2021年9月1日 文教委員会
文化スポーツ部に対する質疑(大要)
・東京五輪にかかるホストタウンの取り組みについて
【斉藤委員】
東京オリンピック・パラリンピック、パラリンピックももう後半戦入りましたが、ホストタウンの取り組みの実績についてうかがいます。
あわせて、PCR検査等新型コロナ対策はどのように実施をされたのか示してください。
【東京オリンピック・パラリンピック推進室連携調整課長】
まず最初に、ホストタウンの取り組みの実績についてでございますが、県内のホストタウンにおけます、海外の選手団の事前キャンプにつきましては、オリンピックでは、八幡平市、盛岡市、岩手町、紫波町の4つの市と町で実施されております。パラリンピックにつきましては、一戸町、紫波町の2つの町で実施され、無事終了しているというところでございます。
なお、ホストタウンの他に、奥州市におきましても、オリンピックの事前キャンプというものが実施されたところでございます。
また、八幡平市でキャンプを実施しましたルワンダの選手団でございますが、オリンピックの開会式でリンドウの花を持って入場していただきまして、全世界に向けて八幡平市の素晴らしいリンドウというものを発信できたものと考えております。
そのほか、新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、事前キャンプや事後交流をオンライン交流というものに直して実施した市町村もございます。具体的には、矢巾町とオーストリア、二戸市とガボン、大槌町とサウジアラビア、遠野市とブラジル、久慈市とリトアニアなどで、小学生同士または高校生の選手といった形の交流が行われたところでございます。
それから、PCR検査などのコロナ対策の関係でございますけれども、ホストタウン等が作成いたしました受け入れマニュアルに基づきまして、PCR検査は、選手団は原則毎日検査を行いました。それから、受け入れ側の関係者につきましては、選手団との接触の度合いに応じまして、毎日または4〜7日に一度という頻度で検査を実施してございます。その結果、事前キャンプで来県いたしました6ヵ国、これは奥州でキャンプしたところもありますけれども、6ヵ国の海外選手団126名と受け入れ側の関係者を合わせまして、延べ3000件を超える検査を実施したところでございまして、その結果陽性者というものは出ていないというところでございます。
また、その他の感染症対策といたしまして、ホストタウン等が作成する受け入れマニュアルの作成作業のサポートのほか、選手団等を対象といたしましたPCR検査を県が一括して契約するなど、ホストタウンにおける業務の軽減というものを図ったところでございます。
【斉藤委員】
今回の東京オリンピック、いま開催中のパラリンピック、東京都が緊急事態宣言の中で開催をされて、専門家は尾身会長を含めて「本来、パンデミックのもとでは(開催は)ないことだ」というような指摘も繰り返しされる中で、結果としてどうなったかというと、感染爆発を招いてしまったと。
先日、毎日新聞の世論調査が出ましたけれども、「東京オリンピックの開催が感染拡大の要因になった」という答えが7割でした。これは大変結果をしっかり私たちは見ていくことが必要なんだと思いますが、岩手として取り組んだこのホストタウンを中心にした取り組みについての課題、教訓というのをどのように受け止めているでしょうか。
【東京オリンピック・パラリンピック推進室連携調整課長】
事前キャンプを受け入れましたホストタウン等では、しっかりと選手団を受け入れできたものと受け止めております。
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によりまして、当初計画通りの交流が実現できなかったというようなところもございまして、今後、そのつながりというものをいかに継続させていくのかが今考えている課題というように考えてございます。
県といたしましては、今般実施いたしましたオンライン交流等の実績というものをさらに発展させまして、コロナが収束した後に、直接的な交流というものの実現に向けて、人的・経済的な交流が一層深まるようしっかりと支援をしてまいりたいと考えております。
【斉藤委員】
岩手としてはいろんな制約の中で取り組まれたと思います。ただ私は、やはり東京オリンピックを開催することによって、感染者が激増する、犠牲者が増える、本来こういうことはあってはならないことだということを本当に教訓にしていかなくちゃならないという風に思います。これは私の指摘だけにとどめておきます。
・三重国体の中止にともなう対応について
【斉藤委員】
次に、三重国体が中止になりました。この三重国体の中止に関わる対応についてお聞きをしたい。
【スポーツ振興課総括課長】
