2017年3月9日 予算特別委員会
警察本部に対する質疑(大要)
・東日本大震災津波の行方不明者の捜索活動について
【斉藤委員】
今年度の捜索活動の状況や成果、実績はどうなっているか。
【警備部長】
各月命日を中心とした沿岸警察署単位の捜索活動を実施しており、1月13日、陸前高田市の脇の沢漁港において実施した海中車両の引き上げ作業に伴う捜索をはじめ、2月末現在、延べ44回、約490人を動員し捜索活動している。
昨年9月・10月については、台風10号豪雨災害対応のため中止している。
今年度中は、残念ながら、行方不明者ご本人や行方不明者に関連する所持品については発見には至っていない。
【斉藤委員】
いまだに1123名の行方不明者がおり、遺体のひとかけらも見つからないと。悲しみが癒えるどころか蓄積されているという切実な話を聞いてきた。
昨年は、古川沼の捜索も行っていただいたが、明後日3月11日の大規模な捜索活動の計画について示していただきたい。
陸前高田市の古川沼は、一度リモートセンシングなどを使い捜索していただいたが、震災直後にこういう話があった。ダイバーが潜ったらかなりの遺体があったと。これは遺族の中でも話されており、古川沼の場所は祈念公園が整備されるので、整備される前にしっかり改めて徹底した捜索をしてほしいというのが切実な要望である。これについても、ぜひ検討していただきたいと思うがいかがか。
【警備部長】
3月11日の計画については、沿岸警察署のほか、本部および内陸警察署から約250人を動員し、海上保安部など関係機関と連携し、海岸線等の捜索のほか、陸前高田市内において、復旧工事に伴い水抜きを行う水門工事現場における捜索、大槌町内において水中探索機を使用した河川の捜索など、計14箇所において実施予定である。
古川沼については、24年以降、機動隊員による潜水活動や水中探索機を活用した捜索を6回実施している。昨年11月11日には、陸前高田市からの要望を踏まえ、大船渡警察署員および機動隊員と約30人体制で、海上保安部とも連携し水中捜索を実施している。捜索は昨年8月に東海大学が実施した水中探査結果に基づき、機動隊と海上保安部が連携し水中捜索を実施した。その結果、沼底には鉄骨やコンクリート片などのがれきを確認したが、その上に泥が堆積している状態であり、残念ながら行方不明者の発見につながるものは見つからなかった。
今後については、実施時期や方法について、自治体や管理者、海上保安部等関係機関と連携のうえで対応していきたい。
【斉藤委員】
明後日の大規模な捜索とあわせ、古川沼についても大変切実な要望があるので、ぜひ捜索方法なども検討し、引き続き頑張っていただきたい。
・捜査報償費について
【斉藤委員】
この間の実績と来年度の予算額を示していただきたい。実績と予算額にかい離が大きすぎるのではないか。
【警務部長】
決算額で、24年度234万円余、25年度1249万円、26年度1067万円余、27年度1072万円余となっている。28年度については、まだ執行過程であるので申し上げる段階にはない。来年度当初予算額は1300万円余を計上している。
実績とのかい離についてだが、当初予算の計上額については、基本的に前年度の実績、各所属の事件捜査の状況等を勘案し積み上げたものであり、個々具体的には捜査活動に支障があることから答弁は差し控えたい。
【斉藤委員】
毎回取り上げてきたが、裏金の温床になっているということで全国的な問題になっているということで取り上げている。
24年度・25年度の予算額は2000万円を超えていたが、実績は1200〜1100万円、今年度の予算額は1666万円、来年度は1300万円と。実態に合わせて減少してきた。これは私の質問の一つの結果だと思うが、まだまだ実績と予算額にかい離があるのではないか。
・岩手医大元教授の覚せい剤疑惑と県警幹部の天下りについて
【斉藤委員】
一般論としてお聞きするが、覚せい剤疑惑が発生した場合に、県警はどのように対応するのか。
【刑事部長】
警察は、犯罪があると思量される場合について、法と証拠に基づき適正に捜査を進めるということになる。
【斉藤委員】
岩手医大元教授の覚せい剤疑惑というのは、覚せい剤を打たれたという女性が自ら証言した事件である。疑惑というより事件と言ってもいい。自ら証言した女性については捜査したのか。
覚せい剤事件というのは、どういう捜査をするのか。
【刑事部長】
個別の案件については、捜査をしているか否か、あるいは捜査状況について、具体的な発言は差し控えたい。
捜査方法についても、個別具体的なことは差し控えたい。
【斉藤委員】
都合の悪いことは全部発言を差し控える。
これは社会的に大問題になった、県警の威信に関わる事件だった。そして岩手医大は、報道される前に調査委員会をつくった。ところが岩手医大の調査委員会は、何の結果も出さず、この教授はその年度の3月末で退職した。疑惑がなければ辞める必要はない。有名な看板教授だったので。都合の悪いことがあったから辞めたのではないか。
そしてあなた方は、捜査したと一言も言わない。それどころか、当該大学に捜査の責任者である刑事部長が天下りした。本当にこれは許しがたいことで、県警の汚点だと思う。
本部長、私は何度もこの問題を取り上げているが、捜査をしているのなら、当該大学に捜査の責任者である刑事部長が天下るということは許されないと思うがいかがか。
【警務部長】
刑事部長が申した通り、個別の捜査について、その是非について、状況についても、具体的な事柄については答弁は差し控えたい。
