2018年10月3日 決算特別委員会
秘書広報室に対する質疑(大要)
・知事のトップマネジメントについて
【斉藤委員】
次期総合計画の策定における知事の指示や取り組みをどのように支援してきたか。
【秘書広報室長】
次期総合計画について庁内においては、政策地域部を中心に、知事との協議や政策会議等での検討を重ねて策定を進めている。
こうした過程において秘書広報室では、知事の意を踏まえ、まず秘書部門では政策的な優先度等を考慮し知事日程を調整している。
調査部門では、知事の政策判断に資する情報収集をはじめ、他部局が知事から受けた部局横断的に検討すべき事項などについて、改めての指示の伝達や情報提供等、庁内における情報共有や部局間における連携が図られるようさまざま取り組んでいる。
広聴広報部門においては、外部有識者からの意見聴取や、県政懇談会で出席者からいただいた提言等について全庁に提供している。
今後においても、知事の意向等に則して機動的に対応し、各部局への伝達・調整等を迅速に行うなど、全庁的な施策の推進に寄与するよう努めていく。
・知事と市町村長との懇談の状況について
【斉藤委員】
これも毎回お聞きしているが、昨年度・今年度の状況と特徴はどうなっているか。
【秘書課総括課長】
平成29年度は、秘書課として把握している分で13回、延べ16市町村長と懇談を行っており、例えば30分以上の懇談については11回となっている。
今年度はこれまで11回、延べ21市町村長と懇談しており、うち30分以上の懇談は6回となっている。
今後においても、引き続き関係部局と連携し、知事が出張等で市町村に出向いた場合や、市町村長が県庁に来られた場合など、さまざまな機会をとらえ、市町村長との懇談の機会を設定するとともに、できるだけ多くの懇談時間を確保できるよう配慮していく。
【斉藤委員】
今年度は11回のうち30分以上は6回、そして11回のうち現地視察等で懇談したのが6回と。せっかく副知事を2人体制にしたのに、知事の首長との懇談が薄まっているのはいかがなものか。もっと現地視察のついでだけではなく、膝詰め合わせて、地方政治の最前線で苦労し、さまざまな問題意識を持っている首長との懇談はもっと中身のあるものにすべきだと思うがいかがか。
【秘書広報室長】
知事からは、かねてより首長との個別の意見交換の場について、タイミングを見て設定するよう指示を得ており、そういった機会の確保に努めていきたい。
副知事2人体制のお話もいただいたが、これまでの実績として、副知事合わせて54回ほど首長との懇談を行っており、そういった面では県と市町村長との忌憚のない意見交換が昨年度以上に行われていると考えている。
【斉藤委員】
副知事合わせて54回ということは評価したいが、知事の首長との懇談も一層濃密なものにしていただきたい。
・県政懇談会について
【斉藤委員】
昨年度・今年度の特徴と県の対応はどうなっているか。
特に、震災復興も8年目を迎え、9年、10年と大詰めを迎えている中で、被災者との懇談も設定されるべきではないか。
【広聴広報課総括課長】
県政懇談会は、復興やふるさと振興、未来を切り開く取り組みを主要テーマに、対象を一般、若者・女性、大学生等に分けて開催している。
平成29年度は、東日本大震災津波や台風10号災害からの復興の進捗状況を踏まえ、復興や復興の次を見据えた地域振興に取り組む意識の醸成が図られるよう、懇談テーマや出席者を選定し、沿岸地域および内陸地域で各6回、計12回開催している。
平成30年度は、29年度の取り組みに加え、次期総合計画に関する県民の機運醸成につながるよう配慮し、これまでに沿岸地域で5回、内陸地域2回の計7回開催しており、年度内に計12回開催することとしている。
出席者からは、「進学や就職で地域外に出て行く若者には地元の魅力を認識してもらうような取り組みが必要」「復興支援に来ていただいた方や、移住希望者の宿泊場所や居住場所の確保が必要」「震災で壊れてしまったコミュニティづくりが大きな課題」といったような提言が出されており、平成29年度に寄せられた73件の提言中、「提言に沿って措置したもの」「実現に向けて努力しているもの」を合わせて72件。平成29年度は、取りまとめが終わっている6月末現在で、15件の提言全てについて「提言に沿って措置」または「実現に向けて努力している」ところである。
