2021年10月19日 決算特別委員会
千田美津子県議の警察本部に対する質疑(大要)
・県が管轄する国道等の整備における県警と関係機関の協議について
(千田委員)
県が管轄する国道等の整備において、県警本部として信号機や横断歩道等安全対策についてどの程度関係機関や住民等と協議をしているのか一般論としてお知らせください。
(田村交通部長)
関係機関や住民等との協議をどの程度しているかということでございますが、警察は、 道路管理者が行う道路の整備に対して、道路交通の安全と円滑を目的として、道路形状、 交通流量、周辺施設の状況等を踏まえまして、計画段階の予備協議、設計段階の事前協議、工事前の本協議等、道路開発や道路改良の進捗に合わせて、段階的に協議に参加しているところでございます。
・一部開通した水沢常盤地区の国道4号東バイパスについて
(千田委員)
計画段階、設計段階、本協議ということでその都度都度の協議には応じているということですが、それでは具体的に質問をいたします。
一部開通している水沢の国道4号東バイパスですけども、着工前の事前説明会等には地域住民もたくさん出席をされて、安全確保のための、例えば横断歩道が欲しいとか様々要望が出されています。住民からすればその要望は受け入れる、同意する条件ではありませんけども、そういう意味で要望が出されており、関係機関もそれらは把握していると思うんですが、ただそれが実際には道路が完成してみると横断歩道は設置しないという、その一言でバッサリ切り捨てられているわけですね。残された住民が本当に大変な思いをしているというのがあります。警察本部というのはこの間もいろいろご説明の中で、県民の要望に応えて、そして一緒になって様々な施策を進めてきているというふうに思うんですけども、この住民要望についてどのように把握されて、どう反映する努力がそれぞれの事案でどう行われているのか、この国道4号東バイパスにおいて具体的にお知らせいただきたいと思います。
(田村交通部長)
国道4号東バイパス開通に伴う住民意見の把握と反映についてでございますけれども、 地域の皆様の御意見、御要望につきましては、道路管理者との協議の場において把握して おります。
委員御指摘の横断歩道につきましては、横断需要が少なく、回り道もあることから、道路管理者と協議して、開通時に整備しなかったものであります。
これまで、警察に対して、道路管理者や地域の皆様から、交通安全施設等の整備に関する説明を求められた場合には、道路管理者が開催する住民説明会に参加するなどしておりますが、 国道4号東バイパスの道路開発については、要請がなかったことから住民説明会等に参加しなかったものであります。
ただ、国道4号東バイパスの開通後に、地域の皆様から横断歩道設置の要望を受けておりますことから、地域の皆様の御意見、御要望を踏まえて、交通流量、歩行者の横断実態等を調査するなどして、横断歩道の設置の必要性を判断してまいりたいというふうに考えております。
(千田委員)
確認したいのは道路管理者とは協議してきたけども、住民等を交えて協議には要請がなかったというお答えがありましたがそれは間違いございませんか。
(田村交通部長)
基本的には予備協議の段階で道路管理者が地域住民の方にご説明いたしまして、そこで出た要望について 道路管理者と地域住民との方々の中で話し合われますが、その際に警察への要望があれば警察も出席しているところでありますが今回はなかったということでございます。
(千田委員)
聞いているのとちょっと違うのですけども、というのは市議会でも何回も市長等へここへの安全施設が欲しいとか何回も出されていて、要望しているという答弁がなされていたことから、結果として住民が要望していたにも関わらず、最終的には県警が認めなかったんだということになって非常にイメージが悪いですね。最終的になぜこういう要望が出ているかというと、バイパスそのものを否定するわけではありませんが、バイパスができたことによって地域住民の往来から何から分断をされると、そのためにいろいろと要望してきたということもありますし、また最初の段階から、例えばバイパスだからなかなか信号機のない横断歩道は難しいよとか、そういう説明があれば住民はまた違う方法を考えたり、回る場所があるからという、そういうものが全くない中でこの道路建設だけが進められてきた。そして完成したら地域が大変な思いをしている。いつ事故が起きるか分からないというということで、毎日のゴミ捨てからリサイクルから、とにかく危険を顧みずに横断している状況にあって、地元住民が全く納得していないというところがあります。