2017年3月8日 予算特別委員会
千田美津子県議の政策地域部に対する質疑(大要)


・地域の公共交通路線確保について

(千田委員)
 私の地元でも、4月1日からバスの間引きが結構行われそうだということを耳にしおりますので、それに関連してお尋ねします。
 まず一つは、地域バス交通支援事業費補助についてであります。
 これは、地域の皆さんの生活の足を確保するために、市町村が実施する公共交通ネットワークの再編や、基本路線の利用促進に要する経費を補助するということで、大変良い制度ですが、これには、私の地元のコミュニティバスとかデマンドバスなどもあると思いますが、私は住民の足を確保するという点で、本当にこういう事業を拡大していくことは非常に大事だと思いますが、県内の実態と、今後の見通しはどのようになっているかお聞きしたいと思います。

(大坊哲央交通課長)
 コミュニティバス、デマンドバスといった、住民の方々の生活の足についてのお尋ねでございます。実態についてでございますが、平成27年度におきましては、市町村営バスの有償運行、コミュニティバス等になりますが、14市町村、156系統で行われておりまして、市町村がバス事業者に委託しながら、有償しているものが9市町村、65系統で行われております。
 またこの外、市町村におきましては、無償による患者輸送バスでありますとか、福祉バス、スクールバスといった多様な足を使いまして、住民の足を守っているというような状況であります。
 一方、今後の見通しについてでございますが、地域におきましては高齢化が非常に進んでおりまして、バス停まで移動できないようなお年寄りが非常に多くなってきております。いわゆる、ドアtoドアの需要が非常に高まっているというところに加えまして、交通空白地=バス自体が来ない、こういったようなところも広がりを見せてございます。
 対応の手段といたしましては、デマンド交通でありますとか、自家用車を使いました有償運行制度というのがありまして、こういったようなものを導入して、これらに対応していくことが課題となってございます。県といたしまして、デマンドバス実証運行など支援いたします。
 先ほど、委員からお話ありました公共交通活性化事業、こういったようなものの補助を通じまして、引き続き市町村が行う地域交通確保の取り組みを支援してまいりたいと考えています。

(千田委員)
 是非、今後ともよろしくお願いいたします。
 それではバス運行対策費補助について伺いますが、これは住民生活に欠くことのできない地方バス路線を維持するため、当該路線を運航する事業者に対して、運行欠損額及び車両購入費を補助する、という制度でございます。
 先ほども言いましたけれども、このバス運行について私の地元であれば、国道397号線においてかなりの間引き運転になると聞いております。
 これは、利用者の減少等があってということもあると思いますが、私は高齢者の足確保ということで、大変大事な課題だなと思っております。
 この地方バス路線の維持について、どのような状況となっておりますか、お聞きいたします。

(大坊課長)
 地方バス路線の維持につきましてのお尋ねですが、県におきましては、国との協調補助、あるいは県単独予算によりまして、広域的で幹線的なバス路線につきまして、その収支欠損、これを補助するという支援を行っております。
 平成28年度におきましては、県内68路線、これに対しまして県が負担している額、2億5,910万円、このような額で支援をしております。
 また、平成29年度におきましては、県内で68路線、これに対して県の負担額、2億6,934万1千円、これを当初予算に盛り込んだところでございます。
 県内のバス路線の状況につきましてですが、やはり利用者の減少、これに伴います路線ごとの収支の悪化、これが非常に進んでございます。県におきましては、市町村とか、交通事業者などと連携いたしまして、その路線の収支を改善する、「路線のあり方検討会」というものを開催いたしまして、お金はさることながら、利用を増やすという取り組みに力を入れているところであります。
 今後とも関係者と連携いたしまして、バス路線の維持・活性化、こういったものを進めてまいりたいと考えております。

