2018年3月12日 予算特別委員会
商工労働観光部に対する千田美津子県議の質疑(大要)


・障害者雇用の現状について

(千田委員)
 雇用問題を2、3お聞きします。障害者の雇用の現状で、一つは一昨年から障害者の差別解消法と改正障害者雇用促進法の施行によって、全ての企業に法定雇用率以上の障害者を雇用しなければならないということが義務付けがされました。現在の障害者雇用率は2.0%となっておりますけれども、来月4月からは雇用率が変更になりますがどのように具体的に変わっていくのかがひとつです。それから現在の障害者雇用の現状について、雇用されている障害者の数、実雇用率、法定雇用率達成企業の割合について具体的にお知らせを頂きたいと思います。

(高橋利明雇用対策課長)
 障害者の法定雇用率についてでありますが、30年4月1日から障害者雇用義務の対象といたしまして、これまでの身体障害者、知的障害者に精神障害者が加わり、併せて法定雇用率も変わるものでございますが、具体的には民間企業が現行の2.0% から2.2%に、国・地方公共団体等が2.3%から2.5%に、都道府県等の教育委員会が2.2%から2.4%とそれぞれ引き上げになります。
 続きまして、障害者雇用の現状についてでございますが、岩手労働局の調査によりますと、平成29年6月1日現在における民間企業の状況は、雇用されている障害者の数は3089.0人、障害者の実雇用率は2.16%、法定雇用率達成企業の割合は57.5%となっております。
 つぎに、県の状況は雇用されている障害者の数は191人、障害者の実雇用率は2.42%、法定雇用率達成機関の割合は75%となっております。
 つぎに県教育委員会の状況につきましては、雇用されている障害者の数は 194.5人、障害者の実雇用率は2.35%、法定雇用率達成機関の割合は100%となっております。

(千田委員)
 本当は100%達成すべきなんですが、いただいた資料では北海道東北ブロックでは最も高い水準となっているお答えでございました。だからいいというものではありませんけども、引き続き努力をしていただきたいなと思っています。
 阿部委員への答弁の中でもいろいろ企業に対して、あるいは商工会議所への要請等々お話がありました。それらは積極的にやっていただきたいと思うんですけども、実は、精神障害者の方の職場定着が非常に悪いと言う状況があるようで、それがやはり引き上がらない状況、要因となっているのではないかなと思っております。私が調べたのでは身体障害者の平均勤続年数が10年、 知的障害者が7年9ヶ月、 精神障害者の方は4年3か月程度になっているという現状があるようです。やはりこれから制度が変わるということもあって、この法の精神にのっとった形でも取り組みがこまめな丁寧な対応が必要ではないかなと思いますので、その点お聞きをしたいと思います。

(高橋雇用対策課長)
 障害者の雇用の関係で定着支援ということでございますけども、県といたしては、広域振興局に配置している就業支援員の事業所訪問など取り組んでいるところでございますし、国におきましては岩手労働局、 あるいはハローワークによる障害者の法定雇用率を達成していない企業に対しては訪問等により指導しておりますが、そういった中での訪問活動、あるいは障害者就業生活支援センター等と連携した個別支援、そういったものと連携しながら進めていきたいと考えておりますし、先ほどもお話をしました企業へのセミナー、あるいは就労支援機関向けのスキルアップ研修、こちらの方も今年度やりましたけども、来年度も引き続き実施するということで、委員もお話しがあったような懸念ができるだけないように取り組んでまいりたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。

・母子家庭の母親等の就職支援策について

(千田委員)
 それでは二つ目、就職支援能力開発費に関連してお尋ねをいたします。特に母子家庭の母等への支援が商工労働部ではどうなのかなと、非常に関心をもって聞いておりました。
 就職支援能力開発費を使っての様々な事業があったわけですが、この事業によって受講者の方々が一体、どのくらいの就職に結びついたのかお聞きをしたいと思います。
 それから新規事業の中で就職困難学生等のコースがあります。決して多くはありませんけども、1コース10人という枠ではありますけども、これは非常に大事な施策ではないかなと思っておりますので、この事業の背景となるものがどういうことだったのか、この二点をお聞きいたしたいと思います。

