2021年3月9日 予算特別委員会
人事委員会に対する質疑
(大要)


・2020年度労働基準および労働安全衛生に関する事業場調査について

【斉藤委員】
 それでは2020年度労働基準および労働安全衛生に関する事業場調査結果について3点お聞きします。
 1つは、月30時間を超える超過勤務を行った職員のある事業場の状況とそれへの対応、その後の改善はどうなっているでしょうか。

【職員課総括課長】
 今年度行いました事業場調査によります、月平均30時間を超える超過勤務を行った職員のいる事業場の数でございます。令和元年度は48事業場でありまして、前年度から4事業場減少したところです。
これら事業場については、必要に応じて訪問・調査いたしましたほか、超過勤務の縮減に向けて昨年12月に文書によって、各事業場の実態に応じた指導を行ったところです。
 今回指導しました事業場の改善状況につきまして、来年度行う調査の結果を踏まえ精査することになりますが、昨年度指導対象となった52事業場の今年度の状況について申し上げますと、17の事業場が指導対象外となり、改善が見られている一方、継続して指導対象となったものが35事業場となっており、また13の事業場が新たに指導の対象となっているところでありまして、引き続き事業場の実態に応じたきめ細かな指導を行っていくことが必要と考えているところでございます。

【斉藤委員】
 月100時間を超える長時間勤務を行った教育職員のいる学校の状況と実人員、その比率、面接指導を受けた教員の状況はどうなっているでしょうか。

【職員課総括課長】
 令和元年度の時間外在校等時間ですが、時間外在校等時間と申しますのは、教育職員のいわゆる超勤4項目の時間に加えて、それ以外の業務のための時間を含めた時間でございますが、その時間が月100時間を超える教育職員がいる県立学校は61事業場でありまして、前年度から6事業場減少したところでございます。
 実人員で申し上げますと668人、比率は19%となっておりまして、前年度から48人、2ポイント減少したところです。
 産業医による面接指導を受けた教育職員は11人でございまして、前年度から1人減少したところでございます。なお、産業医による面接指導につきまして本年度の状況を申し上げますと、県教育委員会では、昨年度までは本人からの申し出に基づいて行っていたものを、本年度から時間外在校等時間が月100時間以上の教育職員について「必須とする」取扱いとしたところでございまして、指導を受けた者は今年度は2月末現在で75人に達しているところでございます。

【斉藤委員】
 教育職員の事業場調査になると、どういうわけか「100時間を超える」基準なんですよ。一般の職員は30時間、これでも異常なんだけれど、教員の場合は100時間を超える職員、それが、前年度の実績調査ですから2019年度になるんですけれども、668人、100時間、月1回でも100時間を超えた教員がいたと。それで61事業場、これは79事業場の中の77.2%、約8割近い学校で100時間を超える超過勤務が実際行われている。私は本当に異常だと思いますよ。そして、実は教育職員というのは超過勤務がないんです。手当が。こんなに残業していても、手当もない。私は二重三重に深刻な状況だと思います。
 この調査の中には、40時間以上1人月平均時間数、これで見ますと41事業場ですよ。平均して40時間以上超過勤務しているのが41事業場。これは実に51.8%です。
 本当にこの状況、県教委は今年度からかなり、今年は新型コロナがあったと思いますけれども、抜本的な改善のために、人事委員会は教育長や学校長宛に通知をしているんですけれども、通知をしっぱなしではなくて、やはり改善策を出させると。中間でもそういう状況を報告させると。そういうことをしっかりやるべきじゃないかと思いますけれどもいかがですか。

【職員課総括課長】
 改善策のご報告というご提案でございますが、私どもも、文書によるかどうかは別にして、日頃教育委員会もしくは時間外勤務が多い事業場である県立学校等につきましては、必要に応じて訪問するなど、実態確認に努めているところでもございますので、常日頃からその実態、そして改善の方途というのをきちんと見ていきたいと考えております。

【斉藤委員】
 これは最後ですけれども、県職員・教育職員のパワハラ等の相談件数、そして実態をどう把握しているか。パワハラをなくす取り組みはどうなっているか示してください。

【職員課総括課長】
 人事委員会におきましては、地方公務員法に基づいて、職員からの苦情相談窓口を設けています。その中で、パワーハラスメントについての県職員からの相談件数は、昨年までの直近5年間で申し上げますと、平成27年度が4件、28年度2件、29年度5件、30年度5件、そして令和元年度は9件となっております。本年度は途中でございますが、2月時点で4件となっています。増減はありますが、中長期的には漸増の傾向が見てとれるところでございます。
 このパワーハラスメントへの対応ですが、昨年6月の労働施策総合推進法の改正によりまして、対策が強化されたことを受けて、各任命権者においてはその防止に関する基本方針、マニュアルなどの見直しを行うほか、相談窓口の周知や職員の意識啓発、研修などの取り組みを進めているところでございます。
 ハラスメントというのは当然職員の勤務意欲を減退させる、ひいては職員の心身に悪影響を及ぼす要因にもなりますことから、人事委員会として各任命権者にハラスメント対策に一層取り組まれるよう引き続き必要な助言・指導を行いますとともに、本委員会が設置している苦情相談窓口の周知や、研修受講による窓口相談員のスキルアップなどによって、ハラスメント対策を一層進めていきます。

【斉藤委員】
 このパワハラというのは大変深刻で、本当に重大な事態が発生しているわけです。私はそれにしては相談件数が少ないんじゃないか。人事委員会が頼りにされていないんじゃないかという風に思いますね。だから本当に人事委員会に相談すれば解決してくれると。相談しやすいと。そういう状況を労働基準監督署として役割を果たすべきだと思いますが、最後に局長に聞いて終わります。

【人事委員会事務局長】
 いわゆるパワハラにつきましては、いま委員ご指摘の通りですね、被害職員だけでなく組織に対する影響も非常に重大であるということを認識しておりまして、あってはならないものだと心得ているところでございます。
 相談窓口に対する相談件数が少ないというご指摘については重く受け止めまして、スキルアップ、相談職員のスキルアップについては今申し上げましたが、いわゆる職員に対するPR活動そういったことも含めてですね、任命権者とも連携しながら一生懸命取り組んでまいります。