2022年3月3日 文教委員会
文化スポーツ部に対する質疑
(大要)


・文化スポーツ分野における新型コロナ対策について

【斉藤委員】
 文化スポーツ部の新型コロナ対策の今年度の実績と、文化・スポーツ団体の状況について示してください。

【文化振興課総括課長】
 新型コロナ対策の文化の今年度の実績と文化芸術団体の状況についてでございますが、まず今年度の実績につきましては、文化芸術活動が中止・延期を余儀なくされている状況を踏まえまして、県内文化芸術団体の活動継続・再開を支援いたします「いわて文化芸術活動支援事業」を実施しております。これは補助事業でございますが、今年度は19件の支援を見込んでいるところでございます。また、補助事業でございますけれども、県民会館および公会堂のホールの利用促進を図るために、いわて文化施設利用促進事業を実施してございます。こちらは、今年度は132件の支援を見込んでいるところでございます。
 また、文化芸術団体の状況についてでございますが、定期的に一般社団法人岩手県芸術文化協会の加盟団体等を対象といたしまして、文化芸術活動へのアンケート調査を行っておりまして、直近では1月末に調査を実施したところでございます。この調査の結果、活動の自粛が続いていると答えられた団体の割合は3割を超えているという状況でございます。
【スポーツ振興課総括課長】
 続きまして、スポーツ分野における新型コロナ対策の今年度の実績についてでありますけれども、県有スポーツ施設における感染症予防対策といたしまして、スポーツ施設感染症予防対策事業において、県営武道館に空調設備を設置いたしましたほか、県営運動公園など5施設で計79台のトイレの洋式化の整備を進めまして、年度内にすべてが完成する予定となっております。
 また、コロナ禍においても、子どもたちがスポーツに親しむ機会を確保するために、地域活性化スポーツ推進事業におきまして、県内トッププロスポーツチームと協働いたしまして、延べ1800人の子どもたちを試合観戦に招待する取り組みを進めているところでございます。
 さらに、スーパーキッズ事業へのリモートの参加を可能とするために、オリンピック選手等育成強化事業におきまして、113台のタブレットの整備を進めております。
 ということで、安全に県民がスポーツに親しむ機会の確保を図ってまいったところでございます。
 それから、スポーツの団体の状況についてでありますけれども、こちらも文化さんと同様、定期的にスポーツ活動への影響調査を実施しておりまして、直近では今年の1月末に調査を実施したところでございますが、この結果、現在の活動状況については、「最近になって活動が停滞してきた」と答えた団体の割合が30.5%ともっとも多くございまして、前回の11月の調査ではこの項目は0.9%だったんですけれども、大幅に上昇しているという状況でございます。

【斉藤委員】
 分かりました。文化団体もスポーツ団体も、新型コロナが2年数ヶ月続いていますので、なかなか本格的な活動の再開に至らないという感じだと思いますが、しかし文化・スポーツ活動というのは、私たちの生活にとって欠かせない分野だと思いますので、そしてこの間、今は本当に岩手のコロナの急拡大というのは一番の危機的な状況なんですけれども、しかしさまざまなワクチンなり治療薬なり、こういうのも出てきている中で、まったく活動を中止するのではなくて、そういう状況の中で活動を継続するような取り組みもまた今努力されているのも事実だと思います。そういう点で、しかし感染急拡大が続いていますので、私はそういう中でどういう支援が必要なのか、どういう活動ができるのか、よく団体の意見・要望をしっかり聞いて、実態・要望に合った支援策を進めていただきたい。
 そこで、来年度の文化・スポーツ分野における新型コロナ対策、文化・スポーツ団体への支援はどのように予算化・事業化されているでしょうか。

