2018年3月15日 予算特別委員会
県土整備部に対する千田美津子県議の質疑(大要)


・交通安全施設整備事業について

(千田委員)
 交通安全施設整備事業についてでございますが、29年度の事業実績と30年度の事業の見通しについてお聞きします。

(白旗牧人道路環境課総括課長)
 交通安全施設整備事業の平成29年度事業実績と30年度の見通しについてですけども、県単独による交通安全施設整備事業と、国の防災安全交付金を活用した道路環境改善事業により、歩道の整備や交差点改良等を行っておりまして、平成29年度は事業費は約27億円により47箇所で事業を実施しているところであります。また平成30年度につきましては、事業費約23億円により53箇所で事業を行う予定としております。

(千田委員)
 29年度分、30年度に繰り越した分が2億5000万円ほどあると見ておりましたけども、その事業の中身、どんなことが主にやられるのかその点お聞きしたいと思います。

(白旗道路環境課総括課長)
 平成29年度に国の経済対策がございまして、それの交通安全施設整備事業事業に伴うものが2億5000万円含まれております。これにつきましては、先月2月に交付を受けまして平成30年度に繰り越して実施することとしてございまして、これを考慮いたしますと平成29年度と同程度の事業進捗が図られるものと考えております。

(千田委員)
 通学路における歩道整備のここ5年間の整備実績と、今後の見通しについてお聞きします。

(白旗道路環境課総括課長)
 通学路における歩道整備の実績と今後の見通しについてすけども、平成27年度につきましては14億5700円ほどで33カ所、完成は2.9q、平成28年度につきましては14億600万円ほどで34カ所、2.7qの完成、平成29年度につきましては13億6300万円ほどで40カ所、1.8q、それから平成30年度には9億5800万円ほどで39カ所、約1.6qの完成を見込んでいるところでございます。

(千田委員)
 通学路における歩道整備については、この間質問をずっと続けてきているわけですけども、今お答えいただいたように、手がけるカ所は27年度は33カ所、28年度は34箇所、29年度は40箇所、30年度は39箇所ということで箇所は少しずつ広がっているのかなと思うんですけども、しかし完成された延長がどんどん少なくなっている、27年度が2.9 kmだったのが、28年度には2.7km、29年度が1.8 km、そして新年度が約1.6kmということで、新年度は事業費も10億円を切るような状況になっている、というふうに見受けられました。
 この間、訴え続けてきたのが少子化であるからこそ子供たちの命を守る、こういう施設は復興事業はあるわけですけども、他に優先しても整備すべきだと考えますが、なぜこのように、増えるどころか減少する状況にあるのか、技師が足りないためなのか、それとも何か他の原因があるのかその点お聞きします。

(白旗道路環境課総括課長)
 歩道整備の完成延長がだいたい年度、2kmから3km、少ない時は1.5〜1.6kmというのが現実でございますけども、実際には予算の関係が大きいです。
 年間、だいたい14億円、13億円、10億円という形で、12〜13億円くらいしか歩道には投入できないという現実もございますし、それから、あとは現地、歩道を設置するような箇所において子供さんがいるということを考えますと、人家が続いているようなところにも歩道をつけなければならない、というようなこともございますし、そのような用地上の制約、用地買収して家屋を移転してということになりますと時間がかかりますし、費用がかかるというようなことも計画がなかなか進まない、延長が伸びないというような原因にもなっていると思います。
 そういうこともございますので、児童生徒の安全を守るためには、歩道を全ての通学路に設置するというのが理想ではございますが、なかなかそうもいかないのは現実でございますので、ソフト面も含めた対応を警察、学校、市町村と連携して考えてまいりたいと考えております。

(千田委員)
 予算の関係もあってそれほど投入できないのだというお答えでありました。 この間、歩道の整備を進めるにあたって、通学路の交通安全プログラムを市町村に作ってもらって、それで優先的に進めてきたという答弁があったと思います。なぜそういう形態をとるようになったかというと、平成24年に全国で子どもたちを取り巻く通学路等での死傷事故が非常に多かったわけですね。それに対して、国が各小学校の通学路において関係機関と連携して緊急の合同点検をして、必要な対策を協議して対応しようということで全国に通知を出しながらやったわけですね。
 どこの市町村もほぼそういうことでこの交通安全プログラムを作っていると思います。盛岡の一例をとってみたんですけども、山岸小学校のプログラムの要対策箇所、対策が必要な箇所というところを関係者で緊急点検をして、対応策を出しているんですよね。
 たまたまここの場合は、盛岡市が3箇所で歩道を整備するという答えになっていました。これは市がやることになっていますが、県道があれば県でやるというふうにこれにのせてあるはずなんですけどもね。全県を見て、県が整備すべきというプログラムにのっている箇所は何箇所、何kmぐらいあるか把握をされてるでしょうか。

