2021年10月15日 決算特別委員会
千田美津子県議の総務部
に対する質疑(大要)


・監査委員による審査意見書について

(千田委員)
 まず監査審査意見書から若干質問させていただきます。指摘事項として財産管理簿や備品管理一覧表の未整理、契約事務の不適当なものなどの指摘も多く、担当職員の財務事務などへの理解不足等に起因するものもある、との指摘がありました。どういうことなんだろうかと私も非常に頭をかしげたんですけが、現状での実態はどうなっているのか、またそれらに対してどう改善しようとされているのかお聞きをいたします。

(西野参事兼行政経営推進課総括課長)
 監査意見書に関する記載事項へのお尋ねでございます。若い職員も多くなってきておりまして、研修などで、または専門研修で会計知識の習得の機会を設けているんですが、そこをきちっと理解しないまま、前年度と同じような、制度の趣旨を把握しないまま処理を進め、誤った取扱いをしていると、また、組織的に防げていない職場もあることから、今回のような指摘をいただいたと認識しております。
  県においては、先ほど申したような研修や、内部統制の取組を進めており、各職場で基準日が年2回ありますが、そこでの自己点検の実施や、決裁途上でチェックリスト用いた確認などを推奨しているが、今回の意見をいただいたところでございます。
 今後におきましては、不適切な事案の状況、または原因などを共有し、関係部局と連携して研修などを進めたいと考えおります。加えまして、各所属における業務の見える化として、業務フローの作成や進捗状況の共有などを再確認の上、未然防止の体制を構築し、事務処理の適正性の確保に取り組んでいきたいと考えております。

(千田委員)
 気になったのが若い職員も多くという話もありましたが、いずれ職場全体でそれをフォローする体制が大事だと思います。私は職員体制が不足しているからではなくて、やはり本来やるべきところ、本来チェックすべきところがきちんとやられてないというところが一番の問題ではないかなと思いましたので、その点もう一度、それから指摘事項が前年度より増えているという指摘がありました。これは仕事内容も複雑化、あるいは職員体制が十分でないというところもあるのかもしれませんが、やはり県政に対する県民の信頼をきちんと取り戻すためにも、是非、これはなくす努力をもっと県民に見える形でやっていただきたいなと思うわけですが、その点もう一度お願いいたします。

(西野参事兼行政経営推進課総括課長)
 御指摘のとおり、職場として、適切なサービスを提供できる体制を構築することが一番 大事だと思っています。
 職員体制を含めて、管理職をはじめ職場でリスクを考え、それを防ぐ仕組みを常日頃か ら考えて回していく、日々の仕事を回していくという意識や取組を行うことが必要だと思っています。
 仕事を前向きにとらえ、常に見直すというような気持ちを管理職や若い職員が持ち続けられるよう、内部統制に取り組んでまいりたいと思っております。

・収入未済額の縮減について

(千田委員)
 次に収入未済額の縮減についてお聞きをしたいと思います。特に一般会計における収入未済額が前年度に比べ9億1697万円余と3.7%増加しており、その主なものは前年度に比べて未済額が35.8%も増加している県税だなと思います。これはコロナの影響も多々あるとは思いますけども、その状況について示しを頂きたいと思います。

(今野税務課総括課長)
 令和2年度における県税の収入未済額は、21億4,406万円であり、前年度に対して5億 6,494万円、35.8%の増となっております。
 これは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた納税者に対して、最長1年、無担保、延滞金全額免除という徴収猶予の特例制度を法人二税及び不動産取得税等、8億 6,000万円について適用し、そのうち7億4,200万円が令和3年度の収入となったことが要因であります。
 なお、徴収猶予の特例分が令和2年度中に収入になっていたと仮定すれば、前年度に対して1億7000万円程、収入未済額の縮減となっているものであります。

(千田委員)
 コロナによる影響で徴収猶予の特例等があったということで分かりました。それで実はやはり監査委員の指摘で職員等に督促等の実施方法について浸透を図る必要がある、あるいは収入未済額の縮減を図るための全庁的な取り組みが必要との指摘があり、全くやってないということはないと思うんですけども、こういう指摘というのは非常に疑問に感じましたので、どういう状況からこういうことになったのかその点についてお聞きたします。

