2021年3月10日 予算特別委員会
千田美津子県議のふるさと振興部に対する質疑
(大要)


・マイナンバーカードの普及状況について

(千田美津子委員)
 一点だけ質問します。マイナンバーカードの普及であります。一つ目は県内自治体の現時点でのマイナンバーカードの普及状況について伺いますが、昨年12月に改定した閣議決定で、デジタルガバメント実行計画では22年度までにほとんどの住民がマイナンバーカードを保有することを目標としております。そのため、これまでもマイナンバーカード普及のためにキャッシュレス決済で使えるマイナポイントの付与や今年3月からの健康保険証としての利用など、様々施策を講じてきましたけども決して政府の思惑通りにはならず、普及は進んでいないというふうに考えておりますけども、県内自治体のマイナンバーカードの普及はどのような状況かお伺いします。

(松村市町村課総括課長)
 県内自治体のマイナンバーカードの普及状況であります。本年の2月1日現在で21.4%でございます。最も取得率が高いところで27.7%という市町村がございます。ちなみに全国では25.2%という取得率となってございます。

(千田委員)
 一番県内で高いところ盛岡の27.7%ということで、これはそのとおりだなと思いますが、最低が西和賀町の11.88%ですね。22年度までにという国の思惑どおりには進まないと見ていますが、全国より4ポイント近く低い状況にありますけども、様々な施策がこれから展開されるようですが、現状をどのように見ておられますか。

(松村総括課長)
 今の普及状況についてですが、マイナンバーカードを取得した後の利便性、メリットがなかなか見つけられないというところもあるのかな、ということで国の方もデジタル社会の基盤ということで委員から話があったとおり、普及を進めるということでその中でマイナポイントを用いた活性化などに取り組んでいるところだと思います。今後、医療機関の健康保険証の利用とか、あるいは図書館の貸し出しカードとしての活用といったところも考えておりますので、そういった利便性が向上することによってカードの取得率も上がっていくのではないかなと考えてございます。

(千田委員)
 利便性が見つけられない、私もそうだと思います。気になるのが、私たちの身近なのがコンビニの交付サービスだと思いますが、令和2年度中に日本全体でどのくらい普及が進んだのかお知らせください。

(松村総括課長)
 コンビニでの交付サービス、住民票についてということで、概ね239万枚でございます。5年前の平成27年度が概ね43万枚ということですので、約5倍の取得の数になってございます。

(千田委員)
 住民票と印鑑証明が伸びているのかなと思いますが、いただいた資料の中では導入団体は決して広がっていないようですね。これらから国が思っているような状況ではないのかなと考えます。二つ目ですがマイナンバーカードの利用促進と県の対応についてお聞きします。政府はなかなか利用が進まないということで、なりふり構わないカード取得推進策を推し進めているんじゃないかと見ております。実行計画では運転免許証とか在留カードなど、各種免許、国家資格等マイナカードと言わせてもらいますが、カードとの一体化、マイナカードの機能のスマホへの搭載ですね。それから自治体検診や民間健康管理サービスとマイナポータルとの連携、学校検診や学習データの活用のためのマイナーカードの利用、さらにはマイナーカードを利用した罹災証明書のコンビニ交付、公金受け取り口座や預貯金口座のマイナンバーカードの付番の促進など、ありとあらゆる分野でマイナンバーカードとサービスの連携を進めようとしています。本当にそれでいいのかなと疑問もあるわけですが、マイナンバーカードの普及に関わる今後の見通しについて、どのような状況と考えておられるか、それから、今後の国がどんどん進めようとするわけですが、県の対応が非常に重要と思っているんですがその点お聞きします。

