2021年10月19日 決算特別委員会
教育委員会に対する関連質疑
(大要)


・岩手モデル策定委員会の取り組みと顧問教師の処分の問題について

【斉藤委員】
 岩手モデル策定委員会の取り組みと顧問教師の処分の問題について関連でお聞きをいたします。
 先ほどの答弁で、この間策定委員会は4回開催をされて、県教委・学校の対応については中間報告が出されたと。そして今年度末から順次まとまったものについては公表という答弁がありました。
 4つの分科会での検討はあると思いますけれども、岩手モデルというのは、1つのまとまったもので、バラバラに分科会の検討のものが出されるような性格のものではないんじゃないかという風に思うんですが、この点はどうなのかと。
 もう1点は、この顧問教師の処分の問題ですけれども、この不来方高校事件については、第三者委員会が23回でしたかね、長期にわたってかなり丹念な事実経過を明らかにして、ここには顧問教師の暴言・体罰は具体的に認定をされた。県教委・学校の対応の問題点も指摘をされました。
 もう1つは、盛岡一高事件というのがあって、実は不来方高校の前は盛岡一高の顧問だった。ここでも暴言・体罰事件というのがあって、学校や県教委はまったく対応しなかったために裁判に訴えられたんですね。それで仙台高裁まで争って、そこで体罰・暴言というのが裁判で認定をされて、賠償が求められたと。こういうことですよ。
 いわば、盛岡一高事件が裁判で事実が明らかになり、不来方高校事件は第三者委員会が長期にわたって事実経過、このことを明らかにしたと。
 先ほどの答弁を聞くと、「顧問教師に事実確認を求めている」と言っているけれども、この確定した裁判、第三者委員会の長期にわたる調査結果を踏まえたら、1年も2年もかかるような事実確認じゃないんだと思うんですよ。なんでこんなに時間をかけているのかと。処分しなかったら毎月給料払われるんですよ。私は免職に値するような事件だったと。処分の基準からいったら、思いますよ。なぜこんなに時間がかかっているのか。そのことについてお答えいただきたい。

【県立学校人事課長】
 岩手モデル公表のスケジュールについてでございますけれども、先ほど、各部会で検討したものから順番にというお話をさせていただきましたけれども、部会の方としては、策定委員会の方にかけて、全体でまず議論いただいたうえで、共通の認識のもと、策定委員会の場を経た形で提示していくという形で進めたいと考えております。
【教職員課総括課長】
 処分の時期のお話でございました。
 前任校の事案に関しましては、たしかに裁判で事実が確認されまして、そのことにつきましては処分は行っておるところでございます。いま措置を検討しているというのは、今事案、現任校の事案でございまして、これについては先ほど斉藤委員の方からも、第三者委員会による調査が、ご遺族のご要望を踏まえまして、県教育委員会が捜査等に関与しない形で行われたものでございます。また、調査報告書の中の記述におきましては、「本報告書で述べていることは公的責任を前提とするものでも、また、特定の個人の責任を問うものでもない」と明記されておりまして、したがいまして、任命権者である県教育委員会といたしましては、改めて事実関係をしっかりと行ったうえで、措置についての判断を行う必要があるという風に考えておりまして、現在必要な調査を実施しているものでございます。

【斉藤委員】
 岩手モデル策定委員会で、分科会で県教委・学校の対応については中間報告が出たと言いました。その他はどうなんですか。全体としてどういう進捗状況なのか、そのことをまず1つは示していただきたい。
 顧問教師の処分で言いますけれども、盛岡一高事件の処分はきわめて甘かった。それは不来方高校事件があるから、きわめて限定したような処分だったと思いますよ。だから、一高事件に相応しいような処分では全然なかったと思いますよ。あの事件は、体罰・暴言で被害者は不登校に陥り、精神的に重大な打撃を受けて、大学進学の受験もできなかったんですから。まさに青春を奪われたような事件でしたよ。
 そして不来方高校事件は、実はあの調査報告書というのは中身は何かというと、丹念に事実経過を明らかにしたのです。そこに調査報告の一番の特徴があるんですよ。事実経過を明らかにしたんですよ。個人の責任は問わなくても。どういう事件だったか、どういう背景で、顧問教師がどういう発言・暴言したか、明らかになっているんですよ。だから私は、そこまで事実が第三者で徹底して解明されているのに、県教委が1年どころじゃない2年も事実確認をしていること自身が異常じゃないですか。放置していると言われても仕方ないですよ。いつまでに本当にけじめをつけるつもりなのか。そういうけじめをつけてこそ、私は岩手モデル策定委員会というのが本当に責任を持った岩手モデルを出せるんだと思いますけれども、改めてお聞きします。

【教職員課総括課長】
 措置の進捗状況についてでございますが、先ほど木村課長の方からも申し上げました通り、関係者への事実関係の確認を行っているという風な状況でございます。特にもこの事案に関しましては、先ほど前任校での事案、裁判になった部分につきましては処分をしたということを申しあげましたが、その裁判の中において、争点とされた行為以外にも類似の行為があったと疑われるような内容が記載された書証が提示されておりましたことから、その具体的な内容につきましても調査して事実関係を確認する必要があるということで、そういうところにも時間を要しているというような状況でございます。
【県立学校人事課長】
 各部会の進捗状況についてでございます。第4回では、人事管理等検討部会の一部のみの報告でございますので、第3回までの報告でこちらの方で把握しているものでお答えさせていただきたいと思います。
 まず、体罰・ハラスメント防止マニュアル・ガイドライン検討部会についてでございますけれども、現在、教職員に対する意識調査を実施しております。これは、マニュアル・ガイドライン等が現場でどのように認識されているのか、あるいはこれらをどのように活用しているのか、あるいは現場の先生方の体罰・ハラスメントに対する意識、あるいは現場での体罰・ハラスメント防止のためにどのような取り組みをしているかといったことについて意識調査を現在しております。現在集計中でございます。
 それから、部活動指導者検討部会につきましては、現在、研修会のコーチングスキル、それからスポーツインティグリティに対する研修会の実施についての予定の報告がございました。
 それから、進路指導キャリア教育検討部会につきましては、これまで実施していた研修会、大学進学を希望する生徒が多い学校の教員を対象にした自らの意思と責任により進路選択する能力の育成等の研修会を実施したという報告がございました。
 管理職研修検討部会の方からは、新任校長・新任副校長研修で実施した、ボトムアップの手法による職場づくり、生徒指導による危機管理等の研修を実施したという報告がございました。
 それから、部活動参加体制検討部会につきましては、現在県立高校の入試改善検討委員会が立ち上がっておりまして、それについても進めているという報告がございました。