2022年3月9日 予算特別委員会
警察本部に対する質疑
(大要)


・警察官の不祥事案について

【斉藤委員】
 最初にですね、本会議でも取り上げたんですが、警察官の不祥事案ですね。残念ながら最近も重大な事案が発生をしています。
 2月23日に、これは奥州署ですけれども、特別公務員暴行陵虐の容疑で巡査部長が逮捕されています。これは大変重大な事件だと思いますけれども、この発覚の経緯、事件の内容を示してください。

【参事官兼首席監察官】
 本件の発覚の経緯ですけれども、当該被害者である女性留置者がですね、被疑者となった勤務員とは別の勤務員に対して犯罪の申告をしたということであります。
 事案の内容ですけれども、奥州警察署留置施設の勤務員である当該警察官が、昨年12月ころ、同署留置施設内において拘留されていた女性留置者に対してわいせつな行為を行ったというものであり、特別公務員暴行陵虐罪で2月23日に逮捕しております。

【斉藤委員】
 新聞報道では、容疑者は否認をしているということですが、今でも否認しているんですか。

【参事官兼首席監察官】
 現在の供述状況につきましては、捜査中ということで答弁を差し控えさせていただきます。

【斉藤委員】
 県警本部長、職権を乱用してこうした事件を引き起こすというのは本当に凶悪な事件だと考えますけれども、県警本部長はこれをどう受け止め、どう綱紀を粛正しようとしているか示してください。

【警察本部長】
 今回の警察官の逮捕につきましては、被害者の方にまず多大な苦痛を与えましたことを深くお詫び申し上げますとともに、県民の皆様に対しましても警察に対する信頼を著しく損なう、失墜させる重大な任務違反行為ということで、大変申し訳なくお詫びを申し上げるところでございます。
 また今後ですね、発生原因、背景等いま捜査中でございますけれども、その結果を踏まえて問題点を解消していって、同種の事案が発生することがないよう、適正な留置管理業務の推進を図りながらですね、県民の皆様の警察に対する信頼回復にしっかりと努めていきたいと思っております。

【斉藤委員】
 私は本会議でも県警本部に関わって、強制わいせつとか女性に対する不適切な行為とか多すぎると、こういうことを指摘をいたしました。それが最悪の形で出たのが今回の事件ではないかと思いますので、改めて本当にこの問題を徹底して、率直に言えば県警の体質になっているのではないかと思うぐらい私は危機感を感じます。本当にこうしたことが再び起こらないようにやっていただきたい。
 もう1つなんですが、捜査資料を20年以上にわたって庁外に持ち出していた事案について、これは所属長訓戒の処分だったと。この程度の処分で済むような事件じゃないと思うんですよね。20年以上にわたって捜査資料が庁外に持ち出されていた。これなぜ持ち出したんでしょうか。何かに使おうとして持ち出したんじゃないでしょうか。それは徹底して調査されたんでしょうか。そしてその処分が、懲戒処分ではない訓戒処分程度で済むと判断した根拠はなんでしょうか。

【参事官兼首席監察官】
 本件につきましての調査でありますが、調査につきましては徹底して行っております。また、捜査資料を20年間にわたって保存していたということでありますけれども、これにつきましては、この者が異動期にですね、分別・廃棄する時間がなくてですね、段ボール箱に入れて持ち出したものであります。いわば、処分しないで異動の度に自分で段ボールに入れて、それを20年間ずっと異動の度に運んできたというような事案であります。
 そういうことで、本件におきます所属長訓戒につきましては、事案の内容および全国・県内におけるこれまでの先例を踏まえまして厳正に対処したものであります。

【斉藤委員】
 転勤の度に持ち出したというのは大変なことですよ。たまたま持ち出したことがあったというなら訓戒でいいかもしれないけれども、20年間にわたって繰り返しやっていたとなったら常習犯ではないですか。これ個人情報ですよね。捜査情報ですよ。これが本当に関係者に渡ったということになったら大変なことになりますよ。訓戒処分で済むような事件じゃなかったと。これは身内に甘い体質が出ているんじゃないか。
 もう1つ追加してお聞きします。これは12月22日に処分されているんですけれども、男性警部によるセクハラ行為で減給10分の1・6ヶ月の懲戒処分がなされています。かなり重い処分だと思います。ところが調べてみますと、この事件は平成31年3月の事件なんですよ。なんで去年の12月22日の処分になるんですか。このことを示していただきたい。

【参事官兼首席監察官】
 本件はですね、2年以上前の事案がなぜ今ごろ処分になったのかということでありますけれども、この被害にあった女性が当時ですね、大げさにしたくないという気持ちもありまして、相談すべきかどうか迷っていたということで、最近になりまして上司といろいろセクハラについての話をする機会がありまして、その当時と違って気持ちの整理がついたということで本件を相談するに至り、調査が開始されたという経緯であります。

【斉藤委員】
 2つ問題があると思います。1つは、そういうセクハラ行為を受けても気軽に訴えられるような体制になっていないじゃないかと。もう1つは、この処分から見たら、かなり深刻なセクハラですよ。6ヶ月の減給処分ですからね。かなり重い処分。だからかなりのセクハラ行為だったと想定されます。
 そういう意味で、先ほど言ったけれども、本当にこの県警の体質を風通しの良いものに。そして本当に女性を尊重する、私はジェンダー平等と言ったけれども、そういう組織に本気で改革を図る必要があるんじゃないか。これも本部長に聞きましょう。