(白旗道路環境課総括課長)
 平成29年度末で、県が対応すべき必要箇所数は186箇所になってございます。このうち、対策済み箇所は156箇所、今後対策予定は30箇所となっております。延長距離につきましては、この30箇所につきましてはすべて歩道ではなくて、対策が必要な箇所ということで、例えばカーブミラーをつけてほしいとか、視線誘導表、道路の形が夜間でも分かるような光る反射板のようなものとか、そういったものもありますので、何kmとかということにはならないのであります。

(千田委員)
 プログラムにのっていて整備すべきところが30箇所と、それがすべて歩道の設置ではないよと言う答弁でありました。カーブミラーにしてもなんでも30箇所を早急に対応すべきだなというふうに思います。
 それからこの間の質問の中で、県管理の歩道で整備すべき箇所は総延長で1100 km、そして整備済みは834 kmと答弁いただいてますので残りが260 kmあるわけですよね。ですからこれ単純に2kmくらいを単純に割ると130年ぐらいかかるわけで、それでは困るよ、私は地域ごと、学校区ごとに危険箇所を皆さんで点検をして、ここに必要だという部分はやはり早急に手立てすべきだと思います。
 最終的に1100 km、速くなればいいんですけどもそれはそれとして、いま本当に子供たちの安全に関わる場所についてはやはり緊急に対応すべきではないかなと思います。歩道の延長が何kmかとということをちゃんと把握しておいて、予算の関係でなかなか投入できないという答弁でしたけども、やはり子供達の命を預かる、そういう安全施設を優先して設置するためにどのくらい必要だかという試算を逆にして、要望していくことが私は必要だと思いますがその点お聞きします。

(白旗道路環境課総括課長)
 通学路交通安全プログラムに位置づけられている歩道の整備にあたっては、国の防災安全交付金の方で重点パッケージというものがございまして、それに位置づけられれば全面的に有利なことになります。そういった意味では警察とか、教育委員会、市役所、県(道路管理者)と合同で点検をしてそれで3者、4者がここは歩道が必要だねと、というような合意に至ってそれで整備を進めていくというようなことになれば、国の採択基準があることはあるのですが、パッケージの方に組み入れてやっていくようにすればスピードが少し早まるかなというふうに考えています。

(千田委員)
 そのパッケージに組み入れればということではなくて、組み入れて、是非私は早急に整備をしていくと、子供達を守るという、子供達がどんどん減っている中で一人も犠牲にはしないとという観点で至急この対応を進めていく、国の有利な資金があるのであればなおのこと優先的に進めていただきたいと思いますのでもう一度お聞きします。

(白旗道路環境課総括課長)
 私どもも少しでも早く児童生徒が安全に通れるような通学路の確保に向けて頑張っていきたいと考えております。

・汚水処理事業について

(千田委員)
 それでは次に浄化槽の設置事業について、29年度事業の実施状況及び新年度の事業実施の見込みについてお聞きします。併せて県内の汚水処理の状況と水洗化率についてもお聞きいたします。

(矢内泉下水環境課総括課長)
 浄化槽の平成29年度の実施状況と30年度の実施の見通しについてですが、平成29年度は32市町村において事業を実施しており、整備基数は1426基、県補助額は1億9500万円余となっております。また、平成30年度は32市町村において整備基数は1826基で、県補助額は2億5800万円余を計上しているところであります。
 続きまして、県内の汚水処理の状況でございますけども、県内の汚水処理人口普及率についてですが、これは県の行政人口に対する汚水処理施設を利用できる人口の割合のことで、水洗化率については、汚水処理を利用できる人口のうち、汚水処理施設に実際に接続して利用している人口の割合となります。汚水処理人口普及率は平成28年度末で79.8%となっており、水洗化率については87.1%となっております。

(千田委員)
 汚水処理の方法として、下水道、農集、漁集、浄化槽があるわけですけども、今お答えになった汚水処理の普及率が28年度で79.8%ということでありました。これは全国の平均に比べると10%以上の差があると思います。これからどうやって人口を増やすかも含めて快適な状況を作るうえで、汚水処理の普及を進めるということが非常に大事だと思うんですが、今後の岩手県の進める方向についてお聞きをいたします。また水洗化率87.1%は間違いないでしょうか。

