2021年10月15日 決算特別委員会
総務部に対する質疑
(大要)


・コロナ対応にかかる組織体制の強化について

【斉藤委員】
 それでは最初に、新型コロナ対応の組織体制の強化についてお聞きいたします。
 新型コロナ対応による医療政策室、保健所の超過勤務の実態は昨年度・今年度どうなっているでしょうか。

【人事課総括課長】
 超過勤務の状況についてでありますが、令和3年4月から7月までの1人当たりの月平均超過勤務時間の速報値は、医療政策室においては72.9時間であり、前年同期と比較し10.7時間の増となっております。
 また、各振興局の保健福祉環境部においては、16.1時間、前年同期と比較し7時間の増となっております。
 今年度は、ワクチン接種体制の構築や感染者数の拡大に伴う積極的疫学調査、入院搬送調整等の業務量が増加していることから、超過勤務が増加しているものと考えております。

【斉藤委員】
 今年度の今の答弁は4月から7月ですね。8月に感染拡大がピークになって、8月9月はさらに大変な事態になっていると思いますがどうですか。

【人事課総括課長】
 現在、8月・9月分についてはとりまとめ中ではございますが、実態としてはやはり感染が拡大した時期でありますので、かなり超過勤務時間の方も増えているものと理解してございます。

【斉藤委員】
 県職員の勤務時間については、他律的部署というものがあって、月間100 時間未満、年720時間以下と、こういう形で勤務時間が設定されている職員がいますが、県庁全体でこうした他律的部署の人数、これはどのぐらいになって、しかしこの100時間以内というのを超過した職員はどのぐらいいたんでしょうか。これ、令和2年度で。

【人事課総括課長】
 他律的業務の関係でございますけれども、令和2年度につきましては215の所属のうち99が指定されてございます。全体としては46%となってございます。
 月100時間以上となった職員の実績は135 名となってございます。

【斉藤委員】
 さきほどね、今年度の7月までで、これは平均してですよ、医療政策室で72.9時間と。だからここのところでも100時間超えた職員は結構いたんじゃないでしょうか。

【人事課総括課長】
 医療政策室等におきましては、職員数としては100時間以上となった職員は22人(後刻18人に訂正)でございます。

【斉藤委員】
 平均で72.9時間ですから、22人はその100時間を超えたということですね。大変な状況だったと思います。
 それで、医療政策室、保健所の体制、保健師の増員はどう図られたのか。さらなる抜本的な増員が必要だと考えますが、今後の対応策を含めて示してください。

【人事課総括課長】
 医療政策室・保健所の人員体制についてでございますが、医療政策室におきましては、ワクチン集団接種の実施、市町村の接種体制確保の支援などを担うワクチン接種担当の新設や、「ワクチン接種・市町村支援チーム」の設置を行ったほか、医療提供体制の確保等の業務を行う職員を増員するとともに、ワクチン接種や軽症者等宿泊療養施設の運営業務に対し、全庁から業務支援を実施し業務に当たってございます。
 また、積極的疫学調査や健康観察などの業務を担う保健師については、業務の増加に伴いまして、保健所で勤務する保健師を11名増員するとともに、会計年度任用職員として14名の退職保健師を任用するなど、体制強化に取り組んでございます。
 今後におきましても、保健福祉部と調整を図りながら、感染状況に応じた必要な体制整備に取り組んでまいりたいと思います。

【斉藤委員】
 今年の8月、第5波の県内でのピーク、1ヶ月で1002人の感染者が出て、これは県内各地で感染者が出たというのが特徴なんですよ。今までは部分的に、地域で出ましたけれど、ですから応援体制もとりやすかったんだけれども、8月のこの感染拡大時期というのは大変苦労されたのではないかと。
 どのような組織的な対応をなされたのか。課題や教訓を含めて示してください。

【人事課総括課長】
 第5波による感染拡大への対応についてでございますが、先ほど答弁いたしました医療政策室や保健所の体制強化に加えまして、県庁に設置された保健所支援本部の運用や、専門職員による保健所間の応援のほか、広域振興局内の他部からの応援など、全庁を挙げた業務支援体制を構築し、対応してきたところであります。
 新型コロナウイルス感染症対策の推進に当たっては、前例に捉われず、スピード感を持って感染の状況に応じた柔軟な組織・人員体制を構築することが重要と認識してございます。
 今後におきましても、組織体制の整備や業務支援の積極的な活用等により、適時適切に体制の強化を図っていきたいと考えてございます。

