2019年10月31日 決算特別委員会
千田美津子県議の警察本部に対する質疑(大要)
1、信号機等交通安全施設の整備について
(千田委員)
安全・安心なまちづくりにかかわって質問をいたします。
一つ目、30年度の信号機設置状況と特徴、今年度の設置見込み、さらに過去5年間の信号機の要望数、設置数、整備率をお知らせください。
二つ目、震災以降の県内での信号機設置の全体数はどれくらいか、年度別にお知らせください。
(小田島交通部長)
はじめに平成30年度の信号機設置状況と特徴についでありますが、震災対応分として陸前高田市、大船渡市、山田町、宮古市に土地嵩上げ後の歩行者安全対策や、市街地整備に伴う交差点の安全対策といたしまして、定周期式信号5基、押しボタン式信号2基の計7基、通常対応分として盛岡市、大船渡市、釜石市、久慈市に通学路や歩行者の安全対策として定周期式信号4基、押しボタン式信号3基の計7基、合計14基を整備いたしております。
次に今後の設置見込みについてでありますが、令和元年度につきましては、震災対応分として陸前高田市に土地嵩上げ後の交差点安全対策や、復興支援道路整備に伴う交差点安全対策として定周期式信号2基、通常対応分として盛岡市、花巻市、金ケ崎町、奥州市、一関市、宮古市、久慈市に通学路や交通の円滑化の安全対策として定周期式信号6基、押しボタン式信号2基の8基、合計10基の整備を予定しております。
続きまして、過去5年間の信号機の要望数、設置数、整備率についてありますが、平成26年度は要望数31カ所に対して、翌27年度の設置数は10カ所で、整備率は32.3%、平成27年度は要望数46カ所に対して、翌28年度の設置数は13カ所で、整備率は28.3%、平成28年度は要望数41カ所に対して、翌29年度の設置数は12カ所で、整備率は29.3%、平成29年度は要望数48カ所に対して、翌30年度の設置数は14カ所で、整備率は29.2%、平成30年度は要望数38カ所に対して、令和元年度の設置数は10カ所で、整備率は26.3%となっております。
続きまして、震災以降の信号機設置の年度別全体数についてでありますが、平成23年度の設置数は1908基、24度の設置数は1888基、25度の設置数は1901基、26度の設置数は1899基、27度の設置数は1880基、28度の設置数は1883基、29度の設置数は1888基、30度の設置数は1902基となっております。
(千田委員)
この間、ずっと取り上げてきたけれども整備率が平成25年度の整備が18カ所でその時の整備率が40%だったが、そこをピークにとうとう26%にまで落ちました。これは人命優先にしていかなければいけないのに、この状況は大変な実態だなと思います。そして県内の信号機全体の数字も答えていただいたが、30年度で1902基ですね。震災があった23年度は1908基ですから、むしろ減っている状況です。
今、交通事故が増えている中で、何故こういうことになっているのか理解できない。しかも上申数が平成30年度で38カ所と大変少なくなっている。これは、勘ぐると県内の16警察署で上申する数を割り振りしているのではないかと疑ってしまうわけですが、現実はどうなのか。
(小田島交通部長)
本部の方で割り振りしているということはございません。
(千田委員)
奥州警察署で奥州市がどのくらいの信号とかの要望を出しているのか、資料をいただいたが、1年間で信号機が11件の要望がありました。この中には保育園が新しくできて周辺の環境が変わって園児たちが大変な状況にある、それから中学校の校長先生から出たところは、4車線道路で歩道があっても止まる車が少なくて、子どもたちが大変危険だと信号の設置を要望しています。ところが、回答は「交通量からして現状の対応」だと、そいう冷たい回答になっています。ですからそういう中で、多分、信号機が11件の要望があった中で、1件だけは歩行者用の信号を設置する、という回答があって、奥州警察署管内は奥州市だけでなく金ケ崎町もあるので、信号機だけの要望数となればたった1件に絞ったのかと思いました。
ですから16警察署で単純に割ると38件の上申数ですから2〜3件ということですね。私はそういう状況では子供たちの安全、県民の安全を本当に守ることができるのか、という点で非常に疑問であるがこの実態についてどのように考えるのか。
(小田島交通部長)
委員ご指摘のとおり、信号機設置等で重要なことは地域住民及び道路利用者の意見に十分配慮するということでございまして、設置に関するご要望につきましては、交通安全を願う県民の皆様の切実な思いとして受け止めているところでございます。一方で、老朽化が進む信号機とか、あるいは道路標識の更新が相当数に上っているというほかに、道路整備に伴う必要となる信号機や、道路標識の新設、移設等も多い現状から、住民の皆様からの要望や期待に十分に応えきれていないという現状にございます。
県警といたしましてはこのような状況を踏まえまして、県内16警察署からの上申内容について設置効果、緊急性、住民要望等勘案してより必要性の高い、真に効果的な整備を図ってまいりたいと考えてございます。
(千田委員)
信号機そのものが老朽化したり、そういう部分で予算が全体で確保できないなどの理由は多々あると思います。しかし、子どもたちなどの安全からいって、周囲が必要だというところが少しでも、11分の1だと10年あげてもなかなか設置されない、ということになりますよね。県警は優先度から判断してやっているということを言いますが、その優先度というのは、人命優先で、本当に必要なところをしっかり見て対応していただくと、これが必要だと思いますが、本部長一言お願いします。
(島村警察本部長)
