2018年8月2日 県政調査会
次期県立病院等経営計画(素案)に関する質疑(大要)


・医師確保について

【斉藤議員】
 この5年間の計画は109名増やす計画にたいし逆に−7名と。この重大な事態をどのように分析しているのか。何が要因で逆行するようなことになったのか。この間、奨学生医師は配置され始めたにも関わらず。そしてこれからの計画は、たった38名の増員計画である。現状が厳しいからこのようになったのか。今の県立病院の中でどれだけの医師が必要なのかという計画を出さなかったら、この計画では各県立病院の医師はがっかりすると思う。これだったら5年間で医師は増えないと。こういう計画になってしまうのではないか。

【医療局次長】
 現計画では109名の増員計画だったが、結果として29年度時点で−7名と実質減っているところであり、今回は38名の増員という計画にしているところである。
まず現計画を達成できなかった主な要因については、初期研修医の確保について、当初実績からすると、56〜57人の確保から70人を超える初期研修医の確保を見込んでいたが、この4年間の平均でいくと57人程度にとどまっているということで、10人ぐらい減っている。後期研修医の確保については、結局初期研修医を多く採用して県内にとどまることにより、後期研修医で残る率も高くなっているということであるので、初期研修医を確保できなかった=後期研修医の確保にもつながっていくという形であり、具体的な数字では、初期研修医は、結果的に計画期間で32名の減、後期研修医は37名の減という分析をしている。その他、医師招へい、外部からの招へい医師については、確保する目標を立てたのだが、一方で退職する医師、特に復興の支援の期間が経過するとともに、応援いただいた先生がどうしても引き上げていったということで、こうした退職により結果的に−29名と計画とのかい離が出た。その他、大きな派遣元である大学の医局からの派遣もある程度の数を見込んだところだが、なかなか医局自体が絶対数を確保できないということで、これも−18名と。こうした要素が大きな原因だと考えている。
この38名の確保については、一定程度の初期研修医を確保しつつ、今もそうだが、退職する先生方にある程度残っていただくということ、それからやはり医師招へいに力を入れていかなければならない。そして今後、初期研修医の増の要素として、東京医科薬科大からの卒業生もやってくるところであり、そうした方々を含めて一定度目標を立てたところである。
あくまでも厳しい状況ではあるが、こうした医師を確保しながら、これまでも何度か説明してきているところだが、基幹病院に重点的に配置しながら、やはり地域が大変な状況なので、基幹から地域を支援するような形でやっていきながら、絶対数を徐々に増やしていきたいと考えている。

【斉藤議員】
 医師確保については今回たしかに厳しかったと。しかし、必要な医師を確保する計画を示さなかったら、ますます医師は疲弊しきってしまう。38名というのは20病院で割れば1〜2名しか増えず、現状を打開できない計画になってしまうのではないか。
 しっかりこの間の要因を分析するのと合わせて、やはりどれだけの医師数で20病院・6診療所で役割を果たせるのかという形で目標を持つべきである。

・看護師確保について

【斉藤議員】
 看護部門は唯一−24名となっている。私は何度も予算・決算特別委員会で取り上げてきたが、いま看護師は過酷な状況で、「辞めたい」と思っている看護師が7割を占めている。こういう中で看護師を減らすなどという計画を出したら、ますます県立病院の看護師になろうという人は減ってしまう。計画の中にもあるが、看護師の採用者数に対して受験者数が少ない。ずっと応募者数を下回る受験者数である。県立大学の看護学生は「中央病院は忙しすぎるから行きたくない」と。抜本的に看護師の状況を改善するという計画ではなくて、減らす計画などということになったら、ますます県立病院は選択肢に入らない。本当にいま過酷な看護師の状況を抜本的に改善することこそ必要である。基本方針の中に「職員を大切にした職場をつくる」とあるにも関わらず、これだったらまさに逆行する、幻滅する計画になってしまう。どこから見ても看護師を減らす計画にはならないと思うが、具体的な看護師を減らさなくてはならない理由は何か。

【医療局次長】
 これまでも一定度の病床規模の適正化にともなう減ということはやってきたところである。一方で、医療の質を確保するという点では、一定度数を確保していかなければならないので、認定看護師や特定看護師、入退院支援をする看護師、こういったところで増員を図って医療の質を向上させていきたいと思っている。そしてリハビリや検査、薬剤師という専門分野、検査は例えばエコーとか採血もできるので、そういった部分で看護師が確保できない部分の代わりといいますか、シェアリングといったことも可能なので、そうしたところで対応していきたい。

【斉藤議員】
 減らすということはもってのほかであり、いま日勤の看護師は20時に帰られれば御の字で、21時22時が当たり前。そういう中で看護師を減らすということはとんでもない。
 いまどうなっているかというと、看護師の夜勤専従や24時から二交代を実施している。看護師が少ないから三交代が確保できないからこうしたことをやっている。だいたい夜勤の労働者は8時間だけでも大変である。看護師が少ないから12時間も労働している。そのあたりをよく見て、「県立病院は看護師を大切にする働きやすい病院」だということをアピールできなかったら、本当に大変なことになってしまう。
 しっかり私の意見として踏まえてやっていただきたい。