三重国体の中止にかかる対応についてでございますが、9月に予定されておりました第76回国民体育大会三重国体につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりまして、8月25日に行われた日本スポーツ協会・文部科学省・三重県によります主催者単位の協議結果を踏まえまして、8月26日の日本スポーツ協会国体委員会において正式に中止が決定され、同日付で本県にも通知されたものでございます。
国体予選を兼ねました東北総合体育大会において、本県選手も健闘いたしまして、多くの競技で国体出場を決めていた最中でございましたので、大変残念ではございましたが、中止決定を受けまして、県体育協会を通じて各競技団体に対しまして、大会中止を周知するとともに、産科に向けた諸準備の取り止めについてご連絡差し上げたところでございます。
今後につきましては、来年の栃木国体に向けまして、県体協や各競技団体と改めて連携を強化いたしまして、競技力向上と、実際の順位目標である東北1位の達成を目標といたしまして取り組んでまいりたいと考えております。
【斉藤委員】
緊急事態宣言が21都道府県に広がると。まん延防止等重点措置が12県、合わせて33県、全国7割が緊急事態宣言・まん延防止、三重は緊急事態でしたね。私は、そういう中にあっては、やむを得ない決定だったのではないかと思います。
しかし国体が2年連続の中止ということになっておりますので、ここに向けて頑張ってこられた選手の皆さん、私はしっかりフォローして、次に向かうということが大変大事なのではないかと思いますが、その点はどうなのか。
それから、先の補正予算で、国体参加者・障がい者スポーツ大会参加者のPCR検査の補正もやりましたけれども、こうしたものはまず執行停止になるということになると思いますが、これはどのように処理されるのでしょうか。
【スポーツ振興課総括課長】
いま委員からお話いただきました、選手のモチベーションの維持というようなこと、これは非常に大切なところで、一番我々も気にしなければならないと考えております。県体協を中心といたしまして、関係競技団体ともより一層意思疎通を密にいたしまして、今回の、本当にインターハイの開催時期なんかもコロナの関係でいろいろと苦慮した面等々ありまして、本当に努力して選手の皆さんは頑張っていただきましたので、そこら辺をしっかりとフォローしてまいりたいと思います。
それから、補正予算の執行状況についてでございますが、6月補正予算におきまして、冬季国体を含めた分で国体選手団のPCR検査実施にかかる経費に対します当初といたしまして3546万7千円を議決いただいたところでございます。これにつきましては、現在未執行でありますけれども、今般の三重国体の中止にともないまして、それにかかる予算については、冬季国体分を除き不要となったところでございます。今後、栃木県および秋田県で行われます冬季国体は開催予定ではございますことから、引き続き動向を注視しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
・新型コロナ感染拡大の中での文化芸術活動への支援について
【斉藤委員】
最後ですけれども、新型コロナ感染の拡大の中で、文化芸術団体への影響も、一年半以上にわたって継続をされていると。県も昨年度から予算も立てて支援策をやってきましたが、昨年度の取り組み実績はどうか。今年度の事業の進捗状況はどうなっているか示してください。
【文化振興課総括課長】
昨年度の文化芸術団体への支援、取り組み、実績についてでございますけれども、本県といたしまして2つの補助事業を実施してきたものでございます。1つとしては、県内文化芸術団体の活動継続・再開を支援する「いわて文化芸術活動支援事業」、県民会館および公会堂のホール利用を促進する芸術活動の再開・継続につなげる「いわて文化施設利用促進事業」を実施してきたところでございます。昨年度の実績につきましては、活動支援事業によりまして、23件の文化芸術活動を支援したところでございますし、文化施設利用促進事業におきましては、83件の文化芸術活動の促進を図ったところでございます。
今年度の事業の進捗状況でございます。今年度におきましても、この2つの事業、継続を望む声が大きかったということもありまして、今年度も引き続き実施しているところでございます。8月20日現在の状況でございますが、文化芸術活動支援事業におきましては、採択を21件しております。文化施設利用促進事業については、支援見込みが81件となっているところでございます。
【斉藤委員】
文化芸術団体の実態と要望について、現段階でどのように把握し対応しているでしょうか。
【文化振興課総括課長】
