2021年3月12日 予算特別委員会
環境生活部に対する質疑
(大要)


・第三次岩手県循環型社会形成推進計画について

【斉藤委員】
 それでは第三次岩手県循環型社会形成推進計画、これは第5次岩手県廃棄物処理計画・岩手県ごみ処理広域化計画ということになります。この最終案が議会に示されていますので、この点について質問いたします。
 岩手県のごみ処理広域化計画については、20年ぶりの改定ということになりますが、この間の20年間の経過を私は踏まえない計画になっているのではないか。
 1つ、1997年策定された岩手県ごみ処理広域化計画は、ダイオキシン対策を目的に、6ブロックでの広域化の方針を打ち出しましたが、どう進められたのでしょうか。

【資源循環推進課総括課長】
 6ブロックでの広域化がどう進められたかについてでありますが、都道府県のごみ処理広域化計画は、廃棄物処理法に基づき、国が定めた基本的な方針に従い、一般廃棄物の処理体制の確保に向け、広域的かつ計画的に廃棄物処理施設の整備が進むよう、市町村への技術的な助言を行うため策定しております。
 岩手県ごみ処理広域化計画の6ブロックのうち、沿岸中部ブロックは、計画期間前に広域化が完了しており、中部および沿岸南部の2ブロックは、計画期間内に広域化を実施し、3ブロックの広域化が完了しております。

【斉藤委員】
 この計画から23年経っているんですよ。3つのブロックは統一化が進んだけれども、あとは進まなかったということは、この計画に問題があったということではないでしょうか。なぜ3ブロックではこの統一化は進まなかったのか。その理由・原因を示してください。

【資源循環推進課総括課長】
 広域化が進んでいない要因についてでありますが、県北ブロックについては、久慈地区・二戸地区とも現有施設の延命化が可能であることなどから、当面現有施設を使用するということとしたと承知しております。
 県央ブロックにつきましては、8市町が策定した基本構想において、ブロック内で1つの焼却炉に集約することとされ、盛岡インターチェンジ付近を「もっとも有力な候補地」として、地域住民の理解が得られるよう継続した取り組みが進められるものと認識しております。
 県南ブロックにおいては、放射性物質による汚染により、ごみ処理や施設建設への影響が懸念されることなどを踏まえ、当面の対応として、2施設体制により計画的な施設整備が進められていると承知しております。

【斉藤委員】
 20年間でやはりごみをめぐる状況、市町村の状況は大きく変わったと。私はそれに対応した計画であるべきだが、残念ながら今回示された計画は、23年前の計画をそのまま書き写すような計画になっていると、このことを指摘しておきたいと思います。
 それで最終案は、「ライフサイクル全体での徹底的な資源循環が課題として、3R、特にリデュース、リユースの推進、各種廃棄物の徹底した回収・再資源化体制の確立」を提起をしています。私はこういう課題は、一極集中の広域化ではなくて、各市町村が責任を持つごみ処理でこそこの課題は進められるのではないかと考えますがいかがですか。

【資源循環推進課総括課長】
 各市町村が責任を持ってごみ処理を進める必要性についてですが、今後人口減少やごみ排出量の減少が予測されることから、市町村等が長期的に安定したごみ処理施設の運営ができるよう、広域の取り組みにより3R推進を図ることが必要と考えております。

【斉藤委員】
 紋切り型の答弁なんだけどね、3つのブロックで統一化しましたけれども、この3Rの前進とかごみの減量に結びついていますか。広域化が、決してごみを減らす、循環型形成の力になっていないと思いますけれども、いかがですか。

【資源循環推進課総括課長】
 平成23年に広域化した沿岸南部ブロックと、平成27年に広域化した中部ブロックについて評価しますと、利用者一人当たりの生活ごみ排出量は、広域化前に減少する傾向があり、それぞれ15%と5%減少し、効果が確認されております。その後は横ばい傾向になりますが、排出量が減少しているということは確認されております。

【斉藤委員】
 これは計画の資料編の15ページですけどね、一人当たりのごみ処理量、宮古市最下位、釜石市は下から6番目、そういう状況ですよ。そして、一人当たりのごみ処理経費も、釜石・大槌・大船渡沿岸がえらい高いじゃないですか。効率も悪いと。あなた方の資料だとそうなっていますよ。

