2021年10月15日 決算特別委員会
議会事務局に対する質疑
(大要)


・県議会の受動喫煙防止対策について

【斉藤委員】
 最初に、県議会の受動喫煙防止対策についてお聞きします。
 全国、東北各県の受動喫煙防止対策、受動喫煙防止条例、喫煙所の設置状況はどうなっているでしょうか。

【議会事務局長】
 まず、全国の都道府県議会における受動喫煙防止対策の実施状況についてでありますが、令和3年10月の調査では、敷地内全面禁煙は6道府県、敷地内禁煙で敷地内に喫煙専用室ありとするものが11府県、建物内禁煙が11都県、建物内禁煙で喫煙専用室ありとするものが本県を含め19県となっております。
 次に、東北の県議会における受動喫煙防止対策の実施状況についてでありますが、敷地内全面禁煙は青森県・秋田県の2県、敷地内禁煙で敷地内に喫煙専用室ありとするものが福島県の1県、建物内禁煙が宮城県・山形県の2県、建物内禁煙で喫煙専用室ありとするものが本県の1県となっております。
 次に、全国の受動喫煙防止条例の制定状況についてでありますが、本年10月の保健福祉部の調査によりますと、12都道府県となっております。またこのうち東北各県の状況につきましては、山形県・秋田県および福島県の3県が条例を制定しております。

【斉藤委員】
 そうしますと、全国都道府県では27の都府県が建物内では禁煙ということになっていますね。そして受動喫煙防止条例の制定状況では、北海道、東北では秋田・山形・福島の3県、4道県が受動喫煙防止条例も制定をしていると。私はそういう中で、岩手だけが議会棟に喫煙室を設置しているというのは大変異常な事態だという風に思います。
 そこで、岩手県は本庁舎等が敷地内禁煙を実施している中で、議会棟に喫煙室が設置された経過と理由、改めて示してください。設置の経費はどう検討されたのでしょうか。

【議会事務局長】
 まず、喫煙室が設置された経過についてでございますが、平成22年11月1日に、超党派議員から「議会棟における全面禁煙の早期実施を求める申し入れ」を受け、同年11月15日の議会運営委員会から、議会棟の受動喫煙対策にかかる検討が始められたものでございます。
 その後、議会運営委員会で協議が重ねられ、平成25年12月の議会運営委員会では、「分煙とする」ことが決定されたところであり、平成26年2月の同委員会で、その対策として「喫煙場所を新たに設置すること」とされたものでございます。
 設置場所の検討にあたりましては、平成26年2月以降、事務局から「1階の談話室に設置する」3案と、「現在の喫煙室」の案の4つの案を提示し、各会派内での協議を経てご検討いただき、最終的に平成26年7月1日の議会運営委員会で、現在の喫煙室にすることに決定をされたものでございます。
 決定の理由といたしましては、設置にかかる経費や利用人数による面積、設置場所などが総合的に検討され、ご判断いただいたものと考えております。
 次に、設置経費の検討についてでございます。平成26年2月以降の議会運営委員会で、事務局から談話室の全部を喫煙場所にする工事費660万円〜770万円の案と、談話室の一部を喫煙場所とする工事費370万円と50万円の2案、この計3案を提示しご協議をいただいたところでございますが、その後委員からの要請により、現在の喫煙室の場所に設置する工事費190万円の案を追加で提出し、計4案についてご検討いただいたものでございます。

【斉藤委員】
 この議会棟の喫煙室については、平成22年以来の議論となっているわけでありますけれども、結果的にはですね、この議会棟の喫煙室は、日本たばこ株式会社からの寄付行為で設置されました。これは、日本たばこから便宜を供与されたということになるんじゃないでしょうか。いつ、どういう経過で寄付をされたのでしょうか。

【議会事務局長】
 まず、日本たばこ産業株式会社からの寄付行為についてでございますが、日本たばこ産業株式会社からの寄付の申し出は、総務部に対して行われたものであり、総務部からは、その寄付目的については問題がないものと判断したと聞いております。
 次に寄付の経過についてでございますが、平成26年7月1日の議会運営委員会において、先ほど申し上げた通り喫煙室の設置場所が決定となり、その方針を踏まえて管財課に喫煙室の設置を依頼したものでございます。日本たばこ産業株式会社からの寄付について、総務部に確認したところ、当初は県が直接工事を実施する予定でありましたが、平成26年8月26日に日本たばこ産業株式会社から寄付の申し出があり、総務部内で寄付の妥当性を検討したうえで、平成26年9月9日に正式に寄付を受けることとしたとのことでございます。
 その後管財課からは、日本たばこ産業株式会社からの寄付行為により設置する旨報告を受けたところでございます。

