2018年3月6日 予算特別委員会
議会事務局に対する質疑(大要)
・放送設備の不具合、改修について
【斉藤委員】
来年度の議会費の予算は、今年度比7000万円の増額となっているが、主な理由、内容はどうなっているか。
【議会事務局長】
増額の理由等だが、特別委員会室の放送設備改修に要する工事費および設計委託料で2820万円余、来年度末に定年退職を迎える職員2名分の退職手当4200万円余を計上したこと等が増額の主な要因となっている。
【斉藤委員】
特別委員会室の放送設備改修ということだった。実際に昨年の決算特別委員会の時に音響が大変不調で苦労したが、放送設備の不具合の原因と責任はどこにあったのか。
【議会事務局長】
昨年10月12日の決算特別委員会2日目に、特別委員会室の放送設備が故障し、カメラやマイクがうまく動作しない不具合が発生している。特別委員会室の放送設備については、開会日当日の朝に職員が毎日点検しており、不具合が発生した前日の決算特別委員会初日も問題なく動作していたところだが、2日の朝に放送設備を起動した際に、突然故障が発生した。
業者から不具合の原因について、マイクの操作とカメラの操作を連動させる機器が経年劣化により故障したものと聞いている。
本会議場および特別委員会室の放送設備については、平成22年に同時に更新しているが、老朽化が進み、動作が不安定な状況となっているところであり、今後同様の不具合が発生し、議会運営に支障をきたす恐れもあることから、両方の設備更新を予定することとし、今年度は設計委託費用と特別委員会室のみの放送設備改修工事費用を来年度予算に計上することとした。
【斉藤委員】
平成22年に更新したと。耐用年数はいくらだったのか。
【議会事務局長】
いろんな機器の組み合わせなので一概には言えないが、5年〜6年程度が更新の期間と業者からは言われている。
【斉藤委員】
そういうことであれば更新の時期を迎えたという改修ということで受け止めていいか。
・議長公用車の更新について
【斉藤委員】
860万円ということだが、東北各県の議長公用車の車種・取得費用はどうなっているか。岩手の積算は高いように見えるがいかがか。
【議会事務局長】
現在の議長公用車は、平成13年7月に取得したトヨタ・センチュリーであり、16年以上が経過し、調べたところ、全国の都道府県議会の議長公用車の中で一番古い車両となっている。平成27年の山形市への公務の際に、エンジントラブルのため途中で引き返すなど支障が生じた事例もあり、経年劣化による老朽化が著しいことから、来年度更新を予定することとした。
公用車の配置基準から、議長公用車は知事公用車と同様に、3000cc以上のセダンとされているところであり、環境基準への対応は地域振興への配慮などを考慮した上で希望車種を選定し、来年度予算に所要額を計上した。
本県以外の東北各県の議長公用車については、車種については、トヨタ・センチュリー1県、トヨタ・クラウン2県、日産・フーガ2県となっており、取得価格については、取得年次に大きく差があり、リース方式を導入しているところも一部あるので単純に比較できないと考えるが、実績で一番高い県が991万円余、一番安い県が373万円余と聞いている。
新しい議長公用車については、知事と同種のものを希望しているが、知事公用車と比較し、走行日数や走行距離の実績が少ないことや、価格面などを考慮し、知事公用車よりも価格の下のタイプのものを想定している。
各県ごとに更新のスパンが異なるので、一概に比較することは難しいが、議長公用車のように長期間使用することなどを総合的に勘案すれば、極端に高いものではないと考えている。
【斉藤委員】
福島県は日産・フーガ、平成25年購入で373万8千円。
秋田県はトヨタ・クラウンマジェスタ、平成26年、これはリース5年で年間135万9千円、リースはかえって高くつくと思う。
宮城県はトヨタ・クラウンハイブリッド、平成21年購入で623万円。
青森県は日産・フーガ、平成23年購入で588万円。
そうすると、東北のスタンダードは500〜600万円ぐらいではないか。クラウンのハイブリッドでも十分ではないのかと思うが、レクサスにこだわった特別の理由はあるか。
【議会事務局長】
先ほど公用車の配置基準のところで申し上げたが、知事の公用車と同等ということもあるので、知事と同種のものでよろしいのではないかということで選定したものであり、やはり議長の職責に見合った車種である必要があるのではないかと事務局としては考えている。