【文化振興課総括課長】
 文化芸術団体への支援、来年度の予定でございますけれども、先ほどもご答弁申し上げました補助事業であります、文化芸術団体への補助事業であります「いわて文化芸術活動支援事業」につきましては、来年度も継続する方向で予算案に計上しているところでございます。こちらを使いましてですね、発表の機会と鑑賞の機会を確保していきたいと思ってございます。さらに、岩手芸術祭総合フェスティバル、それから民俗芸能フェスティバルの方も継続して実施してまいりたいと思っておりますし、こちらについてはライブ映像配信を引き続き行うこととしておりまして、多くの方々に広報いたしまして、会場にお越しいただけない場合についても、ライブ、ウェブでご覧いただくような機会を確保したいと考えてございます。さらに、障がい者芸術でございます、アール・ブリュット巡回展示につきましても、引き続き実施してまいりたいと思います。さらにこちらは、ウェブでも作品がご覧いただけるような機会を作っていきたいと思います。
 だんだんに文化芸術活動につきましては、感染対策のノウハウも積み上がってきているというところもありますし、各団体さんごとにいろんな情報交換をしているというような状況も見えてきております。ですので、感染対策をとりながら、県民の文化芸術活動の発表・鑑賞の機会を確保してまいりたいと思っております。
【スポーツ振興課総括課長】
 スポーツにつきましても、来年度におきましては、県民の皆様、あらゆる分野の皆様に対しまして、今年度引き続きスポーツの振興に向けて事業を進めていきたいと思っております。
 生涯楽しむ分野でございますと、高齢者も障がい者の方々も、あるいは共生して一緒に進めるようなスポーツの取り組み、そのようなものにも事業を進めたいと考えておりますし、人的・経済的交流の部分に関しましても、いろいろな大会ですとか、合宿、そのような取り組みもあわせて進めるように考えております。
 また、競技力向上というものはもちろん、そこも今年度に引き続き力を入れて頑張っていきたいということで考えております。
 特にも先ほど委員ございました、コロナに対策を打ちながらという観点はどうしても必要となってまいりますので、来年度は本県でマスターズの岩手大会がございますし、あるいは冬季国体のスキーの大会がございますので、関係者等のPCR検査も含めました万全な感染対策を打ちながら、こちらの方を成功に導きたいと思っておりますし、今年残念ながら中止になりました国体ですとか、障がい者大会、ねんりんピック、そちらにつきましても来年はぜひ皆さんに参加していただけるように準備をして進めてまいりたいと考えてございます。

・岩手出身者のオリンピックでの成果について

【斉藤委員】
 最後の質問ですけれども、夏冬のオリンピックにおける成果、レガシーをどのように岩手県の活動に生かしていくのかということでお聞きをしますが、夏のオリンピックというのは、まさに首都東京が感染爆発の中で開かれたというので、その是非は検証を含めて問われるんだと思います。それはまた別にして、夏も冬も岩手出身者の活躍がありました。この岩手出身者の活躍を今後どう生かすのか、そのことについてお聞きしたいと思います。

【スポーツ振興課総括課長】
 本県縁の選手の大活躍についてでございますけれども、今年度は夏と冬続けてオリンピックが開催されまして、こちらは過去最多の本県縁の選手が出場して大活躍したところでございます。
 選手達からは、本当に私たち県民に元気・勇気・夢・希望・感動、届けていただきまして、まさに県民のスポーツに対する関心も大いに高まっているところでございますので、スポーツの力をぜひ今後に生かしていく必要があると認識してございます。
 今後に向けましては、まずオリンピック選手等育成強化事業におきまして、引き続きオリンピック選手をはじめとして、新たな有望選手も含めました強化指定選手に対して、遠征費用などの活動支援を行いながら、各選手のさらなるレベルアップ、あるいは次に続く世代のモチベーションのアップ等につなげていきたいと考えております。
 また、今回長年の取り組みが実りまして、大きな花を咲かせました「いわてスーパーキッズ事業」、こちらについても、スーパーキッズに対するオリンピアンからのメッセージですとか、あるいはビデオレター、直接指導なども企画・調整していきたいと考えております。
 さらに、北京オリンピック・パラリンピックに出場した選手たちを称える場を設けたいと考えておりまして、県民みんなで感謝をお伝えして、感動もまた再び味わいながら、また体験談等もお伝えいただきながら、本県のスポーツの一層の機運醸成ですとか競技力向上に生かしていきたいと考えております。

