2021年3月12日 予算特別委員会
警察本部に対する質疑(大要)
・震災遺体の身元調査について
【斉藤委員】
私も震災遺体の身元調査をお聞きしようと思いましたが、まったく千葉盛委員の質問とダブりましたので、平成23年に身元不明者は166体と。現在48体ということで、この10年間頑張ってこられたということに私は敬意を表したいと思います。
そして、今度新たなミトコンドリアDNA型鑑定事業費で、最後まで身元不明者の解決にあたるということですので、これはしっかり頑張っていただきたい。あんまり警察を褒めることはないんですが。
・爆破予告事件とサイバー攻撃について
【斉藤委員】
次に、メールの爆破予告事件とサイバー攻撃について。私は9月議会で一般質問と決算特別委員会でこの問題を取り上げました。決算特別委員会で取り上げたときには、それまで6件だったのが10月に5件、県内の各市で爆破予告がありまして、その時点でもうすでに11件そういうことがあったと。
これまでに県内では何件こうしたメール爆破予告事件のようなものが発生しているのか。全国的にはどうなのか。摘発された例はどれだけあるのか示していただきたい。
【刑事部長】
爆破予告事件、メールによる手段についてということで、当方で把握しております数字は、昨年9月以降本年2月末までの間、4件となっております。
また、全国的にはどうかと言いますと、全国的な統計数値については、県警察では把握をしておりません。
次に、摘発された例でございますけれども、摘発事例については、他の都道府県警察の事例でございますので、答弁は差し控えさせていただきますが、県警察としましては、事例も踏まえた上で適正な捜査を行っているところでございます。
【斉藤委員】
メール爆破予告事件というのは、全国で発生しているんですね。今の答弁だと9月以降4件ということですが、私が取り上げたときは11件でしたから、これは4+11ということになるんですか。
【刑事部長】
爆破予告の事件については、その犯行の手段ですね、さまざまございますが、当方としてメールによる爆破予告事件として把握しているものは、先ほど申し上げた4件ということでございます。
【斉藤委員】
この1年間で4件ということですか。9月議会で取り上げたうえで聞いているんだから、あのときで6件+5件ですよ。なんで急に4件になるんですか。
【刑事部長】
先ほど申し上げましたけれど、昨年9月以降ということでございまして、本年2月までの間、本県警察が把握したものは4件ということでございます。
【斉藤委員】
時間の無駄な答弁をやらないでください。私はこの1年間でどうかと聞いているんですよ。摘発の例はないと。これは全国的に連携して取り組まなくちゃならない事件でしょ。全国的にどれだけ発生しているかも分からないんですか。言えないんですか。
【刑事部長】
繰り返しになりますけれども、全国的な数値につきましては、それぞれの都道府県警察の事件でございますので、当方としては把握はしていないところでございます。
【斉藤委員】
1年間のことも聞いたんだよ。去年の9月の答弁と違うんじゃない。整合性図ってください。
【刑事部長】
メールによる爆破予告、前回のご質問のときに6件という報告をしております。その後4件でございますので10件となります。
【斉藤委員】
実はあの後5件発生しているんですよ、私が決算特別委員会で取り上げたときには。6件の後に、10月に5件の。それも私指摘しているんですよ、決算特別委員会で。あなた方の把握はどうなっているんですか。
サイバー攻撃についてちょっとリアルにお聞きします。これは12月1日の岩手日報に掲載された、「警察庁、政府局、岐阜県庁、リクルートなど、600組織にサイバー攻撃があった」と。「テレワーク機、欠陥悪用」ということで、警察庁も入っているんですよ。愛知県、岐阜県、佐賀県、伊万里市役所、日本政府の観光局、民間企業も。サイバー攻撃の実態というのはどういう風に把握されていますか。県内にこのサイバー攻撃の事例はどのぐらいありますか。
【生活安全部長】
県内におきまして把握しているものはございません。
【斉藤委員】
県内ではサイバー攻撃はないということですか。違うんじゃないの、資料をもらっていますよ。私がいただいた例は全国のものですか。岩手県内ではサイバー攻撃の例はないと。メール爆破だってサイバー攻撃なんじゃないのですか。
私は決算のときに聞いたときに、爆破予告事件というのは悪質な事件だと。犯罪にあたると答えているんですよ。殺人予告なんですから。私は、一関市役所に出されたメールもリアルにあなた方に紹介しましたよ。これはサイバー攻撃じゃないんですか。