(松村総括課長)
 マイナンバーカードの普及について、いろんなものを搭載していくということを国の方では考えているようでございます。もちろん、マイナンバーカードについては情報漏洩だとかそういったご心配も当然おありだと思いますけども、一方でデジタル社会の中で都市部、それから地域に問わず、ある程度ひとつのデジタル社会における有効な手段と考えられるわけでございます。特にこれからいろんな便利な機能がついていって、皆さんが利活用していくという中で、また新たな利便性の向上といったところを見つけていけるんじゃないかなということで、県としては国全体の進めているデジタル社会のひとつの基盤であるということもございますので、住民の利便性の向上は県や市町村て取り組むというところもあり、そういった取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。

・マイナンバーカード普及と個人情報保護、行政サービス制限などの課題について

(千田委員)
 利便性の向上というのはそのとおりだと思います。ただ、いろいろ心配な点があるので次にお聞きしますが、個人情報保護と行政サービスの制限など課題がいろいろあるのではないかなと感じます。そこで、今年の3月から健康保険証としての利用を開始するわけですけども、心配されるのはマイナンバーカードがないと公的なサービスが受けられないという状況を作り出したり、自主的にカード取得を強要することに繋がることになるのではないかなと考えます。さらには、国民の所得や資産・医療・教育など膨大な個人情報が政府に集中することになっていくと思いますので、そういった点からいうと国家による個人による管理が進みかねないというふうに心配をしています。このような点からマイナンバーカードのメリットもたくさんあると思いますが、やはりデメリットをしっかりと把握をして必要な情報をしっかりと県民に周知しながら対応していくことが求められるのではないかなと思いますので、県として課題をどのように捉えているのかお聞きします。

(古舘科学・情報政策室長)
 マイナンバーカードの利用に関して、国も委員から指摘ありましたとおり、デジタルガバメント実行計画の中で33の課題を掲げて課題解決のための取組方針というのが計画の中に盛り込まれたところでございます。その中でも情報セキュリティや個人情報保護の強化、あとはルールの標準化、対策として見直し、標準化について例えば自治体が今マイナンバーを守るために、情報ネットワークを3層に分けてますがこの見直しとか、個人情報保護法そのものの見直しということも掲げられているところで、そのようなことで国の方としても進めていくのかなというふうに考えています。県としては国に対してマイナンバー制度の適切な運用といいますか、そういうものについて制度のメリットとか、概要、それから県民の方々が必要となる手続きとか、注意すべき事項というものに対して積極的に周知するように要望しているところでありまして、国の制度運用というところもありまして、引き続き働きかけ広報をしていきたいと考えてます。

(千田委員)
 国でも33の課題をこの計画に盛り込んでいろいろと対応していると、そして県としても県民の様々な手続きを始め、国に対して必要なところは上申しているということで、それはとても大事なことなのでやっていただきたいわけですが、先ほど言いましたけども、自治体でもサービスが受けられないという状況が出てきています。事例を言いますと群馬県前橋市で移動困難者向けの運賃補助事業マイタク制度があるそうですが、それが22年度からマイナンバーカードの利用に限定する予定だと聞いております。私はこういうことが広がるとカードの有無によって選別されて、持っていない人はそういう利用が受けられなくなるこのような事態は絶対避けなければならないと思います。ですから利便性が高まるとかそういうことはいいのですが、このことによってマイナンバーカードを持たないとあなたは外しますよ、このサービスは受けられませんよ、ということになると大変なことになると思います。これらへの対応をしっかりとしていくことが求められており、県としてはこれらの状況が起きないようしっかり国に言うとともに、市町村と連携しながら住民サービスの利便性を図るためのマイナンバーカードであればいいですけども、そうでないことに繋がってしまいますのでしっかりとした対応が必要ではないかなと思いますのでその点お聞きします。

(松村総括課長)
 いま前橋市の例などを伺いましたけども、いずれ住民サービスの提供が維持されるということが最も大切なことだと思っております。マイナンバーカードによって市民サービスが向上するような使われ方が大事だと考えてございます。これから県、市町村でサービスが追加されていくかと思いますのでそういった状況も見ながら対応してまいります。