(鎌田徳幸労働課長)
 はじめのお尋ねの就職状況についてでありますけれども、職業支援能力開発費で実施しているコースは、全体で87コース開講されておりまして、1043名が受講されている状況で、そのうち就職率が、まだ年度途中ということで数字のブレは今後出てくることが予想されますけども、現時点で83.3%という数値になっております。
 あと就職困難な学生のコースについてでありますけども、こちらはどういった学生が受講するかと言うと、なかなか社会的スキルが不足しているとということで、なかなか面接とか乗り越えられないという学生さんがおりますので、こちらの方を対象にいたしまして実施しているという内容になっております。

(千田委員)
 確認ですけども、83コース1043人というのは間違いありませんか。いただいた資料だと93コース1171人になるんですけどもそこ確認です。それと就職困難な学生のコースについては目的はわかりました。実はどういう背景があって、そういう人がただいるよ、と言うだけじゃないね、どこかの要望とか何かがあると思うんですけどもそれについてお聞をしたかったのです。

(鎌田労働課長)
 平成28年度の受講者につきましては1298名、そして、平成29年度の途中の受講された方が1043 名ということになっております。どのような背景でそういったコースが設けられましたかということでしたけども、こちらの方は先ほど答弁したところもありますが、国からの委託事業で、国の方で設定されたというところで詳細まではこちらの方で把握しておりません。そちらの方につきましてはご了承いただきたいと思います。

(千田委員)
 母子家庭等の母等への支援ということは非常に大事なことであります。保健福祉部でも同じような資格取得の助成がありますね。母子家庭等高等職業訓練補助ということで、資格取得のための2年とか3年の期間に必要な1ヶ月10万円とか支援して資格を取ってもらうと。看護師とか保育士とか今不足している。そういう職についてもらうための支援があるわけです。ただこの間の保健福祉部の審査の時にその活用が悪いという答弁があったので、こういう本来の正規雇用につながる支援は部で抱えないで、必要な人に必要なアドバイスがいって、 有効な利用がされることが大事だと思っています。商工労働部では女性の求職者に対して7日間から25日間ということで本当に短期のコースなわけですけども、正規雇用を拡大していくという点で、他の部所の管轄の事業であってもいろんな場面で知らせて利用につなげる、そういうのがもっと必要だなと思いましたので、是非皆に有効にやってもらうための周知も含めて、連携をもっとやっていただきたいなと思うのですがいかがでしょうか。

(鎌田労働課長)
 母子家庭のお母さん方の就業支援につきましては、受講者の方から逆に見ると、様々な母子家庭であったり、きちんとした2ヶ月以上のコースであったりとか、あるいは女性就業支援援助事業だったりとか、そういった様々な入り口があるのが大事なのではないかなと思っております。そういったところで、第一の求職者の方がアクセスする場所というのがハローワークですね。そちらと毎月担当者レベルで情報交換をいたしておりますし、そういった計画作りにおきましても、三者で連名で出してるということもありますので、そちらの方は引き続ききちんとした形で連携していきたいと考えております。

(千田委員)
 是非お願いをしたいわけですが、実は先ほど紹介した母子家庭等の高等教育訓練の事業費は市町村で使えるような状況にしていないと、私使いたいんですと言っても使えないんですよ。ですから、市町村との連携も大事だなと。県から例えばハローワークでこういうものがありますよ、と言っても市町村でそれらの事業費計上がないと使えない、その年は使えないということになるのでね。補正対応などをしてもらえばいいのですけども、是非市町村を交えた形で、もっと使いやすいように連携を強めていただきたいと思いますのでもう一度答弁お願いいたします。

(鎌田労働課長)
 これにつきましては、保健福祉部と相談いたしまして、できるだけ使いやすいような形にできればなというふうに期待しております。

・自動車関連産業の現状と今後の見通しについて

(千田委員)
 自動車関連産業の現状と今後の見通しについてお聞きをしたいなと思います。まず一つ目は岩手県自動車関連産業振興アクションプランがありますけども、それの進捗状況についてお聞きをいたします。