・スーパーキッズの取り組みについて

【斉藤委員】
 いまスーパーキッズ事業ということも紹介ありました。小林陵侑選手が第一期生でしたかね。そういう点ではその成果が出ているんだと思います。
 同時に、このスーパーキッズの取り組みというのが、エリート育成だけにとどまらないで、スーパーキッズを体験した選手が自分の学校で、地域で、いわゆるスーパーキッズというのは、もっとも科学的で合理的なトレーニングを受けられるんですよね。だからそういうことがスーパーキッズを通じて、普及されると、共有されるということが必要なのではないかと。
 残念な事件があって、スーパーキッズで陸上で本当に優秀な選手が、顧問の先生が科学的なトレーニングではなくて、自分の言うことを聞けというような、そういう形で「潰された」と。これ深刻な事件で、この顧問教師は処分をされるということがありました。こういうことは絶対にあってはならない。だからこのスーパーキッズでの最先端の科学的なトレーニングが、そのことを通じて、指導者にも、一緒に活動する子どもたちにも広がるような、そういう取り組みにぜひしていきたいと思いますが、そういう点はどのように行われているでしょうか。

【スポーツ振興課総括課長】
 今まさに委員からご指摘いただきました点につきましては、非常に大切な部分だなと我々も考えておりまして、日頃から取り組みを進めてございます。
 いわてスーパーキッズ事業につきましては、いわゆる長年取り組んでまいりました蓄積ですとか、あるいは最新の知見に基づいた充実した内容となっておりますので、県内のキッズ以外の子どもたちにも広く触れてもらえるように、例えば、ホームページにおいて、現在共有体験トレーニングですとか、スポーツ・栄養に関する講座などの活動記録を定期的に配信しております。そのほか、キッズ事業の体験会につきましても、沿岸をはじめといたしまして県内各地で実施しているところでございます。
 また、県ではスーパーキッズが在籍する小中学校を訪問いたしまして、事業の取り組みについて学校と情報交換を行いますとともに、募集の際、各地区を巡回して、応募ですとか事業の効果について広く子どもたちに伝えていただくように、学校に依頼をしてございます。さらに、メンタルトレーニングですとか、コンディショニング等のスポーツ医科学に関する取り組みにつきましては、小中学校のほか、市町村の体育協会・スポーツ協会ですとか、あるいは民間の事業所等に対しまして、知見を有する講師を派遣して、スーパーキッズ事業と同水準の講座を行っておりまして、子どもたちはもちろんでございますが、大人の皆さんの心身の健康づくりにも寄与しているところでございます。
 今後引き続き取り組みを進めまして、子どもたちをはじめとして、県民の全体の能力の向上ですとか健康増進に生かしてまいりたいと考えております。

【斉藤委員】
 これ最後にしますが、不来方高校事件を昨日取り上げました。強豪校のバレー部の顧問でしたけれども、その指導内容というのは驚くべき暴言・叱責、大会で負ければその生徒の責任にすると。「お前の責任で負けた」と。これは一高のときもそうでした。不来方のときもそうでした。こういう指導というのは絶対あってはならない。いまメンタルトレーニングの重要性ということも指摘されましたけれども、やはり指導者というのは、技術的な指導というのが中心なんだけれども、この暴言・叱責、こういう古いパターンというのは絶対に戒めるべきですよ。いわば本番で力が発揮できるメンタルトレーニング、そういうこともまた今本当に大事なことになっているんじゃないか。もう一流の選手は、本番でどうやって実力を発揮するかという特別のトレーニングをしていますが、私はこの県の中学校・高校での強豪校といわれるようなところでは、やはり根性論ではなく、本当に実力が発揮できるしっかりした科学的なメンタルトレーニングというのも、指導者が身につけないとだめだと思いますが、その点いかがでしょうか。

【スポーツ振興課総括課長】
 いま委員ご指摘の通りだと考えております。その通りに我々も日々進める努力をしておりまして、やはり先ほどご質問いただきました競技力向上の関係の事業の中にも、当たり前にその部分を取り込みまして、それがなければ競技力も向上しませんし、あとはもちろん生涯皆さんの全体にも広がらないと考えておりますので、新年度の事業においても、そちらの方はいろいろな科学的なアプローチができるように、そして指導者に対する資質向上の部分の取り組みも進めていきたいと考えておりますので、今後とも取り組んでまいりたいと考えております。