2019年3月8日 予算特別委員会
千田美津子県議の警察本部に対する質疑(大要)


・信号機の整備について

(千田美津子委員)
 私は2件質問をいたします。最初に、信号機の整備についてお聞きをいたします。ここ5年間の信号機の要望数、設置数、整備率をお知らせいただくとともに、要望数のうち新規、継続の数もそれぞれお知らせください。

(勝又薫交通部長)
 2点ただいまご質問ございますが、1点目の過去5年間の信号機の要望数等についてお答えをいたします。平成26年度は上申数31箇所に対して、平成27年度の整備数は10箇所で割合は32.3%、平成27年度は上申数46箇所に対して、平成28年度の整備数は13箇所で同じく28.3%、平成28年度は上申数41箇所に対して、平成29年度の整備数は12箇所で同じく29.3%、平成29年度は上申数48箇所に対して、平成30年度の整備数は16箇所で同じく33.3%、平成30年度は上申数38箇所に対して、平成31年度の整備予定数は10箇所で同じく26.3%となっております。
 次に要望数のうち、新規、継続の数でございますが、信号の設置は以前からなされているものはございますので、新規、継続の別ということは申し上げにくいことはございますが、まぁ、分かりやすく申し上げるために、仮に平成26年度に全て新規の要望と仮定してご説明いたしますと、平成26年度初年度として、平成27年度は上申数46箇所のうち新規が36箇所、継続が10箇所、平成28年度は上申数41箇所のうち新規が23箇所、継続が18箇所、平成29年度は上申数48箇所のうち新規が35箇所、継続が13箇所、平成30年度は上申数が38箇所のうち新規は23箇所、継続は15箇所となっております

(千田委員)
 毎年の整備率が、この間2割から3割のあたりを前後しているということで、私はこの間、整備率の引き上げが必要だとお話をしてきました。それで今回の新規、継続の別をきちんと出していただくことによって私は一つの疑問がわきました。というのは各警察署から要望される箇所というのは、本当に慎重に検討されて、やはりこれは信号機の設置しかないという、そういう箇所が県警本部に上がってきた数だと思っております。
 ところが、例えば26年度で未設置が21箇所になりますよね。31箇所の要望のうち設置が10箇所ですので、未設置が21箇所、本来であればこれが翌年度の継続要望数にならなければならなければならないんじゃないかと。私は普通に考えるとそうなんですが、実際27年度の継続要望は10箇所というお話でした。同じように28年度の継続要望は27年度の未設置が33箇所ありましたので、本当は33箇所になるべきが、18箇所しか継続がされていないということで、毎年継続要望が減らされているんですよね。設置をされないけども翌年にも継続はされていないと、私はこの理由がですね、何か信号機の設置でなくてもここは別の対応で済んだからこういうふうになったのか、その辺について分からないのでこの点についてお聞きをいたします。

(勝又交通部長)
 継続要望されなかった理由ですが、これは私ども要望を受ける方でございますので、要望する側の事情を全て把握しているわけではございませんが、一般論としまして、県警の方では信号機の設置に関しましては、信号機の設置指針に基づきまして、道路幅員や交通量などの交通状況の形態、あるいは周辺施設の状況を勘案いたしまして、総合的に判断しているところであり、指針に照らして検討した結果、これらの状況を満たしていないものについて見送っているところでございます。この見送ることとした理由につきまして、それぞれ各警察署等を通じまして、要望の相手方に対しましてご説明しておりますので、それを踏まえて継続要望されなかったものではないかと認識しているところでございます。

(千田委員)
 各警察署に説明をしていると、設置をされなかったということをお話しているので、要は、翌年継続を要望しないのは各警察署の責任でそうしていると、そういうご答弁だったと思います。
 信号機設置指針を見せていただきまして、なるほどなと思いました。というのは、お話しがあったとおり、非常に厳しい5つの必須条件があって、1時間で300台以上の車の往来がないとか、十分な幅員がないと駄目ですよとか、そういう5つの条件をクリアする。そして、さらにもうひとつの用件があるということで、本当に信号機設置するには大変な用件があるなと思ったんですけども、しかし、それらを判断しながら各警察署はここに絶対必要だということであげてきたわけですよね、最初の要望をね。それがなぜ翌年度に継続要望されないかというと、答弁では各警察署の判断だという話がありましたが、私は信号機をあまり増やさないための、要望数を県警本部でこの辺りにしてください、という割り当てをしているのかなと勘ぐってしまうわけですですから、県警に要望される箇所というのは事故が多いこと、それから死亡事故が発生しているような所しか上がってきてない、それが翌年の継続要望から落ちているということは、代替案があってここは信号が入らないとか、そういうものではない力が働いて、要望数自体が低く抑えられているそのためにこういう状態になっているのではないかなと思ったわけですが、そういうことはないでしょうか 。