【斉藤委員】
 議会で190万円の予算、概算で設置しようとしたけれども、日本たばこ会社から寄付をされたと。たばこ規制枠組み条約の第13条は、「たばこ会社等が社会貢献活動や寄付をやってはならない」とされているんですね。これは管財課が対応したということですからね。そして、そのことを結果として議会に報告をされると。私はおかしいんだと思うんですよ。議会が自らそういう判断をしなくちゃならない。こういう問題だったのではないかと。
 特に新型コロナ対策の中で、新型コロナ感染症対策分科会は、「感染リスクが高まる5つの場面」、これを指摘していますが、その5つ目に「休憩室・喫煙所・更衣室での感染が疑われる事例が確認されている」と。私は新型コロナ対策からいっても、こういう時期に喫煙所は閉鎖すべきだという風に思いますが、新型コロナ対策でなぜこれは政府分科会の方針に反することになったんでしょうか。

【議会事務局長】
 いわゆる喫煙室の利用自粛というお尋ねだと思いますが、本年2月8日の議会運営委員会において、斉藤委員から同様の趣旨の問題提起があり、当委員会においてご協議をいただいたところでございますが、最終的には「各議員の良識で判断するよう周知いただく」という風になったものと認識をいたしております。

【斉藤委員】
 議会運営委員会の議論でと、最終的には個人の責任でと。私は、こういうことではコロナ対策にならないんだと思うんですよ。だいたいたばこを吸うときはマスクを外すんですから。狭いところで、密室ですよ。
 そこで私は、県議会の喫煙室の利用者についてはどう定められていますか。

【議会事務局長】
 喫煙室の利用者の定めについてでございますが、喫煙室の利用者の範囲を定めたものはございませんが、議会棟の喫煙室は先ほど申し上げた通り、議会運営委員会で協議を重ね、「会派控室を禁煙とすることの代替措置として設置を決定」したものであり、そうした背景を踏まえれば、利用者としては、「議員および議会棟へ用事があって来訪した者が想定されているもの」と認識をしているところでございます。

【斉藤委員】
 実態として、議員・来訪者以外に、県の職員もあそこを利用しています。マスコミの関係者も利用しています。私ね、管理責任が問われると思います。本来、議員だけが特権的に喫煙室を使うということ自身が異常だと思うけれども、しかし議員専用、来訪者を認めるということであれば、県職員は敷地内全面禁煙になっているときに、ここに逃げ込んで喫煙するということは許されない。喫煙所の管理責任はどこにありますか。そういうことはきちんと管理監督をされているんでしょうか。

【議会事務局長】
 喫煙室の管理責任ということでございますが、基本的に喫煙室の管理につきましては、財産管理や施設修繕等を除き、日常の維持管理を議会事務局が担っているところであり、施設の機能に異常がないかどうか、あるいは修繕を要する箇所がないかどうか、こういったところについて管理をしているところでございます。

【斉藤委員】
 本来利用すべきでない県職員が利用していると。県議会棟の喫煙所ですよ。これは放置されていいんですか。

【議会事務局長】
 県職員の利用についてでございます。総務部では、令和元年6月27日付で、県庁舎敷地内が全面禁煙とされることに伴う服務上の義務事項について、職員向けに通知を発出したほか、本年2月15日付で、勤務時間内に職場を離れ、喫煙を行う行為は服務規律に違反するほか、県民の誤解や不信を招き、職員の信用失墜につながりかねないものであり、厳に慎む必要があることから、改めて職務専念義務の厳守等について徹底を図る通知を発出したと承知をいたしております。

【斉藤委員】
 これね議会棟にある喫煙室ですからね。私は総務部人事課と議会事務局が連携をしてやるべきだと思いますよ。服務規律に関わるんだから。あり方が根本的に問われるけれども、そういう対策をとるべきではないですか。

