2021年10月22日 決算特別委員会
千田美津子県議の農林水産部
に対する質疑(大要)


・パイプハウスの大雪被害対策について

(千田委員)
 パイプハウスの大雪被害対策で午前中の質疑では被災した6000件のパイプハウスのうち、支援を受けるのは約3割だなと思ったんですが1900件、その他は共済と自己資金で対応ということで答弁がありました。それではこれまでの事業の申請状況、それから決定状況はどうなっているでしょうか。できれば地域担い手育成支援タイプ、国事業ですね、それから県上乗せ産地緊急支援タイプ、そして県単事業の岩手型の被災農業者支援タイプ、事業ごとにお答えいただければと思います。

(中村農業振興課総括課長)
 1900件ほどが事業要望しているところですが、強い農業担い手づくり総合支援、これは中心経営体に支援する国の事業ですが、要望で450件ほど、持続的ハウスの資材等を活用しての関係は400件ほど、畜産関係の事業も一部ございますがこれが数件ございます。また県単独での事業これが1000件ほどということでございます。

(千田委員)
 今の数字は間違いないですか。頂いた資料と件数が異なっていたので確認です。それから申請と合わせて、決定の状況、補助金を支払された部分もあると思いますので、これまで決定された分がどの程度なのかお知らせください。

(中村農業振興課総括課長)
 先ほどの数字は全体1900件のうちの事業ごとの割合でございまして、委員にお示ししましたのはそのうちのパイプハウスということで。パイプハウスは合計で1200件ほどとなってございます。そのうち要望で事業完了したようなものでございますけども、まだまだ先ほど来、国の方の事業も1回目。2回目、3回目と申請、国との協議も進めているところでございまして、一部完成まで至ったものもございますが、まだまだ交付決定はされてもこれから完了確認をし事業の中身が適切に整備されているかというふうな完了確認を経た上で支払いが進んでいくものですから、その状況から言いますと11月以降の支払いというふうな形になります。実際に復旧したのは大体トータルで1200件ほどということで、復旧率からすると大体65%ほどになってございます。支払いは11月以降に随時支払われるということでございます。

(千田委員)
 支払いはこれからのようですが完成が65%ということで、米価も下落し農家としては何重の苦しみの中にあっての被災であったわけですから、是非早く完成すると同時にこれらについても早い支払いがなされるようにお願いしたいと思います。そういう中で1900件のうち、県単事業が約1000件ということで、半分近く県独自で頑張ったんだと、まだ実績にはなりませんけどもそういうふうに見ました。そういった意味では農家に寄り添っていろんな大変な状況があったわけですが、そこを県が独自に支援をしてきたという部分を評価したいと思います。
 一つ確認ですが、国事業の部分で第3回目の受付分で国との妥当性の協議中というのがありますが、これは申請が可能だということで、受付たのではなくてこれから妥当性が検討されるということですか、その辺を聞きします。

(中村農業振興課総括課長)
 第3回目につきましては、今県から国の方に計画をあげておりまして、その内容について国の方で審査している状況にあります。

(千田委員)
 もう一度確認ですが、国でそれらを協議しているということなんですが、見込みとすれば決定になりそうでやってるわけですよね。

(中村農業振興課総括課長)
 市町村から計画があがり、県でもしっかりとその内容について確認を取ってありますのでほとんどが承認されるものと考えてございます。

・水田農業高収益化計画の到達状況について

(千田委員)
 それでは引き続きよろしくお願いいたします。次に水田農業高収益化推進計画についてお尋ねいたします。先ほど来、水田農業の高収益化についてはさまざまな質疑がありました。そういう中で県は水田農業高収益化計画を策定されて取り組みをやられているわけですが、これまでの到達はどのような状況にあるでしょうか。

(工藤水田農業課長)
 水田農業高収益化推進計画の策定についてでありますが、県では、水田における高収益 作物等の導入・定着を図るため、 令和2年に策定した水田農業高収益化推進計画において、 ピーマンと子実用とうもろこしを推進品目として位置づけております。
 令和2年の実績をみますと、ピーマンでは、作付面積、収量、販売額すべてにおいて、令 和6年の目標を上回っております。また、子実用とうもろこしでは、令和7年の目標に対し、6割以上の到達状況となっております。引き続き、関係機関・団体と連携しながら、水田農業の高収益化に向けた取組を計画的に推進していこうと考えております。

(千田委員)
 岩手ではピーマンと子実用トウモロコシ、いわゆる飼料用のトウモロコシだと思いますが、やはりピーマンは作付面積、収量、販売額とも目標を突破したとそういう点では非常に実績の高い事業になっていると思うんですが、実はピーマンですけどもかなり作付している農家が多くなって、今年は価格が下落をしているんですね、販売額の達成度としては102%に2年度でなっているんですが、作付面積が広がれば広がるほど、コロナの関係も若干あるかと思いますがピーマン農家にとっては、岩手県全体の販売額が増えているかもしれませんが各農家の手取り、それが多分減っている状況にあるのではないかなと思いますがどのように捉えているでしょうか。