(勝又交通部長)
 本部に上申されるものにつきましては、警察署のみの判断だけではなくて、警察署協議会、いわいる地元の方々が参加しての協議会で最終的に決定されたものが上申されておりますし、また、本部からの要望の割り当てというご指摘でございましたが、そういうものは私の方では設けておりませんで、あくまでも警察署協議会において検討した結果が上申されてきている、要望書として上がってきているというふうに考えております。

(千田委員)
 今のに納得したわけではありませんが次の質問に行きます。震災以降の県内信号機設置の全体数はそれではどのくらいになっているのか、年度別にお知らせいただきたいと思います。

(勝又交通部長)
 震災以降の県内信号機の設置数でございますが、平成23年度から申しますと、平成23年度は1908基、翌24年度は1888基、25年度は1901基、26年度は1899基、27年度は1880基、28年度は1883基、29年度は1888基となっております。

(千田委員)
 毎年新たに設置をしているわけなので、どんどん増えているのかなと思いましたら、如何せん、一番多かったのが震災があった23年度で、29年度では1888基ですから20箇所減っているわけですね。あの震災で流されたり、撤去されたりというのはあってしかるべきなんですけども、しかし25年、26年あたりから1900を超えない1800代に信号機の数が止まっております。ですから、私は各地域の協議会が精査をして、ここには絶対欲しいということであげてきたものが、なぜ取り下げなければならないかというのに、もっと数が多いのであれば予算的に大変だということもそれは考えられますですが、全体が決して多くなっていない。むしろ23年度より20箇所以上も県内全体を合わせて減っている状況を見ますと、まだまだ私は県民の命を守るための施設としてはやっぱりきちんと増やしていかなければならないのではないかなと思います。頂いた資料で未設置の箇所を減らさないで、翌年も継続継続要望した場合、この5年間の整備率をかけてみますと、例えば27年度であれば13箇所しか設置されませんでしたが、16箇所になります。28年度は12箇所の設置ですが18箇所、29年度は16箇所の設置ですが27箇所、そして30年度は10箇所で止まっておりますがこれが20箇所になって、この5年間で61箇所の設置しか許可ならないということになりますが、私の計算ですると91箇所で30箇所増やすことができます。ですから、私は県警本部としていろんな理由があろうかと思いますが、やはり子供さんや、そういう形の命を守るそういう大事な施設として、やはりこれらは地元から上がって来た部分をもっと尊重する姿勢が私は必要ではないかなと思うわけですがその点もう一度お聞きいたします。

(勝又交通部長)
 先ほど震災以降若干減少したというのは、やはりどうしても震災の状況がございまして、やむなく現実的に減らさざるを得ないと言う状況がございますので、そこをご理解を賜りたいと思いますが、要望を我々が一切ないがしろにするとか、軽視しているということは一切なくて、私自身も、県民の皆様の危険を少しでも排除したい、あるいは交通事故をなくしたいと切なる思いで要望されていることでございますので、県警といたしましてもそれを真摯に受け止めて、交通の安全と円滑の観点からしっかりと検討してまいりたいと思っております。

(千田委員)
 是非よろしくお願いをいたします。ひとつだけ留意をしていただきたいのは、指針の中に留意事項というのがあって、その4番目に信号機の設置や撤去の検討にあたっては、地域住民及び道路利用者の意見を十分に配慮することとありますよね。ですから私はこれは県民の声を大事にしろという、ここが一番言いたかったことではないかと思いますので、是非そういったことで改善に向けて対応していただきたい思います。
 それでは次に警察庁の調査で全国で老朽化して、更新基準を超えた信号機が全国では2割に上っているということでございましたが、岩手県ではどのような状況にあるかお聞きいたします。