再就職の関係だが、退職者の再就職については、民間企業等がどういった人材を必要として、どういった採用を行うかは、あくまで当該企業等の独自の判断によるところであり、再就職は雇用主と退職職員本人との雇用契約に基づいているものと承知している。
【斉藤委員】
12月の一般質問で公安委員に聞いたが、答弁は「捜査について報告は受けていない」と。岩手県警が重大なこの事件について報告していないということは捜査していないということではないか。
そして、一般的な天下りではない。捜査に関わる、もみ消したと疑われる大学に、捜査の責任者である刑事部長が天下っているから問題にしている。改めて本部長にお聞きしたい。
【警務部長】
公安委員会に報告していないということだが、岩手医大元教授の覚せい剤疑惑について、公安委員会に対して捜査状況について報告はしていないが、この疑惑が週刊誌に掲載されたことや昨年の定例会において、斉藤議員からのご質問と答弁については報告している。
【斉藤委員】
公安委員はだらしないと思う。私が取り上げたことと答弁も報告したというのなら、警察を管理監督する公安委員会が何も言わないと、これ自身が異常なことだと思う。
・県警の不祥事と不審死について
【斉藤委員】
昨年9月5日、県警本部の職員が簗川大橋から飛び降り自殺をしている事実はあるか。
【警務部長】
ご指摘の通り、昨年9月に自殺の事案があったことは事実である。管轄警察署において必要な捜査を行った結果、自殺事案として対応している。
当該職員の所属等については、個人のプライバシーや死者の尊厳に関わることであるので答弁は差し控えたい。
【斉藤委員】
平成27年1月下旬にも、32歳の交通規制課の職員が簗川大橋から飛び降り自殺しているのではないか。
【警務部長】
ご指摘の通り、27年1月にも職員の自殺事案があったことについては事実である。
【斉藤委員】
2年連続で、同じ課の会計担当の職員が簗川大橋から飛び降り自殺することは異常だと思わないか。この背景に何かあるのではないか。そのように捜査しているか。偶然の自殺なのか。
【警務部長】
自殺の原因、動機については、個人のプライバシーや死者の尊厳に関わるので答弁は差し控えるが、事案発生後、勤務環境や勤務状況等について必要な調査はしっかり行っている。その結果として、何か問題があったというような事実はないことを確認している。
【斉藤委員】
2年連続で同じ場所で、同じ課の会計担当の職員が自殺するというのは異常なことである。何かを苦にして自殺したのではないか。それは裏金ではないのか。
次に、今年2月10日、県警本部の警察官Y氏が行方不明となり、13日に水死体で発見された。Y氏の所属はどこか。県警はどう捜査し、どう対応したか。
【警務部長】
裏金というお話があったのでしっかり答弁させていただきたいが、先ほどしっかり調査をしたと申し上げたが、そういった点についても調査を行ったうえで、ご指摘のような不正は行っていないと確認している。
【刑事部長】
本年2月、盛岡市内の北上川で遺体が発見され、身元確認の結果、警察職員であったという事実はあった。
当該職員の所属等については、個人のプライバシーに関する内容があり答弁は差し控えたい。
県警の対応についてだが、死亡の原因等については現在も捜査中である。これまで、足取り捜査をはじめ、所要の捜査をしっかり行っている。
現時点において、事件性あるいは自殺の可能性のような情報はない。捜査の詳細については、個人のプライバシーや死者の尊厳に関わるので答弁は差し控えたい。
【斉藤委員】
重大な答弁があった。自殺の可能性はないと。私もそうだと思う。
この方は、2月10日に行方不明になったが、この日は自分の出身高校のOB会、退職をする方の送別会に参加し、その後寿司店に行き、開運橋に方向に帰って行き、行方不明になった。見つかったのは2月13日である。
水死体は、頭部に陥没したものがあったのではないか。
【刑事部長】
捜査は、足取り捜査をはじめ、しっかり行っている。
具体的なものについては、個人のプライバシーや死者の尊厳に関わるので、発言は差し控えたい。
【斉藤委員】
自殺の可能性はないということなので、これは本当に重大な事件だと思う。
そしてこの警察官も、裏金の対応を苦にしていたと。本当に深刻な事件だと思うので、徹底した捜査をしていただきたい。隠蔽、もみ消しが絶対にあってはならないと思うがいかがか。
【警務部長】
裏金というご指摘だが、会計事務について、県の監査委員等が監査を実施しているほか、警察本部による不定期監査も実施しているが、ご指摘のような不正のようなものはない。
【刑事部長】
先ほど申し上げた通り、現在捜査中であるので、しっかり足取り捜査なりを行うということでご理解いただきたい。
【斉藤委員】
本当に不可解な飛び降り自殺や水死体の発見が相次いでいる。「裏金はなかった」という結論先にありきでは捜査にならないと思う。こういう異常なことがなぜ起こったのか、徹底して捜査すべきである。ぜひ県警の監査も厳しくやっていただきたい。特に交通規制課はやっていただきたい。
・盛岡中央高校青雲寮での事件について
【斉藤委員】
2016年7月2日、盛岡中央高校青雲寮で、恐喝・脅迫を受けて、生徒が自殺未遂を起こした。
これは県警にどういう報告・連絡があったか。県警はどう対応したか。
【刑事部長】
この話については、私のところには報告はあがっていないので、現時点では把握していない。
【斉藤委員】
少年課には話があったと思うが、少年課管轄の部長にお聞きしたい。
【生活安全部長】
私も報告は受けておらず、耳にも入っていない。
【斉藤委員】
これは今問題提起したので、調べてやっていただきたい。