【斉藤委員】
 今は職員の数を減らしてなくてですね、一定の人員増も図っていると思うんですけれども、この間の行革で4000人を切るような体制までいったと。ですから、今では私は大変厳しい状況なんだと思うんですね。このような大きな感染症拡大のときには、やはり余裕のある体制でないと、臨機応変な体制ができないと思いますので、そういうことも今後考えていただきたい。

・新型コロナ対策の地方創生臨時交付金の活用状況について

【斉藤委員】
 2番目にですね、新型コロナ対策の地方創生臨時交付金の活用状況についてお聞きします。
 昨年度の交付額と執行実績、その内容、今年度の交付額と執行実績、その内容と残額を示してください。

【財政課総括課長】
 新型コロナに係る地方創生臨時交付金、いわゆるコロナ交付金の執行実績等についてでございますけれども、昨年度、令和2年度につきましては、交付金の活用可能額274億円に対しまして、感染防止対策、そして社会生活や経済活動を支える内容の取り組みとして207億円を予算を計上したところでございます。このうち年度内に133億円を執行、74億円を次年度に繰り越しをさせていただいたところでございます。
 本年度、令和3年度についてでございますけれども、交付金の活用可能額137億円に対しまして、事業者の資金繰り等を支援する取り組みに59億円を活用するなど、127億円の予算計上させていただいたところでございます。その結果としてでございますけれども、交付金の残額については現時点で約10億円となっているところでございます。

【斉藤委員】
 10億円というのは大変少ない額で、私は政府が本当にコロナ対策なんにもしないで解散と。本当に許しがたい。本当に国がこういう時に、全国知事会も2兆円規模の臨時創生交付金を要求しているので、そのことが前提なんですけれども、国は選挙終わったらやると言っていますけれども、やはり途切れないように、今の約10億円も活用してですね、いわて旅応援プロジェクトだとか、検査体制の強化を進めるべきだと思いますけれどもいかがですか。

【財政課総括課長】
 交付金についての今後の活用というところでございますけれども、議員ご指摘の通り、新型コロナ対応に当たりましては、コロナ交付金などの財源を最大限活用しながら、感染拡大防止であったり、社会生活そして経済活動を支える取り組みをしていくことが重要だと我々も認識してございます。
 そのためでございますけれども、今後、国の経済対策の内容であったり交付金の追加交付といった動向も注視していく必要があるとは思いますけれども、厳しい財政状況下においても、交付金を含め限られた財源を最大限に活用しながら、適切なタイミングでしっかりと補正予算を組んでまいりたいと、そのように考えてございます。

【斉藤委員】
 ぜひ、残額が10億円程度で大変少ないんだけれども、私は今度の決算でも財調の基金繰り入れもあるわけだがら、後から財源振り分けというのはあると思うんですよ、国の対策で。だから、県の取り組みが中断しないように、ぜひ先へ先へと考えてやっていただきたい。

・会計年度任用職員の任用状況について

【斉藤委員】
 先ほど来議論がありました。今年度の会計年度任用職員の任用は昨年度と比べると常勤・非常勤はどうなっているか。
 会計年度任用職員は3年間は継続任用できるとなっていますが、継続任用で継続採用された職員はどうなっているか示してください。

【人事課総括課長】
 会計年度任用職員の任用状況についてでございます。令和3年4月1日時点で知事部局において任用した会計年度任用職員数は、フルタイムの職員が38人、パートタイムの職員が1517人、合計で1555人となっており、令和2年4月1日時点の人数と比較すると、フルタイムで7人増加、パートタイムで42人の減少、合計で35人の減少となってございます。
 継続任用で何人任用されたかというところでございますが、令和3年4月1日時点で任用している知事部局の会計年度任用職員のうち、約94%の職員が昨年度から引き続き任用されてございます。

【斉藤委員】
 会計年度任用職員、この制度ね、本来なら臨時職員の待遇改善だったが、結果的にはフルタイムの職員は大幅に減らされたと。そのために月給は減ってしまったと。これが一番の問題だったと思います。継続任用は94%ということですから、継続任用は基本的には維持されているものと。フルタイムは若干今年増えたようです。基本的にはフルタイムで仕事してもらうということが基本なんだと思いますので、そうした改善の方向で進めていただきたい。

・旧盛岡短期大学跡地の利活用について

【斉藤委員】
 先ほども議論がありました。解体工事、これは完了いたしました。私の通勤途上でありますから、毎日確認をして、大変きれいに整地をされております。
 そこでですね、今後の跡地の活用状況について見通しはどうなっていますか。