【資源循環推進課総括課長】
 先ほど廃棄物利用の減少についてご説明しましたが、処理施設の方式等により、ごみ処理の単価は変わっておりますので、そのこと等が影響しているのではないかと想定しております。

【斉藤委員】
 本当に広域化が決してごみの減量に結びついていないと。そして経営効率化にも結びついていないと。特に釜石の溶融炉なんていうのは、本当に何でも燃やすから、減量にならないし経費も高いと。それを真似した滝沢は、大変高くつく焼却場で苦労しているんですよ。それは指摘だけにとどめておきます。
 それで、長寿命化・延命化というのは、循環型社会形成推進交付金の対象事業にもなっています。ごみ処理施設の分散立地による自区内処理に位置づけて取り組むべきだと思いますがいかがですか。

【資源循環推進課総括課長】
 長寿命化・延命化の考え方は、現施設を有効活用することにより、廃棄物処理施設のコスト削減を図るものでありますが、長寿命化・延命化は、施設が安定的に稼働する時間を5年から10年程度の間延長するものであり、いずれは環境性能など基本的な施設設備の性能劣化が生じることになります。この次の段階で、市町村は安定した持続可能なごみ処理の運営を行うため、新施設の建設に当たり、実情に即して広域化・集約化を進める必要があると認識しております。

【斉藤委員】
 この計画の57ページにこう書いています。「集約化にあたっては、市町村等の厳しい財政状況の中でコスト削減を図りつつ、現有施設を活用していくために、ストックマネジメントの手法を導入し、地域の実情を踏まえて長寿命化・延命化を検討します」と。ここにこう書いているんだから、こういうことをしっかり考えて、何が何でも、住民が反対しても広域化一極集中をやるということは、あなた方の計画からいっても違うと。これは指摘だけにとどめておきますよ。

・県央ブロックごみ処理広域化計画について

【斉藤委員】
 県央ブロックごみ処理広域化計画についてお聞きをします。
 昨年2月27日の推進協議会以降、進捗状況はどうなっていますか。

【資源循環推進課総括課長】
 県央ブロックのごみ処理広域化の進捗状況についてでありますが、昨年2月27日に開催された推進協議会以降、広報誌や県央ブロックごみ処理広域化についての冊子を配布・回覧することにより、住民説明がなされているものと承知しております。

【斉藤委員】
 結局説明会を開かないで、新型コロナを理由に住民の声を聞かないで、ただ資料を配っているだけと。私は、谷藤市長が「地域住民の合意を踏まえてやる」と言っていますから、この約束はしっかり守るべきだと。
 それで、県央ブロックごみ処理広域化計画について先ほど武田委員が質問して、私もまったくその通りだと思うのは、ごみの減量、リサイクルの計画のない大型焼却場の整備・建設計画になっているからです。現在、平成30年度で8市町の日量のごみは390トン、ところが500トンの焼却施設をつくるというんですよ。これから10年間で人口は4万減る。20年間で8万人減る。いいですか、そういう中でなんで燃やすごみを増やすような焼却施設が必要なんですか。ここに県央ブロックの最大の欠陥があると思いますけれども、いかが考えますか。

【資源循環推進課総括課長】
 県央ブロックの8市町がそれぞれ一般廃棄物処理計画に基づいて、3Rの推進に引き続き取り組んでいくものとは思いますが、先ほど説明した県央ブロックごみ処理広域化の冊子によれば、「施設集約化に合わせて施設規模の適正化を目指します」という記載がございます。

【斉藤委員】
 だから候補地を決めるということでやっているけれども、減量もリサイクルの計画もないと。今示されているのはさっき言ったように、今でさえ日量390トンなのに、500トンの大規模焼却施設を建設するという計画なんですよ。おかしいじゃないですか。県が助言するというんだったら、こういうことをしっかりと助言・指導すべきなんですよ。
 次に聞きます。盛岡インター付近が最終候補地になっていますが、あまりにも問題があるんじゃないか。この地域は、イオンなど商業集積地域です。そして小岩井農場など観光地への交通の要所であり、交通渋滞が絶えず懸念されている地域であります。そして近隣に住宅団地が形成されています。環境への影響等を、私はこういうところに大型焼却施設をつくること自身が、市民の理解が得られない異常な考え方じゃないかと思いますけれどもいかがですか。