(佐々木農産園芸課総括課長)
 ピーマン栽培における価格という点でございますが、ご承知のとおりピーマンにおきましては、 野菜全般そうなんですが、市況に影響されるというものでございます。野菜につきましても県段階というより全国段階、ピーマンについては、周年で全国で供給されている状況の中で、高い年もあれば苦戦する年もあるというものでございます。県としては、ピーマンのいいものを作り、夏秋期で主力になるものなので、品質の高いものを生産して参りたいと考えているところでございます。

(千田委員)
 周年で供給している部分では多少の変動があっても最終的には、ということだとは思うんですが、ただ9月24日に総務省が公表した消費者物価指数の中で、ピーマンが2月から3月にかけてかけては指数が100を超えているんですが、1月が95、4月の89.9、5月が82.4、6月が88.8、7月が82.1で8月が76.5まで落ちているんですね。これは価格に反映されると思うんですね。確かにピーマンは販売額でもすごく大きい額になっていますし、非常に良いのかなと思うんですが、ただこのまま増やしていくということになると最終的には頑張ってきた農業青年たちが、その方たちがこれからの経営に大きく影響があるということで、その辺を見極めながら、高収益だよ、高収益だよということでこのまま推進していいのかと思うのでその辺をどのようにお考えでしょうか。

(佐々木農産園芸課総括課長)
 ピーマンの価格の動きに対する不安ということでございますが、野菜価格につきましては、自然災害等々ありまして、一時的に集中するとどうしても需要が過多になることもあったりして、全国の出荷の動向がバランスよく平坦に出荷が進めばいいんですが、露地栽培が多いのでそういう状況にならないことがあります。県としては、東北一番のピーマン産地として、圧倒する品質、量で、産地間の競争に勝ってい参りたいと考えてございます。

・県産農林水産物学校給食提供緊急対策事業について

(千田委員)
 最後になりますが、県産農林水産物学校給食提供緊急対策事業についてお聞きします。これは新型コロナ感染症の影響によって消費が減退した県産牛肉や地鶏肉(南部柏)等を学校給食に提供したという事業だと思いますが、改めてこの事業の目的と実績、成果をどのように評価をしているかお聞きをいたします。

(似内流通課総括課長)
 県産農林水産物学校給食提供緊急対策事業についてでありますが、この事業は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急対策として、全額国庫で実施したものでございます。実績は、県内の小中学校等の学校給食へ、牛肉で約15 トン、地鶏肉南部柏は約900kg、ホタテで約3,300kgを提供し、提供した学校数は延べ788校、人数は延べ約48万人となったところであります。
 また、これら県産食材の提供と併せて、食育動画や食材紹介のリーフレットを作成し、各学校に配布したところでございます。
 本事業の実施により、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって在庫が急激に積み上がり、特に緊急的に対策が必要となった牛肉、地鶏肉、ホタテの消費の拡大や、販売価格の回復にもつながり、生産への影響を最小限に留めたものと捉えております。
 また、県内の小中学校に対し食育動画や食材紹介のリーフレットの配布いたしまして、県内の小中学生への本県農業及び水産業への理解醸成に繋がったものと考えております。

(千田委員)
 美味しい県産牛とかを食べられた子供たちがどんなに喜んだかという姿が目に浮かぶんですが、子供たちの反応とか何か聞いておるでしょうか。

(似内流通課総括課長)

 児童生徒の感想ということでございますけども、事業を実施した小中学校の児童生徒からは、「牛肉が柔らかく、とても美味しい」といった声や、「一生懸命作ってくれている人に感謝したい」といった声があったと聞いており、大変好評であったと承知しております。

(千田委員)
 これはコロナ対策ではあるんですが、この事業はあとはないんでしょうか。全く単発で終わるのか、今後の見通しについてお聞きします。

(似内流通課総括課長)
 事業の見通しについてでありますが、令和2年度に実施しました、事業は国の「新型コロナウイルス感染症の拡大緊急対策」として、基準となる価格から2割以上低下しているなどの農林水産物を対象に実施したものであります。国の事業においては、現時点では、無い状況ででございます。

(千田委員)
 仙台市で、姉妹都市の愛媛県宇和島市からの提案で宇和島産の養殖真鯛を給食に取り入れると。その事業は「国産農林水産物等販路多様化緊急対策事業」というものなんだそうですが、こういうのを活用して子供たちに県産の物を直に味わってもらって小さい時の印象というのがすごく後々大きな影響があるもんですから、こういうのを取り入れて是非おいしい給食、県産のものを利用していただきたいと思うんですがどうでしょうか。

(似内流通課総括課長)
 委員から紹介がありましたとおり、県産食材を使用した学校給食の提供についてでありますが、地産地消、食育の観点から重要な取組であると認識してございます。国の事業の提案がありましたが、現時点では国の事業を活用できるものが無い状況です。また、同様の事業を県単独で行う場合、相当規模の財源が必要となることから、国の事業を最大限に活用しながら積極的に取り入れるように検討していきたいと思います。