2021年7月2日 文教委員会
文化スポーツ部に対する質疑(大要)
・東京オリンピック・パラリンピックについて
【斉藤委員】
私もオリンピック関連の質問をしたいと思います。
東京オリンピック、先ほども話しましたけれども、東京でのコロナ感染が急速に拡大して、新規感染者で見るとステージ4、10万人あたり25人を超えて、爆発的感染の状況と。連日12日以上ですかね、前の週を超えているという。
昨日東京の専門家会議の分析では、オリンピックがなくても7月下旬には1000人、オリンピックやデルタ株が広がった場合には2000人に広がるという専門家の試算が出まして、実は厚労省のアドバイザリーボードにもですね、国立感染症研究所と京都大学のグループの試算もほぼ同じです。専門家からは、7月下旬で1000人を超える、デルタ株が広がれば2000人という、本当に第三波を超えるような状況がすでに専門家から指摘をされていて、私たちはこういう状況の中で、本来なら東京オリンピックというのは犠牲を拡大するような大会として開くべきでないと。「あらゆる力をコロナの収束に」という風に日本共産党は一貫して提起をしております。少なくとも無観客という判断は直ちに行われるべきだと思います。
そこで、しかし岩手にも、国内にオリンピックの選手・関係者が続々入国をしております。ホストタウン等の県内での事前合宿の計画はどうなっているのか。そのことをまずお聞きをいたします。
【東京オリンピック・パラリンピック推進室連携調整課長】
ホストタウン等の事前合宿の関係でございますけれども、本日現在で、県内6の市と町で事前合宿が実施または計画をされているという状況でございます。具体的に申し上げますと、盛岡市でのカナダ、八幡平市ではルワンダ、岩手町ではアイルランド、紫波町でのカナダ、一戸町でのパラグアイ、この間も報道になりましたが奥州市でのポルトガルとスペインという状況となっております。奥州市では、6月27日にポルトガルのカヌー選手・コーチの2名がすでに現地入りしておりまして、合宿を開始しているという状況でございます。
【斉藤委員】
ウガンダの選手が国内に入ったときに陽性患者が出まして、ところが一緒の選手はそのまま大阪のホストタウンに移動するということがあって、地元の保健所がバスの運転手、誘導した職員を含めて濃厚接触者と。その後選手からも陽性患者が出たと。昨日のニュースを見ますと、一緒に乗っていた飛行機の中の乗客も陽性患者が出たということでした。水際の対策がまったく機能しなかったということで、政府もあわてて新たな対策を組織委員会も含めて対応策をとろうとしていますけれども、岩手の場合、すでにポルトガルの選手は来ているんですけれども、空港からの移動というのはどういう体制なんですか。
【東京オリンピック・パラリンピック推進室連携調整課長】
選手団等の空港からの移動ということでございますけれども、国の方から示されている基準では、原則公共交通機関による移動は認められませんということになってございまして、自治体職員が直接空港に出向いて、一般客と動線を分離した入国ゲート、そこから相手国の選手団等と合流をいたしまして、自治体の方で手配した専用バス、あるいは新幹線の一両貸し、一両そのものを借りて専用車両で地元まで移動するという予定になってございます。
【斉藤委員】
具体的に、例えばポルトガルの場合はどうだったのか。そして専用バス・専用車両ということでした。専用バスの場合に、例えば県内の観光バス会社を利用しているのかどうか。専用車両を使う計画もあるのか。そのことは分かりますか。
【東京オリンピック・パラリンピック推進室連携調整課長】
奥州のポルトガルのケースでございますけれども、ポルトガルの場合は専用バス、地元の専用バスを用いて奥州市に入っていただいております。
一両借りのところは一部ございます。
【斉藤委員】
それで、結局ホストタウンというのは、コロナがなければ本当に良いことなんだけれども、コロナ感染の中で、ホストタウンというのは大変な、自治体に全ての責任を押し付けるシステムなんですね。移動の安全から選手・関係者は連日PCR検査を義務づけられています。このPCR検査は県の責任でやっているという話でしたが、連日のPCR検査の体制、これは県の責任でどのように取り組まれているのか、これから取り組むのか示してください。
【東京オリンピック・パラリンピック推進室連携調整課長】