(瀬川浩昭自動車産業振興課長)
 岩手県自動車関連産業振興アクションプランの進捗状況についてであります。プランは四つの戦略で構成されております。まず戦略1でございますが、サプライチェーン構築支援については、アクションプランを策定した平成24年度以降、トヨタ自動車東日本において人気車種アクアやCHRの生産があったということもございまして、新規の企業立地が15件、それから増設が19件と、昨年発表されたデンソー岩手の新工場建設を代表例として企業誘致は順調に推移しております。
 また、これら企業誘致によるサプライチェーンの構築に伴い、地場企業の新規参入や取引拡大が進展するなど、順調に推移をしております。それから戦略2の研究開発促進及び戦略3の人材育成及び定着については、産学官が連携して将来のコンパクトEVの生産拠点化を見据えて、環境性の向上に資する軽量化技術の研究ですとか、EV人材の育成などに取り組んでいるところでございます。戦略4につきましては、隣地環境整備も道路網等の整備も順調に推移しているところでございます。人材育成をはじめとしたこうした取り組みが企業側から高く評価され、企業誘致をはじめとしたサプライチェーンの構築につながるなど、各戦略が密接に関連して自動車産業振興につながっており、全体として順調に推移していると認識しております。

(千田委員)
 このアクションプランですが、全体として順調に推移しているということで本当に素晴らしいなと思っております。引き続きよろしくお願いしたいと思います。二点目としてトヨタ東日本自動車株式会社岩手工場の雇用の現状がどのようになっているかお聞きしたいと思っております。

(瀬川自動車産業振興課長)
 トヨタ自動車等の雇用の状況についてであります。まずトヨタ自動車東日本岩手工場の雇用状況ですが、平成30年1月1日現在で正社員2080人、期間社員330人、派遣社員320人、合計で2730人と伺っております。それから正社員の割合でございますが、現在76%と過去最高水準と伺っております。
 次に、県内に生産拠点を有するトヨタ系主要自動車部品メーカー7社の現時点での2月1日時点の社員総数は約2500人です。うち、正社員は2000人です。全従業員に占める正社員の割合は約80%と引き続きこれも高い水準を維持しております。

(千田委員)
 新年度の新採用見込みについてはどのように把握をされているか。それからもう一つですが期間社員なんですけども、去年の9月1日の人数が383人で50人減っているんですけども、これは正規雇用が9月から増えているわけではないので、この原因は何か分かるでしょうか。

(瀬川自動車産業振興課長)
 トヨタ自動車東日本岩手工場の今年4月1日の採用予定の正社員ですが、59人と聞いております。59人全て高卒でございまして、大卒に関しては4月からの研修が何ヶ月かあって、その後に配属先が決まるということであって、まだ詳しい人数は決まっていないということであります。
 それから昨年9月1日以降からの人数増加の分でございますが、トヨタ自動車の場合は定年が誕生月になるものですから、その辺で人事異動が様々定期的にあったりとか、10月1日付けで期間社員の正規雇用が30人ほどあったりしたのでそこで人数が増えたものと理解しております。

(千田委員)
 関連産業も正規雇用が80%ということで、トヨタの取り組みがすごいし、自社だけでない 関連産業も波及効果が大きいということで、是非これを広めていただきたいわけですが、この間、期間社員から正規社員への登用で一番多かったのが平成28年の101人ですね。29年は28人と思っていたんですが、間違いないでしょうか。これからの見通しがどのようになっていくのか分かればお知らせいただきたいと思います。

(瀬川自動車産業振興課長)
 正確には平成29年度は28人でございます。28年度は101人、その前の27年度は99人というような推移でございまして、近年は非常に高い水準で期間社員の正社員化が進んでいると認識しております。
 来年度以降につきましては、我々の方からもいろいろと様々お願いしているところでございますが、トヨタ自動車東日本でも来年以降、高い水準で新しい車種の生産等々が予定されていると聞いておりまして、いずれ今後も正社員化の方向性は堅持していただけるのではないかと期待をしているところであります。