【警察本部長】
 ご指摘のことにつきましてはですね、まずはセクシャルハラスメントにつきましてですけれども、この防止のため、さまざまな会議等の機会において指示等を徹底してまいっております。今後も引き続き教養をしっかりとやっていきたいと思います。
 また、男性職員に対する女性活躍のための育児の参加を促すなど、いわゆるジェンダー平等・女性活躍に向けたさまざまな取り組みもしっかりと推進していきたいと思っております。

【斉藤委員】
 私は、県警本部が超過勤務の縮減や手当を最近は100%支給していると。こういう改善を図っていることは評価していますから、悪いことだけ言いません。そこは指摘をしておきたいと思います。

・飲酒運転事故について

【斉藤委員】
 次はですね、飲酒運転事故についてお聞きをいたします。
 昨年6月に、千葉県で下校中の小学生の列に飲酒運転のトラックが衝突して、2人死亡・3人がケガと、大変痛ましい事故があったことは記憶に残っている事件であります。
 そこで、県内における酒気帯び運転、酒酔い運転の実態、この間の推移はどうなっているでしょうか。死亡事故、傷害事故も含めて示してください。

【交通部長】
 酒気帯び運転、酒酔い運転の実態についてでありますが、県内の過去5年間の検挙状況、酒気帯び運転、酒酔い運転合計しまして、平成29年は359件、平成30年は341件、令和元年は330件、令和2年は338件、令和3年は320件となっており、昨年の検挙件数は一昨年と比較してやや減少傾向にあります。
 それから死亡事故の関係でございますが、飲酒に起因する死亡事故につきましては、平成29年が3件、平成30年が3件、令和元年が1件、令和2年が4件、令和3年が2件となっております。

【斉藤委員】
 本当に命に関わるような飲酒運転、これ検挙件数ですよね。これが令和3年320件、平成29年が一番多くで359件。300件以上毎年発生しているということは大変驚きました。そして死亡事故がこの5年間で12名、毎年発生をしています。負傷事故はこの5年間で106件。ですから死亡事故と合わせると118件。飲酒運転というのは本当に命に関わる深刻な事件だと思います。
 千葉県のこういう事件で大きな社会問題にもなっていますし、かなり以前に、二戸市の道路で通学中の子どもが飲酒運転で亡くなるという痛ましい事件がありました。なぜこういう飲酒運転が毎年300件以上も発生しているのか。根絶できないのか。県警はどう取り組んでいるのか示していただきたい。

【交通部長】
 飲酒運転等の根絶の取り組みについてでありますが、現在も行っておりますけれども、事故実態や取り締まりの状況の分析結果に基づく、夜間における一斉検問をはじめ、千葉県八街市の事故におきましては日中でしたけれども、お酒を飲んでいたということがありますので、日中の検問、これらを推進するほかに、コンビニ等をはじめ酒類販売業者に対して飲酒運転に関する情報を得た場合の通報を協力依頼するなど、関係機関・団体と連携し飲酒運転等の根絶に向けた取り組みを強化していきたいと思います。
 なお先ほど検挙件数でお話しましたが、私もあれはあくまでも飲酒運転をしている氷山の一角であるととらえておりますので、今後も引き続きですね飲酒運転の取り締まりは強化していきたいと考えております。

【斉藤委員】
 いま答弁あったように、先ほどの答弁は検挙件数ですから、それが300件以上なんですよ。おそらくこの数倍、下手すれば10倍になるかもしれない。そしてだいたい常習ですよ飲酒運転というのは。たまたまの例というのは少ないと思うんですね。常習が多いと思うんですよ。私はやはりああいう千葉の事件が起きたときに、全国的にキャンペーンをはって、徹底した検問とかやって、本来なら今コロナですよ。令和3年は減っていてもおかしくないんですよ。それが検挙件数として減っていないんだから。大変厳しい状況にあるのではないか。ぜひ飲酒運転は「根絶」をすると。
 あと合わせて、おそらく居酒屋等で酒を飲んだ、自宅もあるでしょう。例えば居酒屋だったら、本来飲んでる人に運転させてはならないですよね。これはどのようにやられているんですか。関わって検挙された例もあるんですか。

【交通企画課長】
 飲食店等における周辺三罪と言いまして酒類提供等の検挙でございますけれども、手持ちに資料はございませんけれども、数年前にやはり提供ということで検挙した事例があったようには記憶しております。それで各飲食店におきましてですね、広報のチラシ等を配布しておりまして、例えば分かりやすいようにトイレに、飲酒運転はこういう重大事故につながって大変凶悪な罪であるというようなポスター掲示をしたりですね、あとは安全協会さんが主体となっておりますけれども、ハンドルキーパーということで、もし車で行かれた場合には、必ず運転する人を1人決めて、その方が安全に送り届けるような活動ということで、そのような働きかけも進めているところでございます。

【斉藤委員】
 ぜひ居酒屋・飲食店等にもこの趣旨を徹底して、根絶を図る取り組みに本腰を入れて取り組んでいただきたい。終わります。