2021年3月16日 予算特別委員会
千田美津子県議の教育委員会に対する質疑
(大要)


・いじめ、不登校にについて

(千田美津子委員)
 最初にいじめ不登校についてであります。不登校の現状と今後の対応策、それからいじめ発見のためのアンケート調査を実施されていますが、どのような状況にあるか、そしていじめの解消、重大事態への対応状況はどうでしょうか、まずこの点お聞きします

(泉澤生徒指導課長)
 いじめ、不登校の現状と対応策についてでございます。国の令和元年度調査によりますと、本県のいじめについては国・公・私立学校合わせまて、認知件数は8004件であり、平成30年度に比べ35件増加しております。今後の対応策としまして管理職や一般教諭それぞれを対象とした専門研修の充実を図っていくと共に、各学校のいじめ防止基本方針に基づき、いじめの未然防止に向けた取り組みと積極的な認知、適切な対処等組織的に行っていくよう取り組みを支援してまいります。また、不登校児童・生徒につきましては同調査におきまして1792人であり、平成30年度に比べ2名減少してございます。不登校の要因は様々であり、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとの連携、フリースクールなどの民間団体との連携により不登校児童・生徒、個々の状況に合わせた支援の実施に努めてまいります。
 アンケート調査については各学校それぞれですけども、学期に1回、若しくは月に1回とか学校の状況に応じてアンケート調査を実施しています。 
 重大事案については、今年度中の調査によりいじめを認知した学校では追跡調査をしたところ、昨年7月の時点で97.9%の解消となっており、まだ解消に至ってないのもありまして継続的支援を行ってまいりますし、被害児童生徒に寄り添った、丁寧な対応が重要だと認識しています。重大事態については、令和元年度中に発生した事案について県立学校においてはすべて解消しており、小・中学校においてはそれぞれの設置者において調査も含めて、適切に対応しており概ね解消に向かっているとの報告を受けております

(千田委員)
 いじめについては様々な手法で認知できているということであって、引き続き重大事態への取組みをしっかりやっていただきたいと思います。不登校ですが合計で2人減っていると答弁がありましたけども、その中身を見ますと小学校で増えております。30年度が284人から元年度319人と35人増えており、このような不登校の状況は大きな事態だと思っております。様々個々に応じた対応があると思いますが小学校の不登校の原因についてどのように捉えているかを聞きします。

(泉澤生徒指導課長)
 小学校の不登校については平成30年度に比べ35人増ということで、令和元年度は
 319人ということになっております。なぜ小学校で不登校の児童が増えたかということについては明確な調査をしたわけではございませんが、小学校校長会の児童部会の情報によりますと、家庭生活の乱れということにより昼夜逆転の現象が起きているとこいうことも一因であるということが話を伺っています。

(千田委員)
 答弁のようなこともあると思いますがいろいろな要素があると思います。そういった点でより慎重に様々な手立てを尽くすということが求められるのではないかなと思います。いただいた資料で、今後の対応策の中で新年度から岩手県不登校児童・生徒支援連絡協議会を開催するということがありますが、それも解消するための手立てだと思いますけども、どういうことを想定して期待しているのかその点お聞きします。

(泉澤生徒指導課長)
 今までフリースクール等の民間団体等については各教育事務所に配置しています在学青少年指導員等を通じて情報共有を図ってきたところでございます。今回は直接その団体と連携を図って行って、まず情報交換を企画として今後どのような協力体制が取れるのかということをその中から協議して進めてまいりたいと考えています。

(千田委員)
 3点目です。スクールカウンセラーの配置状況と新年度の配置の見通しについてです。それからスクールソーシャルワーカーについての通告もしていましたが、先ほど高田委員の質問で明らかになりました。その答弁の中で高田委員が増員していくべきではないかと質問したわけですが、増員は難しいという答弁がありましたが様々な子供達の現状等を見ればこれは増やしていく必要があるのではないかなと思いますのでその点お聞きします。

(泉澤生徒指導課長)
 スクールカウンセラーの次年度の配置状況については本年度とほぼ同等ということでございますが、若干小学校で配置を上げた計画を進めているところです。それからスクールソーシャルワーカーの増員については先ほども申し上げましたが、人材の確保、それから様々な条件等と難しい問題がある所でございますが、今後とも国とか他の都道府県の動向も注視しながら配置の充実、処遇改善、人材確保に努めてまいりたいと考えております

・35人学級について

(千田委員)
 大きく分けて2点目です。35人学級についてお聞きします。岩手県はこの間、国に先駆けて小学校、中学校全学年で35人学級を実施されてきました。政府もようやく新年度から小学校全学年を段階的に35人学級にする計画を決定して、さら今開かれている国会の予算委員会審議の中で中学校への拡大についても検討する旨答弁されています。それで一つは新年度から国の35人学級実施に伴って県の財政面で影響があると思いますが、どのように見込んでおられるのかお聞きをします。それから県の負担軽減になると思いますので、それに伴って先生方の長時間勤務に拍車がかかると思いますし、働き方改革の点からも教職員定数の見直しと増員が今こそ必要だと考えますがいかがでしょうか。そしてさらに浮いた財源等を利用しながら高校まで35人学級の実現を検討すべきではないかなと思いますがその点お聞きします。

