2020年9月8日 文教委員会
教育委員会に対する質疑
(大要)


・スクールサポートスタッフと学習指導員の配置について

【斉藤委員】
 教職員人事費で、スクールサポートスタッフ等の配置に関わって、教育事務所に会計年度任用職員を配置すると。スクールサポートスタッフの任用状況はどうなっているか。
 あわせて、学習指導員の任用状況も示していただきたい。

【教職員課総括課長】
 スクールサポートスタッフの配置状況は、予定数533校にたいし384校に配置。
 学習指導員は、54校にたいして32校に配置している。

【斉藤委員】
 かなりの日数が経ち、せっかくの予算措置で、スクールサポートスタッフは72%の配置、学習指導員は59.3%と。なぜ進まないのか。どこに問題があるのか。これは求人の労働条件があまりにも貧困ということなのかどうか。どのように考えているか。

【教職員課総括課長】
 配置に努めているところだが、スクールサポートスタッフについては、全県全校に1人という配置であり、地域によってはそういった業務をやっていただく人材を確保するのが難しい地域もある。また学校とすれば、想定される時間いっぱい働いていただきたい希望がある場合もあるが、希望する方が短時間で働きたいというパターンもあり、ニーズが合わないような事案もあると聞いている。
 学習指導員については、学習の指導を補助する役割ですので、学校とすれば教員免許を持っている人を採用したいという希望がある。ただ、免許を持っている方がいない地域もあり、学校の希望と職を求める方の希望が合わないということもある。
 報酬等については、通常の非常勤講師と同様に定めており、報酬額がハードルということは聞いていない。

【斉藤委員】
 スクールサポートスタッフについては、7時間の勤務ということで求人票を出しているようだが、これは5時間とか柔軟に対応できるのか。柔軟に対応できるのであればもっと求人票に明記すべきではないか。
 学習指導員は教員免許を条件にしているが、これから年度末までなので半年程度。期間が短いというのと、教員免許を条件にしていて、時給が991円〜1394円と。教員免許を持っていてこの程度の時給では確保できないのではないか。専門性を持っている人を配置しようとするなら、時給2000円3000円というのが当たり前ではないか。ましてやあと半年なので。そういう条件がなかったら確保できないと思うが、そういうことは柔軟に対応できないのか。

【教職員課総括課長】
 スクールサポートスタッフの時間については、当初は学校とすれば、授業を想定して30時間で雇いたいという希望である。ただ、ご説明した通り、地域によっては人の確保が難しいところもあり、求職者とのニーズも合わない面もあるということで、今後は時間等については柔軟に、できるだけ早く任用できるような形で各学校と調整しながら募集していきたい。
 学習指導員の報酬については、申し上げた通り通常の他の非常勤講師と同様の報酬額となっているので、この額としながら、学校においても、さまざまな人がいることが資質向上になるということだが、コース等によっては教員免許を持っていない方でも補助という形で入ることも可能ではないかということでもあるので、学校とも調整しながら応募の仕方については工夫して採用していきたいと考えている。

【斉藤委員】
 せっかく予算化されても6〜7割ぐらいしか配置できないというのは、問題をはっきりさせて対応すべきである。

・ICT機器の整備について

【斉藤委員】
 県立学校ICT機器整備事業費について、これは4160台、各校に40台〜80台整備すると。必要なことは2つあると思う。
 そういうタブレット等ICTの機器を活用できるICT支援員の配置が必要ではないか。これは実際に配置されているのかどうか。
 もう1つは、通信費がかかるわけで、この通信費の予算はこの中に入っているのかどうか。どういう形で手当されるのか。

【教育企画推進監】
 ICT支援員の配置については、二号補正の際に予算化しているが、導入した機器の設定・管理、教員・児童生徒の機器操作支援などの業務について、ICT関連が専門の民間企業への委託により各県立学校への派遣を想定し予算化したところである。県立学校におけるICT機器の整備については、今回補正予算を提案しているものも含めこれからになるので、それに合わせながら支援員を配置するということで考えている。
 通信費については、今回導入を想定している機種は、スマートフォン等と同じく通信回線を使うことができるLTEモデルというものを想定しており、通信環境がない家庭においても通信ができることになる。通信料は家庭の自己負担と考えているが、先の補正でも、奨学のための給付金支給事業費において、通信費がかかる場合には「低所得者に限る」ということで具体的には非課税世帯になるが、こちらを通信費として追加で支給できることになっており、実際に上乗せして支給することとしている。

【斉藤委員】
 ICT支援員の配置は二号補正で措置され、県立学校は今回タブレット端末が配備されるということで、それに合わせて配置すると。これはしっかりやらないと、現場の教員に新たな負担が増えるだけなので。
 通信費は家庭の負担ということで、ここが問題だと思う。Wi-Fi環境を整備するにしてもお金がかかる。例えば、大学などでは夏休みまでオンライン授業を行った。学生たちは自分たちでその環境を整えた。私のところには「それだけお金をかけて、途中から対面授業をやるのはどういうことか」という話もきた。やはり低所得者のことで言うと、この間の国民生活調査で、子どもの相対的貧困率は13.8%、7人に1人である。そういう状況を考えて、これは国に対しても、機器で情報産業が儲かるだけではいけないので、家庭でも活用できるような予算措置など、そういう環境をどのように整備するか。家庭の負担というのはいかがなものかと思う。この点をぜひ国にも要求してほしいし県としても考えていただきたい。