【資源循環推進課総括課長】
 ご意見のあった件につきましては、市が「環境影響の低減に関する最新の技術が採用された施設を目指す」とされており、県央ブロック8市町の中で検討されているものと考えております。

【斉藤委員】
 そんなの回答にならないでしょう。ある意味あそこは一等地なんですよ。交通の要所、団地もある、商業地域でもある。もっともっと土地の利活用ができる地域ですよ。そういうところにたくさん大型トラックが毎日来るような焼却施設をつくっていいのかと。県が助言・指導するんだったら、懸念されるこういう課題についてどう検討されているか、しっかり聞くべきじゃないですか。そう思いませんか。

【資源循環推進課総括課長】
 盛岡市からは、盛岡インター付近が整備候補地とされたのは、アクセスの容易性、収集運搬の効率性など、選定要素を総合的に評価し選定されたものと聞いております。

【斉藤委員】
 壊れたレコードのような答弁しないでください。私は具体的な問題を指摘しているんだから。本当に禍根を残しますよ、盛岡のまちづくりに。
 それで、6ブロック統一化と言うけれども、県央ブロックは沿岸南部・沿岸中部と比べて何倍の規模ですか。

【資源循環推進課総括課長】
 面積としてはほぼ同じぐらい、ごみの量であれば県の4割を占めておりますので、4倍ほどの量になると思います。

【斉藤委員】
 全然4倍どころじゃありません。よく調べて答えてください。議事録に載るんですよ今の答弁は。4倍どころじゃないですよ。
 だから6ブロックといったって、県央ブロックの占める比率は全然違う。面積は奈良県に匹敵します。ごみの量は全県の4割、これを一箇所でいいのかということですよ。分散型の焼却施設こそ私は必要だと思いますよ。全然バランスとれないじゃないですか。

【廃棄物特別対策室長】
 ただいま広い県土でのごみ処理広域化という点でございましたが、ただいまの広域化に当たりましては、ごみの中継施設ということで、広い面積をカバーするような、一旦収集運搬を置き換えるという風な施設も発展してきておりまして、北上市・花巻市・遠野市などの所管する中部ごみクリーンセンターにおきましては、遠野市に収集運搬の中継施設をつくって、効率的な収集運搬を努めて、ごみ処理をきちんと適正に行っているというところからして、県央ブロックでも相当の運搬体制をとっていくということで適正処理が確保されると考えております。

【斉藤委員】
 全然答えていないんですね。三箇所に中継基地つくったって、ごみの量は同じだから、大型トラックで運ぶだけの話ですよ。全然私が言ったことに答えていない。
 例えば、資料編の17ページ、沿岸中部3万1376トン、年度で。沿岸南部3万661トン。盛岡は全部足さなきゃだめなんだけど、盛岡市だけで7万トンですからね。その他に、盛岡紫波(地区環境施設組合)で3万2000トン、盛岡紫波だけで沿岸中部・南部1基分なんです。
 それで、時間がないので、谷藤市長は「住民の合意を踏まえて」と言っていますから、私はしっかり住民の理解を得るように、反対の声がどんどん広がっていますから。

・吉浜地区太陽光発電事業について

【斉藤委員】
 最後に、吉浜地区の太陽光発電事業について聞きます。
 この計画変更、これは認定されたのでしょうか。環境アセスが新たに必要になると思いますがいかがでしょうか。

【温暖化・エネルギー対策課長】
 吉浜地区の太陽光発電事業についてでありますが、当該事業につきましては、事業者が経済産業省東北経済産業局に事業計画変更認定申請書を提出しており、現在東北経済産業局において審査が行われているものと認識してございます。
【環境保全課総括課長】
 環境アセスメントについてでございますけれども、変更申請した事業内容については、現時点では内容の把握ができておりません。今後、内容が分かり次第、判明し次第、その内容を確認し、環境アセスメントに適切に対応してまいります。

【斉藤委員】
 計画変更はまだ認定されていないと、こういうことでよろしいですね。

【温暖化・エネルギー対策課長】
 委員がご指摘のとおり、まだ経済産業局の方では変更認定をしていないと。審査中ということでございます。