【生活安全部長】
委員がお話されました報道の件につきましては、私どもも承知はいたしております。
この報道と同様の県内における事例につきましては把握しておりませんけれども、サイバー空間というのは日常の様々な活動が営まれる公共性の高い空間でございますので、私どもも適切に対応して参りたいと考えております。
【斉藤委員】
サイバー攻撃というのは、いま重大な社会問題、私たちの生命と安全に関わる問題だと思いますよ。県警察が本気になって対応すべき課題ですよ。だから私が聞いているのは、例えばこの1年間、サイバー攻撃に当たる事件・事例、どのぐらいあったのかと聞いているんですよ。
【生活安全部長】
県内においては把握をしておりませんということでございます。
【斉藤委員】
だから爆破予告事件だってサイバー攻撃でしょと言っているんです。違うんですか。サイバー攻撃の定義を言ってください。そして、警察のサイバー対策・方針はどうなっていますか。
【生活安全部長】
サイバー攻撃につきましては、例えば重要インフラ、鉄道とかガス、電気等、そういったもののシステムを機能不全に陥れると。あるいは、政府機関や先端技術を有する企業から機密情報を摂取するということがサイバー攻撃ということで示されております。
先ほど委員から、爆破事件の関係でお話がございましたけれども、一般論といたしまして、この爆破事件は脅迫罪とか威力業務妨害とか、そういった事件ということでの一つの形がありますけれども、それにつきましてはネット利用犯罪と、ネットの空間を利用した犯罪でありますので、サイバー犯罪ということでは当然該当するということでございます。
【斉藤委員】
県警本部からいただいた資料、令和2年中、岩手県サイバー犯罪検挙件数およびサイバー犯罪関係相談受理件数、合計91件。この内訳は、児童買春、児童ポルノ法違反、詐欺、青少年保護育成条例、不正アクセス禁止法違反、コンピューター電磁的記録犯罪等、そして上記以外の罪種ということで、こう私は資料をいただいていますよ。合計91件でいいんですか。
【生活安全部長】
ただいま委員の方からお話のありました事件につきまして、サイバー犯罪ということで私たちは検挙の数として示しているものでございます。
【斉藤委員】
だから私がいただいた資料には受理件数というのがあって、これは2643件、検挙件数が91件、これは全国の数ですか。
【生活安全部長】
相談の件数ということであれば、これは我々の相談の区分ということで、例えばいろんな該当する区分分けをしておりますけれども、私どもではサイバー犯罪につきましては検挙の件数ということでは公表しておりますけれども、サイバーはやはり捜査をしてみないと犯罪かどうか分からないという段階のものもありますので、あくまでも相談の件数と検挙の件数ということを公表しているところでございます。
【斉藤委員】
本当に時間の経過が無駄なんだけれども、私がいただいた資料は、「令和2年中、岩手県サイバー犯罪検挙件数および相談受理件数」ですから、私が紹介したのは、岩手県内で相談受理件数が2643件あったと。そして検挙は91件だということでいいですね。
【生活安全部長】
その通りでございます。
【斉藤委員】
最初からそう答えたらいいじゃないですか。もっとまじめに、議員の質問には県民に分かるように答えてください。議事録に載るんだから。
それで、このサイバー攻撃ということを踏まえて、デジタル社会というのは本当に脆いものだと。このことをしっかり認識していなきゃだめだと思うんです。それで、昨年はメール爆破予告事件、こういうのが摘発されないという、本当に全国の警察が協力して、NTTなんかとも協力して、こういうものを許さない取り組みをする必要があるんじゃないですか。なぜこれ摘発がされないのか、その理由、本部長、あなた全国を回っているから教えてください。
【警察本部長】
わたくし愛知県で刑事部長をしておりますし、警察庁ではサイバー犯罪対策課長もしております。そういった関係で申し上げますけれども、メールによる送付の爆破予告については全国的に多発しております。これにつきましては、詳細は答弁を差し控えますけれども、例えば私が、スマートフォンでそういうことをしたとします。そうすると多分明日には私捕まってしまうんですが、それぐらい容易な手段でやられた場合は直ぐに捕まえることは出来ます。一方で、そういった手段を、高度な匿名化手段を使います、あるいは国境を越えて海外におけるサーバー等を使う、いろんな手段でやっていく手立てがあれば、これは非常に物理的に困難な状況になって参ります。これは法制面でもそうですし、情報技術、テクニカル的にも難しい問題がございます。決して警察がサボっている訳ではないことをご理解いただきたいと思います。
