2017年3月8日 予算特別委員会
秘書広報室に対する質疑(大要)
・いわて情報発信強化事業について
【斉藤委員】
減額の理由は、映画制作が動画になり、その事業がなくなったということだった。すでに先行上映会も行われているようだが、岩手の脚本・監督で、俳優陣も岩手でということで、かなり岩手にこだわった動画ということだが、先行上映されているところの反応はいかがか。そして、今後インターネットで公開ということだが、どういう形でいつ公開されるのか。
【広聴広報課総括課長】
今回、いわて復興ドラマについては、当初2時間の映画という内容を見直し、約30分のドラマを2本制作した。ご指摘の通り、監修・監督をはじめ、岩手にゆかりのある制作の方々をそろえ、出演者や原作ストーリーも公募して制作した。3月4日から10日まで、県内6箇所での上映会を実施し、このうち4日の大船渡会場では650人、5日の北上会場では545人、久慈会場では175人に来場いただいた。
上映会の際にはアンケートを実施しており、もっとも早く開催した大船渡会場から一部紹介すると、「とても心に染み込み、感動しました。これからも頑張って前向きに生きていこうと思いました」「何度も目頭を熱くしました。また一歩一歩歩んでいきたいと思います」「家・仕事全部無くしました。夫婦で家に引きこもりがちで、朝起きると今日一日何をしようかと考える毎日ですが、生きていることに感謝し、何か生きがいを見つけて生きたいと思います」「思い出して涙が止まりませんでした。でも生きていかなければいけませんよね。頑張ってみます」「被災した当時のことを思い出しました。少しでも前向きに過ごしていきたいと思います」という声をいただいている。
こちらの動画については、3月18日と20日に、県内の民放局で1話ずつそれぞれ放送することとしている。このほか、1話だけだがBSで3月25日に放送する予定としている。このテレビ放送終了後に、県の公式ホームページに動画をアップするということで予定している。
【斉藤委員】
大変良い動画を作られたと思う。私もチラシをいただいたが、ぜひこの動画が県内外で観られるように、盛岡も3月10日の予定なので、議会が早く終われば私も観てみたいと思う。
いわての魅力重点発信事業が新規で、先ほどの説明では、東海地方に向けて情報発信するということだった。なぜ東海地方なのか。どういう情報発信でどういう効果を目指すのか。
【広聴広報課総括課長】
今回、東海地方を対象としたわけだが、東海地方については、各部局が事業展開しているさまざまな取り組み、被災地とのつながりの深いエリアであるということから対象とした。
28年8月に、首都圏・福岡・大阪・名古屋のマスコミヒアリングを当課職員が行っているが、やはり距離があると距離感を感じるというご意見があった中で、東海地方については、空路の充実や復興支援での新たな繋がりを感じているというご意見があった。そのような前向きなご意見をいただいていることと、また東海地方については、これまでもさまざまニュースでも取り上げていただいているということから、東海地方をターゲットとして選定した。花巻空港の利用促進、観光あるいは物産のPRと合わせて、こちらの取り組みを展開していきたい。
・県政懇談会の取り組みについて
【斉藤委員】
今年度は10箇所で開催され、うち沿岸が5回と。バランスはいいと思うが、県政懇談会は、6〜8名ぐらいの方をお呼びして、開催時間は1時間15分、6名から10分ずつ話を聞けば終わってしまう。せっかく第一線で頑張っている方々を呼んでやるのであれば、せめて2時間程度じっくり、発言も聞くし意見交換もするという取り組みが必要ではないか。
【広聴広報課総括課長】
県政懇談会については、これまでも見直しをしながら開催してきたが、来年度に向けては、参加者の発言に関連した活発な意見交換や懇談テーマに限定しない、自由懇談の時間を確保するということで、その部分の時間を5分延長し、80分として設定することとしている。
また27年度から、オリエンテーションを実施しているが、こちらでも事前の顔合わせ等ができており、円滑な進行に寄与しているので、今後とも進行の工夫に努めていきたい。
【斉藤委員】
5分延長というのは改善のうちに入るのかどうか。懇談会というのは双方向である。話も聞くし、やりとりもする。実績を見ると、第一線で頑張っている方々をお呼びしている。横の議論も本来は必要で、そういう交流の場でもあるべきである。
