2021年11月24日
新型コロナ対策特別委員会での質疑(大要)
・ワクチン接種の取り組みについて
【斉藤委員】
ワクチン接種の状況について、先ほどの説明でですね、1回目が89.3%、2回目が85%と。人口比でいえば81.7%と77.7%ということで、大変ご努力されたということを評価をしたいと思います。
そこで、年代別を見ますと、20代が70.8%、30代が72.7%、ここの接種率の引き上げが課題だと思いますが、その対策はどうなっているでしょうか。
あわせて、先ほども質問がありましたけれども、90%を超えている自治体数は12市町村ということでした。この進んでいる自治体の教訓は何かということも合わせて示してください。
【医療政策室長】
30代以下の接種率が低くなっているというところでの改善ということでございます。県ではこれまでも、第3期の集団接種におきまして、10代20代の若者を対象としました先行接種というか先行予約という形でですね、ちょっと遅れの見られる年代については、先に予約を行うとかそういうことも実施してきておりますし、医療機関におきましても、それぞれ個別の接種の交付金等による底上げ等も取り組んできているところでございまして、定期的に市町村と意見交換をしておりますので、そうしたさまざまな取り組みについて情報共有しながら、今後も接種率を高めていくような取り組みをしていきたいと思います。
また、SNS等も活用しながらですね、若者についても正しい知識というところを周知しながら、希望していただける方には積極的に接種していただくというような取り組みを進めていきたいと考えているところでございます。
先行自治体の教訓というところでございますけれども、先ほどご答弁申し上げました通り、私も小さな町村部、対象者が少ないところはかなり接種率が高く進んでいるというところもございます。そういうところはございますけれども、その後に接種が少し遅れ気味になったところについても、集団接種などの活用も新たに行ったりしたということで、かなり接種率を上げてきているというところもございますので、それぞれの市町村におきましても、そうしたノウハウというのはできてきておりますので、その辺も3回目接種についてもそれぞれ生かしながら対応してまいりたいと考えております。
【斉藤委員】
先日、県議団で一関市のワクチン接種の取り組みを聞いてきました。一関市は、2回目で91.1%なんですね。10万人規模で全国一だそうです。10万人を超える自治体で上越市を超えて。やはりこの取り組みからしっかり学ぶ必要があるんじゃないかと思います。
一関市が進んだ1つの要因は、7月にファイザーのワクチンが大幅に減少したときに、モデルナのワクチンで集団接種を進めたと。だから一関市はワクチン接種を減らさなかった。そうして取り組んだと。また高齢者の予約については、住民からの声に応えて、ハガキでの予約。これは4000人ぐらいがハガキでの予約で、いつどこでという形で困らないで接種ができたと。こういう話をしていました。あとタクシー利用も、岩手県が予算化する前に片道1000円の補助をやって、1400万円だったそうですが、これ計算しますと往復使ったとすれば7000人がタクシーを利用したと。
やはり先手先手でこういう取り組みをやってきたということをしっかり学んで、学べるところはしっかり普及していただきたい。
そこで、今後の接種なんですけれども、12月1月は医療従事者・高齢者ということになります。ぜひ高齢者と一緒に、高齢者施設の従事者をセットでワクチン接種をすべきだと。前回もそういう通知も出しましたが、一部不徹底でした。これは今回やはり徹底すべきだと思いますがいかがですか。
【医療政策室長】
3回目の接種につきましては、1回目2回目の接種から、おおむね8ヶ月経過した方から順次行われるということになっているところでございまして、1回目2回目の接種におきましても、医療従事者の次には高齢者、その高齢者の中でも施設に入っておられる方もあわせてという形でですね、基本的には優先接種を進めてきたところでございますので、基本的にその順番で接種が進められると認識しているところでございますけれども、そこから何らかの事情で漏れた方々がいらっしゃるとすれば、それは市町村の方でも把握いただきながら、しっかりそこも進めていくように取り組むよう市町村とも情報共有を図ってまいりたいと考えております。
【斉藤委員】
それで、このワクチンの供給体制が一番心配なんですよ、市町村は。確実に来るのかと。12月1月分については、52650回分が配送予定ということで、これ予定が5万人なんですよ。だからある意味ギリギリですよね。それと、市町村への配分が「12月上旬を目途に」と書いていますが、12月から実施するのに「12月上旬に配分」というのは遅れていると思いますよ。だいたい接種した方々は分かるわけだから、前倒しで12月から直ちにワクチン接種ができるような手立てをとるべきじゃないでしょうか。
【医療政策室長】
ワクチンの供給につきましては、国から11月22日までの週に52000回分のファイザーワクチンが配送予定となっておりまして、12月の接種開始には間に合うように届くという形で手配が進んでいるというところでございます。