(金野小中学校人事課長)
 本県では国の加配定数を活用しまして小学校及び中学校の全ての学年において35人以下学級を実施してきたところでございます。35人への引き下げに伴い、これまでの加配定数から学級数に応じて算定される基礎定数に変更されて配置されるため財政面では大きな影響はないものと捉えております。基礎定数として配置されることにより確実な教員の任用配置が可能なることから教育の質の向上につながるものと期待しております。

(山村参事兼教職員課総括課長)
 教員の定数については国の標準法に基づいて実施しているところです。働き方改革を進める上でも、国においてこの定数を増やすように県として要望してきているところでございます。今後についても地域の実情に応じた教員配置が可能となるような定数計画を策定するように要望をしていきたいと考えております。
(高橋県立学校人事課長)
 高等学校の35人学級についてご説明申し上げます。35人学級の実現にあたっては国による抜本的な定数改善が不可欠であり、これまで国に対しては本県のような地理的条件を抱えた小規模校の教員配置定数の見直しなどを含めて、教職員定数改善計画の早期策定について要望してきているところであり、今後も引き続き国に要望してまいります。

(千田委員)
 国が制度化したことで、質の向上につながるということでメリットも非常にあるということでそれはいいと思いますが、高校の少人数学級、体格も大きくなって本当に教室が狭いような状況にあり、国が早く抜本改善をすることが大事であります。引き続き要望していただきたいと思います。先ほど不登校の問題を言いましたが、欧米諸国では1学期が20人から30人位で本当にゆとりのある教育というか、わかる授業、学びが楽しく感じるような授業になっていると思います。どんどん不登校が増える、しかも小学校で増えているということは非常に大きな問題でありますので、ぜひ35人に止まらない、教職員を増やして、少人数学級をさらに拡大するということが非常に大事な課題だと思います。教育長からコメントいただければと思います。

(佐藤教育長)
 国においては小学校の35人学級を段階的に導入していくということで、これまでずっと要望してきましたがやっと動き出してきたということもございます。そういった形で少人数学級等の取り組みについて私ども期待しているところでありますので、更なる拡充について国に対して要望してまいります。

・特別支援教育のあり方について

(千田委員)
 3つ目、岩手県の特別支援教育のあり方について質問します。その中で小学校、中学校の特別支援学級について質問いたします。ともに学び、ともに育つ教育の推進を掲げて、2019年から23年までの5年を期間とする岩手特別支援教育推進プランが測定されています。そこで支援を必要とする子供達が増えているといわれていますがどのような状況にあるのか、また小学校、中学校における特別支援学級の設置数はどのような状況になっているのか、平成25年との比較でお示しをいただきたいと思います。

(高橋特別支援教育課長)
 支援を必要とする子どもたちの状況と、特別支援学級の設置数についてすが、特別支援学級に在籍する児童生徒数は小・中学校ともに増加しており、障害種別では小・中学校両方で知的障害特別支援学級と自閉症情緒障害特別支援学級の在籍数が大幅に増加しています。また特別支援学級の設置数について令和2年度は小学校で574学級、中学校で282学級、合計856学級となっています。平成25年度の数字ですが特別支援学級の設置数として小学校が367学級、中学校が204学級、合わせて571学級となっています。

(千田委員)
 答弁いただいたように、特に自閉症や情緒障害の学級が25年に比べて1.8倍に増えており、その必要性は本当に高まっていると思います。これからも子供たちの状況に応じた対応をお願いしたいと思います。二つ目、岩手特別支援教育推進プランの計画策定からまる2年が経とうとしていますが、目指す指標として、早期からの教育相談や支援、就学移行期等の情報共有、学校における主体的な取り組み、地域における関係機関との連携等々が掲げられておりますが、それぞれどのように評価をされているかお聞きします

(高橋特別支援教育課長)
 委員ご指摘のとおり、岩手特別支援教育推進プランについては2019年から2023年までの5年間の計画であり、今年度が2年目となっております。キーワードとして三つ。繋ぐ、生かす、支えるということで、その三つのキーワード毎に具体的な施策を着実に実行しているところでございます。いわて県民計画第1期アクションプランで設定した目標に対して指標ということで数値化しており、概ね達成しているという状況です。

(千田委員)
 最後にしますが、特別支援学級の充実策がもっと必要だと思います。現場を見て、先生が他の専門教科も受け持たなければならず、不在となっている例がありました。そういう点では人的体制を充実させることが必要だと思いますし、通級支援教室の設置は県が行うものでありますが、この間の市町村用要望と設置の現状はどのような状況ですか。

(金野小中学校人事課長)
 特別支援学級については国の義務標準法に基づき基礎定数として必要な教員数が措置されております。通級指導教室については対象となる児童生徒数に応じて算定される基礎定数と、国への要望により措置される加配定数を活用して市町村教育委員会の要望を踏まえながら設置しているところです。特別な支援を要する児童生徒の状況は多様化しておりよりきめ細かい指導や対応が必要となっていることから、今後も必要な加配定数が措置されるよう国に対して要望してまいります。