文化芸術団体の実態と要望につきましては、定期的に一般社団法人岩手県芸術文化協会の加盟団体の方に調査を行ってきたところでございます。直近では6月上旬に実施したところでございまして、その調査結果といたしましては、93%の団体が「影響している」と回答しているところでございます。具体的な影響としましては、「稽古・練習等の自粛」「団体・会員等の活動意欲の低下」「公演・展覧会等の中止」の割合が多いところでございます。
【斉藤委員】
文化芸術団体、これ芸能団体もそうなんですけれども、いわば発表する場、公演する場がほとんどなくなっているという。例えば、盛岡のさんさ踊りパレードも、そこに向けて何ヶ月か練習して臨むわけですね。中止をされると、伝統さんさ以外はそういう練習の場もなくなってしまうという、これ2年連続そうなっているですね。
この間、繋温泉に行ったときにですね、これは県の広域振興局と盛岡市の補助で、毎日ホテルで伝統さんさが交代で公演をすると。そこに他のホテルからもバスで来るというので、これはホテルにとっては観光客へのサービスといいますか。あとよく聞いたら、伝統さんさの方々も、そういうところで公演することが励みになっていると。だから別のさんさの団体からも「私たちにもやらせてくれ」と、こういう要望もあったという風に聞いております。
いま県は緊急事態宣言下ですから、「今」とはいいませんが、そういう形で芸能団体なりさまざまな団体の公演の機会を作っていくということは、ぜひ継続的に拡充をしていただきたいという風に思います。その点いかがでしょうか。
【文化振興課総括課長】
今のお話のあったところにつきましては、関係の文化芸術団体からも、やはり公演の機会を失ってはいけないと、文化芸術の灯を絶やさないようにということで、ご要望を受けておりますので、現下の状況を見ますと大変厳しい状況にはありますが、県といたしましては、文化芸術団体と連携いたしまして、こういった公演の機会を持てるような支援等について検討してまいりたいと思います。
【斉藤委員】
県民会館に先日行ってまいりました。県の緊急事態宣言が発せられて、県有施設は基本的に休館という風になって、県民会館主催のさまざまな催し物も、その他のものも、基本的には、全国の中学校の文化祭はやられたようですけれども、そうなっているんですね。去年もこれに対する補てんはされたんだと思いますけれども、やはり県の緊急事態宣言に基づく休館・休止、それへのきちんとした対応、あとこれは施設だけではなくて、そこに関わるさまざまな職域もあります。文化団体もあります。そういう点について幅広くきちんと、県の宣言に基づいてそういう対応がやられているので、しっかり対応していただきたいと思いますがいかがでしょうか。
【文化振興課総括課長】
部が所管しております県民会館と公会堂につきましては、休館ですとか公演団体の利用が中止・延期になったことに伴いまして、やはり継続的に安定的な運営をしていただくという観点から、昨年度は県民会館と公会堂の方に、指定管理料の増額をしたところでございます。それにつきましては、県の統一した考え方ももっともだというところもありますので、今年度においてもそういった対応・措置がとられることにつきましては、県の統一的な考え方のもとということになろうかと思いますけれども、文化施設を管理する部署として努力してまいりたいと考えております。
【斉藤委員】
これで最後ですけれども、県がステージ3という状況になって、8月12日に独自に緊急事態宣言を発すると。そして8月26日には、独自に飲食店等に営業時間の短縮を要請して、協力金も支払うという、こういう独自の取り組みを進めています。私はこれは高く評価をしています。県が独自に感染の抑止・収束に向けて取り組んでいると。だから現段階は、何よりも新型コロナの感染を抑止・収束させるということに、県民一丸となって取り組む局面だと、こういう風に思います。そういう点で必要な対策だったと思いますけれども、その後のきちんとしたフォロー、それによって経済的・文化的、さまざまな影響と打撃を受けている方々もいるわけですので、そういうところもしっかり見通して、しっかりフォローをするような対策をとっていただきたいと。最後部長に聞いて終わりましょう。
【文化スポーツ部長】
県民会館と公会堂につきましては、8月15日から原則休館としております。ただし、8月9月は催し物も多い時期でもありますので、さまざまな予約が入っております。ですので、一義的には利用者・予約者に対して、県の独自の宣言について、不要不急の外出を自粛していただくというところをお話した上で、催しについて延期だったり中止ができないかと話しております。その上でもなかなか直近に近づいたものだったり、全国大会への予選だったりするものについては、事情を聞きながら、指定管理者と相談しながら認めているところですので、そういった形で今後も取り組んでまいりたいと思います。
県民会館と公会堂についても、休館が長くなることも想定されますので、指定管理料の部分については、部としても必要な財源が確保できるよう支援をしていきたいと考えております。