2022年3月3日 文教委員会
ふるさと振興部(私学部門)に対する質疑(大要)
・私学における新型コロナ対策について
【斉藤委員】
一つは、新型コロナ対策で、私立幼稚園・学校・大学における感染状況、クラスターの発生状況はどうなっているでしょうか。
【学事振興課総括課長】
まずはじめに、幼稚園・小中高等の発生状況とクラスターの状況についてお答えいたします。学校等から学事振興課に対して報告がございました新型コロナの感染状況についてでございますが、令和4年1月以降令和4年3月2日現在まででございますが、幼稚園から専門学校までございますと、27校・368人の感染報告があったところでございます。
この内訳は、私立幼稚園では、学事振興課が所管いたします41園の幼稚園ございます。そのうち6園から報告がございまして、陽性者は34人。うち学級閉鎖または休園をした幼稚園は5園で延べ7回でございます。
小学校は報告ございませんでした。
中学校は3校ございまして、うち1校から報告ございまして、陽性者は2人、休校等の措置はございません。
私立高校でございますが、13校のうち11校から報告がございまして、陽性者は309人、そのうち学級閉鎖または休校した高校は10校で延べ18回でございます。
専修学校でございますが、30校のうち9校から報告がございまして、陽性者は23人、そのうち学級閉鎖または休校した専修学校は6校で6回となっております。
なお、これらの学校等のうちクラスターと確認された学校は、6校と聞いております。
続きまして大学の方でございますが、県内6大学、4短期大学、1高等専門学校ございます。こちらは直接県に報告する義務はございませんで、国の方に報告しておりますので、2月18日の時点で感染状況を県から改めて確認した状況でございます。全体11校ございますが、そのうち8校で陽性者が74人ございました。うち休校した学校は3校で各それぞれ1回ずつでございます。これらの大学等のうち、クラスターと確認された学校は2校と聞いております。
【斉藤委員】
私立高校でクラスターで、寮を中心にしてかなり大規模な感染が広がったということがありました。もう1つは、これは大学なんですけれども、スポーツ活動、これも寮を通じて、2回にわたってクラスターが発生するという。特に高校の場合は、感染者も多かったんですけれども、そこでどういう感染対策が講じられているか把握しているでしょうか。
【学事振興課総括課長】
私立高校等のコロナ対策の状況でございますが、まず文科省からは通知が逐一きておりまして、学事振興課と教育委員会にきておりまして、各学校にその感染対策、随時変わってきますので、それは時間を置かずにすぐ各学校に周知をしております。それから県教委が独自に対応するという通知がございます。それも我々情報共有しまして、私立高校等には情報提供しております。それから、新型コロナウイルス感染症対策の本部員会議等、知事メッセージ等も時間を置かずに周知して、感染拡大防止対策の徹底について県からお願いしているところでございます。
それらを踏まえまして、学校の方では、現場の感染対策をしていただいていると思っておりますが、13校ございます私立学校のうち、11校に寮または寄宿舎がございまして、そこでのクラスターとか感染拡大がされているというのが特徴でございます。それらにつきまして、やはりその学校のあります保健所と連絡をとって、保健所指示で動くわけですけど、爆発的に増えますとなかなか保健所の手も回らないということで、学校の方で独自に判断をして対応していたという部分も多くございました。
そういう状況ございましたので、我々の方としましては、2月24日〜27日まで4日間でございますが、感染が拡大している私立学校と保健所の連絡調整がなかなかタイムラグがあって、そのうちに感染が拡大するという状況がございましたので、うまく連絡調整できるようにするために、当部の方から私学のリエゾンということで、1人保健所の方に派遣をしまして、感染が拡大している保健所に派遣をしました。保健所からなかなか学校に連絡がこないという状況を学校からお聞きしておりましたので。それで、本庁の保健福祉部とも連携を図りながら、保健福祉部の方は本来の保健所の支援強化ということで、それと合わせまして、当部からは1人リエゾンを出して、連絡がうまくいくように連携を図ったところでございまして、私立学校と保健所の支援を行ったところでございます。それで何とか名簿の作成ですとか、保健所が指示をできるようになる体制を組んで、あとは現場で学校がお困りのこととか、そういうことはくみ取って保健所とつないで、窓口を一元化して対応したというところでございますが、やはり寄宿舎とか寮の方で発生したのが大きかったかなと考えてございます。