(今野税務課総括課長)
 県税における収入未済額の取組についてですが、県内9か所の県税公所におきまして、納税者個々の実情に配慮しながら、悪質な滞納事例に対しては差押え等の滞納処分を行っているほか、県税の収入未済額の大半を占める個人県民税については、県と県内全市町村で組織する岩手県地方税特別滞納整理機構を県庁税務課内に設置し、収入未済額の縮減に取り組んでいるところであり、平成22年度には24億4,800万円まで膨らんだ収入未済額について、令和2年度決算では9億4,600万円と、15億 200万円の縮減が図ってございます。
(平野管財課総括課長)
 税外収入における収入未済等に対する取組についてでありますが、滞納債権の削減に向けては、全庁的な取組を推進するため、第5次岩手県滞納債権対策基本方針を策定し、債権管理の徹底、滞納債権対策に取り組んでいるところでございます。
 一定金額と件数以上の債権については、年度ごとに債権別の回収目標を設定するとともに、年2回の強化月間を定めて、債権回収の取組を集中的に実施するとともに、職員の意識を高めるため弁護士等を講師に迎えて研修会を実施するなどの取組んでいるところでございます。
 また、平成21年度からは一部の滞納債権について弁護士法人等の民間業者へ債権回収業務を委託しており、これらの取組により、当該債権の令和2年度は、令和元年度に比して約4千万円の減少となっているところであります。
 引き続き、債権管理の徹底に努め、債権回収の促進、新規発生の抑制などに取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

・県職員の管理職員等の女性割合引き上げについて

(千田委員)
 それぞれの方針のもとにやられているということがわかりました。過度な取り立てや、催促をしろということではありませんので、引き続きよろしくお願いをしたいと思います。
 次に県職員の管理職員等の女性割合引き上げについて質問いたします。部長から民間も含めて30%を目指す2030の答弁もされました。今県庁内で取り組まれている中で、女性職員のワークスタイルモデル集を発行しているということがありました。見させていただきましたが、それに対する職員の反応と効果はどのようにとらえていらっしゃるでしょうか。

(熱海職員育成課長)
 女性職員のワークスタイルモデル集についてであります。こちら作成した目的というこ とですが、新規の採用職員は女性の割合が増加しているということもございまして、女性 職員の不安の解消、あるいはキャリア形成の支援ということを行うために、令和2年3月 に、ロールモデルとなる先輩職員の歩みを「ワークスタイルモデル集」ということで発行させていただきました。こちら庁内職員向けに情報提供しますとともに、研修機会等を通じまして周知を行っています。
 反応については、あまり承知はしていないところですが、ロールモデルの発信資料とい うことで貴重な資料と認識しております。不安の解消ということで、有効な資料と捉えて おりますので、今後は様々な場面を通じて活用してまいりたいと考えております。

(千田委員)
 私も読ませていただいて、研修もいいんだけれども、非常に良いモデル集を作ってもらったと思います。新しい職員の皆さんが職場や結婚して子育てする中で、介護とか、そういう部分ですごく不安が多い中で、どうやって先輩が乗り切ったのかというのが、これ一冊見ただけですごく分かるし、それから異口同音に記してあったのが、あまり悩まないで、すべて完璧にしようと思わないで、周りに助けてもらってくださいと。次に自分が支えられるときにやればいいんだからと、そういう、すごく楽になるようなアドバイ スが非常にありまして、これは素晴らしいと思っております。これを県庁内ということで、ぜひ有効に活用していただいて、結果として管理職の比率を高めていただければと思っております。
 それからもう一つ、 内閣府が今年7月に作成した全国女性の参画マップがあるんですけれども、地方公務員採用試験からの採用者に占める女性の割合、これは県職員だけでなく、市町村職員も含めた割合で、岩手県は38.3%で全国11位となっておりました。新規採用者に占める女性の割合は高いということです。ところが、地方公務員管理職に占める女性の割合を見ますと、岩手県は7.9%で、全国で36位、最も高かったのが鳥取県で20.9%、次が東京都の17%、3位が岐阜県の15.7%という形になっています。
 私は2030もそのとおりですが、ぜひ全体を引き上げるうえで、県職員はもちろんですが、これらを本当にレベルアップさせるためにも、県がリーダーシップを取って、もっともっと女性を普通に、女性だけを登用するというのではなくて、あたり前に登用できるような状況を作っていただきたいと思っていますが、部長一言お願いします。

