2017年3月9日 予算特別委員会
警察本部に対する千田美津子県議の質疑(大要)
@ 交通安全施設の整備について
(千田美津子議員)
交通安全施設の整備についてお伺いいたします。この間も信号機の設置を増やして欲しいと要望を行ってきましたが、残念ながら、新年度予算は震災関係部分が前年度に比べて5,000万円の減額、それから通常分も3,550万円の減額となっております。
そこで、震災関係部分と通常分で計上された中身と、減額の理由についてお聞きをいたします。
(内藤交通部長)
平成29年度当初予算における交通安全整備費についてでありますけれども、初めに震災対応分の主な事業内容につきましては、被災地の土地区画整理事業等によって整備される新たな交通環境に対応した信号機の新設置、移転及び撤去、また三陸沿岸道路の整備に伴う可変速度標識等の整備であり、これらは被災地の復興事業の進捗に応じて増減するものであります。
また、通常分の主な事業内容につきましては、交通情報の収集及び分析による信号機の適切な制御や、交通情報等の提供等を行う管制センターの機器整備、交通信号機の新設・移設、撤去及び機器の更新整備、交通規制の実施に伴う道路標識、道路標示の設置及び摩耗更新整備であり、前年比減額となっている理由については、必要な特殊要因を加味したうえで県が策定した平成29年度予算要求調整要領に基づいて、他の公共事業に準じて調整・減額したものでございます。
(千田議員)
震災対応分については、復興の進捗度合いに応じて増減するというのはそのとおりだと思います。ただ、被災地域では今、さかんに盛り土されて、新年度に街づくりが進む状況にあるわけで、28年度により信号機とか予算がもっと必要になるのでは、と思っていましたが、これだけの減額になるというのはちょっと理解できなかった。それで、復興の担当との密接な連携、調整が必要だと思うんですけども、それについてはどの程度行われているのかが一つです。
それから通常分で、全体の予算編成上の他の工事業と合わせた減額だ、ということで何%減額ということなのかもしれないが、私はやはり、県民の命を守るという点で、この間ずっと話してきましたけれど、毎年10カ所程度というか、各警察署から要望、上申をされた数の3割程度しかなっていない現状は、大きな問題があると思うんですね。ですから、普通の公共事業の一般的な削減と違って、県民の命を守る、それから被災地での事故が増えている、そういう状況からすると、もう少し県警本部としても力を入れて対応すべきところだと思いますので、その点お聞きします。
(内藤部長)
一点目の、復興事業担当との密接な関わり合いを持って事業を進めていただきたい、ということについてでございますが、復興計画については各市町村で行っておりまして、その工事の進捗状況についてはそれぞれ個別の事情があり、すでにすんでいるところ、また、これからやらなければならないところがあると思いますので、これらについて、その進捗状況に合わせて交通信号機なり、そういった安全施設の整備は当然進んでいくものだと理解しておりますので、これらについては、適宜連絡を取りながら進めているところでございますので、その点は了解願いたいと思います。
また、通常分の信号機の設置について、命を守るためにもっと進めていくべきではないか、というご意見でございます。これについては、私どもの方もそれら県民の方の意見、地域の方の意見を尊重しながら考えているところであります。信号機の新設に関して、いろんなご意見があることは承知しておりまして、県警としては交通量、交通事故の発生とか、そういったものを加味しながら、必要性や緊急性の高いところを順次つけていくというような、全体事業の中で必要な調整をして、工事を進めていくというふうなことになっております。今後、皆さんの期待に応えられるよう頑張ってまいりたいと思います。
(千田議員)
是非、県民の声を尊重して対応していただきたいんですが、どうしても納得できない部分があるのでお聞きをしますのけれども、各警察署から上申される数というのは、例えば28年度分については41箇所なわけですね。しかし、それぞれの警察で現地調査も踏まえて、必要だなと判断している箇所はその倍以上あると聞いているわけですが、各警察署の交通安全対策協議会にかけられている、実態調査を踏まえてしっかり審議をされた件数は何件ととらえていますか。
(内藤部長)
警察署の信号機の設置要望数についてでありますけれども、本年実施しました平成29年度の交通規制計画というものがございまして、それに係る各警察署からのヒアリングに際しまして、警察本部に上申された数は41箇所でございます。当初予算において震災分を含めた12個所の整備を計画しております。
交通規制対策協議会には、警察署になされた要望のうち、交通環境等を調査した結果、設置の必要性が低いと判断したものを除いた、41箇所は諮問されておりますので、当協議会において本部に上申された41箇所に不適とされた案件はございません。
(千田議員)
必要性、緊急性等を勘案しながら優先度の高い方から設置していると、そういうことはあると思います。
ただ、この間の答弁でも、3割前後しか設置がされていないという現状からすれば、上申されたところは必要だから、なおかつ死亡者がいる、交通事故も非常に多い個所が上申されているわけですね。