交通部長が答弁申し上げましたが、警察署からの上申を絞るということはございません。予算の制約がありますので、たくさん予算があればいくらでも信号機をつけられるのですが、限りありますので、信号機をはじめとする交通安全施設につきましては、交通の安全と円滑を確保するうえで必要かつ重要なものでありますことから、安全・安心を実感できる交通環境を確保していくためにも、当該施設に関するご要望につきましては交通部長申し上げましたとおり、地域住民や道路利用者の意見に十分配慮し可能限り要望にお応えしたいと考えております。
(千田委員)
人命を守るのは信号機だけではないので、横断歩道とか、そういう部分も含めて是非対応していただきたいと思うのですが、市からいただいた資料の中で、信号機があるのですが、その感応が非常に鈍くなって、いつまでも変わらない信号機があって取り換えてほしいというそういう要望があったのですが、それに対して「交通量からして現状対応」だという回答になっております。この周辺は幼稚園があり、小学校もあり通学路なっているので子どもたちも通っている道でありますので、新設とは違い、こういう感度が悪くなったのは少し取り換えるとか、そういう対応をやれるのではないかなと思いますがどうでしょうか。
(小田島交通部長)
これまでも、いろいろそういう必要性、緊急性がございますれば、それぞれに対応しているというところでございます。
(千田委員)
是非そういう要望については、人命優先ということで対応をお願いします。信号機の設置とか、撤去の検討にあたって一番留意しなければならないのは、地域住民及び道路利用者の意見を十分に配慮すること、ということが「信号機の設置方針」に書いてあります。今後ともこう言う立場を貫いていただきたいと思います。
2、犯罪の無い安全・安心な町づくりについて
(千田委員)
一つは非行少年を生まない社会づくり推進事業についてであります。
サポート隊の支援数がD評価となっているが、この状況についてお知らせください。二つ目は、犯罪少年の再犯の抑止の現状と今後の対応についてお聞きします。
(吉田生活安全部長)
初めに、少年サポート隊による活動が達成度Dであったことについてであります。
少年サポート隊による支援数及び現状認識でございますれども、少年サポート隊は例年大学生ボランティア20程度構成されまして、非行などの問題を抱えた個々の少年の立ち直り支援を目的として、対象少年側の希望に基づき、県警察が勉学支援や農作業、ものづくり、料理などの体験活動を企画して、対象少年と参加を希望する隊員との交流を図る支援でございます。
昨年度中の支援数は委員ご指摘のとおり、岩手県民計画の目標35回に対して、20回にとどまり、達成度がDとなりました。その主な理由といたしましては、対象少年側の希望を優先させましたところ、隊員側の都合がつかなく不参加となった、あるいは逆に対象少年側の都合が悪くなった、あるいは農作業が悪天候等となって中止となった、などがあげられます。
なお、今年度でありますけれども、前年度までの要因分析を踏まえまして、対象少年と隊員双方に比較的時間的余裕が生まれます、夏休み期間を中心として集中的に計画をしたところであります。その結果、9月末現在ですでに前年度を超える26回の支援を実現するなど、良好に今年度は推移しているところでございます。
少年サポート隊は、問題を抱えた少年の立ち直り支援において、少年と大人の橋渡し役を担うなど、重要な取り組みでございます。今後とも、隊員が無理なく支援に参加できるように計画を推進するとともに、隊員に対しても積極的な支援活動への参加の呼びかけ、少年への立ち直り支援を強力に推進してまいりたいと考えています。
二つ目といたしまして、犯罪少年の再犯抑止についてご質問がございましたけれども、犯罪少年の再犯の現状と対応策についてでございますが、まず同じ少年が再び非行を繰り返す割合、再犯者率と申しますけれども、再犯者率につきましては平成30年中は33%でありまして、平成28年からほぼ横ばいの状態で推移しております。
県警察では、再犯の抑止のため非行少年を産まない社会づくりの一環として、少年に手を差し伸べる、立ち直り支援を実施しているところであります。
具体的には、少年サポート隊のほか、問題を抱える少年に対して、学校、児童相談所、警察等の関係機関がチームを編成して、助言、指導を行う少年サポートチームや、警察職員による愛のレター作戦等を実施しているところでございます。
今後もそれらの対策を強力に推進するとともに、警察職員による支援が必要と思われる少年への面接指導、児童・生徒等を対象とした非行防止教室や、少年、警察、ボランティア等と連携した朝の挨拶運動、愛の一声運動などを積極的、かつ効果的に実施して再犯の抑止に努めてまいりたいと考えてございます。
(千田委員)
少年サポート隊については、夏休みを利用したということで回数が増えているということで非常によかったなと思っています。
こういう事業は大切な事業でありますので、学生や対象の少年の意向も聞きながら、引き続きよろしくお願いします。
再犯の対応については、本当に大変な支援になるわけですけれども、さまざま工夫されて暖かく見守っている、そしていろんな相談に来れるような状況も作っているということだと思いますが、例えばこういうことがあればもっといいのにな、ということがあればお知らせ下さい。
(吉田生活安全部長)
少年の再非行を防止するということは、様々な環境をそれぞれ個別に検討してやるということが重要だろうと考えています。非行に走った少年の環境は一律にこういうところが悪いとか、こういうとこを修正すればいいというものではなくて、その個々人の環境をしっかりと把握したうえで、その個々人の少年の現状に合った支援が必要だというふうに考えております。
従いまして、一概にこれをやれば特効薬があるとなかなか申しあげにくいところでありますけれども、そういった実態を把握しつつ、きめ細かな対応に努めてまいりたいと考えております。