2019年3月18日 予算特別委員会
千田美津子県議の県土整備部に対する質疑(大要)
・土砂災害対策について
(千田美津子委員)
土砂災害対策についてお聞きをいたします。まず、洪水対策なんですが、先ほど佐々木 宣和委員が水位周知河川、それから洪水浸水想定区域の2点について質問されましたので重複しない範囲でお聞きをしたいと思います。
まず、水位周知河川ですが、今年度は9河川9区間を設定されて合計で35河川43区間となったということで、大変なスピードアップをして頂きながら指定をされているなと。さらに5河川6区間の指定の作業中ということです。それから、洪水浸水区域については今年度は14河川を指定されて15河川になったなったようでありますし、さらに8河川の指定に向けて作業中ということで、本当に頑張っているなというふうに思います。それで計画に対する進捗状況とすればどのように評価をしておられるのか、この二つについてまずお聞きをしたいと思います。
(杣享技術参事兼河川課総括課長)
水位周知河川の指定の進捗でございますが、今現在35河川43区間ということでございまして、新たに作業中が5河川6区間。そして進捗につきまして、その中には平成31年度に人首川を指定する予定でございますが、その作業の方も今年度、今作業しておりますので、人首川につきましては前倒しで今、進められているというような状況でございます。
続きまして、洪水浸水想定区域の方でございますが、これも今現在15河川指定ということになっております。このうち、現在、作業しているのが、平成31年度指定予定のもので盛川、閉伊川、矢作川、津軽石川につきましては、本来31年度指定する予定でしたけども、これも今前倒しで作業しております。
そのほか、32年度以降に指定する予定としております6河川につきましては、防災・減災、国土強靭化の3ヵ年の緊急対策の補正予算によりまして、今回、2月補正で議決をいただきまして、これにつきましても前倒しで進めているというような状況で、今後も引き続き推進してまいりたいと考えております。
(千田委員)
減災対策とすれば大事な事業でありますし、しかもずっと前倒しをして組まれているということで、本当に敬意を表したいと思います。それで指定をされて、その後の該当市町村との連携といいますか、住民の方も含めたフォローアップがこれから大事になると思うんですが、それらについてはどのように考えられているか聞きをいたします。
(杣技術参事兼河川課総括課長)
まずは、やはり地域住民の皆様にも水位周知河川なり洪水浸水想定が指定されたということをしっかり理解していただくというのが大事なので、市町村を通じまして、そういうところを隅々まで周知を図ってまいりたいと考えております。
また、洪水浸水想定区域を指定する際には、市町村によっては1000年に1度以上の規模の雨、想定最大ということで、自分のところのそういう雨降った場合の水害リスクというのを、やっぱり市町村でも、それを住民に周知の仕方っていうのは、いろいろ御懸念っていいますか、そういうのもありまして、そういうところにつきましては、市町村の要望に応じて県の方でも、一緒に住民説明会などにも参加して住民の方に水害リスクの周知というものを図っているところでございます。
(千田委員)
それでは引き続きよろしくお願いをいたします。それでは土砂災害警戒区域の現状と今後の取り組み、それから計画に対する進捗状況についてお聞きいたします。
(佐野砂孝防災害課総括課長)
土砂災害警戒区域等の現状と今後の取組み、計画に対する進捗状況についてでありますが、岩手県におきましては土砂災害危険箇所が14,348箇所ございまして、土砂災害警戒区域等の指定に先立つ基礎調査結果の公表については、平成31年1月末時点で10,503箇所、約73%の進捗状況となっているところでございます。
また、いわて県民計画第3期アクションプランでは、平成30年度末までの基礎調査の完了箇所数を11,864箇所としており、これに対しまして平成31年1月末時点で約89%の進捗となってございます。
なお、土砂災害警戒区域等の指定済み箇所は、平成31年1月末時点で6,335箇所、約44%の進捗となっているところでございます。
今後も引き続き、平成31年度末の土砂災害危険箇所の基礎調査完了に、鋭意取り組んでいくとともに、各市町村と連携しながら土砂災害警戒区域等の指定を加速化していきたいと考えております。
(千田委員)
指定するにあたっての基礎調査が時間もかかるし、大変な労力だと思いますが、是非計画通りに進むようにご努力をお願いしたいなと思います。土石流・地すべり・急傾斜地の崩壊の指定状況でございますが、トータルで6,335箇所ということで昨年の3月時点の資料を見ますと、5,510箇所で39%、要指定箇所から比べると去年の3月は39%だったとものが8月末で5,841箇所41%に引き上げられて、今御答弁いただいたように1月末で6,335箇所44.6%と800箇所以上の指定が今年度進められたということで、これは基礎調査とその後の指定の努力、関係者の皆さんの努力、頑張って行って頂いた結果だなと思います。ただそうは言っても、県内の危険箇所まだまだありますので是非来年度はこの数値を上げていただいて、県民の命を守る状況を作っていただきたいと思いますが、目標値をどのあたりとしているのかお聞きいたします。