それで要請がなかったというのが解せないですけども、地域住民のそういう要望については県警本部も、それらについては多分管理者からはそういう交通安全上の要望があるということは届いていたかとは思いますが、最初答弁された横断の需要が少ないっていうのは誰から誰の判断だかちょっと全くわかりませんけども、こういう話を地域の方が聞いたら大変怒りを持つというふうに思います。是非こういうことはこれからもあり得ることなので、県警本部は住民の安全を守るために一生懸命に頑張っているという姿勢を表すためにも住民の声を聴く、そういう取り組みを是非強めていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
(田村交通部長)
確かに警察の方ではそう思っておりましても、地域住民の皆さんが感じるところがあればまさにその通りではないかなと思っております。地域住民からの意見・要望等の把握につきましては管理者との協議の上で情報共有をしながら、引き続きまして住民の方には丁寧にな説明を行っていきたいというふうに考えてございます。
・新しく架け替えられ水沢の小谷木橋から東側へ下りた信号機のない交差点について
(千田委員)
小谷木橋が5月に開通しました。地域はもとより沿岸部と内陸部を結ぶ物流の拠点としてたくさん利用されているわけですが、しかしこの小谷木橋の架け替えによって死亡事故こそ起きてはいませんけども、この間5月以降9件交通事故が起きておりましていつ死亡事故が起きてもおかしくないということで、振興会等でも前々から危惧はしていたそうなんですが ここについての事前の協議等についてはどうだったかを聞きをしたいと思います。
(田村交通部長)
新小谷木橋における事前の協議についてでありますが、道路管理者との協議は平成27年5月から始まり、令和5年3月の開通に向けて協議を進めていたところでございますが、令和2年4月に、道路管理者から開通が早まった旨の連絡があり、令和2年度中の開通に向け、協議を重ねたものであります。
協議の中で、道路管理者から新小谷木橋東袂の交差点は、東西方向の交通量が多く、南北方向は十字路であるものの南側の交通量がほとんどなく、実質的に丁字路と同様の流れ になるとの情報が提供されましたので、道路管理者と協議し、一時停止規制での対応が可 能であると判断したものでございます。
新小谷木橋の開通後、地域住民の皆様から信号機設置の要望を受けておりますことから、 皆様の御意見、御要望を踏まえまして、交通流量等の交通環境、道路環境、交通事故の発生状況等を調査するほか、新小谷木橋は東袂の交差点の手前が下り勾配で、信号機を設置 した場合は追突事故の多発も懸念されるという状況にありますので、道路環境の整備、こ れを含めて信号機設置の必要性を慎重に判断してまいりたいと考えております。
(千田委員)
道路環境の整備ということで検討していくということですが、特に今心配されていることは冬場を迎えるにあたって積雪でもっと交通事故が増える、その十字路からちょっとコンビニは離れていますが、そこまで飛んでいった車もあり、非常に巻き込まれる可能性があるということで心配しておりますので、この道路とか橋の整備によって環境が予測しがたい部分もあって難しいかもしれませんが、そういう部分について丁寧に住民の状況、それから要望を聴きながら対応していただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
・県内の死亡事故等の現状と対策について
(千田委員)
それでは二つ目、冒頭に大濱本部長から交通事故の状況についてお話がありましたが、改めて県内の死亡事故等の現状はどのような状況でしょうか。また、この間どのような対策がなされたかお聞きいたしますし、併せて安全モデル横断歩道が設置をされていますが、その指定の状況と成果についてお知らせをいただきたいと思います。
(田村交通部長)
まず、 始めに1つ目の県内の死亡事故の現状とその対策についてでございますが、本年 9月末現在の県内における交通事故発生状況につきましては、発生件数が1,076件で前年比−110件、死者数が20人で前年比で−11人、傷者数が1,277人で前年比で−118人と発生件数、死者数、傷者数のいずれも前年に比べ減少しております。
本年の死亡事故の特徴といたしましては、死者の年齢別では、65歳以上の高齢者が12人 と最も多く6割を占めております。事故類型別では、車両相互が10件と最も多く、次いで 車両単独の死亡事故が9件発生しているという状況になります。