【斉藤委員】
丁寧な答弁でした。本当に私学ですからね、寮で発生すると県内全域に広がるというのが特徴だったんですね。土日に帰るとか、そういう形で。寮対策というのが大変大事なポイントではないかと私も感じているところであります。
・学びを継続するための緊急給付金について
【斉藤委員】
次に、コロナ対策で、学生の学びを継続するための緊急給付金というのが実施をされていますが、昨年度・今年度の実績、来年度はどうなっているかも示してください。
【学事振興課総括課長】
学生給付金の状況でございますが、まず今年度から申し上げますと、国の補正予算によりまして実施されております、学生等の学びを継続するための緊急給付金というのが今年度も引き続き措置をされております。県内の大学・短期大学・専門学校等で支給をされております。就学支援金新制度の利用をしている学生につきましては、口座が分かっているということで、この口座の方には速やかに支給をするということに今年度なっておりまして、県全体で1460人の支給がございます。そのほか、家計急変ですとかアルバイトでの収入が落ちたというような個々の状況による申請に基づきまして、大学等が日本学生支援機構に推薦をするという手続きをとっている学生が821人おります。合わせまして今年度、国の補正対応で2281人に支給されているということでございます。さらに、現在各大学に確認しましたところ、日本学生支援機構から追加の申請を受け付けるというところで今手続きをしていることで、今後支給者数はさらに増加すると考えております。
令和2年度の支給実績お答えいたします。昨年度は、非課税世帯の方に支給額が20万円でございますが、県内の大学等833人に支給がございます。課税世帯でアルバイト等で学費をまかなっている方とか収入が大幅に減ったというような世帯は10万円支給ですが、1122人、合わせまして昨年度は1955人に支給しているということでございます。
来年度の状況でございますが、来年度の給付金につきましては、現在国の方からは、令和2年度・3年度と同様の情報というのはきておりません。
県としましては引き続き、新型コロナウイルス感染症の動向を注視しまして、令和2年度・3年度と同様の給付制度につきまして、必要に応じて国へ要望してまいりたいと考えております。
【斉藤委員】
昨日の国会でこういう議論がありました。今年度の9ヶ月間で、コロナの感染拡大で学業を断念したという、これは文科省の調査で7800人、昨年度は5800人だったと。いわば2000人ぐらい今年度増えているようですが、岩手県内でコロナ感染の拡大で学業を断念したという実態は把握されているでしょうか。
【学事振興課総括課長】
我々が確認しているところですと、今年度の4月〜8月の前期で把握している状況がございまして、中途の退学者につきましては、県内では令和3年度の前期でございますが26人ございました。そのうちコロナ感染症の影響によるものを確認しましたところ、その関係での中途退学者はゼロということでございました。
続きまして休学者の状況でございますが、同様に今年度前期の状況でございますが、県内で休学されている方は200人おります。そのうちコロナの影響で休学されている方は10人ございます。このうち県立大学につきましては詳細にお聞きをしておりまして、県立大学のコロナによる休学者は7人おりましたが、このうち6人は留学生で、なかなか日本に入って来れないという状況がございます。もう1人は大学院生ですけれども、病院とかに行って研究をされることをされていて、いま学生が病院に入って活動するということができなくなり、やむを得ず休学しているとお聞きしております。
【斉藤委員】
分かりました。岩手の場合は、まだ前期だけだということですけれども、全国的にコロナで学業を断念という数が、全国的な比率のようには出ていないと、こういうことなんでしょうかね。分かりました。
・県立大学の就職状況について
【斉藤委員】
次に、県立大学の就職状況についてお聞きをいたします。
県立大学の就職状況、就職者数、就職率、これ学部ごとに。そして県内就職率についても示してください。
【学事振興課総括課長】
まず、県立大学の全体の就職状況でございますが、県立大学の卒業生全体の就職状況につきましては、直近5カ年の推移でございます。4学部の合計で、おおむね5カ年の状況で390人〜420人程度で推移をしております。学部別に見ますと、看護学部は定員90名でございますが90名程度でございます。社会福祉学部も定員90名に対して90名〜100名ほどの就職状況でございます。ソフトウェア学部は定員160名に対しまして110〜120名程度でございます。総合政策学部は100名の定員で100名程度で推移していると。また2つの短期大学がございまして、定員それぞれ100名ずつ200名、おおむね120名〜140名程度で推移をしておりまして、短大別でございますと、盛岡短期大学は100名の定員で60名程度、宮古短大につきましても定員100名のうち50〜70名程度が就職をしているところでございます。