【斉藤委員】
今日説明された文書には「12月上旬を目途に」と書いているんだから、これはダメじゃないですか、それだったら。12月から接種可能なように供給すると書かなかったらダメだと思いますよ。
【医療政策室長】(後刻答弁)
11月22日の週に一旦市町村の方に配分されますけれども、医療従事者の接種という形でですね、住所外接種が多数あるということが見込まれることから、12月上旬に配分後に再度必要な調整を行うという意味でございます。
【斉藤委員】
それと、「その他」のところの「イ」のところで、先ほどタクシーの話をしたんですが、「接種会場へのタクシー利用に要する経費に対する県単独の補助の継続実施について検討」と書いていますね。「検討」じゃなくて「措置」しなければダメなんじゃないですか。一関市はもう3回目もやると。一関市はバスの利用にも補助を出すんですよ。前回やったんだから、3回目もやるということで、12月議会で予算措置するとか、予備費で措置するとか、そういう風にすべきだと思いますよ。高齢者は12月から始まるんだから。本当に安心して速やかにタクシー利用ができるようにすべきだと思いますがいかがですか。
【財政課総括課長】
ワクチン接種にかかる市町村へのタクシー利用の補助についてでございますけれども、先般の議会に補正予算において、1億円程度計上させていただいておりますけれども、今ワクチンの2回目までの実績を精査しているところでございまして、その予算額1億円に対して実績がいくらかというところ、そして年度内3回目に対応できるように、その額はあるかというところを精査しているところでございますので、その執行状況等を鑑みながら今後3回目どのような補助ができるのかというところもしっかりと検討してまいりたいと考えてございます。
【斉藤委員】
一関市に聞いたときに、一関の場合は1400万円で7000人が利用したと説明をいただきました。岩手県のこれまで把握されている実績は分かりますか。
【財政課総括課長】
これまでの利用実績についてでございますけれども、手元に正確な数字はないんですけれども、1億円の予算額に対して全市町村で60〜70%程度(今後2回目の接種が終了した段階で)という見込みでございまして、その執行残というところも出てくるだろうというような状況でございまして、そういう状況を鑑みながら今後また検討をさせていただければと考えております。
【斉藤委員】
今回第3回目の接種というのは、諸外国の例を見ると、本当に切実な課題なんだと思います。ブレイクスルー感染。感染対応に関して言えば、6ヶ月経過すると抗体が半分に減ってしまうということが指摘されています。約8割が重症化しないという効果があるという専門家の指摘もありますけれども、そのときにやはり第3回目の接種を速やかにやるということが大変重要な感染対策になると。
もう1つ、今回の第3回のワクチン接種は、全部基本的には市町村なんですよ。前回は医療従事者は県がやった。県が独自に集団接種もやった。今回は基本的には市町村でやるということになっていますので、今まで以上に市町村に対する支援策をしっかり進めていただきたいということを、これは指摘だけにとどめておきます。
・PCR検査の大規模実施について
【斉藤委員】
検査の問題でいろいろ質問がありましたので、私は若干だけにしますけれども、先ほどワクチンが接種できない方々はPCR検査無料だと。どういう方々が無料の対象になるのか。岩手県内ではどれだけの人数が予想されるのか、分かったら示してください。
【理事心得】
PCR等検査無料化でございますが、こちら事業が2つございまして、1つはワクチン検査パッケージの関係での無料化。もう1つは感染拡大時の無料化というものでございます。
前者の方でございますが、健康上の理由等でワクチン接種を受けられない方は、ワクチン検査パッケージ及び民間にて自主的に行うワクチン検査のために必要となる検査について無料化するという事業でございます。こちらは令和3年度内に限り支援するというようなスキームになっております。
それからもう1つの感染拡大傾向時の検査につきましては、都道府県知事の判断により、自己の意思に基づく未接種者、ワクチン接種者を含め、幅広く感染不安などの理由による検査を無料化するというものでございまして、ただしこれは感染拡大時ということですので、緊急事態宣言ですとか蔓延防止等重点措置が発令されている時ということになるかと思います。
それで対象人数でございますが、現在どのくらいの方が対象になるのか精査をしている段階でございまして、詳細に申し上げることは現在できませんので申し訳ございません。
【斉藤委員】
ワクチン接種の効果もあってですね、感染者が少ないと。一方でこういう事例があるんですね。三重県津市ですけれども、あそこも感染者はずっとゼロなんですが、「熱がある」ということで検査をしたら陽性だったと。その人は津市から出ていないと。いわば、感染していても無症状・軽症、決して感染源が全くなくなっているわけではないと。それだけに、高齢者施設とか医療機関などでは定期的な検査が必要だと、専門家はこういう風に指摘している方もいます。そういう点はどのように検討されているでしょうか。