選手団等にかかるPCR検査の関係でございますけれども、いま委員がおっしゃられましたように、原則毎日検査という予定で実施することになっております。また、受け入れ側の関係者につきましても検査をすることとなっておりまして、それは選手団等の接触度合いにより毎日あるいは4〜7日に1回という形での検査というものを行う予定になっております。この検査につきましては、県の方ですでに民間検査機関と契約をいたしまして、一括して実施しておりますし、6月24日すでに入っております奥州市についても検査がもう行われているという状況でございます。
【斉藤委員】
ホテル、移動のバス、ウガンダの場合には運転手も濃厚接触者になりました。最近のバスは、運転手の席と乗客をかなり厳密に分離するような方式になっているようですけれども、そうした感染対策というのは、ウガンダの検証も含めてどういう指示でどういう内容でやられているんですか。
【東京オリンピック・パラリンピック推進室連携調整課長】
国のマニュアル、「ホストタウン等における選手等受け入れマニュアルの作成について」というのがございまして、市町村が作成するマニュアルにおきましては、例えば車内、宿泊施設、食事会場内での換気の徹底であるとか、大人数が集まる場所、移動する車内でのアクリル板の設置、飛沫感染防止ということをしっかりやると。あとは可能な限り共用使用物の使い回しはしないように接触感染回避というものが示されておりまして、それを市町村ではマニュアルに落とし込みまして、受け入れの場面ごとに感染対策方法を具現化するよう定められているところでございます。受け入れ側関係者につきましても、選手団との接触具合によって、先ほど申しましたように4〜7日あるいは毎日という形でPCR検査を行うことという形になっております。
【斉藤委員】
かなりの自治体負担がともなうと。この財政的裏付けはどういう風になっているのか。
それとあわせて、パブリックビューイングも東京・首都圏中止になりまして、東北3県も最近中止ということが明らかになりました。この中止になった経過。
あと学校連携観戦という取り組みがあって、首都圏だけかと思ったら東北3県にもそういうものがあって、570人の観戦チケットをキャンセルしたという報道がありました。この申請、キャンセルに至る経過を示してください。
【東京オリンピック・パラリンピック推進室連携調整課長】
コロナ対策にかかる経費の問題でございますけれども、コロナ対策強化のために、今回いろいろ増高している部分もございます。国の方では、必要な額は必ず措置するというように言っておりまして、本県の場合を申し上げますと、実は事前合宿が中止になったりしている部分もございまして、今年度の当初予算に計上させていただいた額の範囲内で十分対応が可能というところで見込んでおるところでございます。
ライブサイトの経過についてご質問がございました。東京都と東京2020組織委員会の共催で開催される予定であった被災地のライブサイトでございますけれども、本県で行う予定といたしましては、オリンピック期間中に盛岡城跡公園多目的広場で4日間、それからパラリンピック期間中には盛岡駅滝の広場で2日間という予定で行う予定になってございました。6月22日でございますが、東京都から被災地・地元の意向を確認したいというような連絡がございまして、我々といたしましては盛岡市の方にその意向を確認したところ、盛岡市からは6月24日でございますが、東京都および組織委員会に対しまして「中止の要請をしていただきたい」という申し出を受けております。これを受けまして6月25日には県といたしまして「中止の方向で判断いただきたい」という旨の東京都に対する伝達をしており、6月29日の報道になりました通り、東京都がライブサイトの中止を公表したという状況にございます。
【副部長】
学校連携観戦でございますけれども、これはオリンピック・パラリンピック競技観戦を通じまして、次世代を担う子どもたちに一生の財産として心に残るような機会を提供するということを目的としまして、大会組織委員会が東京都、岩手・宮城・福島の被災3県の他に、協議会場所在地の道県の児童生徒たちに実施するものでございます。