来年度5分延長というのもいいが、せめて2時間程度時間をとって、双方向で認識が深まるような、そのことによって知事のマネジメントに生かされるということが必要ではないか。
【秘書広報室長】
委員からはこれまでも、時間が短いのではないかというご指摘をいただいている。なかなか知事のスケジュールとの関係もあり、今まで少しずつは延ばしているが、なかなか難しいというところもある。
私も今年から県政懇談会の司会をさせていただいているが、出席者の横のつながりだとか、自由な懇談の後に新たな発言が出てくるといったようなことを促す時間をできるだけ確保するだとか、いわゆるコーディネーター的なことで出席者の方々のさまざまな考えを引き出すという取り組みを工夫することにより、密度の濃い、中身のある懇談会にしたいということで工夫していきたい。
【斉藤委員】
懇談会というのは名称の通り、聞く会ではない。やはり第一線の取り組みを聞いて、お互いにやりとりして交流し、認識を発展させる、双方向というのが懇談会の旨みである。一方通行ではいけない。とりわけ、県民との直接対話というのが大事な場面だと思う。それを知事が重視して、よく聞いて、交流して、双方向で認識が深まるように、ぜひ5分と言わずに拡充すべきである。
今年度、主なところでいいので、どのような提言がなされ、どう県政に生かされているか。
【広聴広報課総括課長】
主な提言だが、復興に関することが多くなっているほか、三陸ジオパーク、世界文化遺産等を活用した観光振興、地域の特性を生かした産業振興、ILCの実現に関するものなどが挙げられる。
施策反映状況の具体例としては、仮設住宅などのコミュニティづくりでは、行政と住民の間をつなぐことが必要で、そのバックアップをしてくれる方々のバックアップもあればより良いまちづくりにつながるのではないかという提言が出された。こちらについては、市町村と支援団体等を調整するコーディネーターの配置を要する経費について、29年度当初予算案に盛り込んだ。
また、被災地における外部人材の確保として、仮設住宅や空き家を有効活用してはどうかという提言があり、こちらについては、市町村と連携し取り組みを進めていく。
また、震災以降、NPOの活動資金が復興関係の助成金であり、今後の活動のためにはビジネスとしての仕組みづくりが課題という意見が出された。県においては、三陸チャレンジ推進事業や、岩手起業家育成資金等で支援していくという事例となっている。
・知事と首長との懇談について
【斉藤委員】
これも知事の仕事としては大変大事なことだと。議会の場では、それぞれの県政要望への対応も議論になったが、じっくり第一線で頑張っている首長さんとの懇談は大変大事で、時間もとってと提起してきたが、今年度の首長さんとの懇談状況、特徴、改善点を示していただきたい。
【秘書課総括課長】
今年度の実績として、秘書課として把握している分では、これまで19回・延べ27の市町村長さんと懇談しており、30分以上のものは12回やっている。うち沿岸の首長さんとは15回・延べ16市町村長と懇談しており、30分以上のものは9回実施している。
それぞれ昨年同期比で、懇談した市町村さんの数は増えている。
改善点としては、回数は増えているが、時間についてはまだまだまとまった時間を確保していかなければならないと考えている。
【斉藤委員】
県議団としても、岩泉町長さんとはこの間3回お会いし、2月県議会に向けて大槌町長、釜石市長、陸前高田市長さんともお会いした。ほとんど約1時間の懇談、そのぐらい聞かないと、首長さんの言いたいことは聞き取れないというのが私の実感である。
県議でもこういう懇談をして県議会に臨んでいるので、30分以上の回数は増えたということだが、知事としてもさらに市町村長との懇談が充実するように。やはり第一線の首長の仕事ぶり、それから首長は他の職員と違い政治家なので、職員では言えない率直な問題提起をされるので、そこに敬意を払いながら、しっかり聞いて県政に生かしていただきたい。
【秘書広報室長】
我々としても、市町村長さんから知事にお会いしたいというお話があれば、最優先で日程調整をとるように日頃から務めている。
知事が出かける機会をどれだけ確保できるかという問題もあるが、知事が出かける機会があれば、できるだけ市町村さんとお会いする機会を設けるように、これまでもいろいろ努力はしているが、なかなか相手先の都合等もあり実現できないケースもある。
知事からも、市町村との連携は非常に大事だということで答弁しているので、我々とすれば、そうしたことを踏まえて努力していきたい。