(佐野砂防災害課総括課長)
今年度はこれまでの数年間に比べれば、基礎調査、指定に関して相当頑張ってきていると思っています。ただ、委員が御指摘のようにまだまだ指定率が低い状況で、今年度は1月末までに825箇所が指定済みであり、今年度分はもう少し伸びるかと思っていますが、来年度以降もこれ以上の伸びを考えています。
次期総合計画の中では、指定に関しても目標値を挙げながら進めていきたいと考えています。また、指定に関しましては市町村との連携が最大に重要でございます。というのは、住民説明会であったり、指定にかかる意見照会、先ほど河川課の話しにもありましたが、ハザードマップなどの避難に関することでは市町村との連携が最大に重要であると考えてございまして、私どもでは、まだまだ指定されていない箇所が多い市町村に対しまして、1月28日から2月1日の1週間で各市町村を回って、指定の更なる推進について御理解をいただくために、できれば市町村長ご本人に説明、市町村長が忙しくて時間が合わなければ、副市町村長さんまたは部長さん、課長さんにお会いし、1週間にわたって19市町村を回ったところでございました。その結果、10市町村では市町村長ご本人にお会いできて、指定の加速化について御理解を得たほか、その後の避難確保計画、ハザードマップについても御協力していただけるということで御理解をいただいたところです。
委員から今年度は指定に関して頑張っていると言葉をいただいたところですが、それ以上に進めるよう頑張っていきたいと思っております。
(千田委員)
内陸部でも、奥州でも30%台という、まだまだこれからという状況の中で、是非市町村との連携をもっと密にしながらご努力をお願いしたいなと思います。それで実は表を見て指定された警戒区域が6,335箇所ということでありますけども、そのうち特別警戒区域というのが5,835箇所あります。これは警戒区域がイエローゾーンと言われるのに対して、特別警戒区域はレッドゾーンということでこれは大変な地域ということでなるわけです。ですからまずこれを早く指定することと、それから特別警戒区域になったところはさらに手立てが必要だということになると思います。それでまだ未指定の箇所が
7,851箇所あるわけですがですから、今の特別警戒区域の指定率は全体で92%と割り返したんですが、この92%をかけますとあと7,200箇所くらい特別警戒区域に当てはまるような箇所が県内にあるといういうふうに計算しました。ということは非常に大変なことだなと思いますので、この特別警戒区域について改めてどのような認識をされているかお聞きをいたします。
(佐野砂防災害課総括課長)
土砂災害警戒区域等には、委員がおっしゃったように土砂災害警戒区域のイエローゾーン、土砂災害特別警戒区域のレッドゾーンがあります。
レッドゾーンにつきましては、例えば急傾斜地において斜面の崩壊が発生した場合、土石の移動に対して建築物に損壊が生じ、住民の生命や身体に著しい危害が生じるおそれがあると認められるということですが、区域の中には、計算上、土砂災害特別警戒区域がない警戒区域だけの指定となる場合もあります。
いずれにしても、14,348箇所の土砂災害危険箇所に対し、まだまだ土砂災害警戒区域等の指定が残っており、住民の生命の安全のために避難体制の確保のためにも指定すべき箇所はまだまだ残っている状況です。
今年度は西日本豪雨、その前には九州北部豪雨などがありましたが、多くの方々が命をなくしているということですから、まずは避難をさせることが大変重要と考えてございます。
そのためにも土砂災害特別警戒区域、警戒区域については、避難にも関係ございますので、私たち県土整備部だけではなくて関係課、そして市町村が大きな力になりますが、そういった関係機関全てと連携を取りながら、指定をかけて避難体制の構築、強化に向けて頑張りたいと思っております。
(千田委員)
今ご答弁が頂きましたとおり、人命優先の施策でこれを進めることが大事ですが、今未指定のところは県民がそういう危険性があるということを分からない状況だということで、これまた大変な状況だなと思います。指定すること、また周知することは大変な労力がいるわけですが、ぜひ市町村、それから関係機関と今まで以上に連携を取っていただいて、是非お願いしたいなと思います。
それでは、次に洪水減災対策協議会の開催状況と今後の今後の対応について、それからこの間この協議会で議論になった状況をお聞きしたいと思います。
(杣技術参事兼河川課総括課長)
洪水減災対策協議会の状況について御答弁させていただきます。
今年度は、減災対策協議会、県内3圏域、北上川の圈域と、馬淵川等の圈域、三陸の圏域と3圏域すべての圈域におきまして、それぞれ協議会を2回開催したところでございます。
6月と、あとは平成30年7月の西日本豪雨があったことから、その時の教訓といいますか、そういうところを踏まえまして、洪水ハザードマップの周知が十分、住民に伝わっていなかったとか、そういう理解してなかったとかいうところ、あるいは避難確保計画の促進、そういうところも取り組んでいかなければならないということを踏まえまして、直近では、今年の1月から2月にかけて3圏域で協議会を開催したところでございました。