【議会事務局長】
 ただいまのご質問につきましては、私どもの方ではいわゆる喫煙室の維持管理という観点、そして総務部の方とすれば職員の含む規律という、その2点から検討する必要があるものと思われます。
 ただ最終的には、そういう方針になれば、総務部との協議のうえ進めることになりますが、利用者の範囲等も含めて、もしそういうことであれば、まだ明確に定まっているわけではございませんので、最終的にはどういう方を利用させるのか、そういったことについても、最終的にやはり議会運営委員会等を通じて、議員の皆様方でご協議をいただくことが適切ではないかと考えております。

【斉藤委員】
 管理責任は議会事務局にあるんですから、実態を調査して、人事課とよく協議をして、いわば「駆け込み喫煙所」にならないように、しっかりやるべきだと思いますよ。いかがですか。

【議会事務局長】
 私どもはあくまでも喫煙室の日常的な維持管理ということで今管理を進めているわけでありまして、もし仮にそこに出入りする人の対象の範囲内であるのか、範囲外であるのか、そういうことを見極めるということになりますと、いわゆる今の人的体制の中で、常時そこに人を配置するということは物理的に不可能な状況にございますので、そういったところも含めて、今後もいろいろと協議・検討を進めていく必要があるものと考えております。

【斉藤委員】
 例えば議会閉会中、県会議員がいなくてもあそこは使われているんですよ。だからそういう点でいけば、議員がいないときにはあそこは閉めておくとか、そういう対策だって必要だと思いますよ。

・県議会議員の海外視察について

【斉藤委員】
 時間がないので、あと2点お聞きします。
 県議会議員の海外視察について。もう世界的なパンデミックの状況ですから、私は来年度の海外視察は中止すべきだという風に思います。

【総務課総括課長】
 来年度の海外行政視察の実施についてでございますけれども、新型コロナウイルス感染症を取り巻く今後の状況については、読み通すことは非常に困難でございますけれども、令和3年10月13日の議会運営委員会におきまして、視察の目的については、令和3年度と同様とし、喫緊の県政課題の解決に資する視察調査テーマとして実施すること。令和4年度の当初予算につきましては、令和3年度と同様に、議員12人分1080万円を要求することが決定されたところでございます。

・タブレット端末導入に伴う議事録冊子の廃止について

【斉藤委員】
 もう1つはタブレットの導入で、県議会の議事録の冊子が作製されないことになりました。タブレットの導入で経費はどれだけかかって、どれだけ経費が削減されたのか。議事録の冊子は何部、いくらかかっているのか。そのことを示してください。

【議会事務局長】
 タブレット端末の導入の件でございます。
 まず、タブレットの導入にかかる経費、令和元年度が導入経費、令和2年度は運用経費となりますが、まず令和元年度のタブレット端末を導入した際に要した経費については、タブレット端末の購入費が903万4千円、通信回線使用料が105万4千円、Wi-Fi設定費が13万7千円、端末管理サービス委託費が46万8千円、ペーパーレス会議システム運用委託費が18万7千円、合計で1132万8千円となっております。
 また、令和2年度のタブレット端末の運用にかかる経費でございますが、通信回線使用料が300万3千円、ペーパーレス会議システム運用委託費が112万2千円、(  )使用料が4万9千円、合計で417万4千円となっております。
 また、会議録の作成部数につきましては、若干の増減がございますが、まず定例会、そして予算特別委員会・決算特別委員会、年間通じておおむね993部を作成をしているところでありまして、その作成経費につきましては、平均的に見ますと、過去4カ年の平均で見ますと1042万円となっているところでございます。

【斉藤委員】
 令和元年度は導入経費がかかりました。しかし昨年度の決算を見ると、651万円余の削減になっているんですね。私は、議会議事録というのは議会にとっては本当に重要なものですから、約1000部今まで作成されていたとしたら、これは半分に減らしてでも、この枠内で印刷すべきじゃないかと思いますがいかがですか。

【議会事務局長】
 議会改革推進会議の下部組織でありますワーキンググループの中で検討した際にですね、いわゆる原則として印刷される経費の範囲内でタブレット端末を導入するという方針、そしてさらに、まったく印刷製本を廃止するということではなくて、希望する議員に対しては印刷製本して配布しますといったような形で対応してきていたものでございます。