2020年10月16日 決算特別委員会
ふるさと振興部に対する質疑
(大要)


・新型コロナ禍の下での地域公共交通への影響と課題について

【斉藤委員】
 三陸鉄道、IGRの状況はどうなっているか。県の対策を含めて示していただきたい。

【地域交通課長】
 今年2〜8月までの運賃収入は、三陸鉄道は対前年比60.6%(2億300万円余)減、IGRは対前年比28.0%(2億100万円余)減と、いずれも非常に大きな影響を受けている。
 これを受けて県では、先の9月臨時県議会において、三陸鉄道・IGRが安全・安定運行を維持していくために必要な資金として運行支援交付金をお認めいただいたところであり、三陸鉄道に対しては来週、IGRに対しては昨日交付金を交付させていただいた。

【斉藤委員】
 バスとタクシーについては、先ほど臼沢委員の質問があった。路線バス事業者は、3社で2〜8月まで36.9%(12億9160万円)の減と。これは観光バス部門も含まれるのか。

【地域交通課長】
 これは路線バス・乗り合いバス部門だが、高速バス等は含んだ額ということになる。

【斉藤委員】
 おそらく観光バスの方が影響が大きいというか、ほとんど客がなかったと言ってもいいぐらいの影響なので、だとすれば実態はもっと厳しいのではないか。
 タクシーについてはサンプル調査ということで、2〜9月までで34.9%の減と。これはタクシー業界全体の収入で推計すればどのぐらいの影響額になるか。

【地域交通課長】
 サンプル調査であるので具体的な金額は申し上げなかったが、この5社の1社平均の減収は、2〜9月にかけて4900万円減少している。

【斉藤委員】
 Go Toトラベルが開始され、7月8月はあまり大きい影響はなかったと思うが、9月10月はどういう状況になっているか。

【地域交通課長】
 直近の9月10月はまだ具体的なお話はお聞きできていないが、タクシー協会にお伺いすると、7月に県内で感染者が初めて確認される前はやや盛り返している傾向にあったが、それ以降は主に夜の部分を中心に苦しい状況になっているというお話はうかがっている。

・台風19号災害の復旧状況について

【斉藤委員】
 ちょうど1年余が経過したが、人的被害、住家被害、被害総額はどうなっているか。

【台風災害復旧復興推進課長】
 人的被害は県全体で3名がお亡くなりになったほか、重傷者4名、軽傷者3名発生した。
 住家被害は、全壊46世帯、半壊841世帯(うち大規模半壊55世帯)、一部破損924世帯、床上浸水148世帯、床下浸水1027世帯、合わせて2986世帯となっている。
 被害総額は306億4718万円となっている。

【斉藤委員】
 特に住宅再建についてお聞きしたいが、全壊・大規模半壊合わせて101棟、これらの方々の住宅再建の状況はどうなっているか。

【台風災害復旧復興推進課長】
 生活再建支援金の件数で見ると、宮古市・久慈市・釜石市・山田町の4市町に適用された被災者生活再建支援法に基づく支援金の支給決定は149件あった。なお、この法律が適用されない市町村においての同等の被害を受けた世帯に対しては、県単事業により同等の支援を行っており、同法では支給対象とならない半壊・床上浸水世帯に対しても支援金を支給しているところだが、その支給決定は728件となっている。

【斉藤委員】
 9月29日に行われた令和元年台風災害復旧復興推進本部会議の資料を見たが、加算支援金の中身が示されていない。加算支援金というのは、住宅の再建・購入、補修、賃貸、これが出て初めて再建の状況が分かる。そういう資料がしっかり本部会議にも出るようにしておくべきだということは指摘おきたい。
 商工関係の被害と被災企業再建支援事業費補助(4分の3補助)はどのぐらい活用されたか。

【台風災害復旧復興推進課長】
 商工の事業の内容については商工労働観光部であり、詳細を把握していない。

【斉藤委員】
 台風災害の各部局からの報告もここにあるわけで、それが分からない本部会議ではいけない。あなたのところが取りまとめだから聞いているので。年に1回か2回しか開かれない本部会議で、私が聞く程度のことはきちんと報告されるようでなければいけない。
 三陸鉄道の復旧については、被害額が20億円ということだった。この資料を見たら、今年の12月まで事業が続くということで、改良復旧だったのか。12月までかかっている事業は何か。復旧事業費その他はどうなっているか。

【地域交通課長】
 三陸鉄道は3月20日に応急復旧のうえで全線再開したが、その後も引き続き復旧工事を進めている。おおむね復旧工事は終了しているが、一部区間で法面の工事などが引き続き必要な状況になっており、現在その復旧工事が行われている。いずれも年内には工事完了の見込みとなっているので、12月中の完了を目指して工事を進めている。

【斉藤委員】
 被害額が20億円ということで予算化されたが、20億円の範囲内で事業が完了するということでいいか。

【地域交通課長】
 今ある予算の枠の中で対応可能という状況である。

【斉藤委員】
 宮古〜釜石間というのは、きちんとした建築の基準のない戦前に整備され、それが今回の大雨洪水で流されたということを現地で聞いたので、改良復旧されたということは評価したい。

・2016年台風10号災害からの復旧・復興について

【斉藤委員】
 復旧の進ちょく状況と残された事業はどうなっているか。

【台風災害復旧復興推進課長】
 9月1日時点で、災害復旧工事は、公共土木施設については92%にあたる1747カ所が完成しており、農林水産施設においては99%にあたる647カ所が完成している。また、災害復旧と合わせて、7河川において河川改修事業を行っており、宮古の刈屋川・長沢川、大津町の大槌川の3河川が完成しているほか、砂防工事については50%にあたる15カ所が完了している。
 現在行われている事業については、災害復旧工事は令和2年度完了、河川改修工事は令和4年度中の完了、砂防工事は令和3年度中の完了をめざし工事が進められているところであり、引き続き復旧に向けしっかり取り組んでいきたい。

【斉藤委員】
 丸4年が経過し、死者27名、行方不明者1人。全壊478世帯、大規模半壊534世帯という大変な規模で、被害額は1428億円余だった。
 かなりの部分の復旧は済んでいるが、千葉課長からいただいた資料を見ても、いま残っている大きな事業というのは、小本川上流・下流の河川改修事業が令和4年度まで、安家川の河川改修事業が令和3年度まで、久慈川は堤防整備で「調査検討中」と、これからどういう形の復旧事業になるのかということで資料では示されていた。4年経っても大規模な河川の改修は続いているということで、引き続き取り組みを進めていただきたい。久慈川については、丸4年経っても「調査検討中」というのはいかがなものかと思うので、遅れている理由はあるのだが、復旧・復興の方針が定まっていないというのはいかがものか。

【ふるさと振興部長】
 河川については、用地の関係で、地域の方々が納得する形で丁寧に工事を進めていくということで、ここは強行的にやるというよりは住民の理解を得ながら進めるということを最大限尊重して進めている状況でもある。いずれ早期の復旧・復興は大事であるので、しっかり取り組んでいく。