就職率でございますが、4学部の合計で、この5年間で96〜99%台で推移をしておりまして、学部別ですと、看護学部は5年連続で100%、社会福祉学部は98〜100%で推移しております。ソフトウェア学部は93〜99%台。総合政策学部は94〜98%台で推移しております。短期大学ですと90〜94%台で、盛岡短期大学は89〜93%台、宮古短大は88〜97%台でございます。
そのうち県内就職の状況でございますが、4学部合計でおおむね160〜190名程度でございます。学部別に見ますと、看護学部で40〜50名程度、社会福祉学部で50〜60名程度、ソフトウェア学部で20〜30名程度、総合政策学部は50〜60名程度で推移しております。短大ですと、2短大合計で80〜90名程度でございます。短大別に見ますと、盛岡短期大学で40名程度、宮古短大で30〜50名程度で推移しております。
これを率にしますと、県内就職率は、4学部の合計で直近5カ年でございますが、41〜46%台で推移しているところでございます。学部別で、看護学部は43〜51%台、社会福祉学部は48〜62%台、ソフトウェア学部は16〜26%台、総合政策学部は51〜61%台で推移をしております。2短期大学の合計は64〜74%台で推移をしているところでございます。うち盛岡短期大学で62〜72%、宮古短大につきましても同様の62〜73%台で推移をしているという状況でございます。
【斉藤委員】
令和2年度を見ると、4大で言うと、看護学部が45.3%、社会福祉学部が55.7%、ソフトウェア情報学部が16.5%、総合政策学部が51%、4学部合計で41.3%で、この5年間で比較すると令和2年度が一番低かったと。県内就職率を高めるというときに、このようになっているんですね。なぜこうなのか。目標と比べて、目標達成に向けてどのように取り組んでいるのか。令和3年度の見込みを含めて示してください。
【学事振興課総括課長】
まず令和3年度の1月現在の状況からご説明をいたしますと、就職状況につきましては、4学部で現在92.8%でございまして、前年同期が93.6%でございますので若干低い状況でございます。うち県内就職率でございますが、4学部で47.8%ということで、昨年度の同期40.2%でございますので、7.6ポイント上回っているという状況でございます。
県立大学では、昨年度よりは県内就職率は高い形で推移しておりますが、まだ途中とということで分析の方はまだし切れていない状況とお聞きしております。ただ、去年のデータも見ますと、ほぼこの数字が最終的には近い形で3月以降を迎えるだろうと、大きくは変わらない状況ですので、今年度は高くなってきたのではないかと考えております。
県と県大の就職率の目標達成に向けた取り組みでございますが、県立大学では、県内就職率の向上に向けまして、学内の合同企業説明会、それから地元企業等への訪問によるニーズ把握、就職先の開拓とともに、学生の早い段階から県内企業の理解を深めるために、低学年向けの業界研究セミナーの開催等に取り組んでいるところでございます。令和2年度からは、学生が早期に県内企業への理解を深めるために、低学年時向けの地域学習課目というものを開講しておりますほか、今年度はキャリアコンサルタントの有資格者を3〜4名に増員をしまして、学生相談体制の強化をするなどの新たな取り組みも実施しているところでございます。学部ごとですと、看護学部では、県内の病院の看護部長さんとか卒業生を講師とするセミナーを支援、社会福祉学部も県内の施設での実習をして理解に努めて、ソフトウェア学部は、いわて情報サービス産業業界等と連携をしまして、県内企業と学生の交流の場ということで、就職フォーラム等を開催しております。総合政策学部では、地元企業の魅力を探求する授業科目ということで、地場産業・企業研究の講座というものを開講しておりまして、各学部でそれぞれ特徴に合わせた取り組みをしまして、県内就職率の向上を図っているところでございます。
また県としましても、昨年6月に設立しました「いわて高等教育地域連携プラットフォーム」がございますが、高等教育人材の県内定着推進ワーキンググループというところで設置したところでございまして、大学・産業界・県等でワーキングの活動を通じまして、新たな切り口で各関係団体で課題の洗い出し等を進めていって県内就職率の向上に向けて取り組んでいるところでございます。