2018年10月4日 決算特別委員会
千田美津子県議の政策地域部に対する質疑(大要)
・「県民の足」としてのバス運行の現状と課題について
(千田委員)
バス交通について、本日も他の委員から様々な提案もありましたので、それらも含めて伺います。
県民の足確保という点で、バス路線の廃止や減便に伴って対応を迫られる市町村が増えております。最近では西和賀町がデマンドバスを導入したということが報道されました。
そこで、県内のバス事業の現状ですが、市町村が実施しているコミュニティバス、デマンドバスなどの運行の状況についてお聞きします。
(渡辺地域交通課長)
平成28年度現在で、県内市町村におけるバス事業の状況は、路線バス単独補助が21市町村で164系統、市町村営バス運行が13市町村で153系統、バス事業者への委託が7市町村で52系統、デマンド交通が11市町村で36系統、スクールバス運行が30市町村で448系統、患者輸送バス運行が15市町村で96系統の運行となっており、県内各市町村が地域内の様々な状況に応じてバス運行に対応しているところでございます。
(千田委員)
今、ご答弁いただきましたが、スクールバス、患者輸送バスを除いて、多いのが路線バス、市町村営バスということで、これがどんどん増えております。
そうした点で市町村の対応が苦労しているということで、これからの計画づくりが本当に大事だなということを話したいと思います。それで、併せて県単独の補助路線の状況についてお聞きしたいと思いますし、またこれが、乗車密度が減ることによって見直さなければならない路線があるのかどうか、それについてもお聞きします。
(渡辺地域交通課長)
県単独補助路線の状況でございますが、地域公共交通支援事業費補助として、平成29年度実績では17路線について、県から市町村に対して2,656万4千円の補助を行ってございます。輸送人員は24万6,919人となってございます。見直しが必要だということで、平均乗車密度が被災地特例により補助が受けられなくなる路線として、県単補助につきましては17路線の内、9路線が仮に被災地特例がなくなると補助が受けられなくなるということで、こちらについて検討が必要なものと考えてございます。
(千田委員)
そういうこともあるんですけども、実は県の補助は乗車密度が4人ということで対応されていると。さきほど佐々木朋和委員がそれを見直すべきではないか、と話がありました。私もそう思います。国庫補助については平均乗車密度だけではなくて輸送量、1日に密度×何回運行しているかをかけて、国だと15人以上ということで、密度が下回ってても補助をしている。
だから、そういう考え方が県単補助においても必要ではないでしょうか。さきほど答弁いただいた、タクシーの4人を下回らないということも基準かもしれませんが、やはりこういう部分では、県の補助の仕方も見直していく必要があるのではないかと思いますので、その点お聞きしたいと思います。
(渡辺地域交通課長)
さきほど答弁をさせていただいておりましたが、現状としてはやはり地方交付税措置8割ということもありますので、県といたしましては、導入の際の補助につきましてこれによって支援してまいりたいと考えてございますが、先ほど部長が答弁したとおり、市町村の意見を聞きながら、研究してまいりたいと考えてございます。
(千田委員)
ぜひ見直していただきたいと思いますが、それで県内市町村が地域交通網形成計画を策定しているのは、資料では策定済みが10市町村、策定中が5市町村、来年度中の策定予定が2市町村ということで、17市町村まで策定に向けて取り組んでいると聞いているのでが、それは間違いないでしょうか。
(渡辺地域交通課長)
法律に基づく地域交通網形成計画については、委員から話しがあったとおり策定済みが10、策定中が5、今後策定予定が2ということでございますが、その外に法定外のバスに関する計画予定が1ということでございます。
(千田委員)
なぜこれを聞いたかと言いますと、これから県が計画策定するうえで、市町村の計画があるかないか、接続も含めてこれらが非常に大事なことだと思っています。計画策定の準備をしていない市町村については、より丁寧に意見聴取、把握が必要だと思うんですが、市町村の意見集約については、どの様に検討されているかお聞きします。
(渡辺地域交通課長)
計画未策定の市町村についてでございますが、今回、県が策定する計画は幹線路線を中心に、市町村においては、地域内交通を中心にということで、そういった役割分担でございますが、委員から話があったように、接続を無視しては当然ネットワークにならないということで、その接続部分を今回は重視したいと考えてございまして、全市町村と意見交換を行ったところでございます。そのなかで、市町村によって温度差はあるんですが、法定計画が今後、絶対必要かどうかは別として、やはりそうしたビジョンが市町村にも必要だと考えてございますので、そうした方向で意見交換をしてまいりたいと思います。
(千田委員)
ぜひお願いします。
それから公共交通活性化支援チームを派遣しているようですが、なかなかその派遣件数が多くないように見ましたが、どういう状況にあるかお聞きします。
(渡辺地域交通課長)
活性化支援チームの状況でございます。平成29年度におきましては9市町村に対して派遣支援等を行ってございます。
具体的には、盛岡市における地域公共交通網形成計画策定」における支援、金ケ崎町におけるスクールバスとコミュニティバスの統合活用に向けた検討への支援、奥州市においては路線バスの減便等による代替交通検討への支援を行ってございます。
今年度は、これまでに久慈市と釜石市に支援を行ってございますが、今後4市町村からも要望がある見込みであります。状況としては、もっとあった方がいいだろうということで、いろいろな機会を通じて市町村にはこの制度ついて周知をして、市町村の計画等が進むように支援してまいりたいと考えてございます。
(千田委員)
活性化支援チームはすばらしいメンバーがおりますし、そういう仕組みを活用しながら、各市町村でも必要な計画を作ってもらって、いま、どこでも免許証の返納とか、高齢化の中で足確保ということが切実な課題となりますので、私たちがその立場になった時に必要な支援といいますか、バスとかそうした支援を受けられるように、ぜひ、県民みんなでそういう地域づくりも含めてやっていく必要があると思いますので、最後に部長から一言お聞きして終わります。
(白水政策地域部長)
今日も、他の委員から公共交通の確保をしっかりせよと、ご指摘をいただいところです。おっしゃったとおり、市町村にもそれぞれしっかり公共交通網計画を作っていくことが必要だと考えてますが、他の委員も質問でも出てきましたように、なかなか小さな町村役場では人員、マンパワーが足りないというところもありますので、そこもできるだけ丁寧に助言等をしてまいりたいと思っております。
公共交通網の計画の大きな流れのなかで、いわゆる交通権という考え方も出てきておりますので、それが必要な施策だということを念頭にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。