(勝又交通部長)
 老朽化した更新基準を超えた信号機の状況でございますが、信号制御機につきましては製造から19年を更新の目安としておりまして、平成30年3月末現在、県内の信号制御機1865機中、19年を経過したものは351機、約18.8%を占めております。次に更新等の計画についてでございますが、信号機等の交通安全施設にかかる中長期的な維持管理、更新等の具体的な取り組みを明らかにするために、現在、岩手県交通安全施設管理計画の策定を進めておりまして、今後これに基づいた計画の更新を推進することとしております。

・信号機のない横断歩道の安全対策について

(千田委員)
 質問してびっくりしました。18.8%が経過をしているということで、是非管理計画をしっかり立てていただいて、どこかで事故があって信号機が倒れたり、そういうのに巻き込まれ事例もあったやに聞いておりますので、是非岩手県ではその前に手立てをされるように、全体の信号機の設置とともに、更新についてもよろしくお願いをいたします。
 それでは二つ目の質問でございますが、信号機のない横断歩道での一時停止について、横断歩道では自動車が手前で一時停止することがルールになっていますが、実際には停車しない車がほとんどで、実際に横断歩道を人が渡ろうとした時に、どれくらいの車が止まるのかを日本自動車連盟が全国調査を実施したそうです。その結果、34都道府県で9割が停止しなかったということで、岩手県も残念ながらその中に入っておりました。そこで、この状況に県警ではどのような対応策をとられるお考えかお聞きします。

(勝又交通部長)
 信号機のない横断歩道における安全対策についてお答えをいたします。
 はじめに委員のご質問にございました、日本自動車連盟JAFが実施いたしました、信号機のない横断歩道における実態調査の結果でありますが、歩行者が渡ろうとしたしている場面で一時停止した車両は、本県では4.9%、約20台に1台と全国平均8.6%を下回り、横断歩道における歩行者保護保護が徹底されていない状況にあると認識しております。
 次に、横断歩道の事故防止対策についてでございますが、これまで横断歩行者等妨害等違反の指導取り締まりや、街頭活動による歩行者の保護誘導活動を強化してきたところでございます。県警察では、先ほどの調査結果を踏まえまして、今年から新たに横断歩道における歩行者優先を徹底させるために、運転手に対しては、横断歩道接近時に歩行者の有無を確認するチェック、それから横断者がいる場合には必ず停止する、ストップについて呼びかける横断歩道チェック・ストップ運動を推進し、運転者に対する意識付けを強化しております。また、通学路や、過去に死亡、あるいは重傷事故が発生するなど、横断歩行者の安全を確保することが特に必要と認められる場所や、横断歩行者の安全対策に関し波及効果が期待できる場所を安全モデル横断歩道として、本年2月に本年58箇所を指定し、当該横断歩道における交通指導取締りや警戒活動を強化しているほか、今後毎月一回県下一斉の街頭指導を実施しているところでございます。
 県警といたしましては、これから新入学期を迎えますので、街頭活動を強化し、ドライバーの歩行者保護意識を一層高めるともに、歩行者に対する交通安全教育を推進し、横断歩道における交通事故防止に努めてまいりたいというふうに思います。

(千田委員)
 いろいろ考えておられるので、是非そういったことで状況を良い方向にしていただくようにお願いをしたいと思います。
 ひとつ提案なんですが、歩道が目立たないという、消えかかってるところもかなりあるからですが、全国ではカラフルで目立つ横断歩道にしているところがあります。白線以外の空いているところにカラーを引いたり、そういう工夫を私はしてみてもいいのではないかなと思います。スペインマドリードの横断歩道は渡りたくなる歩道ということで、カラパイアというすごくいい感じのものがあったりとか、是非私はみんなに止まってもらう認識を高めると同時に、目立つ横断歩道を設置していくというということも視野に入れながらやっていただきたいと思いますその事をうかがって終わります。

(勝又交通部長)
 マドリードの横断歩道につきましても是非私を見たいと、見てきたいと思いますが、横断歩道、ご提案ありましたように色彩によって目立たせるということについては、ドライバーに横断歩道の存在を事前に認識させて注意を促す効果も考えられますことから、今後、他県の設置事例や設置の効果などを参考にしながら、道路管理者とも連携した対応について検討してまいりたいと考えております。