その際、意見交換の中で主な出た発言といたしましては、先ずは自主防災マスターとか、地域防災リーダーなど、地域の核となるような方を作って、それを地域、細かく地域ごとにそういうものを防災に取り組んでいくという事例でありますとか、あとはハザードマップそのものにQRコードを印刷というか、つけておいて、そうすると地域住民の方がそこからすぐ、いろんな情報をそこから入手できると工夫しているところとか、あとは防災訓練、避難訓練といいますか、防災訓練をあえて夜間の条件の悪い時に実施した事例とか、様々、市町村間でその情報交換をして、有益な、自分のところでもそういうのを役立てるだろうとか、そういうものが議論されたところでございました。
(千田委員)
私も直近の協議会の議事録を見せていただいて、今御答弁されたような、本当に現場に沿ったというか、頑張っている状況が特にも昨年、法定協に移ってからの各市町村の緊張感を持った取り組みが進んでいるなと感心しました。これらで出された意見も含めて、これらもをもっと全県に広げるような努力が必要かなと思いましたので引き続きよろしくお願いいたします。
・通学路における歩道整備の現状について
(千田委員)
それでは交通安全施設、特に毎議会ごとに予算、決算で毎回話ししてて大変恐縮なんですが、通学路における歩道整備の現状についてお聞きをしたいと思います。この間の整備状況、それから整備箇所数、整備延長、事業費についてできれば26年、27年、28年、29年と5年間の分お知らせいただきたいと思います。
(白旗牧人道路環境課総括課長)
通学路における歩道整備の現状についてでございます。今、準備出来ているのが平成27年度からの数字でございますのでご了承頂きたいと思いますが、平成27年度は、事業費約14億5千7百万円により33箇所で事業を行い、約2.9km完成したところでございます。
平成28年度は、事業費約14億6百万円により34箇所で事業を行い、約2.7kmが完成。
平成29年度は、事業費約13億6千3百万円により40箇所で事業を行い、約1.8qの完成。
平成30年度は、事業費約7億2千8百万円により34箇所で事業を行い、約2kmが完成したところでございます。
(千田委員)
今ご答弁いただきましたけども、その前はわからないのですが27年度をピークに年々完成の状況が減っている、あるいは予算的にも30年度も減っておりますけども、これは完成に至るまでの様々な調査とか用地買収とかいろんなプロセスがあるありますのでかなり時間がかかると思うんですが、しかし完成率が減っているという点からすれば、どこに大きな原因があるのか、例えば復興の方に技術屋さんがいっぱい取られているからそうなのかなと私も思うわけですが、実際のところはどうなんでしょうか。
(白旗道路環境課総括課長)
歩道の完成延長につきましては、年間約2km前後が完成しているというのが現状でございますけれども、これが、多いか少ないかというのは、いろいろな考え方があるのかなというふうには感じているところもございますけれども、いずれにしましても一か所一か所が、それぞれさまざまな制約がございます。あるところを優先して予算をつけようとすると、他のところが薄くなってしまうというこちらの事情もありますし、それから用地をなかなかご提供頂けないとかといったこともございますし、あとは地形の関係です。山を、山といいますか斜面をカットして歩道の用地をつくるというような、技術的にかかる箇所もございます。
といった事で、一つ一つの現場が持ってる条件・制約があるという事で、一様には進まないと、一定期間を要すると考えているところでございます。
それから、復興のほうに人がとられているのか。とのことでございますけれども、分析を行っているわけではございませんけれども、これくらいの事業費を今のスタッフ、マンパワーでやるということが、やはりそれなりの制約となっていると考えますので、私どもといたしましては精一杯やっているというような現状でございます。
(千田委員)
最後にしますけども、精一杯やっていただいているとは思いつつもしゃべっているわけですけども、あと整備しなければならない歩道の延長が250kmぐらいありますから、先ほど答弁頂いた4年間を平均すると2.35q なんですよね。やっぱり100年かかりますよね。ですから復興は第一でそちらにそちらを進めてもらうのがすごく大事ですが、いずれ人もぜひ増やしながら、やはり未来のある子どもたちの安全・安心のための大事な事業であると感じますので、是非そういった点で人も予算も確保してもっと進めて頂きたいと思うわけですが、最後に部長に伺って終わりたいと思います。
(八重樫弘明県土整備部長)
交通安全施設整備事業のみならず、道路改良を入れた場合でも、こういった歩道の整備効果は上がります。こういった延長には入っておりませんし、あとは整備ではなくも、知恵と工夫でお子様たちの交通安全を確保していくという手だてもありますので、いろいろな可能性を模索しながら、対応してまいりたいと思います。