これらが特徴となりまして、これら交通死亡事故発生状況の特徴を踏まえて、コンビニ エンスストア駐車場における赤色灯を点灯したパトカーによる駐留監視による目立つ街頭 活動の強化、それから、関係団体等と連携し、「横断歩道・歩行者優先」のステッカーをトラックに貼付して、車両運転者に対する安全意識の高揚を図る対策、デジタルサイネージ、電子看板でございますけども、これを活用した交通事故防止を呼びかける映像・静止画像を再生する広報等を関係機関団体の協力を得ながら実施しており、事故防止活動に取り組んでいる状況でございます。
・安全モデル横断歩道の指定の状況とその成果について
(田村交通部長)
2点目の「安全モデル横断歩道」の指定の状況とその成果についてでございますが、安全モデル横断歩道につきましては、令和元年から、信号機のない横断歩道の通学路等横断需要が高いなど、横断歩行者の安全を確保することが特に必要と認められる場所から、警察署毎に指定しております。
指定状況についてでありますが、本年は98か所を指定し、横断歩道における交通事故抑止対策を推進しております。
その成果についてでありますが、本年指定箇所の人身事故発生件数は、昨年の5件から本年は1件に減少しており、一定の成果が認められる状況となっております。
県警といたしましては、今後も「安全モデル横断歩道」での街頭活動を強化し、運転者に対する歩行者保護意識を一層高めるとともに、歩行者に対する交通安全教育を推進し、横断歩道における交通事故抑止対策に努めてまいりたいというふうに考えております。
(千田委員)
日頃の様々な街頭指導を強化された結果だと思いますしまた高齢ドライバーの事故とか高齢者の事故とか東北管内では死亡事故の減少率が1位と聞いていますし、また全国では4位ということも聞いております。そういった意味では毎日の取り組みをこれからも強化していただいて是非死亡事故を本当になくす取り組みをお願いしたいと思います。
それから安全モデル歩道については98箇所を指定されたということで、事故発生件数が5件から1件に減少と、非常に効果が上がっているということだと思います。これは非常に大事なことで、是非これからも続けていただきたいわけですが、これはローテーションをかけるとか、何か今後の取り組みについての方針があればお聞きをしたいと思います。
(田村交通部長)
安全モデル横断歩道につきましては、信号機のない横断歩道で、通学路等で横断需要の高い場所ということで各所で設定をしていますが、本年6月の千葉県八街市での事故等もありまして、通学路内における横断歩道について各署とも重点的に安全モデルに指定しているという状況にありますので、一概に毎年変わるということではなくて、必要な重要な場所については指定して安全対策に努めていきたいと考えてございます。
・信号機のない横断歩道での一時停止の現状と対応について
(千田委員)
信号機のない横断歩道での一時停止の現状と対応についてお聞きをしたいと思います。
(田村交通部長)
県内の信号機のない横断歩道における一時停止の実態につきましては、日本自動車連盟 (JAF)の令和2年の実態調査によりますと、歩行者が渡ろうとしているときに、一時停止する車両は23.2%と、令和元年の13.7%と比較して 9.5ポイント上昇し、全国平均の21.3%を上回ったと承知しております。
信号機のない横断歩道における交通安全対策につきましては、ドライバーに対して横断 歩行者妨害の取締りを強化し、歩行者保護意識の向上を図るとともに、関係機関・団体と連携し、先程も話をしましたが、「横断歩道・歩行者優先」 のステッカーをトラックに貼付して、 車両運転者に対する安全意識の高揚を図る対策を推進しております。
また、歩行者に対しては手を上げて横断する意思を示す「ハンド・コミュニケーショ ン」、これを今年の秋の全国交通安全運動から県警独自の施策として取り組んで、広報啓発活動を推進しております。
なお、本年9月末現在の信号機のない横断歩道を横断中の交通事故は14件と、前年同期 と比較して5件減少しているところであり、死亡事故は発生していない状況にあります。
(千田委員)
本当にそういう対応をしていただいて死亡事故もなくということで、非常に効果が上がっているなと思いますし、全国平均が21.3%と言うということのようですが、初めて全国平均を岩手県が上回ったというということで、この間の取り組みが功を奏していると思います。引き続き県民の安全のためによろしくお願いしたいと思います。