(矢内下水環境課総括課長)
 最初に水洗化率のお話でございますが、県では「汚水処理ビジョン2010」というものを継続しておりまして、水洗化人口割合といいますと行政人口が分母になっておりまして、その分母に対して汚水処理施設に実際に接続して利用できる人口の割合、これにつきましては平成28年度末では71.8%ということになっております。なかなか水洗化人口割合と水洗化率と似たような言葉があって申し訳ないんですが、水洗化率は汚水処理施設を利用できる人口が分母になっておりまして、水洗化人口割合は行政人口が分母になっております。分子の方はそれぞれ実際に利用しているということで、パーセンテージということでご理解いただければと思います。
 続きまして、今後の汚水処理の方向性でございますけども、「汚水処理ビジョン2010」は来年度で最終年度となることから、今年度において、新たに2018年度からの汚水処理県構想「岩手汚水処理ビジョン2017」を策定したところであります。このビジョンでは、2025年度末の汚水処理人口普及率の目標を91%として計画を進めてまいります。今後の「岩手汚水処理ビジョン2017」に掲げた整備目標を達成するために、下水道などの整備については、事業主体である各市町村と連携を図りながら計画的に取り組んでいきたいと思っております。また浄化槽の整備については、市町村とともに地域住民の理解が得られるように普及啓発活動に取り組み整備促進を図っていく所存でございます。

・県管理河川への水位計設置について

(千田委員)
 最後の質問になりますけども、水位計、今、危機管理型水位計というようでありますけども、この設置についてお聞きしたいと思います。今日の答弁でも明らかになったのが、県管理河川の通常の水位計は、これまで58河川、82箇所、新年度は小本川久慈川など5箇所設置をすると、今後11河川に設置するということのようでありますけども、危機管理型水位計との兼ね合いもあって、11河川に設置後は、例えば危機管理型ではない本当の水位計にするとかそういう検討はされてないのかどうか、それから危機管理型水位計については、すべての県管理河川をカバーできるように約250河川、約300カ所に設置予定ということで非常に素晴らしいなと思っております。これについては、昨年の9月議会の一般質問で国がその当時開発中でありましたけども、やはり安全を確保するという点で、この簡易型の水位計を導入すべきだという話をしましたが、早速、部長、担当の方々の頑張りで実現される見込みとなったことは大いに評価したいなと思います。
 それでその管理の方法ですけども、通常の仕組みよりは人的な対応が様々求められると思うんですけども、それらについてはどのように把握されてますかお聞きします。

(岩渕和弘河川課総括課長)
 危機管理型水位計についてのご質問でございます。従来型の水位計を設置した他に、これからの危機管理型水位計についてどのように進められるかということでございますが、国・県・市町村で構成する洪水対策協議会におきまして、どこの場所に設置しようかということについて、市町村の方に意向確認しながら進めているところでございます。今後も引き続き設置状況を見ながら、あと不足がないか、こういうところも欲しいんじゃないか、 など意見をたまわりながら検討してまいりたいと思っております。
 二つ目の危機管理型水位計を設置した際の管理についてということでございます。従来型の水位計というものはかなり頑丈なもので、がちっと現場に設置するわけですけども、危機管理型水位計というものは、だいぶ今までのものに比べてもコンパクトなものもございます。例えば橋梁に設置するものでありますと、A4を半分に折ったくらいくらいの小さな機器でございまして、橋の脇の方に受けのポケットを 作って、そこに、かちゃっとセットすればそれで対応できるというふうなものになっております。
 そういったことで、これからも危機管理型水位計というのは毎日視覚ということで、常にデータのやり取りができるかというところを死活監視というのですけれども、そういったところ確認するとともに、日常の河川パトロール等においてもその機器等に異常がないか、そういった設置状況についても併せてパトロールしながら適正な管理に努めてまいりたいと考えております。

(千田委員)
 最後になりますけども、死活監視、パトロール等で危機管理型簡易水位計は大事なものだと思います。当面これでそういう危機を乗り切ると対応ができるのかなと思うんですけども、その管理については、直接やられるのか、誰がやるのかその辺の運用については具体的に検討されているのでしょうか。

(岩渕和弘河川課総括課長)
 この危機管理型水位計は河川管理者である県が設置しますので、我々の方で直接管理することになります。ただ実際の運用といった面におきましては、河川維持修繕ということで全面委託という形で業者の方にパトロールとか点検も含めて、両者で一体的に管理していきたいと考えています。