2022年2月15日 新型コロナウイルス対策特別委員会
盛岡市保健所・矢野所長の講演に対する質疑
(大要)


・オミクロン株の特徴について

【斉藤委員】
 オミクロン株による感染の急拡大、デルタ株とはまたまったく次元が違うくらいの感染力だと思います。そして特に、教育・保育施設と学校、最近は高齢者施設でのクラスターが出ています。このオミクロン株による感染急拡大の特徴というのをどのようにとらえているのかというのが第一点です。

【矢野盛岡市保健所長】(他議員の質問への回答含む)
 ご質問ありがとうございました。
 まず、収束について、これほどに難しいですけれども、ただ、変異しやすいですので、オミクロンがこれだけやはり数が増える、変異というのは、ウイルスが感染して細胞の中でコピーができてくる中でミスコピーが起きるわけです。それがうつりにくいものであれば消滅しますし、うつりやすいものであれば変異株となってしまう可能性があるわけですけれども、ですので、これだけやはり患者さんが出ているのを見ると、やはり新たな変異株が出てくるというのも十分可能性として考えなければならないと思っております。
 それから、ワクチンの製造について何か意見を述べられるほど、ワクチン製造について知識が不勉強で申し訳ございません。なかなか私からお答えすることができずに申し訳ありません。

・自宅療養の方針について

【斉藤委員】
 第二点は、今とも関わりありますけれども、盛岡の昨日までの発表を見ますと、2268人の累計患者なんですが、現在入院中44人、宿泊療養中6人、自宅療養中が399人です。デルタ株の対応のときには、基本的には診察して入院・宿泊療養でした。今回は、基本的には自宅療養になっているんですね。私は、家庭内感染を防ぐためには宿泊療養をもっと活用してもいいのではないかと思うんですが、入院の場合には、これは症状によって入院が必要なければ増やす必要はないと思うんですけれども、そういう点でオミクロン株に対応した方針だと思いますが、これは県も市も丁寧に説明していないと思うんですよ。自宅療養が基本になっているということを。そして自宅療養の場合には、こういう体制、支援をしていますという、そこを私はもっと丁寧にやるべきではないのかと。これが第二点です。

【矢野盛岡市保健所長】
 宿泊施設についてご質問いただきました。実は、先ほど説明が十分ではないとご指摘もいただきました。おっしゃるように、私たちのオミクロンによって、またまったく、デルタになったときもまったく試合と言いますか、闘いが変わってしまったと思っておりますけれども、オミクロンになってまたまったく変わってしまったと考えております。非常に早いということと、あとやはり特に若い方についてはまず軽症、若い方で基礎疾患ない方ですね。重症化することはきわめて稀というのも分かってきておりますので、原則自宅療養となっております。ですので、実は自宅療養をする場合もですね、基本的には特異的な治療はなくてですね、症状を和らげるような、咳を和らげるような、解熱剤とかを使って自己隔離をしていただくというのが主な目的になっております。リスクがある方についてはですね、数としては増えてきておりますけれども、逼迫をしている状況ではありませんので、現時点で入院そして入所、自宅療養というのをうまくトリアージをして、自宅療養を思い浮かべると、どうしても去年の都市部のイメージがあるかもしれませんが、そうではなくて、やはりオミクロンによってまったく変わったということと、現時点で溢れて自宅というよりは、むしろ医療が必要な方はもちろん入院と。オミクロンの特性を踏まえて、患者さんの背景を踏まえて、その人にとってほとんど脅威がないという場合には自宅療養という風にトリアージをしている、そしてトリアージができているというような状況です。

・ワクチン接種について

【斉藤委員】
 第三点はですね、ワクチンの問題なんですけれども、いま大船渡市が2月12日・19日と、学校の先生、保育所関係、そして高齢者施設の従事者含めて緊急のワクチン接種を優先して始まりました。こういうワクチン接種の優先順位をやはり決めてやる必要があるんじゃないかと。違和感を感じたのは、盛岡市が集団接種をやりましたと。予約が少なかったので、「接種券がなくても予約を受け付けます」とやるんですよ。私70を超えてるけど接種券きてないんですよ。そんなことをやるより、早く打つべき人にきちんと打つと。いうようなことの方が求められていることなのではないかと。

