2020年5月19日 災害対策連絡本部会議
新型コロナウイルス対策に関する質疑(大要)


・検査体制・医療体制の拡充について

【斉藤議員】
 これまでの県職員の献身的な取り組みに敬意を表しつつ、質問します。
 感染防止にとっても経済対策にとっても最大のカギは、検査体制の抜本的な強化であります。
 地域外来・検査センターの取り組みについて、一関地区と宮古地区で18日に設置されました。その他の地域は具体的にいつ設置される見通しか、協議はどうなっているか示してください。
 抗原検査・抗体検査の具体的な見通しがあれば示してください。
 医療体制の確立について、感染確認者が発生した場合、重症者対応の病院と病床数、中等症者対応の病院と病床数、軽症者・無症状者対応の宿泊施設の確保の状況について示してください。

【新型コロナウイルス感染症対策監】
 地域外来・検査センターは、昨日、両磐・宮古医療圏において設置され運用が開始されたと。その他の地域においては、胆江医療圏においても6月中の設置に向け現在検討中というところ。他の医療圏においても、帰国者・接触者外来の受診状況等を踏まえ、診療日の設定や設置場所等の具体的な検討が進められていることから、近いうちに設置されるものと考えております。
 病床確保については、4月に実施した調査によりますが、中等症の患者を診ることができる病床は現在93床、うち人工呼吸器等の集中管理が必要な重症患者を診ることができる病床数は30床程度となっており、今後さらに強化するため、二次補正により人工呼吸器や簡易陰圧装置等の整備を進めるため現在関係団体と調整しており、166床まで確保するということで取り組んでいるところです。
【総括新型コロナウイルス感染症対策監】
 抗原検査については5月13日に承認されたところですが、国ではキットの供給が十分になるまで新規感染者数の多い都道府県の帰国者・接触者外来等から優先的に供給を開始するとされています。今後生産量の拡大状況を確認しつつ、岩手県内の医療機関にも導入を確認していくこととしています。
 抗体検査については現在未承認ですが、過去の感染を確認するものということであり、今後ワクチン接種等の感染対策に資するため、国において大規模な調査が行われると確認していますが、本県においても国の動向等を注視しまして、活用方法について検討してまいりたいと思っております。

【斉藤議員】
 地域外来・検査センターについては、9つの二次医療圏すべてで協議されて、6月ぐらいに設置される見込みはあると受け止めていいですか。

【新型コロナウイルス感染症対策監】
 現在、地域の郡市医師会等を中心に議論が進んでいるので、時期については明言できないところですが、具体的に検討が進んでいるところです。

【斉藤議員】
 盛岡市も5月22日の臨時議会に2億数千万円の補正予算を組んでいるようなので、大いに県がイニシアチブを発揮してやっていただきたい。

・高齢者施設等での感染症対策について

【斉藤議員】
 高齢者・介護施設での感染症対策はどうなっているか。利用者減少の状況と介護報酬確保の取り組みについて示していただきたい。

【長寿社会課総括課長】
 厚労省から、社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について通知がなされているところであり、各施設においてはこの通知に基づいて、感染の疑いについて早期に把握できるよう利用者の健康状態や変化の有無等の確認、緊急・やむを得ない場合を除く面会の制限、施設利用者や委託業者等を含めたマスクの着用・手洗い・アルコール消毒等の徹底などの感染防止に取り組んでいるところです。
 介護施設等の利用者減少の状況については、介護報酬のデータ確認に一定期間を要することから現時点では把握できておりませんが、自主的に休業した事業所があることは承知しております。介護報酬の確保については、国からの通知により、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、事業所において人員基準や運営基準等について、介護報酬算定上の基準を満たすことができなくなった場合であっても、災害等における取り扱いと同様に柔軟な取り扱い、報酬の請求ができるよう取り扱うこととされています。

・事業者への支援について

【斉藤議員】
 今日経営支援課から示された事業所の状況調査を見ると、飲食・観光・宿泊関係の影響はきわめて大きいと。この実態をどのように受け止めているか。
 県も具体的な施策を示していますが、例えば「地元の宿応援割」―これは県は2分の1補助で上限は1000円と。盛岡市は1万円以上の宿泊に4000円補助、花巻市は3000円補助します。岩手県の補助は低すぎるのではないかと。せめて倍化する必要があるのではないか。
 飲食関係については、業界から「県版持続化給付金のように、国の線引き・上限を緩和して事業所支援すべきではないか」という声も出ていますが、この対策はどうなっているでしょうか。

【商工労働観光部副部長】
 県内事業者の実態については、本日お配りした資料の通りですが、宿泊業について付け加えさせていただくと、宿泊業については、岩手県旅館ホテル生活衛生同業組合などに加入している宿泊施設311に、4月13日時点の影響額等を照会し、153者から回答がありました。これを取りまとめたところ、2月から6月までの「例年と比較した減収額」は約65億円、また4月以降約半数の施設が「例年と比較して8割以上減収」する見込みであり、特にも観光・宿泊施設の経営に大きな影響が生じているところです。
 なお、県内の主要観光施設からの聞き取りでは、GW期間中においては、ほとんどの施設が休業していたということから、「前年度のGW中に比べて入り込み客数は1%にも満たない」という非常に深刻な状況でございました。
 支援については、県では融資資金をはじめとした支援策を講じており、これらの制度の活用を促していくとともに、特に宿泊については地元の宿泊施設の利用促進にかかる補助―「地元の宿応援割」の拡充についても検討を進めてまいりたいと考えております。また、飲食店をはじめ、感染拡大防止のための施設整備にかかる改修等に要する支援についても検討を進めてまいりたいと考えております。

【斉藤議員】
 調査の最後のページに宿泊関係者の声として「分かりやすく簡単で手厚い支援を大至急お願いします。スピード感をもってやってほしい」と。ぜひ6月から倍加の支援を実現するようにやっていただきたい。