(千田委員)
 今ご紹介いただきましたが、「あり方検討会」ということで、利用者を増やす検討もなされているということで、私も非常に大事だなと思います。
 さっき、国道397号線の話をしましたが、そのあとで国道4号線で水沢から前沢に行く路線がかなり減らされると、それから江刺の岩谷堂、町から北上まで行く路線も廃止されるとか、大きな路線、幹の路線が次々と減らされるという情報が入ってきましたので、本当にこれは大変な課題だなと思っています。
 特に市町村合併によって、地域は非常に過疎化が進んでいるといいますか、そういう状況のもとで高齢者の方々の足確保が難しくなりますし、また、高齢者にとっては免許証の返納などの問題も出まして、代替交通がどうあればよいのか、利用者を増やすこともそうなんですけども、ですから両面で検討していくことが必要だなと思うんですが、この「あり方検討会」は、例えば市町村ごとの「あり方検討会」がやられているのか、この点お伺いいたします。

(大坊課長)
 「あり方検討会」の話でありましたが、これは路線ごとに行っておりまして、ただいまお話のあった減便路線みたいなところですとか、複数の市町村にまたがって路線収支が悪くなってきている路線、これらにつきまして現に運行しているバス事業者さんとか、それに関わる複数の市町村の担当の方とか一緒になりまして、まず利用者をどうしたら増やせるのか、もう一つは路線の効率化と申しますか、例えば重複した路線があるのであれば、それを一本化するとか、そうした非効率な部分を効率化していく、設計部分ですが、こういった部分を検討していくという部分でございます。いずれ、人口減少の背景といたしまして、幹となる幹線が非常に利用率が減っているというのは事実でございますので、利用増と路線の効率化と両にらみで対応してまいりたいと考えています。

(千田委員)
 是非、よろしくお願いしたいと思います。
 路線を増やすうえで、様々なあり方を検討するうえで、次に移りますが、公共交通活性化支援チームというのがありますが、これは公共交通に関する個別の地域課題の解決支援を行う、有識者などからなるチームということでありますが、この派遣状況、活動内容と実績についてお聞きします。

(大坊課長)
 公共交通活性化チームの派遣の実績等についてでありますが、平成28年度におきましては、12市町村に対しまして派遣・支援等をおこなってございます。
 具体的な例で申しますと、二戸市におきましては、地域内循環バス、中心市街地を定間隔で走らせているバスがございますが、これの運行の設計でありますとか、スクールバスへの混乗と言ってますが、生徒だけでなく一般の方も乗せるという、こういう取り組みに対する検討の支援、こういったことを行っております。
 また、滝沢市におきましては、地域公共交通網形成計画という国の法律の基づく計画を作っておりますが、これへの助言。
 軽米町におきましては、コミュニティバスの運行を見直ししたい、といったことへの助言などを行ってございます。

(千田委員)
 そうしますと、市町村がいろいろ部分があるわけですが、市町村からの要請があればこのチームの派遣も応えていただけるということなのでしょうか、その点。

(大坊課長)
 ただいまお話がございましたとおり、市町村への支援というのが目的の第一でありまして、市町村におきましては専門の交通対策の部門がないところが非常に多いです。観光と一緒に交通をやってみたり、総務がやってみたりということで、なかなかそういう知見とか、マンパワーが足りないところが多いので、そういったところに有識者の方々を派遣して支援するというのがこの制度でございまして、市町村のご要望に応じながら支援を行っているところであります。

(千田委員)
 活性化支援チームの資料をいただきましたけれども、福島大学の先生とか、地域づくり支援センターの理事さんとか、素晴らしい方々がチームに入っておられますので、こういう専門家の助言を得て、市町村がみんな悩んでいると思うんですが、これらを具体化、成案化していくうえで、このことが非常に大事だなと思いますので、これからも是非よろしくお願いしたいと思います。
 市町村にとっては、専門家がいないんですよね。これが頼りといえば頼りですし、あとスクールバスの混乗についてはいろいろ議論があったり、制度的な制約があるということで見送ったところもかなりあるので、そういう情報の伝達も含めて、是非これについてはなお一層、市町村への支援をお願いしたいと思いますので、その点もう一度伺って終わります。

(大坊課長)
 ただいま委員ご指摘のとおり、市町村の方々の悩みは非常に深い部分でございます。専門の知識も持たず、マンパワーも少ない中で、全市町村にわたる公共交通をどうしていくか頭を悩ましている、という実態でございまして、これにつきましては、公共交通活性化支援チームを十分に活用いただきまして、ご支援ができればと思ってございます。
 いろいろと市町村と連携しながら、今後とも公共交通の活性化に努めてまいります。