して率は32.7%、
24年度の上申数45箇所に対して、25年度は18箇所に設置して率は40%、
25年度の上申数42箇所に対して、26年度は10箇所に設置して率は23.8%、
26年度の上申数31箇所に対して、27年度は10箇所に設置して率は32.3%、
27年度の上申数46箇所に対して、28年度は13箇所に設置を計画し率は28.2%となっている。
横断歩道の設置状況について、過去5年間で申し上げる。
平成23年度の上申数83箇所に対して、24年度は62箇所に設置して率は74.7%、
24年度の上申数160箇所に対して、25年度は104箇所に設置して率は65%、
25年度の上申数129箇所に対して、26年度は92箇所に設置して率は71.3%、
27年度の上申数90箇所に対して、28年度は82箇所に設置を計画し率は91.1%となっている。
今後の見通しについては、信号機や横断歩道などは交通安全施設に関する県民の皆様からのご意見やご要望は、交通安全を願う県民の切実な声として、一つひとつ精査して必要性を検討の上、真に効果的な整備を図っていきたいと考えている。
(千田美津子委員)
信号機だが、5年間の状況を伺ったが設置率は31.5%となっている。毎回話をしてきたが、上申されているというのは、各地域警察署において、必要、緊急性があるというところを精査してあげているわけだから設置率31.5%は低い数字だと思う。
一方、横断歩道については5年間で73%、今年の設置については91.1%ということで、この程度の率で信号機を設置することが必要である。
信号機であれ、横断歩道であれ、緊急性の高いものが各警察署から十分な審議を経て上申されているわけだから、この設置率あまりにも違いがある。
横断歩道の設置率を低くしなさいということではなく、信号機を横断歩道並みの設置率にしていくべきだと思うが見解を伺う。
(内藤光樹交通部長)
信号機の要望については、各警察署にたくさん寄せられていることは承知している。県民の切実な願いがあることも承知している。
交通流量や交通事故の発生状況等を調査するとともに、交通信号機の指針もあるのでこれらを検討しながら、全県的な見地から優先順位、緊急性、必要性を判断して設置している。優先度の高いものを順次整備していくという形であり、こうしたプロセスの中でこうした数になっている。
(千田美津子委員)
信号機は5年間の上申数が216箇所に対して、整備が68箇所であり、まだ150箇所位はついていない。翌年も上伸するという重複もあると思うが、設置をしていない150箇所の中で交通事故が起きているのではないか。調べたことはないか。
(内藤光樹交通部長)
信号機の設置要望があったところでの交通事故が全くないということはないと思う。それぞれ軽微な交通事故などが発生している。ただ、重傷とか死亡事故などの交通事故が発生しているところは重要視しており、優先的に考えている。
(千田美津子委員)
緊急性というのは、悪く言えば、何人死亡したかで判断しているのかな、と感じていた。死亡事故があったり、事故がすごく多いところの警察署から上がっているのだから、もっと設置率を増やす努力が必要と思うが、この点、本部長に伺う。
(堀誠司警察本部長)
信号機、横断歩道などをはじめ交通安全施設に関する要望については、どうやって優先順位をつけていくかということについては、交通部長が申し上げたとおりです。事故実態ということになると思うが、他方では無視してはいけないことは、地域の方々の要望かと思う。
その辺を勘案して要望に応えていきたい。必要性等を見極めつつ、地域の方々のご意見を受け止めながら、合理的、効率的な整備を推進していきたい。
(千田美津子委員)
必要箇所が上がってきているわけだから、県警本部においては県民の声をしっかりと受け止める対応を今後ともお願いしたい。
関連して主要施策85ページに信号機の高度化が、目標26箇所に対して17箇所とC評価となっている。これは何故なのか。普通の信号機と別な考え方になるのか伺いたい。
(内藤光樹交通部長)
今資料が手元にないのであとでお答えする。
・交通情報統合システムについて
(千田美津子委員)
交通情報管理システムをこれから整備していくとのことだが、これは交通自己分析の制度を高めることとして重要だと思うが、現状がどうなっていて、今後どのように改善されるのか伺いたい。
(内藤光樹交通部長)
交通情報統合システムの整備については、現在、県警本部には交通事故管理システムと、交通規制管理システムがある。これが、ちょうど更新時期にあたるので、これらにプラスして地理情報システム(地域情報システム)も導入して一体整備するというものだ。来年3月の運用開始に向けて整備作業中である。
本システムを導入することにより、交通事故と交通規制情報を地図上に表示させ、見えるかを図ることで、交通事故抑止に効果的な交通規制や、交通指導取り締まりを実施することが可能となる。