【理事心得】
先ほど申し上げた2つの事業というのは、行政検査とは別の事業になりますけれども、高齢者施設等における定期的な検査につきましては、従来通り行政検査という位置づけの中で実施することを想定しております。
【斉藤委員】
医療機関でもぜひ、一番危険が高いのは医療機関なんだと思うんです。ある意味症状のある方が来ますので。だから、磐井病院にも行ってきましたけれども、この間本当に1年半、2年近く、医師・看護師は旅行もしていない、会食もしていない。そういう努力をしている中で、やはり感染の危険と絶えず向き合って緊張して活動している。私はこういう方々に対しても定期的な検査をするということは必要ではないのかなと思います。
検査能力はあるんだから。特に県立病院は自前でもやれるところがほとんどなわけですから、そういうことをやることが必要なんじゃないでしょうか。
【理事心得】
ご指摘の通り、医療機関そして高齢者施設の従事者というのは感染リスクが高いと考えております。そういった中で、特に検査前確率というんですけれども、ある程度の検査前確率が高い段階にあってはそういった検査も必要ではないかということで、専門委員会からの見解も示されておりますので、そういったものを根拠にして実施する方向性では考えているところでございます。
・病床の確保について
【斉藤委員】
第5波では岩手県も感染拡大に直面しました。350床の病床を確保したわけですけれども、公立・公的病院がどういう役割を果たしたのか。350床のうちどのぐらいの病床を公立・公的病院で確保して、実際の入院患者、ピーク時、公立・公的病院の入院患者数はどうだったのか示してください。
【理事心得】
病床確保でございますけれども、新型コロナウイルス感染症の入院受け入れ医療機関につきましては、現行計画において、蔓延期にそうとうするフェーズ3の状況となった場合、公立・公的医療機関は25施設、病床数では311床が確保されている状況にございます。
その中で、ピーク時にどれだけの病床が使われたかということでございますが、詳細な数字について今持ち合わせておりませんが、当時の最高の病床使用率が76%程度でございましたので、311床×76%(236床)ということでご承知をいただきたいと思います。
【斉藤委員】
分かりました。公立・公的病院が大変重要な役割を果たしたと。
そこで、今回は第6波に向けて400床ということになっていますが、この+50床はどこでどういう風に確保するのか示してください。
【理事心得】
今月末までに国に提出する保健医療提供体制確保計画の具体的病床数については、現在医療機関と調整を進めているところでございまして、病床400床についてもほぼ確保できる見通しとなっております。
この内訳でございますけれども、+50床につきましては、おおむね公立・公的病院において確保する見込みでございます。
【斉藤委員】
ますます公立・公的病院の役割は大変だと。磐井病院の場合は、1病棟をコロナ病棟にして、結局そこの患者を他の病棟に移転したので、病床利用率100%ですよ。大変な状況だったと。だから院長は「別なところで確保してほしい」と言っていました。だから公立・公的病院の役割は大きいんだけれども、よく実態を把握して、やはり他の病棟が100%という風になったら、本当に緊急に入院ができない事態になりますから、私はそういうところも考えてしっかり対応していただきたい。
それで宿泊療養施設は370室確保するとなっています。これも一関市の担当者、磐井病院の院長からも言われましたけれども、「ぜひ県南部にも設置してほしい」と。いわば県南部で感染しても宿泊療養はみんな盛岡だと。断る人もいるということもありました。実際に宿泊療養が必要で、そういう移動が伴うので宿泊療養に行けなかったという人はいるのでしょうか。私は4箇所目というよりは、やはりこの間の感染拡大は県内全域でした。だから盛岡一極集中ではなくて、3箇所目ぐらいは県南部とか、県内バランスをとってこの宿泊療養施設は設置をすることが必要なのではないかと思いますがいかがでしょうか。
【理事心得】
宿泊療養施設につきましては、現在約370室確保しているところですけれども、県南部への設置ということで、そういったニーズがあることについては承知しているところでございます。
そして、例えば第5波の際に盛岡の宿泊療養施設に行けなかった人がいるかということでございますけれども、調整した中で基本的に宿泊療養施設が適当だという方については、そちらの方に移動していただいたと理解しておりますが、あとは医療機関等の調整の中で、症状あるいは家庭の状況等に応じて移れなかったという方がいらっしゃることは確かにあると思います。
県南部に設置するということについても、私どもとしては選択肢としては想定しているところでございまして、ある意味接触はしているところでございますが、なかなか適切な施設が見つからないということ。それからスタッフの配置の問題もございますので、引き続き検討を進めていきたいと考えております。
・事業者支援の課題について
【斉藤委員】
地域企業経営支援金、これは県内の中小企業ではもっとも活用された補助金です。この今年度の実績はどうなっているでしょうか。