【斉藤委員】
だからサイバー攻撃やメールの爆破予告事件のように、今の我々のデジタル社会というのは、そういう脆さがあると。そういう中で、第一線に立っているのは警察なんだから、全国の知恵と技術を結集して、悪知恵を許さないような取り組みをぜひやっていただきたい。
・特殊詐欺事件への対応について
【斉藤委員】
次に、特殊詐欺事件への対応についてお聞きします。
特殊詐欺事件の件数、被害額の推移とその特徴、検挙件数と県警の具体的な対応について示してください。
【生活安全部長】
まず、特殊詐欺被害の推移についてでありますが、過去5年を見てみますと、平成28年から平成30年までの間は、被害件数・被害額とも減少傾向にございました。それが令和元年には増加に転じまして、昨年は、前年に比べ被害件数が1件減少の54件、被害額が100万円ほど増加して約1億5,000万円の被害となっております。
特徴といたしましては、警察官、金融機関職員等をかたり、第三者を介在させずにキャッシュカードを騙し取るあるいは、盗み取る手口が一昨年から大きく増加をいたしまして、昨年も前年同様、被害額の約6割を超える状況を占めているところでございまして、また高齢者の被害につきましても8割近くになっているというところでございます。
続きまして、検挙件数についてでありますけれども、検挙件数は前年比11件増加の56件、検挙人員は同じく4人減少の7人となっております。
次に対応についてでありますが、金融機関、コンビニエンスストア等と連携した水際阻止、そして担当部局と連携した対策ということ、今回新たに、騙されていることに気付いていただくための重点的な施策といたしまして、一つには、特殊詐欺の最新手口等をテレビCMで放送すると。そしてもう一つにつきましては、やはり詐欺の電話、固定電話へ圧倒的にきておりますので、7割以上、高齢者については9割以上でございますので、キャッシュはもう100%固定電話でございますので、電話中に気付いていただけるような、騙しのキーワード、例えば「暗証番号」「お金を貸します」といったような言葉は固定電話の脇に置いていただけるような、そういう物を配布して進めて参りたいと思っております。
【斉藤委員】
1億5000万円余ということで、大変被害が大きいと思うし、被害者の42件・77.8%は65歳以上の高齢者と。今お話あったように、高齢者に伝わるような、届くようなPR、対応しっかりやっていただきたい。
・県警の不祥事について
【斉藤委員】
最後ですけれども、県警の不祥事についてお聞きをします。
県警の不祥事の対応はどうなっているか。これ新聞報道が出たのでお聞きをしますが、巡査部長が公用車で移動中に信号を無視して、交差点で車両と衝突する物損事故を起こしたと。4月29日付で所属長注意を受けたと。公用車で信号無視、そして物損事故。「所属長注意」程度で済むんですかこれは。この記事の中には、4月26日に、50歳代の男性警部補が部下に指導する際、書類を床に投げつけて拾わせるパワハラがあったと。これも所属長注意。私がいただいた資料には、警視になる人たちもパワハラで所属長注意を受けていますが、処分が甘いんじゃないかと思いますが、この間の不祥事の実態を含めて示してください。
【参事官兼首席監察官】
令和2年、令和3年2月末現在の非違事案の状況についてご説明いたします。
令和2年は、懲戒処分を受けた職員はおりません。懲戒処分に至らない程度の訓戒、注意措置を行った職員は14人であります。
令和3年は、2月末で懲戒処分を受けた職員、また、訓戒、注意措置を行った職員もおりません。
先ほどございました巡査部長の信号無視の関係でございます。これにつきましては、事案概要は、委員からもございましたが、職員が公用車を運転し、信号のある十字路交差点を通過する際に、対面する信号機の赤色灯火を確認しないで交差点に進入、信号に従い交差点に進入してきた車両と出会い頭に衝突した物損事故でございます。
処分の関係でございますが、本事案における所属長注意につきましては、事案の内容や全国・県内におけるこれまでの先例を踏まえまして、厳正に対処しております。
【斉藤委員】
懲戒処分はないというのは、いま具体的な事例も示しましたけれども、やはり処分が甘い結果なんだと思いますよ。もっと厳しく対応すべきだと。このことを指摘して終わります。