2020年9月8日 文教委員会
文化スポーツ部に対する質疑(大要)
・文化芸術団体の実態と支援について
【斉藤委員】
今回、県内の文化芸術団体等に、新規で予算化されたことは評価したい。
その大前提になるのは、県内の文化芸術団体が新型コロナでどういう影響を受けているのか。その実態である。実態調査はなされたのか。現段階でどのように実態を把握されているか。
【文化振興課総括課長】
文化芸術関係の団体、一般社団法人岩手県芸術文化協会があるが、そちらに加盟している団体から実情をお聞きしているということと、また県内に4箇所、芸術コーディネーターが相談対応を行っており、管内の芸術団体の情報についてお聞きしている。
【斉藤委員】
文化芸術団体は、練習もできない、活動もできない、発表会もできない、本当に大変な状況にあると思う。ドイツの文化大臣は、「文化活動は国民の生活にとって不可欠だ。絶対文化は守ります」と表明し、必要な支援を直ちに行った。残念ながら日本の大臣はそういうことは全くなかった。
岩手県はこの分野の活動を重視して、「文化スポーツ部」として新たに部を設置した。しっかりした実態調査をやるべきである。
この間の委員会調査で、岩手県文化芸術協会の柴田会長さんからお話を聞いたが、やはり団体がやっていけないような大変な状況にあるという率直な話も聞いた。そして、そういう文化芸術活動を支えるさまざまな業界もある。いわば、発表の場がないということは、そういう方々の仕事もない。本当にいま文化芸術活動、それを支える方々の実態がどうなっているか、もっと正確に県として把握すべきではないか。もう何ヶ月も経っているのだから。
【文化振興課総括課長】
これまでも関係団体とは密に情報交換をさせていただいている。それにより、練習や発表の機会が失われているというような話もお聞きし、今回の予算を提案させていただいた。
【斉藤委員】
そういう聞き取り調査をやっているのだったら、ぜひ文書で出していただきたい。文化芸術団体といってもいろんなジャンルがあるので。どういう現状に置かれているのか、県への要望は何なのかと。
例えば商工労働観光部の場合、毎月事業所の影響調査をやって、売り上げ減少の状況や国の制度の活用状況などを示している。
文化芸術団体だって、死活に関わるような状況に置かれているのだから、「文化スポーツ部」という独立した、それを中心的な目的・使命にした部があるわけなので、しっかり実態調査をして、要望も聞いて、それに応えた施策、今回一部積極的な施策が出されそれは評価するが、本当に行き届いているのか。
この間、柴田会長や文化振興事業団にも聞いたが、国の補助金が五百数十億円第二次補正で出たが、しかし県を通過しない補助金なので、どのぐらい県内の団体に活用されているか分からないと。これもおかしなことなので、どういう補助金を受けているのかということも含めて、しっかり対応することが必要ではないか。
【文化スポーツ部長】
お話の通り、コロナをめぐる状況は日々変わっているので、調査については引き続き取り組んでまいりたい。
国のお話もあったが、国に照会をかけても、現段階では県別の結果が出ないということであったので、そうであれば、県内の文化芸術団体で分かるところはしっかり調査して取り組んでいきたい。
【斉藤委員】
ぜひ実態調査、現状をしっかり把握して、国もやっと第二次補正で文化芸術関係の対策が出された。しかしそれがどのように活用されているか分からない。それは団体に聞けば分かることであるので。例えば持続化給付金でも、今は積極的に使われているが、7月の事業所調査では40%以上の事業所が活用している。そうなるまでにはいろんな問題が指摘されて改善されてきた。やはり現場で問題を把握して、国の補助金は使いやすくなっているのか。そして隙間を県がしっかり補うという関係で、きちんと整理して対応すべきである。
事業の中身をお聞きするが、いわて文化芸術活動支援事業費補助は、活動再開をするにあたってその経費の3分の2、1団体あたり150万円を上限に補助すると。具体的にどういう活動再開の経費をイメージしているのか。
【文化振興課総括課長】
補助の内容だが、文化活動成果発表―合唱や合奏とか美術コンクールといったものや、指導者向け研修会の開催の研修事業、障がい者芸術活動支援の美術作品の展示会、若手芸術家・民俗芸能後継者等の育成事業ということで伝統工芸研修などに活用していただくということで、経費の中身については、旅費や使用料や委託料といったものを考えており、またリモート出演・発表などに要する経費、感染予防経費などを考えている。
【斉藤委員】
2000万円の予算だが、例えば100万円ずつ補助したとすれば20団体にしかならない。本当に文化芸術団体は裾野が広いので、率直に言えば不十分なのではないか。
もう1つ、いわて文化施設利用促進事業費は、利用料の2分の1を補助すると。これも積極的な取り組みだが、補助先が県民会館および公会堂の指定管理者ということで、県民会館・公会堂が最初から利用料を2分の1割り引くということですね。その上で、県民会館管理運営事業費が2416万円余計上されたが、どういう中身のものか。
【文化振興課総括課長】
管理運営費については、岩手県民会館および岩手県公会堂は、県民の文化芸術活動の球心向上を図り、県民生活の向上に寄与するために設置している施設であることから、新型コロナの感染防止対策をとりながら継続して文化芸術活動等に寄与し、指定管理者が安定して管理運営できるような必要経費について増額補正を図るものである。
【斉藤委員】
新型コロナ問題が発生して8ヶ月、岩手は大震災のときにも文化芸能活動を重視して、その再建に支援してきた。それが復興の力になったという経験があるので、新型コロナの下でも岩手は文化芸術活動を重視して、しっかり再建・再開させたというものに結びつけていただきたい。
そのために、何度も繰り返すがしっかりした実態調査、国や県に対する要望をしっかりつかむと。それに応えて、必要なら次の補正も組むというぐらいのことを是非やっていただきたい。調査の仕方は工夫していいと思うが、県としてやるということが大事だと思う。
【文化スポーツ部長】
お話あった通り、文化芸術の力は復興の大きな力になりましたし、これからも岩手県民に大きな力を与えるものだと考えている。ですから、文化イベントやスポーツイベント、コロナでかなり中止になったが、できる限りはしっかりとコロナ対策をやった上で行うということで、直近の「いわて文化芸術祭」もできる形でしっかりやろうと考えており、そのほかについても同様に、これからも実態を把握しながら取り組んでいきたい。