本県では、大会延期前の平成31年3月、大会組織委員会から観戦チケットの購入案内もございまして、市町村を通じて取りまとめを行ったところ、先ほどお話しありました570枚の申し込みがございました。その後、大会が1年延期になりまして、令和3年1月に大会組織委員会から連絡があって、購入希望にかかる最終確認を行ったところ、申し込みのあった市町村から570枚全てをキャンセルする旨の報告があったところでございます。
【斉藤委員】
学校観戦については、首都東京でも大問題になって、東京で90万人規模なんですよ。学校の運動会も開かれないのになんでオリンピックは開かれるのか、そこになぜ子どもが動員されるのかということで、中止をする自治体が増えているのが実態で、岩手にもそういう案内があったというのは新聞報道で初めて知って経過を聞いたところであります。
・新型コロナの文化芸術分野の影響と対策について
【斉藤委員】
文化芸術分野の新型コロナ感染の影響を具体的にどのように把握されているでしょうか。
【文化振興課総括課長】
今年5月下旬から6月初旬にかけまして、一般社団法人岩手県芸術文化協会の加盟団体を対象とした影響調査を行ったところでございます。その概要といたしましては、9割の団体が「影響がある」というふうに答えているところでございます。ただ、前回調査と比較したところ、「大きく影響している」と回答した団体については24ポイント減少しておるところでございまして、楽観視はできませんが、多少緩和、活動する道筋が少しずつできているのかなとも感じているところでございます。
その具体的な影響でございますけれども、これは稽古・練習そのものが自粛ということ、あとは団体・会員等の活動意欲、自粛にともなう活動意欲の低下があるということ、あとは公演・展覧会等が中止になるというような影響を挙げてございます。
文化芸術活動を継続・再開する上での課題を問うたところ、主なものが3つございまして、文化芸術活動を取り巻く自粛ムードの改善が必要だということ、感染対策の徹底が必要だということ、あとは団体・会員等の活動意欲の醸成を図っていかなければならないというようなことが挙げられているところでございます。
【斉藤委員】
文化芸術団体の影響というのは引き続き深刻なんだと思うんですね。いただいた資料を見ると、「大きく影響をしている」というのが51%、5割が大きく影響していると。特に盛岡は、6月中旬ぐらいまでステージ3の状況が続きまして、夏のさんさパレードも中止になりました。2年連続の中止なんですね。文化芸能を継承する団体にとっては、2年間そういう発表の場がなくなるというのは大変な問題で、後継者を育成するという点でも、もちろん地域の飲食店等への波及効果なども含めて、大変な状況なんだと思います。
そこで、昨年もさまざまな対策が取られた。昨年の対策の実績、そして今年度はそれを踏まえて、文化芸術団体に対する支援策はどうなっているのか。縮小しているのか、拡充しているのか。具体的にお示しください。
【文化振興課総括課長】
文化芸術活動団体への直接的な支援、対策でございますけれども、昨年度は県といたしまして、県内の文化芸術団体の活動継続・再開を支援する「いわて文化芸術活動支援事業」、国庫補助事業でございます。それを創設したところでございます。2つ目は、県民会館および公会堂の利用を促進し、文化芸術活動の再開・継続につなげる「いわて文化施設利用促進事業」、こちらも補助事業を創設して発信したところでございます。この2つの事業の昨年度の実績でございますけれども、いわて文化芸術活動支援事業においては、ダンス・吹奏楽・合唱などの団体でございましたけれども、23件の文化芸術活動を支援したところでございます。いわて文化施設利用促進事業によりましては83件、具体的には県民会館79件、公会堂4件の文化芸術活動の促進を図ったところでございます。
今年度におきましても、その助成措置が大変良かったということのお話を聞きまして、そういった継続を望む意見が多ございましたので、今年度も引き続き実施していきたいと考えております。予算額的には、昨年度補正のベースのところで予算措置させていただいたところでございます。
本県の文化芸術のイベントであります「いわて芸術祭」につきましては、昨年度感染対策をとりながら開催したというところがございますので、今年度におきましても、いわて芸術祭については、万全な感染対策をとった上で開催を進めていきたいと考えておりまして、県民の文化芸術の発表・鑑賞等の機会の提供活動に努めていきたいと考えてございます。