ですから、例えば28年度の設置数でいえば、ここ5年間くらいでは3割は超えていましたけども、28年度は28.3%、29年度の設置は29.3%ということで、3割を切る状況なんですよね。ですから、設置率が高く上がることはあっても、下がっていく状況はおかしいのではと思いますので、来年に向けて、是非、もっと県民の命を守る、という点で頑張っていただきたいと思うんですが、本部長にお聞きします。
(堀本部長)
予算要望に関しましては、交通安全施設はそれに限らず、治安維持のために必要なものは適切に立案して要求したいと考えております。
A 特殊詐欺被害対策について
(千田議員)
それでは二点目、特殊詐欺被害について若干お聞きいたします。
先ほど、阿部委員からも話がありましたが、振り込め詐欺の中で、オレオレ詐欺が減っているのはいいですけども、驚いたのは、戻し詐欺、いわゆる還付金詐欺が27年度に比べて30件以上も増えていること、その被害金額は4,000万円増えていること、大変なことだと思いました。
それからもう一つ、支払い詐欺、架空請求詐欺ですね。これも10件増えて、被害金額が1,000万円増えているということで、いろいろと努力をされたり、いろいろな部分で啓蒙活動をしている中でも、やはりこういう被害が増えているという現状の中で、新年度から様々広報センターからの電話作戦とか、ケアマネージャー、民生委員などの啓発活動とか、ATMの音声放送とか、さまざま取り組まれるとか、非常に期待しております。
広報センターからの電話ですけれども、電話帳に掲載されている世帯に対して注意喚起を行うと書いてありますが、これは全世帯に対して行うことなのか、この点確認したいと思います。
それから、自動通話録音警告機の貸し出し事業ですが、高齢者に着信音が鳴る前に、相手側に警告メッセージを流すということで、私も非常に大事な機械だなと思うのですが、どの様にして貸し出しを広げていくか、これについてもお考えをお聞きしたいと思いますし、併せて、課題として今一番考えていることは何かお聞きしたいと思います。
(伊藤生活安全部長)
新年度の予算措置を伴う、特殊被害防止広報センターからの電話による注意喚起について、現時点では電話帳掲載者からということで事業を進めており、県民の方から被害の発生を出さない、ということでかけ始めている状態です。今年度4月の本事業の実施から本年の1月までに48,425世帯の方に対して荷電しています。その中で、実際に相手の方が電話に出られて、コールセンターの方から被害防止広報ができた数は29,621世帯ということで、進捗状況といたしましては、警察署管内で申し上げますと、盛岡東警察署、盛岡西警察署管内は終了して、現在は花巻署管内の方に活動していただいており、今年度内で花巻の方は終了する予定でございます。
もちろん、電話帳に掲載される方だけにやるというわけではなくて、まずは、把握できる、お住まいになっている方、こちらに電話を差し上げると、それ以外は当然通常行っております、地域警察官などによる巡回、連絡、あるいは地域ごとの会合、これらを活用して警察官が行っての広報、啓発活動等を進めております。
自動通話録音警告機の貸し出し事業については、委員からご紹介あったように、犯人側が署のダイヤルコールすると、受け手の方のコールが鳴る前に相手側に対して、この会話は自動で録音されます、というような警告メッセージが入ることになっております。大概の場合は、このことを受けて犯人側は断念いたします。それでも引き続き受けられる方は、話をするとその内容が録音され、その後の捜査に役立つということで、こういう機能を有しているのでございます。
27年8月に200台購入いたしまして、県内の警察署を通じて被害にあわれる可能性が高いと思われる高齢者の世帯に優先的に貸し出しております。200台という数ですから、危険性が高い、低い、を判断しながら貸し出し作業を進めてまいりたいと思っています。
現在、民間で電話機を販売している業者の方でも、こういった機能のついたものを販売されているということで、こうした方をサポーターに委嘱して推進しているところであります。
課題について、昨年はATMで医療費を還付するとだまし、金融機関店舗内のATMに移動して、電話でATMの操作を指示しながら、被害者の口座に預金を移動させる還付金詐欺と、インターネットの有料サイトの未払い料金があると嘘を言ってだます、架空請求詐欺が併せて全体の認知件数の75%を占めております。詐欺に気づいて、被害を防ぐ抵抗力を高めてもらうため、幅広い年齢層の方々への手口の周知、これらが課題と考えております。
(千田議員)
自動通話録音警告機の貸し出しは非常にいいと思います。新年度台数を増やしていただきたいと思うのですが、そういう予定はないのでしょうか、もし、ないのであれば補正ででも対応をお願いしたいのですが。
(羽沢参事官兼生活安全企画課長)
自動通話録音警告機でありますけども、当初200台を購入させていただきまして、各警察署を通じまして高齢者宅に設置いたし実施しております。この貸し出しにつきましては、概ね半年及び1年、それを設置した段階で、設置した方が、自分のところはもう大丈夫ですと、ということで返納していただき、新たにまた設置していく、そしてさらに機械の効能につきまして、各地域ですとか、各会合で広めていただきまして、民間から独自に買っているという方もおります。
機器につきましては、27年度購入しておりますけども、順次貸し出しており、延べ人数ではもっと設置しておりますので、今後もこの200台を活用してさらに普及させまして、効果を高めてまいりたいと考えているところであります。