【斉藤委員】
知事車と比べてはいけないと思う。あれは1400万円もかかって高すぎた。
東北のレベルを具体的に紹介したが、東北のスタンダードでも十分ではないのか。予算は860万円とっているわけだが、慎重に検討して対応していただきたい。
・議会資料への議会費の掲載について
【斉藤委員】
議会資料の予算審議資料の中に、議会費というのがない。
代表者会議には「議会費関係平成30年度当初予算の概要」というのが出されるが我々には出されない。こういうものはきちんと議会資料に載せるべきではないか。議会費も予算案なので。
【議会事務局長】
これまで、議案等説明会があった際に、主に議会費の予算は、議員の報酬なり職員の人件費等管理運営費的なものが主なものだったので、議案等説明会などで議会事務局として説明する機会はなかったが、今年度、特別委員会室の放送設備改修や議長公用車の件もあったので、説明する事項があるのであれば、議会事務局として説明する機会があってもいいのではないかと考えているので、来年度予算時期に向けて対応したい。
・海外視察の問題について
【斉藤委員】
都道府県議会の海外視察の今年度の実施状況、岩手県議会の海外視察の今年度の実施費用、一人当たりの費用について示していただきたい。
【議会事務局長】
平成29年度における実施状況だが、1月22日時点で、「実施」が本県を含め32道府県、「実施せず」が11県、「未定」が4都府県となっている。
今年度の岩手県議会の海外行政視察の実施費用は、視察議員数12名の旅費・現地通訳料等総額で1073万円余、一人当たりの派遣費用は89万円余となっている。
【斉藤委員】
現時点で未定というところはないと思うので、そうすると全国の15都県は海外視察はないということである。
やはり復興の関係で全国から応援職員も含めて応援を受けている議会としてはいかがなものか。
そして今回の視察は一人当たり89万円余と、90万円の上限ぎりぎりとなっている。政務活動費もかなりの返還額があるが、最大限政務活動費を使って、自主的な視察でやるべきだったのではないか。
・政務活動費について
【斉藤委員】
昨年度の執行状況と返還額はどうなっているか。
【議会事務局長】
平成28年度の政務活動費については、議員48人にたいし1億7856万円余を交付し、うち1億4316万円余が執行され、執行率は80.2%となっている。返還額が生じた議員数は40人で、返還額は3539万円余となっている。
【斉藤委員】
この政務活動費の活用こそ、議員とすれば考えるべきではなかったか。
昨年9月、NHKが議員連盟の繰越金の問題を報道し、事実上、年度末の議員連盟は今年度分は返還という方向が出されたので、今年度の議員連盟の繰越金総額は分かるか。
【議会事務局長】
手元にあるものが27年度実績のNHKの報道によるものだが、会費を徴収している25議連の繰越額の総額は400万円と報道されている。
28年度分については手元に数字がなく、すべて議会事務局で把握しているものではないのでご了承願いたい。
【斉藤委員】
政務活動費の領収書のホームページでの公開について、全国都道府県議会、県内市町村議会の実施状況はどうなっているか。
【議会事務局長】
2月1日現在、大阪府など8府県において議会のホームページで公開している。平成30年度から新たに宮城県や東京都など5都県で公開予定と聞いている。
県内市町村議会の実施状況については、盛岡市・一関市など5市町において領収書をホームページで公開している。
【斉藤委員】
全国都道府県議会でもホームページでの公開が広がっている。県内でも5市町議会で。
岩手県議会は、当初は議会改革の先頭に立ってきた議会で、こうした取り組みは岩手県議会こそ率先して進めるべきである。
委員長、これはぜひ議長なりに申し伝えて議会改革を推進するようにお願いしたい。
議会事務局にお聞きするが、事務的な障害・課題はないと思うがいかがか。
【議会事務局長】
政務活動費の領収書等をホームページで公開するためには、PDF等のデータファイルを作成する必要があり、議員より提出された全ての書類についてスキャンし、大量のデータファイルを作成する作業が生じることから、職員の業務量が増加することになるが、仮に公開することになれば、事務局として対応しなければならないと考えている。