【管財課総括課長】
 旧盛岡短期大学跡地の利活用についてでございますが、旧盛岡短大跡地の一部につきまして、盛岡市において「山王児童・老人福祉センターの移転候補用地として活用したい」という意向がございます。県としての利用予定も含めまして、関係部局と今調整を行いながら、施設の配置でありますとか土地の譲渡方法をどうするかというようなところも含めまして、協議を行っているところでございます。

【斉藤委員】
 盛岡市議会での議論を見ますと、新設の児童センター、これを優先して、その後山王児童センター・老人センターと。そうすると、3年後4年後ぐらいの時期になるんですよ。だとすれば、今からかなり詰めた議論が必要なのではないかと。全体の敷地面積が16000平米ですね。盛岡から現段階で要望されているのは、どういう敷地面積になりますか。そういうところまで議論・協議されていますか。

【管財課総括課長】
 短大跡地の盛岡市との協議状況でございますけれども、敷地の広さにつきましては、まだ盛岡市の方でも施設の配置等の計画が定まっていないということで、まだ内々の協議段階でございます。それで、市としての施設整備のスケジュールについても、盛岡市の施設整備の順番というのもございますので、そういった市のスケジュールも確認しながら、引き続き事業の進捗に合わせて検討して、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。

【斉藤委員】
 全体として16000平米というのはかなりの広さで、盛岡が今検討しているのは、だいたい3000〜4000平米ではないかというので、私は一体的に跡地が活用されるのが一番望ましいので、そこも含めてよく盛岡市と協議をしていただきたい。

・受動喫煙防止の取り組みについて

【斉藤委員】
 先ほど議会の決算審議でも取り上げたんですけれども、議会棟の喫煙室は県職員が結構利用していると。これは服務規律違反なんですよね。これを放置していていいのかと。議会事務局と人事課がもっと連携して、しっかり対応することが必要なのではないですか。

【人事課総括課長】
 議会棟の喫煙室の県職員の利用についてでございます。委員ご案内のとおり、喫煙室につきましては、「議員及び議会棟に用務があって来訪した者」が利用することを想定していると承知しておりまして、職員が職務上議会棟を訪れた際などに利用している例もあると伺っております。 
 喫煙室の利用等につきましては、職員に対して県庁舎敷地内の全面禁煙化以降、複数回にわたって、服務上の留意事項や受動喫煙防止への配慮等について周知してきたところであります。
 引き続き、職務専念義務の厳守等について周知徹底を図るとともに、悪質な喫煙行為が判明した場合は、厳正な対処を検討することとしてございます。

【斉藤委員】
 議会に用務がなくても使っているというのが実態なんですよ。私は基本的に毎日議会に来ています。閉会中も。だから分かるんです。本当に議会事務局と連携をとって、しっかり服務規律に基づいてやっているのが圧倒的多数だと思いますよ。しかし一部の人がそうやっていたら示しがつかないでしょう。そこをしっかりね、例えば抜き打ち調査をやるとかやると。それでもだめだったら議会棟の喫煙室は閉鎖するというぐらいのことを考えないと私はだめだと思うんだけれども、部長さん、ここ私何度も取り上げているけれど何も改善されない。それでいいのかと。服務規律がこういう形で無視されている状況を打開すべきだと思いますけれどもいかがですか。

【総務部長】
 この件につきましては委員からも何度もご指摘をいただいておるところでございます。
 やはりあの原則はですね、職員の勤務時間中に喫煙のために職場を離れるということについては、地方公務員法、委員もご紹介いただきましたけれども、職務専念義務等ございます。この法令等の規定、それから社会通念に照らしても、必ずしも適切とは言えないことから、こういった行為は厳に慎む必要があるということで、人事課の方からも周知徹底をしてございますし、それから今般のコロナ禍ということで、県の方でも本部員対策会議をいたしましたですけれども、その都度、職員に対しても、やはり喫煙室における感染リスク等々ございますので、注意をするようにということで注意喚起を徹底してきたところでございます。
 これについてでですね、今後、どう対応していくかということについて、委員の方から抜き打ち調査という話もありましたですけれども、先ほど来答弁しております通り、やはりコロナ対応でBCPも発動し、そして業務支援をしているという状況ですので、やはり人員体制が大変な時だということでございますので、そこについてはぜひご理解をいただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、今後、どういう形がいいのか、議会の皆さんのご意見もしっかりうかがいながらですね、議会事務局とも調整してまいりたいと考えてございます。