2020年10月19日 決算特別委員会
教育委員会に対する関連質疑(大要)
・盛岡南高校と不来方高校の統合案について
【斉藤委員】
南高校の同窓生から私にもさまざまな要望も寄せられた。県教委にはどういう要望・意見が寄せられているか。
南高校と不来方高校というのは対等の統合なのか。計画を見る限りは、不来方高校に吸収統合という計画に見えるのだが、盛岡圏域でいくと、盛岡南高校だけが損する、無くなってしまうという計画である。そういう意味で、統合に納得できるような大義があるのか。そして本当にそこだけに犠牲を強いるような計画であっていいのか。そういうことも私は感じるわけだが、統合の中身、大義はどこにあるのか。
そしてこういう中身なので、徹底して理解と納得を得るような取り組みがなければダメだと思うがいかがか。
【高校改革課長】
この両校の統合については、盛岡市の教育委員会から要望書をいただいている。「両校の統合により、より先導的な取り組みが実践されて、新設校が子どもたちの学びが深まる魅力的な学校になるようにしてほしい」というような中身、「統合にあたっては、具体的な統合の手順、新設校の姿について早めに示すなどの説明を十分にして、進路選択に不安にならないように配慮願いたい」といったような中身である。
統合の形態だが、統合により生徒数の減少に合わせての統合を段階的に踏むということから、一時的に1学年の学級数が11学級となる年がある。それが収容できるキャパシティがあるのが不来方高校の校舎ということもあり、不来方高校には外国語・体育・技術といったさまざまな学びの学科があるということから、これを減らしながらの統合というのはなかなか難しいということもあるので、見え方としてはどうしても不来方の方に移行するように見えるが、基本的には両校の歴史と伝統を引き継ぎながらの新しい学校をつくるという統合となっている。
議論の仕方については、地域検討会議や地域での意見交換会のほか、盛岡南高校PTAの皆様や同窓会の皆様とは要望に応じての意見交換も実施しているところである。今後、統合にあたってもさまざまなご意見をいただきながら、その内容について検討させていただきたい。
【斉藤委員】
対等の統合というのであれば、学校の名前も変える、新しい学校はこういうものだという中身、こういうことが示されていないと思う。吸収統合の姿しか見えていないのではないか。
そしてやはり盛岡南高校も実績のある高校なので、それなりの生徒数も抱え、今までの歴史と伝統をどう踏まえて受け継ぐのかということが示されなかったら納得は得られないと思う。
市の教育委員会からの要望内容が示されたが、県教委には同窓生の方々がどういう声をあげているのか、あげていないのか。
これまでの議論で「唐突」という話があったが、この盛岡南と不来方こそ当事者にしてみれば「唐突中の唐突」だと思う。それだけに、本当に丁寧な説明、納得を得られるプロセスが特別に大事だし、ごり押ししてはならないと思うがいかがか。
【高校改革課長】
私ども、地域検討会議やその他の意見交換会の中でも、今回はどちらかが一方的に吸収される、統合されるというものではないと。校名も新たに検討するものであり、校章や校歌、制服に至るまでも両校の関係者で話し合いながら決めていくものだということについては丁寧にご説明させていただいているところである。
両校とも体育や芸術など特色ある学びを推進している学校である。両校の実績を十分に引き継ぎながら、さらに県内の特色ある学校の伝統を先導する形で両校の取り組みを引き継いでいきたいと思っている。
同窓会等からは、今回の統合にあたっては、盛岡市への生徒の一極集中の是正という観点も含んでということになる。それに関しては、「統合による一極集中が是正されるものなのか」といったところについてのご意見もあり、「統合により中学生の選択肢が狭まるのではないか」というご意見もいただいている。「両校があってこそ切磋琢磨できるのではないか」というご意見もいただいている。