【教育企画推進監】
 通信費については、すでに各家庭でWi-Fi環境等を整備している家庭、あるいはそうでない家庭いろいろあり、通信事業者によってもだいぶ金額が違うという状況もある。一律に全て県で負担するということは難しいと考えており、低所得者への支援は行うが、ただそれでも通信が困難だという場合には、例えば、学校に来ていただいて、全ての児童生徒が来ると密になってしまうが、パソコン室を借りて密を避けながら一部の生徒は学校でという工夫もできると思うので、そういったことも含めながら、最終的に全ての生徒が学習できるようにしていきたい。

【斉藤委員】
 今回、1学校あたり40〜80台なので、一気に全ての生徒に配布するということではないので、基本的には学校の中で活用される規模だと思うが、ただオンライン授業をやろうとしたら、やはり家庭の環境整備が必要になってくるので、そうしたこともしっかり考えて、国にメニューがなかったら国に求めていくと。県としてもそういうことを考えるということを指摘したので、ぜひやっていただきたい。

・県立学校へのエアコン整備について

【斉藤委員】
 校舎大規模改造事業―いわゆるエアコンの設置で、今回14校から27校に前倒しでやるということで積極的な取り組みだと思う。先ほどの答弁では職員室も整備するということだが、職員室も27校分、さらに6校が改築その他でやっているという受け止めでいいか。

【学校施設課長】
 普通教室への整備と同じように、普通教室以外の特別教室も含めた設置の状況については、各学校個別の実態などもあると思うので、それぞれの学校ごとに設計を進める前に、具体的に調整をしたいが、基本的に職員室は27校は整備される予定である。

【斉藤委員】
 そうすると残りの33校は教室もそうだが職員室もエアコンはこれからだと。本当に今の異常な暑さを考えたら、エアコンのない職場で仕事をするのは考えられない。岩手でも夜もエアコンをつけないと危ないという状況である。前倒しでやることは評価するが、今年のような気候の状況だと、生徒と教職員の命と健康に関わるので、本当にこの課題は切迫しているので、今年度は33校にとどまっても、来年度中には全部やるぐらいの構えでやらないといけない。そうした客観的な状況になっているのではないか。文科省も痛切に感じていると思うが、そういう点では今のテンポでいったらあと3年かかる。そうではなく、来年度中には残り全部整備するぐらいのことが必要ではないか。

【教育長】
 私も8月の最終週と先週に学校訪問を行い、一番の最高気温を記録した日に学校訪問をしており、職員室や教室に実際に入って体験してきた。30度半ばまで気温が上がっており、そこで先生はマスクをして授業をしており、午後に回った学校はサウナ状態で、生徒もポロシャツに短パン可ということで授業をしていましたし、先生方も大変苦労していた。そして職員室は、大型扇風機2台ぐらいでやっていたり、校長室で話を聞くと、座って話を聞くだけでも汗が出てくる状況で、沿岸部は涼しいと思ったらそうではなく、痛切に感じてきたところである。
 新田課長はなかなか明言できないところではあったが、私も生徒や教員、校長の現場を見て、これは早く何とかしていかなければいけないという思いは強くした。可能な限り早期に整備できるよう、財政当局等とも相談しながら対応、検討していきたい。

【斉藤委員】
 リアルな答弁であった。子どもたちと教職員の命と健康に関わるそういう切迫した時代に立ち至っているという認識で、国にも働きかけるし、県としても知恵を出していただきたい。

・特別支援学校について

【斉藤委員】
 特別支援教育のところの管理運営費で、スクールバスを来年3月まで延長すると。いまスクールバスを活用している生徒は何校何人なのか。そのスクールバスの配置は何台なのか。1台に何人乗って通学しているか。

【特別支援教育課長】
 現在スクールバスを増便している学校は6校となっている。全体の利用人数は、7校でスクールバスを運行しており、234名となっている。1校は密ではない状況なので増便していない。

【斉藤委員】
 特別支援学校の教室不足数について、34という回答がメールでお知らせいただいた。特別支援学校は基本的にはすべてエアコンが設置されていると思うが、不足したところは、1つを2つに分けたりしていると思うが、これはどのように不足した教室を確保しているのか。そこもきちんとエアコンが設置されているのか。

【学校施設課長】
 特別支援学校の子どもたちは、体温調整が難しいというような子どもたちも多くおり、普通教室以外に、医療的ケアが必要な部屋であるとか、基本的には子どもたちがいる部屋は全てに設置している。また、1つの教室をパーティションなどで2つに分けて使っているところも実際に多くあるので、それぞれの教室がきちんと体温調整できるように、きちんと対応させていただいている。