2021年3月4日 環境福祉委員会
千田美津子県議の保健福祉部に対する質疑(大要)
・「令和2年度一般会計補正予算」ほか議案について
(千田委員)
障害者介護給付金等で5億円増になっておりますが、これは市町村の見込みを積み重ねたものだと思いますがコロナとの関わりとかでなっているのか、その状況についてお聞きします。もう一つは地域子育て子ども支援事業交付金ということで、6億4,000万円の減となっていますがこれについてご説明をいただきたいと思います。それから放課後児童クラブ感染症対策継続支援事業ということで、研修の実施とか様々あるわけですが、せっかくつけた予算、マスクとか消毒そういう部分はいいと思うんです、それ以外にもっと使えるものの周知がきちんとなされたのかどうかという点でお聞きします。
(菊池障がい保健福祉課総括課長)
障害者の介護給付費でございます。毎年度この補正の時期に市町村の最終見込みを確認して補正をしているところでございます。過去の最終予算と比べますとやはり多くはなってはおりますけども、昨年も最初予算としては60億円ほどなってございまして、年々増えてはおりますが、特にはコロナの影響でというところではございません。
(中里子ども子育て支援室長)
地域子育て子ども支援事業交付金の減額でございますが、これについては小学校が休業した場合に特例措置として、学童等に対する費用ということで予算措置をしていただいたものでございますが、小学校の臨時休業ということがほとんどなかったということでの減額でございます。次に放課後児童クラブについて、こちらは放課後児童クラブですとか延長保育、一時預かり事業等を行う施設等1387カ所分、50万円のコロナ対応分として計上したところでありますが、504件の申請ということで減額となったものでございます。マスクや消毒液の購入、あるいは職員の感染症対策の徹底を図りながら事業を継続的に実施していくために必要な経費ということで、市町村を通じて周知を図ったところでございますがこのような減額となったところでございます。
(千田委員)
最後の部分ですが、1387カ所のうち504カ所ということで、コロナ対策をやってないというわけではないと思いますが、もしかして一般のところから経費を出しているとかそういうことがあるかもしれませんが、やはり出入りが結構あって換気も含めてすごく先生方が通常以上にこまめにやることが増えていますね。時間を延長して先生方が時間外でやっている部分、本来であればそういうことも経費に入れることができたはずですがそういう申請はなかったでしょうか。
(中里支援室長)
申請の詳しい中身までは手元にないものでないので分かりませんが、職員が感染対策の徹底を図りながら事業を継続するために必要な経費が補助対象になりますよ、ということは市町村を通じて周知を図ったところでございますので、必要な経費については申請いただいたものと考えております。
・ワクチン接種について
(千田委員)
ワクチン接種の予約について、大体指定されて、その中から選ぶのかなと思ったら、個人の都合では市町村の窓口で予約できるということで安心しましたが、反面、大変だろうなと感じました。県では相談センターを設置すると、市町村ではコールセンターを設置するということですが、いつ頃までに設置されるのかその見通しについてお聞きします。
(吉田特命参事)
まず市町村の方では先日一関市の方で今月から設置するという報道もありましたが、各市町村によってコールセンターは接種開始前に設置できるように取り組んでいくということでございます。それから県の専門的な相談窓口ですが、こちらも3月中に設置する予定で調整を進めているところでございます。
(千田委員)
各市町村で接種前ということは、医療関係者接種前にも設置されるということですか、それとも高齢者などに対応できるように早めに設置するということなのでしょうか。
(吉田特命参事)
市町村が設置する相談窓口は、住民接種が始まるまでにということでございます。県が設置する相談センターは、当初、医療従事者の接種が3月中旬以降というスケジュールでしたのでそういったスケジュールで調整しておりますが、医療従事者の接種の開始前に県の相談窓口を設置するということは今難しいという状況でございます。
・保健所の体制について
(千田委員)
もう一点ですが、部長や医療室長を始めコロナ対応でこの間本当に大変だったと思います。今日は保健所の体制がどうだったのか、ということで質問をしたいと思います。ここ何日間発生していないということで少しは落ち着いているのかなと思いますが、やはり相当大変な状況があったのではないか、そういった点で保健所そのものの体制強化も様々指摘をされているわけですが、この間、広い岩手県の中でも総合応援とか様々対応されてきたと思いますが、その状況についてお知らせをいただきたいと思います。
(下山副部長兼保健企画室長)