【矢野盛岡市保健所長】
 盛岡市のワクチンについてですけれども、特にオミクロンになって、とにかく優先すべきなのは高齢者というのは分かっておりますので、高齢者、特に6ヶ月以上経っている方については、順次前倒しして接種券を発行しているとうかがっております。あとは、リスクが高い高齢者の集団、すなわち高齢者施設というところについては、いま進捗を確認しているところなんですけれども、始められるところはどんどん始めております。ただやはり第5波で問題となった比較的小規模で孤立しているような施設で集団感染がありましたので、小規模で孤立している、孤立しているというのは協力機関も少なかったりとか医療ともつながっていないとかですね、そういう施設で集団感染が起きましたので、そういうところも含めて網羅的に、ワクチン事務局の方で全高齢者施設の進捗を今回確認して、そして方針まで確認をするということを決めております。
 それから接種券がまだ届いていないということですけれども、どのタイミングで受けられたかにもよるのかもしれませんが、いずれにせよ前倒しで、6ヶ月以上経っている場合は基本的に順次届くはずだとうかがっております。あとは、モデルナの接種がですねなかなか埋まらないということがあったようですので、そして一方で埋まらないけれども接種券が来てなくて「早く打ちたい」という声もたくさんあるという中で、タイミングを見極めたうえで、かなり作業が大変なんですけれども、接種券なしでも受けられるような形にしたとうかがっておりますので、基本的には高齢者施設もそうですし、高齢者の接種をできる限り急ぐということはその通りかなと思っております。
 小児についてもですね、もちろんワクチンがいくらでもあれば小児ということもあるのかもしれませんが、まずはオミクロンを考えると、小児や若い人が重症化することは極めて稀ですので、やはり高齢者が最優先、いかに高齢者を終えるかがポイントなのだろうと思っております。

・保健所体制について

【斉藤委員】
 最後の最後ですが、本部の体制80名ということで、それなりの体制をとっているなと思っていますが、これで十分なのか、さらなる体制の強化が必要なのか、そのことをお聞きしたい。ちなみに、墨田区は人口27万人なんですが、110人の感染症対策の体制をとっていると言っていますので、80人というのはそれなりだと思いますが、その点お聞きをしたい。

【矢野盛岡市保健所長】
 体制のところですが、いま80名なんですけれども、それこそ80人がそろったのが昨日で、1月に13人入って、その後5名ぐらい来て、その後また20人順次入ってということで、昨日またトレーニングしたり流れを学んでいただきながら、今日が始めてフルスケールで業務ということで、その対応をしながら、またどこがボトルネックになっているのか、そこにまた職員を横滑りしながら、それでも足りないということであれば追加で調整しなければいけないと考えております。まずは、例えば今週であればこの80人で業務がどういう感じで流れるかというのを実際に評価をしたいと思っております。
 保育園や学校ですね、どのように感染を抑えればいいかというご質問ありましたが、まず、私ども現場で悩みながらなんですけれども、学校だと兄弟がいたり、部活とか課外活動とかで一緒だったりとか、児童センター一緒だったりという場合もやはりありましたので、デルタまでについては、1人出ればまず一旦足を止めて、全員調査をして検査をしてという形でやっていたんですが、今はやはり検査も県内だけでなく全国的に逼迫しておりますので、検査もできる数が限られている、そして検査までも時間がかかる、そしてある程度社会も回していかなければならないという中で、私どもとしても直接的な現場の、患者さんをまず対象として、患者さんが所属するクラスとか部活だけをまず止めて、それ以外の方々については症状がある方は止まっていただきながら、他については感染している可能性は十分踏まえていただきながら、生活を続けていただくと。もちろん調査とか検査の進捗によっては追加で声がかかる場合もあるということは理解していただいたうえでやっていくという体制にしております。
 あとは、保健所が逼迫していたので、リエゾンをとってですね、例えば市の教育部局から入ってもらってまして、そことここでやりとりをしてもらいながら、実は調査とかもその方を起点に、その方が学校に調査の内容をお願いしてやっているんですね。それによって実は保健所のキャパシティをセーブすることができました。それによってスピードを少し上げることができまして、そのようなことを工夫しながら今全体としてスピードアップと社会機能維持を何とか模索しています。