また、県民の方々にはこうした交通事故の分析結果を視覚的にわかりやすく地図に載せることで、パソコンやスマートフォンで交通事故の発生マップをご覧いただくことができることになる。身近で起きてる交通事故の発生状況を知っていただき、更なる事故抑止対策を図っていただくことが可能になる。
県警としても、本システムを導入して交通事故の実態に即した、効果的な交通事故抑止対策を推進してまいりたい。
・カギかけキャッチフレーズ「おにっこ」について
(千田美津子委員)
情報の見える化を図って引き続き交通事故防止のためお願いしたい。
侵入や窃盗における無施錠のケースだが、先ほど3番の工藤委員のほうから住宅関係について質問があり答弁があったので、住宅以外の事業所等の現状がどうなっているのか伺う。
それから、それらを防ぐために県警は鍵かけキャッチフレーズ「おにっこ」をアピールしていると初めて耳にした。これが県民にどれだけ普及しているのか聞きたい。
(伊藤徳博生活安全部長)
住宅等を含めた未施錠被害の件数だが、全国の未施錠被害は過去5年間減少している。
平成28年9月末現在、未施錠被害件数は22,427件、前年同期より2411件減少している。また、県内の未施錠被害件数だが、過去5年間では平成22年の422件をピークとして、多少の変動はあるものの減少傾向を続けており、平成27年は264件でピーク時と比較して158件減少し、さらに本年9月末現在において139件と、前年同期と比較して74件減少している。
つぎに、鍵かけキャッチフレーズ「おにっこ」だが、これは鬼の子供が鍵かけを呼びかけ、ソフトなイメージとなって親しみをもたせ、鍵かけ意識の普及を目的に平成25年から使用しているもの。
交番速報、ミニ広報紙、県警のホームページの利用や、広報関係機関と連携した路線バスでの中刷りポスターの掲示、公益社団法人岩手県防犯協会連合会発行の機関紙や各種研修資料への掲載、これらを通じて広く県民への呼びかけ浸透を図っており、本年の未施錠件数の減少している実態からも一定の効果があるものと認識している。
・なりすまし被害、振り込め詐欺について
(千田美津子委員)
なりすまし被害、振り込め詐欺の現状と対策について、様々水際作戦とか、防止するための努力が行われていると思うが、その被害が後を絶たない状況であると思うが、被害の現状と対応策について伺う。
(伊藤徳博生活安全部長)
なりすまし被害、振り込め詐欺などの現状だが、本年9月末現在の被害の認知件数は65件、被害金額は合計1億3650万円余となっており、昨年同期と比べると件数は6件の増加、被害金額は1億134万円余の減少となっている。
この内30件は医療費等の還付金を口実に、被害者を金融機関店舗内のATMに誘い出して操作させ、現金を振り込ませる還付金詐欺であり、昨年同期よりも22件増加している。また、65歳以上の被害件数が全体の65%を占めている。
被害を防ぐための対策であるが、これまで実施してきた金融機関店舗内ATM利用者への注意喚起、特殊詐欺防止広報センターや民生委員等からの注意喚起等に加えて、今年8月から、特殊詐欺被害防止活動を推進する個人、法人、団体等の皆さんをサポーターとして委嘱する、特殊詐欺防止対策サポーター制度を運用開始しており、県民総ぐるみによる未然防止活動に努めていく。
また、これらの施策を推進するにあたり、具体的に視覚、聴覚に訴える、また見やすく、聞きやすく、わかりやすい広報に配慮して高齢者等の被害防止に努めてまいりたい。
(千田美津子委員)
頭でわかっているが騙されてしまう、高齢者の方が一人で自宅にいる時が多いわけで、それらにどう対応していくのかが大きなカギではではないかと思う。その点で、対策を検討しているか。
(伊藤徳博生活安全部長)
当事者がいかに詐欺被害にあわないか、あるいはこれは詐欺なんだ、という認識、被害者意識を高めるのが最重要と思っている。
県当局等と連携して、ケアマネージャーや民生委員などの活動を通じた啓発活動、これについては、高齢者宅を訪問する際に、県警が作成した広報チラシ8万枚を配布しながら注意喚起をしていただいている。
また、特殊詐欺防止広報センターからの個別の電話発信などで啓発に努めている。
それでも徹底されないということで、いろいろな機会で高齢の方をはじめ、被害になられる皆さんへ足を運ぶなど、個人、団体のサポーターの皆さんにいろいろな場面で指導していただくようお願いしている。
(千田美津子委員)
県警のちらし「おにっこ」を見て思うが、電話に出てしまうと頭と行動が別になってしまう。高齢世帯の方が電話のそばに貼れるようなミニ版を作成するなどの対応が必要ではないか。
(羽澤武志参事官兼生活安全企画課長)
広報資料については高齢者がわかりやすいチラシ、字の大きさ、レイアウトなど工夫を凝らし、目につきやすいチラシなどで注意喚起をしていきたい。