保健所間の応援ということで、クラスターなどが発生しますと一保健所だけではなかなか疫学調査とか、健康観察など業務があります。盛岡市保健所も含めてということになりますが、これまで延べ114日間、230人の保健師を派遣して、大変な状況になっている保健所を応援するということで相互補完をやってきております。
(千田委員)
中部保健所ですと9日間28人の方が対応された、圏央が今一番多くて41日間で92人の方々が一関、奥州、宮古、釜石、大船渡あたりからも応援をいただいているということで、全県から来ていただいて守り切ったと言うことだと思います。そういったことで本当にご苦労様だったと思いますが、ただやはりそれだけ、例えば圏央の41日間の不足ということは保健所体制が人的にも大変だということだと思います。今回のコロナの状況を見て人員を増やすということも議論がされて見通しがちょっと示されてはいるものの、やはり岩手県全体で、もし同時多発になったらどうだったろうと、そういうことを考えるとそれぞれの保健所がもっと力を持つ、そして3年度もそういう部分では非常にまだまだ危険性があるわけですから、総合応援とは別の、保健所のあり方をやはりきちんと議論していく必要があるのではないかなと思いますが部長はどのようにお考えですか。
(野原保健福祉部長)
委員からご指摘をいただきましたように、岩手県は県民の皆様、関係者の皆様などのご努力もあって首都圏のような感染爆発というような状況にはならず、積極的疫学調査を丁寧にやり、封じ込め、保健所ができるということで体制を取ることができました。ただ一方で、委員からご指摘あったとおり各保健所、岩手県は面積が広くて人口が少ないものですからクラスター出ますと一カ所あたりで数十人の積極的疫学調査、周囲の方々への聞き取りそれもその日のうちにやらなくてはならない大変な作業です。検体採取、健康観察、支援の電話もしなくてはなりません。そう意味で臨機に全県で取り組もうということで周辺の保健所、場合によっては関内市町村の保健師の応援を頂きながらこの難局を乗り切ってきました。
保健所の保健師については、東日本大震災の際にも本当にがんばっていただきました。17年前のSARSの際、2009年の新型コロナウイルスの際、その度に保健所の体制を指摘をされ、2009年の新型コロナウイルス対応の検証の際にも国のなかでもこの健康危機管理を担うための保健所の体制というものは検証されてきたと理解をしています。消防や警察と違って県庁は24時間体制を取っていない中にあり、間接対応また救急などで365日、24時間対応しています。こういう体制をどうしていくのかということはこの新型コロナの検証を踏まえて、国でも体制強化の策を示しておりますが、どうあるべきかというのはしっかりと検証をして、保健所体制については国家的な議論が必要であろうと考えております。
一方、来年度の体制についても、まずは昨日答弁をさせていただきましたけども、まずは10名退職される方々の臨時の対応で採用10名程度増員できる見込みです。これは機械的に言いますと、これは国が2年間で感染症対応の保健師を増やそうというプランこれに当てはめると2年でちょうど10人という数字という、岩手県の形になりますが、その分をまずは来年は頑張るということで我々も対応させていただきました。ただ10名を増員したから対応できるかというと、一気にクラスターが出るとなかなか難しいという実態もあります。そこはやはり臨機に危機管理対応として保健師になっていただくという組織としての対応、これが本当に重要でございますので、ここは引き続き各振興局で工夫して応援していただいておりますけども、そういう観点で見直しをしてまいりますし、保健所の体制についても我々としては強化をしなければいけないという思いですが、一方で県庁全体の行政の考え方もございますので、その中にあって体制強化を進めていきたいと考えてございます。
(千田委員)
人を増やすのは良いと思っていてもいろんな制約があって、ただその中でも10名を採用できるということで決して多くはないかもしれませんが頑張っていただきたいし、オール岩手でのそういう連携プレーがうまくいっていると、そういう部分を期待しながら今後についても対応お願いをしたいと思います。一つ気になっている部分が、通常の保健師さんの活動があります。それらはコロナの対応をしながらということだったと思いますが、こちらについてはあまり影響がなかったのでしょうかお聞きします。
(下山副部長)
通常の保健業務のことでございます。精神対応とか日頃でも夜間、休日問わず対応しているわけでございますが、先ほど答弁申し上げました保健所間の応援というものにつきましても、個々の保健所の日頃の業務なども加味いたしまして、支援できるところで支援するということで、正直なところ各保健所で負荷はかかってございますが、そういった日常の対応などもはじめとして、何とか乗り切ってきたという状況でございます。