あわせて、いわて飲食店安心認証制度の認証店舗数は先ほど4574店となりましたが、ここへの10万円の補助実績、これを合わせて示してください。
【経営支援課総括課長】
まず、地域企業経営支援金の支給実績についてご答弁いたします。事業者の収入減少要件によりますものは、11月12日現在、5970事業者・6674店舗に対して19億2千万円余を支給しております。また、岩手緊急事態宣言期間を含みました申請に対して、事業者支給上限額を10万円引き上げるという40万円の分の申請状況につきましては、9月13日より受付を開始し、10月29日までに約3700事業者から、変更申請を含む申請書の提出があり、現在商工会議所・商工会において速やかに支出が行えますよう内容の確認等を進めております。
次に、いわて飲食店安心認証制度の認証を受けた飲食店に対します10万円の支給実績でございます。11月15日現在、3236事業者・3677店舗に対しまして3億6770万円を支給しております。なお認証を受けた飲食店、先ほど来ご説明しております通り、11月19日現在で4574店舗でございますが、ただいま支援金の事務局の方で申請書を受け付け確認作業中のものが約300店舗分ございます。また、すべての認証店に対しまして支援金の申請書を送付いたしまして、申請を促しているところであります。申請書の作成にあたり、不明な点などがありましたら、コールセンター等で問い合わせ対応を行いまして、速やかに申請をいただきますよう取り組んでおります。
・コロナ禍による米価暴落対策について
【斉藤委員】
コロナ禍による米価暴落対策なんですけれども、国の経済対策を見ますと、15万トン保管料を補助すると。2年後に古古米になってから売却するという、これでは在庫米対策にならない。来年度もまた米が暴落しかねないと思うんですね。やはり在庫米は市場から隔離しないと、この米価暴落の悪循環は断ち切れないんじゃないか。この点で国に対してしっかりと責任を果たさせる必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
【農政担当技監】
委員ご指摘の通り、米の生産流通につきましては全国規模で行われているものでございまして、都道府県単位では完結をせず国全体での対応が必要でありますので、県ではこれまで全国知事会等とも連携しながら、国主導による実効的な過剰米への対策ですとか需要拡大対策、こういったものを推進するよう要望しているところでございますし、今後改めて国に対しまして実効的な過剰米への対策等を要望することとしているところでございます。
【斉藤委員】
本当に今年の暴落にとどまらない、来年も作付を減らすと、生産量を減らすということが出されています。全部農家の自己責任なんですよ。こんなことをやったら農家も農業もやっていけなくなります。
それで、国の責任とは違うけれども、県としてもこの危機的な状況に対して、県内の在庫米を一定程度買い上げて、困窮者に支給する、こういう対策をとるべきではないのかと。県内でも、困窮者は食べたくても米食べれない。これは子ども食堂もそうです。学生支援で一番喜ばれるのは米です。あと大学等では、これは農協の支援米で100円定食をやっています。これはずっとではなく一時的に。だからそういう必要なところに、県も一定程度買い上げて、今年とれたおいしい米を支援米として供給する、そういうことが必要なのではないでしょうか。
もう1つ、消費拡大策で、岩手医大が「銀河のしずく」を活用すると。県立病院は県産米を活用しているとお聞きをいたしました。学校給食はもちろんです。意外と穴になっているのが事業所の社員食堂なんです。大きいところほど一括で全国で一番安い米を調達しているんですよ。こういうところにも岩手の米を活用してもらうという、そういうきめ細かな消費拡大策もとるべきではないかと思いますがいかがでしょうか。
【農政担当技監】
子ども食堂などの生活困窮者への支援等についてでございますが、こういったような取り組みについては重要な取り組みだと考えてございますけれども、今回の米の需給緩和につきましては、新型コロナウイルスの関係で外食需要の落ち込み、あるいは全国的に米の在庫量が増加したというところもございますので、県としてはまず県内の方に岩手のお米を食べていただいて消費を拡大していくという形のものの取り組みということで、現在首都圏のコンビニ等で、銀河のしずくのおにぎりの試験販売ですとか、県内の弁当事業者と連携した大盛キャンペーンといったようなもので需要の拡大に取り組んでいるところでございますし、また、子ども食堂等への米の提供につきましては、これまで政府備蓄米の無償交付というのがありまして、これが今回90キロから120キロということに拡大されましたし、また新たにJAグループなどの集荷団体が子ども食堂等への生活困窮者に米を提供する場合10分の10補助するといったような支援策も出てきていましたので、こういった活用を促していきたいと考えているところでございます。
【斉藤委員】
今度の経済対策で6兆円が地方創生臨時交付金で補正予算に盛り込まれるという報道もありますので、ぜひ必要な対策・手立てをしっかりとっていただきたい。
終わります。