2020年3月5日 予算特別委員会
議会事務局に対する質疑(大要)
・受動喫煙防止対策について
【斉藤委員】
いま質問にあったように、先の議会運営委員会で、議会棟の喫煙室が、意見が一致しなかったということで存続と。残念な結果になってしまった。
全国の都道府県議会の状況については答弁があり、昨年9月1日現在、21都府県で建物内禁煙以上の措置がとられていると。東北では、そうした対策がとられていないのは岩手県と宮城県である。1月末の北海道・東北議員交流会のときに聞いたが、宮城県は、いま開かれている議会で対応を協議し、基本的には「建物外」、建物内禁煙は実施する方向だと。そうすると岩手県議会だけ残ってしまう。本当に異常な事態ではないか。
佐々木努委員が質問した通り、2つ問題があると思う。受動喫煙防止対策というのは、本来議員が率先して取り組むべき課題である。あわせて、議員発議で「がん対策推進条例」を制定した。いま県は、この条例に基づいて計画を立てて、方針を立てて、そのもっとも重要な課題として受動喫煙防止対策に取り組んでいる。ところが、県議会は議会棟に喫煙室を残すと。あり得ないのではないか。議員発議で条例制定して、その中でもっとも重要な課題の1つとして受動喫煙防止対策に取り組んでいるときに、まさに自己矛盾に陥っているのではないか。
議会事務局長にお聞きするが、是非としてではなく、これは論理的に矛盾しているのではないか。
【議会事務局長】
議会事務局長としては、さまざまな賛否等があるので、その件については、議員の皆様がそれぞれ十分議論してお決めいただきたい。
【斉藤委員】
是非ではなく、論理的に矛盾するのではないかと聞いたが、なかなか難しかったようである。
東北6県での受動喫煙防止条例の制定状況はどうなっているか。
【議会事務局長】
山形県・秋田県がすでに条例を制定しており、青森県が3月議会に条例を提案すると聞いている。
【斉藤委員】
そうすると、東北の半分は受動喫煙防止条例を制定して取り組むと。当然これは議会も含めて受動喫煙防止に取り組むことになると思う。こうした状況に東北各県がなっているということを私たちはしっかり受け止めなければならない。
あわせて、県内市町村議会の喫煙室の状況はどうなっているか。
【議会事務局長】
3月1日時点で、敷地内全面禁煙11市町村、敷地内禁煙で敷地内に喫煙専用室ありが19市町村、建物内禁煙が3市となっている。
【斉藤委員】
そうすると33市町村議会すべてで建物内禁煙である。岩手県議会だけが議会棟に喫煙室を置くと。これは県内の状況から見ても本当に異様な状況である。
子ども県議会も開かれたが、その時には議会棟の喫煙室は閉鎖になると思うが、そのようになっているか。
【議会事務局長】
昨年と一昨年に実施した子ども県議会においては、1日だけだが喫煙室は閉じさせていただいた。
【斉藤委員】
いま小中高の一律休校により、県議会にも子どもさんが来られると。議会としては積極的な対応をしたと思う。子どもさんが来られるときには、この喫煙室は閉鎖になるのか。
【議会事務局長】
子ども県議会ではないので、閉鎖すると決まったとは聞いていない。
【斉藤委員】
議会運営委員会の議論では、子どもが来る場合には喫煙室は閉鎖ということになったのではないか。
【議会事務局長】
2月28日の県議会において、Wケアの傍聴者がいらっしゃると。その傍聴者がお子様をお連れするということで、会議室を用意していただけないかというご要望があり、18日の常任委員会と24日の本会議については、会議室を用意するとし、その際に喫煙室は閉鎖した方がよいのではないかということで、そのようにすると議会運営委員会での決定だと認識している。
【斉藤委員】
一律休校措置は問題だとは思うが、議会棟に子どもさんが来られるときには、同じように閉鎖すべきではないか。一貫性がないのではないか。子どもにとって危険なのは親にとっても危険である。リスクの度合いはあったとしても。そして、たばこ規制枠組み条約では、「分煙というのは受動喫煙防止にならない」と明確に示している。
そういう意味で、議会運営委員会では意見の一致が見られなかったということで喫煙室が存続になったが、県民の皆さんと真剣に議論しながら、意見を聞きながら、本当に解決のために取り組んでいくことが必要である。
・県議の海外視察の実施状況について
【斉藤委員】
昨年度、今年度の全国の都道府県議会の海外視察の実施状況はどうなっているか。
【議会事務局長】
平成30年度は、実施が30府県、実施せずが本県を含め17都道県。
令和元年度は3月3日現在、実施が22県、実施せずが18府県、未定が7都道県となっている。
【斉藤委員】
いま未定というのはほぼ実施できないと思うので、29県が実施しないと。過半数が今年度は海外視察を実施しなかった。背景には、統一地方選挙があったことがあると思う。有権者に配慮し、選挙があるときにまではとてもじゃないが行けないと。選挙があってもなくても、国民県民の感情は同じだと思う。
岩手県議会は、昨年度も今年度も実施しなかった。東日本大震災津波からの復興の途上という点でも、岩手県議会における海外視察は見直しを検討すべき時期にあるのではないか。
私は、一律に海外視察を否定するものではない。しかし、当選すれば4年に1回、上限90万円で海外視察ができるというのは、県議会議員の特権である。そうではなく、県議会が県政推進のために必要だと思ったら、県議会として判断して実施するというようなシステムに変えるべきだと思うが、全国の動向も含めて、いかがか。
【議会事務局長】
議員の海外行政視察については、平成14年6月28日の議会運営委員会において決定され、議員派遣の運用に基づき実施しているところであり、実施に際しては、議会の議決を得て、議員派遣として行っているところである。
海外行政視察のあり方等については、議員間で十分ご協議の上お決めいただきたいと考えている。
【斉藤委員】
今年度は29県が実施せずという全国的な実態を踏まえ、岩手県議会の海外視察についても、あり方を見直すことが必要だということを指摘したい。
・政務活動費の領収書のホームページでの公開について
【斉藤委員】
全国の都道府県議会での実施状況、県内市町村議会の実施状況はどうなっているか。
【議会事務局長】
岩手県議会事務局調べで2月29日現在、大阪府・兵庫県など18都府県において公開している。
県内市町村議会については、盛岡市・宮古市など9市町で公開している。
【斉藤委員】
議会事務局の資料では、秋田県・新潟県の2県が今後公開の予定だと。そうすると20都府県ということになる。半分近い都府県が実施しているという状況で、物理的な、財政的な障害はほとんどないので、ましてや県内市町村でも9市町が公開している。
この領収書というのは、昔は政務調査費と言っていたが、全国で最初に領収書添付を実施したのが岩手県議会だった。岩手県議会は議会改革の先頭を走っていた。今はどんどん全国の議会改革から遅れ、やれることもやらないと。これはぜひ今後各会派や議会運営委員会、議会改革推進委員会でも議論していただき、透明な、県民に開かれた県議会を実現する上で、すぐにでもできる課題だと思うので、こうした改革に取り組まれるように強く期待したい。