(白水総務部長)
 貴重なご指摘をいただいたと思っております。まず、委員から御紹介いただきましたよ うに、直近で特に、新規採用の女性職員の割合が高くなっているということで、令和3年度の直 近の数字だと48.3%が女性ということで、ほぼ半々になってきてございます。ワークスタイルモデル集についても触れていただきましたけれども、しっかりと女性の職員の皆さが家庭の事情、様々あると思いますけれども、仕事にしっかりと取り組んでいけるような形を構築していかないといけないと思っております。
 もう一点、委員にご指摘いただきました全国の順位について、これもしっかり分析して 先進的な事例については、しっかり学んでいかなければいけないと思っております。特に、委員に御紹介いただきました鳥取については20.9%ということで、これは他の自治体よりも非常に高いというものがございます。どういった形で取組をしているのかということについても、これはしっかりと研究、検証していきたいと思っております。やはり公務のいろいろな特殊な事情もございますし、しっかり経験を積んでいかないといけないという部分もありますので、なかなかすぐに一朝一夕にはいかないというところもありますけれども、時代はそういう流れですので、そこをしっかり踏まえて、かつ、先進的な自治体の事例もしっかりと検証して取り組んでいければと考えております。

・県職員の健康状態について

(千田委員)
 県職員の皆さんの健康状態についてまとめてお聞きをしたいと思います。まず長期の休職等の実態はどのような状況になっているでしょうか、その中でメンタル等で休職をされている職員はどの程度か、それから相談体制がどのように充実・強化されているのかということ。それから三つ目はいろんなハラスメントがあるわけですが、県職員の職場の中において、ハラスメントへの対応状況はどうなっているのかお聞きします。

(小笠原総合事務センター所長)
 令和2年度における、14日以上の長期療養者数は、延べ人数で165人となっており、そ のうち精神疾患による療養者数は110人、けがや病気等による療養者数は55人となってございます。また、精神疾患による休職者数は実人員で14人となってございます。
 つぎにメンタルヘルスの相談体制についてですが、産業医、精神科嘱託医による個別相談や外部臨床心理士による巡回相談及び健康サポートルームでの個別相談などを行ってございます。
 今年度から、健康サポートルームに臨床心理士である心理相談専門員を配置し、これまでの保健師による相談に加え、心理面に寄り添った相談を行っているとともに、職員や管理監督者などからの要請により、各所属への訪問相談を実施するなど、職員個々の実情に応じた相談対応を行い、心の病気の未然防止や、重症化予防に努めております。
(加藤人事課総括課長)
 ハラスメントへの対応についてでございますが、職場におけるハラスメントは、職員の 意欲を阻害し、業務遂行の妨げとなるほか、職員の健康状態の悪化など重大な支障をもた らすおそれがあり、いかなる形であっても許されるものではなく、その防止に向けて、良好な職場環境づくりに努めることが重要と認識してございます。
 県では、昨年6月に「ハラスメントの防止等に関する基本方針」を策定し、職員一人ひとりが互いを尊重し、良好な職場環境の維持に努めるとともに、職員の理解を促すため、「ハラスメントになり得る言動例」を明示するなど、ハラスメント防止に向けた対策を進めることとしてございます。
 今後とも、ハラスメントに関する相談窓口の周知徹底を図るとともに、管理監督者が率 先してハラスメント防止に取り組む職場環境づくりを進めるなど、ハラスメントの未然防 止に努めていきたいと考えております。