被災者との懇談については、主要テーマの1つに「復興」を掲げており、沿岸地域で開催する懇談会には、自らが被災し事業再建等に向け取り組まれている方、生活支援相談員など被災者支援を行っている方などにも出席いただき、被災地全体の復興に向けた幅広い意見交換とするよう取り組んでいる。
【斉藤委員】
被災地・被災者の現場の声を聞く場も必要ではないかと提起したので、具体化していただきたい。
・いわて国体ホームページにかかるドロップキャッチについて
【斉藤委員】
国体から1年が経過して、いわて国体のホームページのドメインが乗っ取られ、いかがわしい画像が出てくると。そういう状況が解決されないままにきている。
今は保健体育課の所管だというが、いわて国体のホームページとなると、岩手県そのものの広聴広報なわけであり、なぜこのようなことになったのか。内部でのきちんとした情報交換や対策はとられなかったのか。
【広聴広報課総括課長】
今回のケースについては、県のホームページとは別に、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会実行委員会が開設したホームページに関する事案であり、実行委員会がホームページを廃止し、県の情報セキュリティポリシーに基づいてサーバーを適切に処理したものの、当該ホームページのドメインを、ある民間事業者が再取得し、いわて国体のホームページと誤解されるような体裁で、いわて国体とは無関係の情報を掲載している。
ドメイン取得者によるホームページの掲載内容については、例えば、国体マスコットの無断使用などの問題があり、文化スポーツ部において弁護士とも相談の上、ドメイン取得者に警告文を送付するとともに、県ホームページやツイッター等には、当該ホームページは岩手県帰属のものではない旨を掲載し注意喚起を行った。
こうした県関連イベントで開設したホームページのドメインが、イベント終了後に第三者に再取得され悪用されていることについては、県の広報担当としても問題があると認識しており、今後同様の問題が生じないよう、庁内関係部局に今回の事例について情報提供を行うとともに、その予防と事案が生じた場合の速やかな対応について注意喚起していきたい。
【斉藤委員】
今回の問題についての対応の文書をいただいたが、「利用期間満了後、一定期間経過すれば誰でもドメインを再取得できるようになっており、別の者が再取得(ドロップキャッチ)の上、いわて国体のキャラクターをコピーし公開している」と。
こういう事案に詳しい人には常識で、利用期間がわずか国体終了後1年しか設定していなかったというのがミスである。だいたい5年ぐらいが常識で、本当にお粗末な対応だった。
専門家に指摘されて調べたが、本気で削除しようと思ったら100万円以上かかると。いくら著作権法違反といっても画面は消えないので。これは県政に大きな損害を与えた問題である。
情報政策課という所管部局もあり、全国的な意義のある国体のホームページなので、そういう点については今回の問題の責任を明らかにして、処分しろとは言わないが、そういうことはあってはならないことなので、はっきり責任も教訓も明らかにして今後に生かしていただきたい。
【秘書広報室長】
こうした事案を防止するために、例えば、ドメインの登録有効期限の更新切れだったりそうしたことにはきちんと注意がこれまでも払われてきたと思うが、今回はホームページが廃止された後の事案ということで、知恵が至らなかった、責任の所在が不明だとか、有効手段がないという状況と思っている。
そうした悪用は県のマイナスイメージになるので何とか対処しなければならないということで、この事案については現在担当部局で弁護士等と相談して対応を進めているが、それはそれとして、いずれこういったものを再発させないということで、委員からお話あった通り、ドメインの権利を放棄するのではなく、5年間ほど放置するといった対策も一般的にはあるわけだが、今回の場合、いずれ廃止後であっても維持に経費がかかるとか、そもそもが実行委員会が廃止した組織になるので、その後の引き継ぎをどうするかといったこと、どういった対応が県として合理的なのか、社会全体でのこうした案件に対する対処状況も見ながら今後研究していく必要があると思っており、注意喚起を図りながら、関係部局等と研究していきたい。